2012/9/20

原型「エレクトリック・ソナタ」は聴くと発見の坩堝!!・・  木曜:Jazz & Classic Library


“何かのため”の音楽というものがあるのは否定しないけど、音楽は“何かのため”にあるものじゃない。
もしも送り手が音楽は“何かのためにある”なんて思っているとしたら大きなお世話だ。
特定の目的の為に用意される音楽があってもいいが、何の目的も無く存在する音楽がたくさんあってしかり。
何の目的もなく存在しているからこそ、どんな時でも変らずに付き合える。
音楽はそれ自体が本論であるべきだ。

一つの音楽が存在した。後はご自由に・・・だ。

そんな事をこの人の音楽を聴く度に痛感するんだ。


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『THE ESSENCE OF GEORGE RUSSELL』(cam london/1983年)

1.Electronic Sonata for Souls Loved by Nature
 Part-I / Part-II / Part-III
2.Now and Then

[featuring]
M-1
Stanton Davis(tp),Jan Garbarek(ts),Terje Rypdal(g),Arild Andersen(b),Jon Christensen(ds)
M-2
Rune Gustafsson(g),Roman Dylag(b),Jon Christensen(ds),Rupert Clemendore(congas)

ストックホルム、スウェーデンで1966年、1967年に録音。


最近、どうも音楽が面白くないや。。。
最近のジャズは小手先ばかり小難しくてなんつーか迫力に欠けている。。。

そんな声の反面・・・

何から手を付けていいかわからないくらいジャズは種類が多い。。。
みんなが「いいね」「いいね」ばかりするのでたまには「だめね」を聞いて(見て)みたい。。。

今の音楽の大きな弊害はたった一つ、価値観の細分化。

以前なら千人の「いいね」でやっと認知されたものが、今や百人の「いいね」でなんとなくその辺りにいられる。
パイが減ったわけではない。
千人の「いいね」が百チームいれば10万人。
一万人の「いいね」が百チームいれば100万人。

簡単な事だけど、百チームが競い合って一つのパイの中の「いいね」を磨くようなものだった音楽の世界が、ひとつのパイの中に百人の「いいね」が千チームもひしめき合うような状態になってしまった。
そんなにひしめきあってもパイは10万人しかいない。

ちっとも衰退したわけでも、員数が減ったわけでもない。
ただ、同じ10万人の人間が揃っていても、百チームと千チームに分かれるのでは全然意味が違う。
チームの数を価値観の種類と考えればわかるでしょう。

生活の上での価値観は多様であるべきだと思うけど、それに合わせて音楽や芸術があるとは限らない。

似たような価値観辺りで一括りになったほうが、実はもっと楽しめる事も増えるんじゃないかと思う。

なぜこんな事を書いているのかと言えば、ジョージ・ラッセルの音楽と大いに関連する。

大人数でみんなが一つの事を成し遂げる達成感が好きな人なら、オーケストラやビッグバンドの楽しみ方を知っていると思う。

少人数でそれぞれが競い合うスリルが好きな人なら、独奏やコンポの楽しみ方を知っていると思う。

そのどちらが良いとかと言うのではなく、そのどちらの人間であるのかをまず自分で認識してみるといいかもしれない。

僕は典型的な小人数派。

中学校の時からジャズを始めているにも関わらず、吹奏楽部とかからはすぐに飛び出してしまった。どうしても大人数で何度も何度も同じ事の練習をするのが耐えられなかったからだ。
個人練習でガッツリと磨いて、一〜二度集まって合わせてバッチリ、というのが理想だった。

そんななので、もう随分とジャズ歴は長いのに、ビッグバンド・ジャズに入れ込んだ事が少ない。
まったく拒否しているわけではない。
好きなビッグバンドだってある。

ただ、大人数で一つの事を成し遂げるよりも、どうしても小編成でそれぞれが凌ぎを削るほうが好きなのだ。

そんな僕でも、ジョージ・ラッセルだけは別格。

それは・・・

大人数なのにそれぞれが凌ぎを削るシーンを持っているように感じるからだ。

この「エレクトリック・ソナタ」はジョージ・ラッセルに興味を持った初期の頃に買ったフライング・ダッチマンから発売されていたアルバム『Electronic Sonata for Souls Loved by Nature』(1969年)で耳馴染んだ曲だった。

その後1980年にジョージ・ラッセル・セクステットの名義でミラノで録音されたバージョンを聞き比べて楽しんでいたのだけど、オリジナルと思っていた1969年録音よりもさらに古い1966年録音の同名曲に、21世紀になって遭遇出来るとは夢にも思っていなかった。

ジョージ・ラッセルの音楽は、ある意味では構築的であり、ある意味では感情的、そして破壊的でもある。

今日のジャズがいつの間にか失ってしまった「偶然性」を、大人数を率いて表現しているところが凄い。

曲は事前に録音された電子音によるガイドを流しながら演奏するという、1966年当時としては最新のテクノロジーを駆使したステージの記録となっている。

それにしても、この、勢いのある音はなんだ!

