先日来の桃花台線関連の話題に関しましては、
桃花台新聞様の
「桃花台線」に関する新聞記事でいくつかご紹介があろうかと思いますが、そのなかで、重要な発言な部分をいくつか。
http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20051209/lcl_____ach_____006.shtml
(中日新聞、12/9)
「将来、大きな禍根も」 小牧市長
桃花台線運営引き継ぎ
小牧市東部を走る新交通システム「桃花台線」(ピーチライナー)の存廃をめぐり、中野直輝市長は八日の市議会一般質問で「仮に運営を市が引き継いでも赤字が予想され、市の財政規模では賄いきれず、回収の見込みもない」と強調。「将来に対し大きな禍根を残しかねない」とも述べた。 (木村 靖)
登壇した七氏のうち、桃花台と周辺に住む小柳松夫、西尾貞臣、伊藤博規(新政ク)の三氏が「住民代表」として、市の姿勢や対応をただした。
「ニュータウンへの入居を希望する誰もが、主要交通機関となる新交通システムを、入居決断の大きな要因の一つにした」。小柳氏は、県が居住者人口を三度も下方修正したものの、目標人口の七割にとどまっている現状を挙げ「(存廃議論は)入居者に対する背信行為。県、市ともに抜本的な対応を怠ってきたのは不作為の罪だ」。
西尾氏は「(一九九一年三月の)開業以降、市は自主的、主体的に、改善に向けての取り組みをどれほど実行してきたか」。伊藤氏も住民や土地提供者に対する行政の責任を問題視した。
これに対し、市側は「県と市が十一月に公表した需要予測や収支採算性などの数値は非常に厳しく、進退両難だ」。中野市長は責任論への明言は避け「市は相当程度の支援をしてきた」と答えるにとどまった。ただ、ニュータウンの建設主体で、新交通の筆頭株主である県に対して「単純な数字的判断だけでなく、存廃の社会的影響も考慮し、最終判断するよう申し入れる」と述べた。
いまだに廃止を心配する市民の声があまりなく、市側は「民意」を測りかねているのが現状。そんな「声なき声」も聴くため、県と来年一月半ば、ニュータウンと市中心部でそれぞれ説明会を開く意向を示した。
質問した三氏は「イベントなどで、よくピーチライナーを利用する」が、議場へは「きょうは車で来た」という。
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「ニュータウンへの入居を希望する誰もが、主要交通機関となる新交通システムを、入居決断の大きな要因の一つにした」「(存廃議論は)入居者に対する背信行為。県、市ともに抜本的な対応を怠ってきたのは不作為の罪だ」という点が非常に重要かと思います。しかし、議員三氏ともに、このピーチライナーと深い関わりのある名鉄小牧線の延伸計画が進んでいない問題の因果関係や街と桃花台線を結びつける努力についての質問がなされたかどうかについても深くご質問出来れば、とも感じました。
後にこのことは述べなければならないと思いますが、かつて、小牧と岩倉を結んだ名鉄岩倉支線なるものがございましたが、こちらも、国道バイパスの整備の高架費用が出せないことを理由に廃止となった経緯があります。皮肉なことに確か昭和39年。桃花台線計画が発表される6年前の話になるかと思います。
この計画が名古屋の地下鉄等の答申が昭和47年(と思いますが)には出されておりまして、その中には、7号線として上飯田〜金山間の地下鉄計画も挙げられていたかと思います。
しかしながら、同時に名古屋市は市内の路面電車を全廃する計画が浮上しており、その実行がなされていたときでもありました。
名古屋市営地下鉄の部屋さんの
名古屋市営地下鉄の歴史の中でも述べられておりますが、昭和46年には大曽根まで延伸しておりまして、他方、市電の廃止もほぼ同時期に行われておりましたから、上飯田〜平安通間の問題の認識は県は十分理解できたかと思います(市電全廃は昭和49年の金山〜新瑞橋間開通直前)。
実は、この地下鉄7号線計画は二転三転しておりまして、上飯田から市役所を経て金山(おそらく本町通経由)のものが金山に向かわず、浅間町を経て名古屋に向かうルートとなり、その後、東部線と呼ばれる名古屋大学や星ヶ丘、高針方面に向かうルートと一体となり、丸田町の分岐を行った上で笹島方面に向かうルートに計画が変更になった経緯があります。
この中で、上飯田連絡線と呼ばれる上飯田〜平安通間の部分に関しましては変更がありませんでしたから、この箇所について小牧市や愛知県は名古屋市に暫定でもいいから建設を強く要請したか、という点が桃花台線問題の一つの重要な部分になってくるかと思いますので、この点の質問をご期待したいと思います。
あと、「県と市が十一月に公表した需要予測や収支採算性などの数値は非常に厳しく、進退両難だ」の件ですが、以前でも私が述べましたが、すべて残すべきか、すべてやめるべきか、それとも有効活用出来るところを積極的に活用し、無駄な部分を省くのか、この議論を行ったかどうか(IMTSやガイドウエイバスの場合は第三の道も模索が可能)についても今後議員の発言でご期待致したい質問になるかと思います。
