東條は風来坊である。
休みの日 一人で川越やら所沢や立川、浅草等
なるべく「シブめ」の町をボエーと歩くのが何より癒される。
美容院も カラーだけはどこでやっても一緒だと思い、
交通費2000円とかかけて力一杯田舎の美容院に行ったりする。
置いてあるファッション雑誌などなく、稲中全巻とか そんなん。
都会を生き抜く私には それぐらい必要なのよ・・
たまに予約を入れようとすると
「すみません、本日は井戸のお水がもうなくて・・・・・・」
と断られたりする。
いまどき井戸汲み上げ式美容院。
ブローはそこでやらせるとマジやべぇ
ビーバップハイスクールの女生徒みたいな観音開きにされるので
たいがい生乾きの頭で「この辺で良かです」(父親は九州)と
店を出る。
なんとも力の抜けた商店街が広がり、
ノースモーカーなのに煙草すいたい
お気に入りのスリッパがもうぼろぼろなので
地元の雑貨やを覗くと
衝撃を受けるほどかわいいスリッパを見つける。
しゅっと細身で、ピンクとブラウンがあって
バレリーナの靴のようなしなやかなラインのスリッパ。
こんなの毎日はいたら すべての行動が
バレリーナになってしまうのではないかというほど素敵スリッパだった。
1500円
家に新しいスリッパごろごろあるしなー
たかがスリッパに1500円ってなんかかけられないなーと
思って いたけど 母親にそれを話すと
「そんなに可愛いなら買えば?
だって。。あなたの成人式の時・・・・」
私の成人式の撮影は ニューオータニでやった。
別に近所でいいじゃーん、と思っていたのだが
振袖も三越で購入、母だけがその仕切りに燃えていた。
母は幼いころに母を亡くしている。
成人式 とか お見合い とか そういう「家に娘がいますよ行事」
お母さんのいる子は、みんなお母さんが気合を入れて
ドレスだ着物だ着飾っていろいろやってもらえるのに
私は 男親だけだから 何にもしてもらえない・・・
自分に娘が生まれたら、張り切ってやる!!って気持ちがあるみたいだった。
ヘアメイク 振袖の着付け 撮影なんだかんだで移動が多く、
そして草履があまりにも痛かった。
そこで母はニューオータニ内でスリッパを探した。
このあたりでスリッパを売ってるところは・・
「あちらにございます」
その時のスリッパ
18000円
「マジで!?・・・・・・買ったの!?18000円!?」
「・・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・・」
あのときのスリッパ あんな高かったのか・・・
それにくらべたら1500円。安いよ。バカ安だよ。安すぎだよ。
しばらく熟考のすえ、数日後購入しました。


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