ドイツパンの店タンネ 東京都中央区日本橋浜町2−1−5 営業時間 平日 8:00〜19:00 土曜 8:45〜18:00 日祝休み(ただし12月23日は営業) http://sites.google.com/site/doitsupantanne/ (夏季および年末年始に休業あり)

2005/8/31

ドイツパン雑感  ちょっと余談

ついに8月も最終日、夏休みが終わるのを惜しむような暗い空模様の東京です。
4回におよんだドイツ雑感も、パンの話を最後に一区切りとしようと思います。

ドイツへ行くと、もちろんパン屋さんをたくさんのぞいてみます。以前にタンネで
働いてくれていたマイスターの店へも遊びにいきますが、街々のいろいろな店を
見て歩くと、パンにも「流行」があることがわかったり、なかなか楽しいものです。
例えば或る年は、ブレッツェルに岩塩の代わりにゴマや種を付けるのが流行って
いて、帰ってから早速マネしてみたのですが、あまり評判よくありませんでした。
次の年に行ってみると、アチラでもそのスタイルは殆ど消えていて、なぁんだ
ドイツでもすぐに飽きられちゃったんだな、と思ったことがありました。

今年の印象は、実はあまり楽しいものではありません。なんといってもパンの
価格破壊がすすみ、インスタントな品作り・大量に機械生産をした冷凍パンを
店頭で焼き上げるだけというものが俄然増えました。一番安い店では、カイザー
ゼンメルが12k(17円位)でした(!)  そういうパンは、国境を越えた
ところの工場で作られていることも多く、地域色の強いドイツパンのこだわりは
何処へいったのか、買い物に集まる多くのドイツ人を見ながら複雑な気持ちでした。
焼きたてはふわっとしているし、とにかく安いし、文句などあろうはずがない、と
いう人も多いのでしょう。でも、ドイツ人が大事にしている、“歯ごたえ”と
“香ばしさ”は、無論ありません。ドイツパンはただの食べ物じゃない、世界に
誇るドイツの文化なんだ!と繰り返しいろいろな人から聞かされてきました。
今や、マクドナルドのパン大好きという若い世代が少なからずいるんだ・・・と
マイスターたちが寂しそうに教えてくれました。

もちろん、泣きたくなるほど美味しい店もあります。お腹いっぱいなのに、もう
ひとつ食べてしまえ、と思えるパン。そしてその店を大切にしている人たち・・・
でも、以前ならドイツでそういう店を探すことは大変でもなんでもなかったの
ですから、そういう店が貴重になってしまったこと自体、ショックでした。私が
日本でやっていることは何なんだろう・・・ただ、昔のドイツを懐かしむような
ことをしているだけ・・・? 時代とともにかわっていくものは当然ですから、
ドイツパンだけがその例外というわけはありません。それでは、伝統的な製法に
こだわる、しかも遠い外国に住む私がこだわる意味は何なのか。すっかり考え
こんでしまいました。

ちょっと、難しい話になってしまいました。このことは、これからずっと頭を
離れないテーマになることは間違いありませんが、今のところの結論はこうです。
東京で、タンネのパンを美味しく召し上がってくださるお客様がいらっしゃる以上
その「美味しさ」の質をもっともっと磨いていくこと、それ以外にはないかな
ということです。その努力をしたうえで、お客様のご支持を得られなかった時に
また考えようと思います。これからも応援いただければありがたいです。
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2005/8/26

ドイツ雑感 3  ちょっと余談

ふぅっ、台風、やっと遠ざかってくれました。皆さん、大丈夫でしたか。
ドイツの洪水も、雨が一段落して落ち着く傾向にあるようなのですが
お話したボーデン湖の湖畔にも1k平米に渡る流木で、水泳もボートも
できない状態だそうです。そうでなくても短い夏が、ボーデン湖からは
去っていってしまったようです。

さて、食べ物の話が続きましたが、去っていく夏を惜しんで
ボーデン湖畔ではどんな風に人々が楽しんでいるのか、というお話。
湖水浴はもちろん一番人気ですが、それは昼間だけとは限りません。
あまり人のいない早朝の湖や、夜半の湖水浴こそ身体にいいと信じている
人も少なくはありません。ですから、20度を下回る水温でも、平気な人は
平気。湖の底は小石だらけなので、痛くないようにゴム靴を履いたまま
すいすいと泳いでいます。それから、ウィンドサーフィンやボートや
ヨットの人も、晴れた日には芋の子状態で湖へ集まってきます。
もうひとつの楽しみは、サイクリング。約300`で一周できるので
一日で回ろうという若い人たちから、滞在先を中心に、2時間くらいの
サイクリングを楽しむ家族連れまで、いろんなスタイルですが、道路に
自転車があふれかえるほどの賑わいです。
今年は、それに加えて、両手にステッキをつきながら歩くスタイルの人たち
を多く見かけました。アルプスの山を歩くときのような格好ですが、街中を
それも案外若い人まで歩いています。駅の売店やスーパーでもステッキを
数多く売っていました。これについては、まだ賛否両論あったようです。

