2011/10/20

「想像」と「現実」の間にあるエリック・ドルフィーの5スポットVol-2  木曜:Jazz & Classic Library


★いよいよ明日から!!!

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2011年 10 月 21日 (金) 〜  22 日 (土)

東京・新宿
『西新宿三井ビル・サロンコンサート2Days』

西新宿三井ビルロビー(テラス側)特設会場で行われるサロンコンサートをお見逃しなく

開演:21日(金)午後5時30分 (60分1ステージ)
出演:赤松敏弘(vib) & 河野啓三(p) Duo
■03年から始まったサロンコンサート“秋JAZZ”のラストは、ヴィブラフォンとピアノによるブリリアントなデュオで締めくくります。

開演:22日(土)午後3時 (60分1ステージ)
出演:松島美紀(marimba) 林由香里(marimba) ゲスト:赤松敏弘(vib)
■マリンバ奏者・松島美紀率いるユニットとのコラボレーション。三人合計12本のマレットが宙を舞う!乞うご期待!。

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○出演会場: 新宿・西新宿三井ビル特設会場
       東京都新宿区西新宿6-24-1

      ■アクセス:東京メトロ丸の内線「西新宿」駅徒歩4分
            都営大江戸線「都庁前」駅徒歩8分
            JR、小田急、京王線「新宿」駅徒歩15分

○料金:フリー(椅子席は先着順)
    他にロビー内のスターバックス等飲食店のテラス席もご利用いただけます。
    但しこちらは要オーダー

○主催:三井不動産株式会社 ★Produced by Toshihiro Akamatsu





想像と現実は違う。
当たり前の事だけど、情報を提供する側が余計な事を含めないでストレートに、有りのままを伝えれば良いかと言えば、なかなかそうでもないところに、人間の難しさがある。
これが機械だと、即座に「エラー!」となってフリーズするか、壊れてそのままお釈迦になるか・・・

最近の放射線の空間線量の報道でもそうだ。ボーッと聴いていると、何だか半年で随分良い状態になったような気がするが、ホットスポットが出てきたり・・・・知らされていない事がたくさんある事には違い無い。

自ら目に見えないものに対しての「想像力」というのは、良くも悪くも人間の特権かもしれない。

音楽は本来その「想像」と「現実」の中間に生きていなくてはならない文化だ。
もしも音楽が全て「想像通り」であったとすれば、それ以上を望む気持ちは生まれなくなって、衰退の道しかなくなる。

いつだったか、音楽は「特別なものではない」みたいな風潮が蔓延して、「となりのお嬢さん」でも弾いてますみたいな音楽がいいんだ、と主張する連中が乱入して来た時があった。

そんなわけないだろー、隣りのお嬢さんがジャズ弾くわけがない(笑)

結局そういうのは数年も持たなかったし、そこに何も残さなかった。

そういう「どうしようもない」発想は今日でも時々見掛ける。

殆どのモノが「最初からそんなのがあるはずがないじゃないか!」とツッコミたくなるキャットコピーに飾られているんだけど、中には「なかなかおもしろい発想」の物も極々少数ながら存在する。

難しいゾ〜。
大量のインチキ(失礼!)モノの中から本当におもしろいモノを見つけるのって。
でも、そうしてしまったのはその「どうしようもない事を考える」連中だ。

こういうのは受け手の「想像」を如何にコントロールするか、という商売なんだね。
ただ、そういう風にネジ曲げられた「想像」が「現実」だから、結局は「想像通り」という結果しか残らないんだ。
音楽としてそういうのは「想像」と「現実」の中間に生きる価値はないかもしれないね。

っえ? ジャンケンはエンターテイメントかって?
そこまでネタが無いなら、何もしない方がいいよ、たぶん。


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『AT THE FIVE SPOT Vol-2/Eric Dolphy』(prestige/1966年)

