2013/2/22

音楽的読唇術:さらに・・・煙の無いところに火を立てる?リハモ・アプローチ  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百九十八回目の今日は先週からの続きで『音楽的読唇術:さらに・・・煙の無いところに火を立てる?リハモ・アプローチ』と言うお話し。

途中からの人は先週の金曜ブログ『音楽的読唇術:先週の回答と煙の無いところに火を立てる?・・・リハモ』( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20130215/archive )から読んでくださいね。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!



ゾロ目ですね。
222。
いえ、ただそれだけの事です(笑)

先週の“枕”の言葉には大変反響があり嬉しく思っているところです。

僕はクラシック音楽を聴くが大好きです。
「自分の知らない世界」の音楽(作曲された時代背景や作曲者の環境という意味での“自分の知らない世界”)に触れられるし、そこに触れたくなるとクラシックに手が伸びます。
音楽は時代の写し鏡だと思っているからです。

だから、妙に現代の匂い(香りではなく)がするクラシックには興味がありません。
知らない時代の知らない音に対する感覚をどれだけ演奏者が“自分として演じられるか”にクラシック演奏家の存在価値を見出しているからです。
時流ではなく、“その人”なんです。

今のところ僕の中では自分が知らなかった世界を浴びせられた最後の存在は武満徹さんで停まっています。同じ日本という土壌にいながら、感銘させられた音を彼の作品の中に発見した時のショックは完全に足元をすくわれた気がしました。僕がそれまで抱いていた音なんて何て薄っぺらなんだろう、と感動するとともにそれがショックだった最後の音楽かもしれません。

対して、ジャズは古典ではありません。日々進化しなければこの世に存在する価値など無いと思っています。非常に周りの音楽と敏感に接する事が容易で、どんなところにも入り込めます。臨機応変なところはクラシックと真逆のスタンスにあるようですが、ここでも“その人”の存在価値は大きく、もう一つの「知らない世界」を描く音楽として最適な存在と認識しています。

誰も「見た事」も「聴いた事」もなかった瞬間を求めてジャズは進化を続けるわけですが、この歴史に浅い音楽はジャズ理論というものを学ぶ事によって“古典”という部分を補充しているようなもの。

ジャズ理論=古典

そう言っては多少語弊はありますが、古典というものの無いジャズに於いてはコード理論を学ぶ事によってその音楽の成り立ちやヒストリーを学んでいるに等しいわけです。





先週、ジェローム・カーンのジャズの有名曲、“All the things you are”の冒頭八小節の部分にリハモナイズを施して新しいコードを挿入する方法を説明しました。
今回は少し飛躍して元からあるコードを置き換えてどれだけ変身できるかについて考えてみましょう。
リハモナイズのベーシックなやり方の一つですが、領域としてはアレンジ的要素が多い例です。

★ノーマルな“All the things you are”
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(クリックで拡大/以下同じ)

その中で生れた以下のコード・アレンジをさらに考察してみましょう。

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このコード・アレンジによって劇的にエモーショナルな動きと響きが得られた最初の二小節に注目してさらに発展させてみましょう。

まず、この部分の原曲のコードがどのような機能で並べられていたのかを知る必要があります。アレンジする場合はまず原曲を理解してから手を出せ、という事。

調号はフラットが4つ、つまり長調ならAbメジャー、短調ならFマイナー。

ではどちら?

| Fm7 | Bbm7 | Eb7 | AbMaj7 | DbMaj7 | G7 | CMaj7 | CMaj7 |

五小節目まではAbメジャー、6小節目で次の調に転調です。

調性で分けると次のように分類されます。

【Abメジャーの仲間】
Fm7
Bbm7
Eb7
AbMaj7
DbMaj7

【Cメジャーの仲間】
G7
CMaj7

ディグリーコードと機能で表わすと・・・

Fm7  → VIm7(Tonic)
Bbm7 → IIm7(Sub-Dominant)
Eb7  → V7(Dominant)
AbMaj7→ IMaj7(Tonic)
DbMaj7→ IVMaj7(Sub-Dominant)

G7 → V7/C(Dominant)
CMaj7→ IMaj7/C(Tonic)

