今年初めての里山歩き。目的は早春にしかみられないコツバメだが、薄雲りの天候で雑木林の入口で見るのは越冬キタキチョウのみ。林道を奥へと進めばわずかの陽光を楽しむ越冬テングチョウが多く飛び交い、なかには交尾をせまる♂個体を二三度目にするが成就するカップルはゼロ。

昨秋、環境整備の間伐と下草刈りをした、広く開けた雑木林の林床には、ギフチョウが産卵してくれそうなヒメカンアオイの新葉が目立つ。

一方、林床にみられる古い葉っぱは、ここで成育した幼虫の個体数が少なかったことを暗示していて、喜ばしいことではない。

雑木林を出て、キタキチョウが飛び遊ぶ様子をカメラで追うと、多くが止まることなく飛び続け、ようやくヒメオドリコソウの花蜜を求める個体がモデルとなってくれる。

次いで飛び出したのが、まばゆいほどに紅色の輝きが美しいベニシジミ。

そして、例年同じ場所で飛ぶ待望のコツバメのすばやい飛翔が目に入る。飛び立ってもすぐに近くの植物葉先などにとまってくれるので、じっと待てば撮影チャンスは訪れる。

静止状態では絶対にみせてくれない翅表の美しいスカイブルーが、飛び立つ瞬間、肉眼では感知できるのだが、逆光となってその色彩を記録はできず。

越冬後のツマグロキチョウも、その赤味を帯びた濃い黄色でキタキチョウと明確に区別できるが、忙しい飛翔を追い続けても、ついにとまることなくブッシュの奥へと姿を隠す。きれいなキタテハと、

アカタテハも登場し、さらにはヒオドシチョウも姿を見せてくれるが、こちらは撮影記録の寸前で飛び立たれて残念。