エリック・ドルフィーは当時としては奇抜な発想で音楽にアプローチしていたミュージシャンだった。
初めて聴いたのは中学の時で、この『アット・ザ・ファイブ・スポット』のVol-1/(2006年6月の木曜ブログで紹介http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20060622/archive )のほうで、その時は不思議な音楽だなぁ、という印象しかなかった。
ただ、そのアルバムに添えられた、物凄く長いライナーノーツを読んで、エリック・ドルフィーという人物の情報を頭に入れてから、再度聴いてみると、何かが少しだけ変わったような気がした。

やがて高校生となって再びそのアルバムを聴いてみたら、中学の頃には聴こえなかった音が後ろに聴こえるようになっていた。
再び、そのアルバムの物凄く長いライナーノーツを読みながら、そのVol-1を聴いていると、まるで電気ショック(実際は受けた事がないので想像だけど・・・)のようにそれまで奇々怪々と思えていた音世界が、自分の目の前に広がっているような気がしてきた。

このライブが開かれた1961年から随分時間の過ぎた1970年代半ばの高校生に、だ。

それまでの僕は、音楽は最新のものが一番良く、過去を振り返るような音楽の聴き方は良くない、とさえ思っていた。
ただ、現在が面白くて、その人の過去を聞いてみたらそれも面白かった、という音楽が僕の身の周りには溢れていたので、新しがり屋ではない。

でも、この時すでに没後10年以上も経つ、エリック・ドルフィーの音楽に、(当時)最新の高校生の僕が「虜」にされるとは、思ってもみなかった。

青春時代というのは、何かモヤモヤとした部分、何か割り切れない部分が誰にもあって、そのモヤモヤした部分の代弁者として、僕にはエリック・ドルフィーの音楽がピタリとハマったという事だろう。

過去にも書いたけど、エリック・ドルフィーが残したアルバムで最高の出来がこのニューヨークのジャズ・クラブ「ファイブ・スポット」でのギグ。その中でもLPではB面とされていた“The Prophet”だと断言する。
いわゆるドルフィー・スタイルがほぼ完成した時期の演奏で、この曲でのアルト・サックスの演奏は素晴らしいとしか言い様がないくらい完璧なテイクだと思う。
共演者のトランぺッター、ブッカー・リトルもいいし、ややマンネリズムなピアノのマル・ウォルドロンも調子がいいし、何よりもベースのリチャード・デイビスのソロがドルフィーに次いでいい。
これは1961年の7月16日にニューヨークのジャズ・クラブ、ファイブ・スポットに集まったミュージシャンのピークがここに出現した瞬間だったのだと思う。

さらに加えれば、日本語の長いライナーノーツを書いている悠 雅彦さんの文章が傑作で、多々ある日本語のライナーノーツの中でも僕は最高のライナーノーツだと思う。

ここまで「想像」で書けるジャズ評論家はいない。

もしも、その、悠さんのライナーノーツが無ければ、僕はエリック・ドルフィーという人の音楽が(当時高校生として)最新の自分の感性と融合出来なかったんじゃないかと思う。
僕が言うのもなんだけど、そのアルバムのライナーノーツは「とても青い」名文だと思う。

随分前置きと言うか、今日のアルバムの前のアルバムの話が長くなってしまったが、それにはわけがある。

今日のVol-2を手にしたのは、Vol-1を聴いてから随分経っての事。
ディテールに触れておくと、

1.AGGRESSION
2.LIKE SOMEONE IN LOVE

Eric Dolrhy (fl,b-cla)
Booker Little (tp)
Mal Waldron (p)
Richard Davis (b)
Eddie Blackwell (ds)