まずこれらのダイアトニックスケール・コードの性質を覚えておきましょう。

今回チャレンジするのは、最初の二小節の部分。
先週リハモしたこの部分を再度注目。

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オリジナルコードに新たに挿入されたコードは、それぞれが次のコードに対して完全音程の関係にある根音を持つドミナントコード(セカンダリー・ドミナント)のトライトーンを共有するもう一つのドミナントコード(sub V7)。
B7の元はF7、E7の元はBb7です。

今回はこの置きかえられたセカンダリー・ドミナント以外のオリジナルコードにアレンジを加えてみます。

音楽の進行に於いて、機能を入れ替えるとさらなる変化がコードの流れに生れます。
先週のリハモの段階では新たに置き換えたドミナントコードが全て次のコードの半音上の根音を持つコードとなっていました。
これは躍動感に溢れて良いのですが、ずっと連続するとちょっぴり落ち着きを失ってしまいがち。

そこで二小節を一つとした少し長めの周期性をルート進行(コードの根音進行)に求めてみましょう。

オリジナルのままの進行ではTonic - Sub Dominant - Dominant - Tonic - Sub Dominant- とセオリー通りに並んだ機能和声の連結で淡々と時間が流れていましたが、間にセカンダリー・ドミナントを挟む事で機能的な流れに変化を求める事が出来るようになります。

例えば、最初のFm7。
これはAbメジャーのキーでのトニックですが、この部分のコードをAbメジャーの他のダイアトニックスケール・コードに置き換えてみるのはどうでしょう。

ただし、メロディーの“Ab”がアヴォイドノートとならないようにコードを選択する必要があります。

候補となるのはトニックではIMaj7のAbMaj7。
サブドミナントではIIm7のBbm7、IVMaj7のDbMaj7。
ドミナントコードには該当するコードがありません。メロディーが調の主音なので当たり前ですが・・・

そうなると元々オリジナルはトニックのVIm7(Fm7)だったので気分を変えるなら他の機能を持つコードが良く、サブドミナントを見るとBbm7は次の小節の頭に登場するのでDbMaj7が候補となります。

すると・・・

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オリジナルのコードでもDbMaj7が5小節目に登場していましたね。
これはイケるかもしれない。。。

その5〜6小節目で少々気になっている部分があるので少しコードを置き換えてみます。

|DbMaj7 - Ab7 | G7 - Db7 |(CMaj7)

それぞれG7、そして次のCMaj7に対してセカンダリー・ドミナントを配して置き換えているのですが、G7 - Db7 は完全な同意コード、また、DbMaj7がサブドミナントで、それ以降ドミナントコードが三つ連続となってしまう点を考慮して、この部分のメロディーに対して考えられる他のコード(ダイアトニックスケール・コードに限らず)を選んでみました。

DbMaj7との関連性とメロディー“F”の音との整合性から、次の小節の頭にGbMaj7。これは5小節目のDbMaj7を仮のTonicと想定してサブドミナントのIVMaj7の位置にあるGbMaj7を選んだわけです。また、GbMaj7の直前にはセカンダリー・ドミナントとしてDb7を想定、それを置き換えたG7を選びました。ベースラインの半音進行を取り入れた形です。

すると・・・

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make sense!

かなり良くなりました。


が・・・・


しかし、転調前の部分はやはり不可解。
たぶんこの部分は明確なドミナント・モーションによる転調が相応しいのでしょう。
あまり不可解な部分は残さないほうが良いので通常のドミナント・モーションにしましょう。

(G7 - CMaj7)

さて、
この段階で一つの新しいアイデアが湧いてきました。

ベースラインのモチーフ化です。

最初の二小節のベースラインの形をこの部分全体に当てはめる事ができないものか。

再度メロディーを登場させつつ、この最初の二小節に生れた新しいベースラインのモチーフをメロディーと整合しながら設置してみましょう。

ただし、最後の転調に至るドミナント・モーションはオーソドックスな形とします。

すると・・・・

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は最後のドミナントモーションの位置

さて、あなたはどんなコードをこのベースラインとメロディーの間に創造出来るかな?