テクノロジーに振りまわされる事なく、演奏者はそれぞれの個性を目一杯発揮している。

僕らはそれが当たり前だと思うのだけど、ジョージ・ラッセルがオスロに集めた門下生達はテープと同時進行で少しもタイミンやグルーヴをロストする事なく演奏している英才集団だ。

ジャズやクラシックでクリックと同時に演奏出来ないなんて事がまかり通っている現状(そういう人に限って機械と人間を区別したがるのだけど・・・)からすれば、如何に志が高いかを感じ取れる。

お互いを聞き合う、という行為を勘違いすると、相手に合わす事ばかりに。
少人数の中でそれぞれが凌ぎを削り合うという事との意識に少しだけ違いが現れる。
クリックを機械と思えばそれまでだけど、「相手」と思って聞けば良いだけで何の問題もないのだ。

さて、このアルバムが、実際に出ている音に比してスッキリしているのはそんな些細な部分でも妥協がないからだと言える。

ジョージ・ラッセルの音楽の核はベースライン(パターン)にある。
これは1970年代に向けてビート感を増していたマイルス・デイビスのバンドと非常によく似ているから面白い。

おそらく、当時この二つのバンドを連続して聴く事が出来れば、誰しもその「からくり」に気付いた事だろう。

言うまでも無く、マイルス・デイビスの1960年代から70年代半ばまでのバンドでは、ベースが核となっていた。ロン・カーターしかり、マイケル・ヘンダーソンしかり。

ジョージ・ラッセルの音楽も、実はベースが核となっている。
一見難解に聞こえるリディアン・クロマチック概念の「難解さ」を如何にスポイルするかを、ラッセルはベースラインに集約している。

Eマイナー・ブルースのベースパターンの上にDとCのトライアードをアッパーストラクチャーで重ねる事でベースラインは限りなくブルージー、サウンドは限りなくオープン=明るい(リディアン・スケールは一番明るく響く)という仕組みで提示し、そこにフリーブローイングなソロが絡む。

躍動的で、時に衝動的ですらあるセクションパートを自在に組み合わせたり、全体を二つのトナリティー(調性)で同時進行させたりするシーンでも、ベースラインが巧みにフォロー。

聞きやすいベースパターン、そして、(たぶん)いつも一番ゾクゾクするようなカッコいいベースパターンを編み出す。

ボトムをスタイリッシュなベースラインで飾る事で、上に乗せるサウンドが思いっきり大胆なものを選びコントラストを生み出す。その隙間にソロやセクションパートが自在に入り込み、時には曲の源流に対するコントラストさえ演出する、というもの。

この1966年の「エレクトリック・ソナタ」のパート2には、後の1969年バージョンでは収録されていないパートがあり、それがまるでマイルス・デイビスの「イン・ナ・サイレント・ウェイ」そのもののような先進性に溢れているのに驚く。

そこで大活躍するギターのテリエ・リピダルとサックスのヤン・ガルバレク、スタイリッシュなベースパターンを弾くアリルド・アンデルセンに、ビビッドなビートを弾きだすヨン・クリステンセン。
後にECMレーベルで世界的に知られて行く逸材の若き日の演奏が清々しい。

それもこれも、そのベースパターンを編み出したジョージ・ラッセルの膨大な仕掛けを自信を持って僕らに向けて放つ彼らの生き生きした演奏あっての事だ。

1966年という段階で、これほど進んだ音楽を形にしていた男、ジョージ・ラッセルに改めて敬服。

彼が亡くなる直前に生誕80年を記念したコンサートで演奏されていたベースパターンでも、これと同じきらめきがあった。
もっともこちらは今から46年も前なのだから、その時代に既に70年代を予見するかのような音楽を作り上げていたラッセルの先進性に驚かされる。

そして、それがラージアンサンブル、そしてピアニスト、ビル・エバンスとの共演盤としてラッセルの最高傑作と思う『LIVING TIME』のリビング・タイム・オーケストラへと一目散に駆け抜けて行くわけだ。

ジョージ・ラッセルのファンで僕と同じように70年代に「エレクトリック・ソナタ」を既に楽しんでいる人、この原型「エレクトリック・ソナタ」は聴くと発見の坩堝ですよ。
やはりラッセルは一筋縄では行かないところが、実に爽快な後味。

音楽は何かのためにあるのではなく、音楽として存在する為にあるのを、改めて実感させられますよ。
僕らがどこかで見失いがちな「勇気」を得られる音楽。

どんな時代になろうとも、僕らも負けてはいけませんね。



ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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【速報】  【横濱ジャズプロムナード2012】

