この記事の続きです。
さて、私も、中間としての桃花台線問題の総括をしたい。
1)なぜ、過大な投資を行ったのか?
恐らく、今の少子化やコンパクトシティー推奨の流れが昭和四十年代の第二次ベビーブームやベットタウン化とは全く正反対で、役人も予測出来なかったのではないか、少なくとも昭和45年ではそこまで予測は不可能だろう。完成したのが平成3年。ちょうどデ博の2年後であるため、建設中止も正直当時の予測から考えれば減少の判断は難しい。
2)路線設定
春日井市は既にベットタウン化しており、恐らくここを通って桃花台に向かうことは非常に困難ではなかったか(反対運動その他)。土地買収の費用もおそらく倍は跳ね上がるのではないか。
3)高蔵寺延伸について
むしろ、こちらを先にすべきではなかったのか、という思いは私にもある。
判断ミスといわれても仕方がない。
ただ、整備するとなると、住民との問題があるのではないかと、これも推測。
4)小牧市の街づくりのセンス
実は、最大の問題はここだろう。
市の総合運動場も上末駅から離れている。「歩け」といわんばかりの場所に造っても車で向かうのが関の山ではないか。
さらに、前回でも紹介した「名鉄岩倉支線」の問題と愛知県や小牧市の名古屋市に対する地下鉄7号線に関する整備問題が、実は桃花台線のみならず、小牧市の発展、という意味で最大のターニングポイントになったのではないか、と私は判断している。
なぜか?
実は、小牧市は名古屋空港や名神高速道路の整備によって、物流の拠点として倉庫施設や工場が多く立ち並んでいる。そのために輸送源として欠かせないのがトラックだ。
小回りの利いたトラック(大型もあるが・・・)によって、入荷した物産を集配センターで再編し、別のコンテナとして輸送される。
そのために多くの道を必要としたこともあり、高架化による費用面の問題もあり、名鉄岩倉支線を廃止し、その路盤を道路提供した。
しかし、その判断が本当に正しかったのか?
道路提供であれば、別の土地でそれをまかなうことも可能であった。
しかし、鉄道の路盤を失った段階で、再び得るのには非常に時間を要する。
実は、東京や大阪のようなベットタウン現象が名古屋で起こることは目に見えていたが、その点を当時の名鉄も自治体も興味を示さなかったのではないか、とも感じ得る。
もしも、岩倉支線が高架化の判断がなされた場合、もう少し違った結果になっていたのではないか。すなわち、小牧市にもう少し人口面での増加がなされ、桃花台線も現状の悲惨な状況ではなく、もう少し利用者が多い比較的安定した路線として成長していたのではないか。桃花台の入居率ももう少し高くなっていたのではないのか?
それは、地下鉄7号線の整備問題も同じだ。暫定でも上飯田〜平安通間の開通がなされていれば、それに近い結果のみならず、名古屋市交通局内のバス路線に関してももう少し違ったものになっていたのではないか、そのように思えてならない。
その面で、実は、見通しの甘さよりも、行政間の意思疎通の欠如の方が重大な問題であるのではないか、桃花台線に関してはそのように感じた。

0