ところで、そういうドイツの人たちは実際にどんな風にパンを食べていたのか
それについてはいろいろお話したいことがありますので、次回にするとして
取りあえず、クヌスパーブロートについてのお尋ねにお答えしたいと思います。
お蔭様で好評をいただいていますので、定番化を考えています。ただし
より一層素朴な感じで、麦の味わいを楽しんでいただけるよう、改良を加えたい
(というより、むしろ“引き算”になるんだろうと思いますが)と思っています。
いろいろやってみますので、是非お楽しみに!そして応援してくださいね!
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2005/8/24

ドイツ雑感 2  ちょっと余談

台風が近づいているようですね。  スイス・オーストリア・ドイツにまたがる
アルプス地方でも先週末以来の大雨で洪水被害で出ています。ほんの10日前
車で駆け抜けた街が水害にあっているようで、暗い気持ちになります。
でも!台風のためにご予定を変更して、おたくでタンネニュースを覗いてくださる
方がいらっしゃるかも・・・と思い直して、ドイツ報告の続きです。

さて、前回はワインのことを書きましたが、この季節、もちろんビールも
美味しいです。ビールも種類が多く、地域性もあります。ボーデン湖の地方では
夏にWeizenというビールが好んで飲まれます。ちょっと濁っているように
みえる軽めのビールに、串切りのレモンをポンと落として飲みます(一度レモンを
絞ろうとして、同席のドイツ人に叱られました)。だいたい、500ml入りの
大きなグラスですが、ミュンヘンに行けばこれは小さいサイズなんだそうです。
このビールは軽いんだから大丈夫!と、友人たちは2杯目を勧めるのですが、
1ℓのビールをお腹に入れるのはちょっと抵抗があり・・・

“軽い”証拠として、例えば、長距離トラックの運転手さんたちがこのビールの
コーラ割りを飲んだりするんだ、とか聞きます。実際、コーラを始めとする
いろいろなジュースや炭酸でビールを割ったドリンクが瓶入りで売られており
若い人たち(州によっては16歳から飲酒できますので)が好んで飲んだりする
んだそうです。甘くって、いかにも悪酔いしそうな味でしたが。

そうでなくても、ドイツ人は「混ぜる」ことが好きです。
子どもたちの好きな飲みものに、Speziというのがあります。辞書によると
コーラのレモネード割りと書いてありますが、実際にはコーラとファンタを半々に
合わせることが多いです。流行の緑茶だってそのままばかりではありません。
洋梨味の緑茶に、レモン味の緑茶・・・毎年みるたびに新しい味が出ています。
ドイツパンの種類が世界一多いのも、こういう“混ぜ物好き”な国民性の表れ
かもしれませんね。  ・・・続く

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2005/8/23

ドイツ雑感  ちょっと余談

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ただいま。たっぷり食べて、でっぷり太ったマウス君と一緒に、ドイツ便りを
お届けしたいと思います。

タンネのふるさとは、ドイツの一番南、オーストリアとスイスとの国境にある
ボーデン湖畔の街です。歴代のマイスターたちも皆、この地域から来ています。
湖は一周約300`、だいたい琵琶湖くらいの大きさです。特に、夏はたいへん
多くの観光客で賑わいます。自転車を積んだ自動車で、ミュンヘン辺りからは
もちろんのこと、飛行機や鉄道でドイツ中から、そして世界中から人が集まって
きます。ですから、この時期は、さすがのアウトバーンも大渋滞。ポルシェも
おとなしく60`くらいのスピードで走らされることになります。

日本ではあまり知られていませんが、この辺はワインの産地でもあります。
湖に面した斜面を使って、白(甘口・辛口)、白発砲、ロゼ(甘口・中辛口)
赤(軽めのものから重いものまで)実に様々な種類のワインが作られています。
有名なところでは、中世のお城があるMeersburgなど。どの街でも
それぞれのワイン作りに専心しています。毎年、昨年のワインの出来を楽しみに
そして滞在中に今年の出来を想像して、また来年の楽しみとするわけです。
今年はお天気があまりよくなく、気温が15度以下に下がる日もしばしばでした
ので、どうなることやら・・・皆ちょっと心配そうでした。ただし、ここ数年
湖面が上昇し(アルプスからの雪解け水が増えているようです)、葡萄畑への
反射がよくなってワイン作りにはプラスの要素らしいです。
でも、それって地球温暖化の影響なの・・・・?
とにかく議論好きのドイツ人は、どんなに美味しいワインを飲みながらでも
お喋りが止まることがありません。

そういうお喋りも、ドイツに滞在する楽しみのひとつです。
タンネの歴代マイスターも、こういう機会には集まってくれるのですが
それはそれはお喋りが盛り上がります。賑やかな話の輪に入りそびれたような
気がして、食事やワインに集中しようものなら、「で、君はどう思う?」と
質問とともに皆の視線がガッと集まり、不自由な外国語で余計に慌てることに
なってしまいます。だから食事に時間がかかるわけですね。7時頃から始めて
だいたい10時は過ぎるでしょうか。いくら暗くなるのが遅いとはいえ、
10時といえば真っ暗ですが、キャンドルの灯りを囲んでお喋りはつきません。

・・・続く
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