2010/12/23

ポール・ウィンターとカルロス・リラを聴きながら今年はBossa DE Christmas  木曜:Jazz & Classic Library


クリスマス寒波が来るそうです。
昨夜からすでに低気圧の通過で大荒れの地域もあるようですが、いたって平穏な東京です。
今日(12/23)が祝日の木曜日、明日がクリスマス・イブの金曜日、クリスマスが土曜日と一見理想的な曜日配列に見えますが、休日の次の金曜日というのは何となくもったいなくて盛り上がれません。

街の中も本来ならこの時期は忘年会のピークのはずが、どうも今年は集まりが悪いのか不況が続いているのか、それとも家庭サービスに流れたのか、飲食店は盛り上がり切れていません。中には閑古鳥が鳴いている所も。

この何とも盛り上がりに欠けたウィークエンド・クリスマスは、やはり「出来過ぎた」曜日配列の成せる技でしょうか。物事なんでも「多少不便なほうが盛り上がる」という典型ですね。


それにしても今年はまったく冬らしくない。
まだ秋のモードのまま。
昨日の気温は17℃でした。

そんなだからか、今頃になって本来なら「秋」がピークの自分の中のボサノヴァ・モードがこのところグングン勢いを増しています。
クリスマスと言うのに、ボサノヴァなんですね。
今年は“Bossa DE Christmas”としちゃいましょうよ。

ならばこのアルバムなどいかが?


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『THE SOUND OF IPANEMA/Paul Winter with Carlos Lyra』(cbs/1964年)

リード奏者ポール・ウィンターと言うとワールド・ミュージックの要素を取り込んだ音楽集団「ポール・ウィンター・コンソート」のイメージが先にきます。
ポール・ウィンター・コンソートはラルフ・タウナーやポール・マッキャンドレスなど70年代のジャズを発展させるジェネレーションを生みだした事でも有名で、オスカー・カストロ・ネヴェスなどもこのコンソート出身。

そんな彼がコンソートを結成する前、ひょっとするとこのアルバムを制作する為に長期滞在したブラジルで受けた影響がその後のコンソート結成の起源となっているのかもしれない、そんなウィンターにとって重要な位置を占めるのがこのアルバム。

なんと言ってもブラジルの新しい潮流の一人、カルロス・リラと組んだ事が何よりも大きな成果に結び付いた。

発売された1964年というと、世はボサノヴァ・ブームの真っ盛り。
どうしてもほぼ同じ時期に制作され世界中でベストセラーとなったスタン・ゲッツ(ts)とジョアン・ジルベルト(vo,g)による『Getz/Gilberto』(verve/1964年)と比較してしまう。

この際に「二匹目のドジョウ論」は捨てよう。
リード奏者とボサノヴァ・シンガーというカップリングだけで音楽を比べても何も答えにならない。

僕はこんなセッティングをしている。

スタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの音楽は、夜が明けきらぬ前のうっすらと辺りが白み始める空気の中で聴くのが一番気持ちいい。
ポール・ウィンターとカルロス・リラの音楽は、午前10時くらいの空気の中で寝起きのコーヒーをすすりながら聴くのが一番気持ちいい。

この違いは何か?

ひとつにはテナーサックスとアルトサックスの違いがある。
ひとつにはジョアンの歌声とカルロスの歌声の違いがある。

ジョアンの歌声は空気と同化しようとするが如くに漂うが、カルロスの歌声は辺りに響く。
スタンのテナーサックスは時々甲高い音を発するがハスキーな空気感があるが、ポールのアルトサックスは大らかに響き渡っている。

テンポ的にも「ゲッツ=ジルベルト」よりも「ウィンター=リラ」のほうが若干早目の曲が多い。

どちらが好きか?

僕はゲッツ=ジルベルト派だ。それも早起きの早朝派ではなく、徹夜組の早朝派だ。あまりその時間帯に“元気のある音楽”は聴きたくない。
残念ながらウィンター=リラが一番気持ちよく響く時間帯はいつも寝ているので、年に数回しかその時間の音楽に遭遇しない。

そんなだから、ともすれば忘れがちなウィンター=リラを、今年はクリスマスに聴いてみたくなった。
きっとこんな中途半端な気候のクリスマスならピッタリじゃないかな。

“VOCE E EU”から始まるウィンター=リラのこのアルバム。改めて全曲がカルロス・リラの曲である事を再認識。アントニオ・カルロス・ジョビンと共に“新しい潮流”を作り上げたシンクタンクだ。

2曲目“SE E TARD ME PERDOA”。そうか、この曲もリラだったのかー、と思うほどボサノヴァのスタンダード。
3曲目“MARIA NINGUEM”は「マリア・ニンゲン」。このニンゲンが日本語の「人間」とまったく同じ発音なので一度聞いたら忘れない曲。こりもリラだったのねー。ホントそう思う曲ばかり。

4曲目“DE QUEM AMA”はポールのアルトサックスが先行。もう、「あ、この曲も」と思うのはやめた。それほどボサノヴァの真骨頂だ。

5曲目が“QUEM QUIZER ENCONTRAR O AMOR”であるのだけれど、このイントロを聴いてピアノがセルジオ・メンデスとわかってしまうほど「セルジオ・メンデス」チックなサウンドです。それにしても凄いね、イントロでイメージ出来るプレーヤーなんて滅多にいないよ。

“ARUANDA”はイントロで予知出来るほどの有名曲。思わず口ずさんでしまう。。。
ソロになるとポールがちょっぴりゲッツのようなフレーズを吹くのだけど、やっぱりアルトサックスだね。軽快だ。

“COISA MAIS LINDA”はジョアン・ジルベルトが何度もレコーディングしている名曲。「歌は祈る様に歌わなければならない・・・」ジョアンのその言葉を思い出してしまう。

この後も“O MORRO”、“MAS TAMBEM QUEM MANDOU”、“TEM DO DE MIN”、“LOBO BOBO”と続く。

全部で11曲。
「ゲッツ=ジルベルト」は全8曲。
それと比べると“お得”かもしれないが・・・・
聴き終えて一つだけ思うのは、もしもこのアルバムの中で似た曲を3曲くらい減らして、曲順を入れ替えると・・・・

ひょっとしたらもっとヒットしたかな、、、と。

「痛いところに手が届き過ぎて」ありがたみが無いのだ。
「ゲッツ=ジルベルト」がヒットした一因には、アルバムの全体量が絶妙なボリュームだったのもある。

もっとも、今だとランダム再生にすれば、意外な組み合わせで意外なストーリーを感じるかも。

クリスマスのBGMにお薦め!

あっ、ただし、クリスマス・イブでは無くて、イブの翌朝。

そう、、

時間は・・・・

もちろん、午前10時くらい。

コーヒーをすすりながら・・・




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