2012年10月6日(土)〜7日(日)
横浜市内各ホール、ライブハウス、ストリート会場など連日100ステージ超、毎年10万人を超える観客で横浜の街がジャズに染まる二日間。

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今年は以下のプログラムで出演します。

出演日時 : 2012年10月7日(日)15:40〜16:40
出演会場 : 横浜馬車道・関内ホール(小)
  出演 : 赤松敏弘(vib) meets ハクエイ・キム(p) DUO

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    Toshihiro Akamatsu(vib) Hakuei Kim(piano)
昨年秋の初共演以来意気投合のデュオで今年の横濱ジャズプロムナードに登場!!
他では聴けないこの二人によるプログラムに、乞うご期待!
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全日程・全会場MAP他詳細情報は公式ホームページで( http://jazzpro.jp/ )

前売り券(フリーパス)
●シングル券 ¥4,000(税込)一日券1名様分
●ダブル券 ¥7,500(税込)一日券2名様分または二日券1名様分

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【速報】 松山『SUGAR VILLAGE 2012』

2012年 10 月 8 日 (祝・月) 
■松山市内各会場で19:00よりスタート。
 各会場50分4回ステージ(最終ステージは22:00〜)。 


出演予定時刻:午後7時00分 - 午後11時00分の間の2set

出演会場:キーストン(松山市三番町1-10-13 トキビル3F)

MATSUYAMA SUGAR VILLAGE 2012(Jazz Festival)
Toshihiro Akamatsu(vib) with Yuki Watanabe(p) Trio + 1

赤松敏弘(vib)
with 渡部由紀(p)トリオ+ 1
(吉岡英雄/b 河北洋平/ds 矢野元/g)

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■1 Day Pass提示で各会場出入り自由。 
■チケットには初回の会場で有効の1ドリンクチケット付き。(以降の会場では入場時に要ドリンクオーダー)
■チケットは開催店にて9月上旬より発売

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○出演会場: キーストン
 松山市三番町1−10−13, トキビル3F
 アクセス:伊予鉄道市内線「大街道」「勝山町」電停より徒歩5分

○料金:前売り3.000円(1 day pass) 当日3.500円

○問い:089-934-6254 (キーストン・出演会場)

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【速報】  『ジャズの処方箋』(ジャズクリニック&セッション)
@ 松山・キーストン

2012年10月9日(火)午後7時30分〜午後9時30分

出演
★インストラクター/赤松敏弘(vib)
★渡部由紀(p)
★吉岡英雄(b)

料金:一般/3000円 学生/2000円
シュガービレッジ2012フリーパスと同時予約で500円引き

日頃からジャズのセッションには参加していたけど、いつもどこか自信が持てないままだった・・・
セッションでソロは演奏しているけど、実は耳コピでお茶を濁していた・・・
ジャズの演奏には興味があるけど、なかなか切っ掛けがなかった・・・

こんな人には心強い処方箋!

ジャズの演奏(アドリブ)はゲームと同じ・・・そう考えてみました。

ゲームは最初にルールを知らなければ楽しめませんね。
それと同じで、基本的なルール(つまり基礎的なコードの仕組み)を確認しながらコードの流れの中で音を出す。そこにはいろんなルールと遊び(応用)が潜んでいます。
感覚だけ磨いても、耳コピだけやっても、まったく自信を持てなかったインプロに、今夜は一つじっくりと腰を据えて、自信を付けて帰る為のお手伝い。

・参加者には課題曲(近日発表)配布
・オリジナルガイダンス“虎の巻”伝授
・早速実践、一緒にセッション!

【問い・予約】
キーストン・バー
http://www.keystonebar1991.com/
愛媛県松山市3番町1丁目10ー13 トキビル3F(八坂通りローソンの路地隣のビル)
営業時間/19:00?27:00
Tel. 089-934-6254
日曜不定休(月曜日が祝祭日の場合は営業)

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ドゾ、よろしく!




『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)
クリックすると元のサイズで表示します
VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

New Album『AXIS』は全国の有名CD店のほか、ネットショップでも好評発売中!
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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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【動画】と【試聴】世界のヴィブラフォン奏者と素晴らしい音楽仲間へ直結!
■赤松敏弘MySpace

そして、コチラはオフィシャルサイト
■赤松敏弘Vibraphone Connection

掲示板に替わって登場、オフィシャルな(?)つぶやきTwitter
■赤松敏弘 Vibstation's Twitter

新しく追加のコミュニティー
■赤松敏弘facebook

auの方はコチラの赤松音源で
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チェキラ!
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タグ: Jazz ジャズ CD



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