評価

どろどろした人間模様の本の後は浅田次郎さんに限る。人生の喜怒哀楽が心にしみいる6編。@夕映え天使A切符B特別な一日C琥珀D丘の上の白い家E樹海の人
@夕映え天使
さびれた商店街の小さな中華料理店に天使のように舞い降り、はかない思い出だけを残して突然去った女・純子。
A切符
父母が離婚し、祖父に引き取られた少年が繰り返す「さよなら」が胸に迫り、最後に少年が命を絞るほどつらい思いの末に声に出す「さよなら」
B特別な一日
サラリーマンの平凡な定年の一日の物語と思いきや、な、なんと、のSF小説
C琥珀
定年を目前に控え、三陸へ一人旅に出た警官。猟師町で寒さしのぎと喫茶店へ入るが、目の前で珈琲を淹れている男は交番の手配書で見慣れたあの・・・たぶんモデルは久慈。
D丘の上の白い家
丘の上の天上界に住む少女と不幸のさまをさまざまに異にしている貧しい少年たちが交わることで起こる悲劇。
E樹海の人
ある小説家が自衛隊員だった頃、演習で遭遇した不思議な出来事を回想する、寓話性を盛り込んだ浅田さんの自伝的物語。
東京のやさぐれ高校生の話にはなじめないけど、こういった話は大好き。さすがは浅田次郎、引き出しが多い!
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