日々、色々な案件のご相談、製作を手がけているワケですが、これまで滅多には無いけど、事と次第によってはお客様と意思の相違が起こることもあります。
最近、お手伝いさせて頂いた案件で相違があり、結果的にはお代はいただかず製作したものをお引取り頂いたということがありまして・・。
結果としてご納得いくものをお納めできなかった事については大変申し訳なく思っております。
失敗談など記事にするのは、こちらにとってはいいことではないかもしれませんが、今後、こんな事態が起きぬよう、自戒の念も込めて、少しお話を。
事の案件はバイクのキャリアの製作だったのですが、メールでのご相談時にはお客様自身でDIYされたキャリアがついていました。
画像から判断するに、かかるであろうおおよその費用をお知らせして、打ち合わせにお越しいただいたのですが、その時に予算減額の申し出がありました。
予算内でできることを考えるとはいえ、若干厳しいかなぁとは思えど、こちらもジリ貧。ないよりは・・ということで、実際にDIYされたキャリアの寸法をベースに、手法も踏襲しつつ手を加え、使える金具は再利用することで予算内で製作する運びになりました。
DIYで作られたキャリアを取り外しお預かりして、ここから採寸する事にしたので車両のお預かりは無し。
キャリアから寸法は取れるだろうし、取り付けの方法にも別段問題は感じずだったんで、自作キャリア装着時の画像を撮ってはいませんでした。
お預かりしたキャリアから採寸して材料発注、製作にとりかかります。
が、角度の絡む部分があり、そこに再利用する金具もついていたので、最後の最後まで金具は取り外さず、角度、位置関係は車両から外したままにして、角度のついてる部分の位置合わせに苦労しつつ、ほぼほぼ同じ寸法でキャリアを製作しました。
ところが、完成連絡後、車両でお越しいただき、いざ取付作業というところで、一部角度が違う、取り付ける位置がずれてしまうとの指摘をお受けすることになります。
もとのDIYのキャリアから金具を再利用するために既に外してしまった後だったので、つなぎ目のゆるくなっていたキャリアはバラけてしまって元の角度などがわからない状態で、最初の状況を検証できなくなっていました。
こちらとしては位置関係がずれないよう考慮しながら慎重に製作していたので、作ったものに間違いはない自負はあるものの、検証できる画像を撮っていなかった為に立証することができません。
こうなってしまうと、あーだった、こーだったの水掛け論になってしまうのは明白で話が進まなくなってしまいます。
再製作の提案をするものの、位置関係が違うとなった以上、車両のお預かり、製作過程で位置関係の確認が必須になるのでさらに時間もかかることに難色を示されたので、材料代のみで現状のままお渡しすることになりました。
相違のある完成品を渡すのは本来しないのですが、もとのキャリアも使える状況になくなってしまったので、元に戻すこともできなくなっていたので・・。
ですが、結果的に納得できていないものにお代を払うのも、こちらも材料代のみいただくってのもどちらも気分のいいものではないなと思い、結局大赤字になってしまうけど勉強代ということでお代はいただきませんでした。
繰り返しになりますが、ご納得いくものを結果的にご提供できなかった事については本当に申し訳なく思っています。
今回の問題点は
※予算内でできることを考えるとはいえ、厳しいなぁと思いながらも、安請け合いしてしまったこと。
※位置関係の絡む部分について、画像などで検証できるように車両状況を撮影していなかったこと。
※外したキャリアから採寸ができると安易に考え、車両をお預かりしなかったこと。
※再利用できると踏んで金具の再利用をしたが、結果もとのキャリアを壊すことになり、こちらで製作した完成品と比べることができなくなってしまったこと。
が考えられます。
お客様からすれば、こちらの採算が割れていたとしても、金払ったのに思ったのと違うという思いが先に立つでしょう。
かかる費用については、作業に対して割が合う金額を考慮してお知らせしているのですが、安請け合いしてしまうことで結果余裕がなくなり、本来であれば製作しなとうまくいかないであろう部分までコストカットせざるを得なくなる悪循環に陥りがちです。
車両をお預かりして位置関係を決め、現物合わせしながらじっくり製作していく、製作過程で位置関係についての打ち合わせをするなどができる状況であれば問題は起きなかったと言えますが、そのためには手間がかかるぶん、製作にかかる費用もそれなりにいただくということになっていきます。
そんなワケで、今後、位置関係の必要になるキャリア製作などワンオフ製作については原則、車両お預かりして現物合わせでの製作を基本とします。
DIYで取り付けられた物からの採寸製作は参考品として部品の再利用はせず、全て新規製作とします。
掛かる費用については、ご予算は参考までにお伺いし考慮はしますが、作業内容を遂行するのに、これぐらいはもらわないと割に合わないというところで正直にお話させていただいて提示させていただいているので、折が合わない場合には製作、作業はお断りします。
と、長々書きましたが、今回の失敗については反省すべきこともあり、なんとかなると思っていたことが裏目に出てしまった形になりました。
製作にかけた時間も無駄になり、材料代も回収できず、結果的にお客様の納得いくものも収められずとなってしまい、双方ともにいいことなく残念でした。
今後、このようなことが起きないよう精進して頑張っていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。