ただ、「将来に対し大きな禍根を残しかねない」の発言に関しましては、二つの意味があるかな、とも思えました。一つは桃花台線が万が一経営不振で債務不履行状態に陥った場合の心配、もう一つは仮に廃止になった場合の施設の撤去と、それに伴うニュータウンの人気の低落によるニュータウンの維持の問題に関わる問題だろうと思います。特にマンション物件に関しましては、最近の設計偽装問題も追い打ちをかけるかと思いますが、それと桃花台線問題がダブルパンチで影響を受けるのではないか、とも受け取りましたが、市長の発言では前者のみの発言のように感じ取れました。
仮に、桃花台線を改良しても、住民だけでの利用面では限界があるのは見えておりますので、周辺の施設、大学や高校を含めた総合的な輸送再編を行う必要がありますが、その点が述べられることを県や小牧市に期待したいと思います。
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http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aichi/archive/news/2005/12/09/20051209ddlk23010026000c.html/
(毎日新聞12/9より)
桃花台線:廃止になったらノ県「バス運行で対応」??県議会企画環境委 /愛知
◇第2期計画ほぼ否定
県が今年度中に存廃を判断するとしている新交通システム「桃花台線」(小牧市)について、「もし廃止になったら」を前提にした議論が8日、県議会企画環境常任委員会で行われた。地元選出の委員が「廃止の場合、(同線を利用する桃花台ニュータウンの)住民の足をどう確保するかが重要」と問いただしたのに対し、県側は「バスによる代替しかない。桃花台線よりも利便性がよくなるよう、県が責任をもって詰めていきたい」と答えた。
桃花台線をJR中央線の高蔵寺駅まで延伸するとの第2期計画が現在も存在する。このため住民の中には、「第2期工事が行われれば利用者が増え、廃止しなくてもいいのではないか」との意見がある。だが県側は、小牧市と高蔵寺駅を結ぶ現存のバス路線の利用者が少ないことや、インフラ整備に1000億円以上かかることを理由に「非常に難しい」と実現可能性をほぼ否定した。
桃花台線は現在、1日平均で約3500人、多い日は3800人以上の利用がある。地元選出委員は「桃花台線を前提にした宅地分譲を行った県には、道義的責任がある」と指摘。渡辺俊司・県企画振興部長は「もし廃止であれば、住民の足の確保は当然、県が責任を持って果たす。バスで直接、市役所や病院に行けるようにするなど、桃花台線よりも使い勝手が良くなったと評価されるようにしたい」と話した。
桃花台線を存続させるには、公的資金の投入が必要とされている。県は現在、地元の小牧市と協議を進め、存続させる場合の負担のあり方について検討中だ。別の委員は「(負担に対する)県のハラを聞きたい」と質問したが、県側は「すべて小牧市に頼るというのはどうか。だが県の税金で賄うのもいかがなものか」とあいまいな答弁に終始した。
県と小牧市、桃花台線を運営する第三セクター「桃花台新交通」は来年1月中旬、桃花台ニュータウンと小牧駅周辺の計2カ所で住民説明会を開催する予定。現在の検討状況を説明すると共に、住民の意見を聞き取り、最終的な存廃判断をするとしている。
【荒川基従】
毎日新聞 2005年12月9日
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まず、申し上げなければならないこととしましては、私が述べていましたガイドウエイバス(IMTS)であります。その案につきましては第二次計画とは全く無関係でありまして、むしろ、不要な施設の撤退を伴った一般路線としてのバス延伸を含めた改良提言であります。
さて、仮に廃止になった場合の話の中で、渡辺俊司・県企画振興部長の「もし廃止であれば、住民の足の確保は当然、県が責任を持って果たす。バスで直接、市役所や病院に行けるようにするなど、桃花台線よりも使い勝手が良くなったと評価されるようにしたい」の部分は非常に重要になるかと思います。これは、ダイアや路線設計のプロデュースはもちろん、最悪赤字になっても県が補填しますよ、というメッセージも含まれているかもしれないからであります。すなわち存続も廃止もどちらにしても一定の公的負担は県が行うことも考慮する、とのメッセージにも受け取りました。
今後共々、桃花台線の写真を提供して、問題の本質に突き詰めたいと思います。

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