宍粟市で3年がかりでようやく微妙に緑色に輝くオオセンチコガネを捕獲でき、手元でその色調をしっかり確認した。その後に同じ宍粟市で飛翔時に赤紫に輝く個体を目撃したが、これらの捕獲には成功していない。赤紫にみえる個体の飛翔はしらびそ高原の登山道沿いでもみているがこの時も手元での確認はできていない。かつて10月上旬に鹿が多い奈良公園でルリセンチコガネが飛び交う場所に遭遇したことを思い出し、今の時期にも会える可能性が高いと推定して遠征してみた。

10月のように金緑を帯びたルリ色の輝きを見せながら飛ぶ個体は全く見られなく、落ち葉をかきわけて腐葉土の中に潜む個体を探すと、木陰となった林床でキラリと光るので見つけやすい。鹿のコロコロとした糞は至る所で目につくが、そういう現場でみたことはなく、今回もルリセンチコガネがいた腐葉土がある場所は、観光客や一般人が訪れることのない静かな林の中の小道沿いで、昆虫少年時代から培った勘をたよりに歩いて見つけたところ。

この公園でのんびりと過ごしている鹿は風景全景になじんでいて、日本のあちこちで野生植物食害の元凶となっていることが信じられない感じがする。