1961年7月16日 ニューヨーク、ジャズクラブ“ファイブスポット”にてライブ録音

“Aggression”はトランペットのブッカー・リトルの曲。ワン・モーションのテンポの速い曲。ドルフィーはパス・クラリネットに専念。短いリフに続いてリトル、ドルフィーとソロが展開される。スリリングと言えばスリリングなのだけど、出発点からどれだけ遠くに行けるか、みたいな「想定」からすればそこまで発展していないのは、(録音状態によって)ソロのバックで流れるリチャード・デイビスのベースの音量がかなり低い事によって音楽のボトムの動きが聴き手に伝わりにくい点で損をしている事と、ワンパターン的なカンピングが多過ぎるマル・ウォルドロンのせいかもしれない。
ここでのバスクラリネットによるドルフィーのソロはやや短めながらも実は上出来なのです。
しかし、よく耳を澄まして聴くと、先に挙げたVol-1に入っている“The Prophet”で出て来るドルフィー・スタイルと言ってしまうと当たり前なのだけど、繰り返し出て来るドルフィー流のリック(短い節回し)が何度も聴こえてきて、なにやら楽器が違うだけで、内容にそう大差がないように聴こえてしまう。
ピアノのマル・ウォルドロンに至っては、やはりVol-1で一般的には人気の高い彼自身の曲“Fire Waltz”と同じような左手のハーモニッククリシェ・ラインが出て来るなど、新鮮さに欠けた感じになってしまう。
テンポが速くかなり必死なリチャード・デイビスのベースソロを経て、バースからエド・ブラックウェルのドラムソロに入るという構成も、何だかスタンダードの景気づけの曲を聴いているような中途半端な印象なのだけど、まぁ、ライブとは所詮そういう部分が演目として考えられる世界なので仕方ない。
案の定、ラストテーマは崩壊し、五月雨式(さみだれしき)にフェルマータで何とかまとめた感じだ。

“Like Someone In Love”は言わずと知れたジャズスタンダードだ。ドルフィーはフルートに専念している。ピアノのイントロに続いて、トランペット+フルート+(アルコによる)ベースの三人でテーマが奏でられるのだけど、これが実にいい空間とサウンドバランス。
こんな「ライク・サムワン〜」なら期待100%と胸が高まる。
本当にリチャード・デイビスはベースが上手だねぇ。
ストラヴィンスキーが彼を讃えたというのもうなづける。

しかし、リズムインしてしまうと、これがまったく普通のイン・ツー・ビートによる「ライク・サムワン〜」。
マル・ウォルドロンのカンピングやリチャード・デイビスのベース・フィンガリングを聴いているとテンポが近いVol-1の“The Prophet”とまったくそっくりな時間がある。

同じメンバーの同じ日の演奏だから、それが当たり前さ。。

本当にそうなのだけど、でも、あの「Vol-1」をドルフィー最大にして最高の傑作と思って育った身には、なんだか一抹の淋しさが漂わなくもない。


「想像」と「現実」の間に生きる音楽。

ちなみに、このレコーディングが成されたのも、予め計画立てていたわけではなく、ジャズクラブ「ファイブ・スポット」のスケジュールに空きが出来たのでドルフィーに声を掛けたらこのメンバーが集まったという事で、恒久的なバンドの演奏でない事は明白。
たまたま、偶然、それがライブの醍醐味と豪語する人もいるが、それは約束された事ではない。
その「偶然」が奇跡的な確率で「Vol-1」に収められた3曲に起こったわけで、その瞬間と比較するとまるで「残り物」のような感じがするかもしれないが、アルバムというパッケージは、それらを自然に恒久的なバンドのコンセプトに基づいた演奏のように聴こえさせる。

僕は、アルバムというのは常々そういうものが魅力だと思っている。
ライブをそのまま録音したようなアルバムは、本当に内容が吟味されていない限り「記録」や「記念」でしかないからだ。

「想像」して楽しく、「現実」を知って驚く。
そんな事が1960年代のジャズ・アルバムでは多数起こっていた。
送り手側のセレクトだ。

そして、それをさらに「想像」の世界へと導く解説者の存在。
これも当たり前にただ誉めるだけでは誰も感動しない。
ボロクソ書いても何も残らない。
読む者が音楽を聴きながら、そこに不思議な想像の世界を描けられるだけの力強さを持った文章表現が無ければ・・・

あらゆる意味で、Vol-1のライナーノーツを書いた悠 雅彦さんの文章は名文だ。
「想像」の世界として。

ならば、もしも読めるのであれば、彼がこのVol-2のライナーノーツをあの頃に書いたとしたら、一体どんな風に僕らを「想像の世界」へと導いてくれただろうか。。。

アルバムを聴きながら、ふと、そんな事を「想像」してしまった。




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




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CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

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