次週お互いのアイデアを照合してみましょう。



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★☆★ 2012 BEST LIVE (動画) ★☆★

Nov/14〜15/2012

Toshihiro Akamatsu (vibraphone)
Hakuei Kim (piano)

1st set (9:30pm〜10:50pm)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)O Grande Amor

2nd set (0:48am〜2:09am)

1.Winter Festival---by Hakuei Kim
2.The Gleaner-----by Toshihiro Akamatsu
3.Stella by Starlight
4.White Forest-----by Hakuei Kim
5.Nagi Moca suite---by Toshihiro Akamatsu
6.Newtown--------by Hakuei Kim
7.Silent Butler-----by Toshihiro Akamatsu
8.(encore)On Green Dolphin St

Rec, Nov/14〜15/2012 @ Okaido"COLORFUL", Matsuyama, Ehime, JP

※赤文字の演奏動画を公開しています

ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/1:00am's StellabyStarlight (Full version)

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

2012年11月14日四国・松山でのライブ第二部のもので第一部と同じ曲の深夜の演奏です。
まったく違うイントロから始まった瞬間から純粋な即興演奏に突入しました。
デュオという最小公約数にして最大の自由度を持つアンサンブルでしか出来ない衝動の記録となりました。
ソフトのアップロード時間制限の為に10分未満の暫定バージョンを年末にアップしていましたが今回フルバージョンに更新。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/15/2:00am's GreenDolphin

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

あらゆる意味で刺激的だったこの日のライブの最終アンコール。時刻は午前2時です。
第二部の会場は半分以上が地元のミュージシャンやピアニスト、音楽関係者で埋まっていましたから二人ともよりアグレッシヴなOn Green Dolphin Stに。午前二時にこんなガチンコなライブをやる街は日本でも珍しいでしょう。さすがは我が故郷です(笑)


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:53pm's StellabyStarlight

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

赤松・ハクエイDUOでのStella by Starlight。
このバージョンは2012年11月14日四国・松山でのライブ第一部のものです。
前月の横浜ジャズプロムナード2012でも評判だったこのスタイルのデュオがさらに一歩踏み込んだところでの演奏に。次の深夜のステージの演奏と比較するとまったく別の曲です。ジャズライブの楽しみ方で僕らはとても大きな事にこの時気付いたのでした。


ビデオカメラビデオカメラ【Crew Camera Series】■赤松敏弘 vibraphone Best Live 2012/Akamatsu meets Hakuei Duo/Nov/14/9:46pm's The Gleaner

ハクエイ・キム(p)赤松敏弘(vib)

四国・松山でのライブ第一部でのオリジナル曲The Gleaner。この日は入替え制という事もあり第一部も第二部も同じプログラム(アンコールを除く)でしたが、考えてみればクラシックのコンサートやポップスのコンサートとジャズのコンサートが大きく異なるのは、たとえ同じ曲を一日に二度演奏したとしてもまったく違う演奏になるのが当たり前。このライブではその当たり前な事を随分長い間僕らは忘れていた事に気づかされて、久しぶりに達成感で満たされたのを覚えています。


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ビデオカメラ【Crew Camera Series】TOSHIHIRO AKAMATSU meets HAKUEI KIM 2012. presented by T.KOYAMA. "SOUND OF FOCUS" comp by T.Akamatsu. 2010's album 『AXIS』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO オープニング"Be my love"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/2曲目"TRITON 2011" comp by T.Akamatsu. 1991's album 『Now's The Time Workshop vol-2』(BMG FunHouse)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦 DUO 2011 演奏順/4曲目"I LET A SONG"




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、ユキ・アリマサDUO 2011 演奏順/7曲目"DAA HOUD". 2005's album 『Synergy』(VEGA)




ビデオカメラ【Crew Camera Series】赤松敏弘、道下和彦、ユキ・アリマサTWIN DUO × TRIO 演奏順/9曲目 アンコール




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『BEST LIVE 2011(動画)』


2011年11月24日ブログ『超・満員御礼! 赤松敏弘(vib)meetsハクエイ・キム(p)25-25プロデュース第六弾』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20111124/archive

TOSHIHIRO AKAMATSU(vib) meets HAKUEI KIM(p) w/TARO KOYAMA(ds) & KUNIO OINUMA(b) @ 25-25Presents Special Live Vol.6

25-25プレゼンツ・スペシャルライブVOL-6。
『“赤松敏弘meetsハクエイ・キム”with小山太郎+生沼邦夫』

Toshihiro Akamatsu(vib)
Hakuei Kim(p)
Kunio Oinuma(b)
Taro Koyama(ds)

Recorded live at KAMOME in Yokohama. Nov/23/2011

[YouTube版]※画像をクリックすると別窓で開きます

★第二部1曲目



★第二部二曲目[Tribute to 1964's Miles-vol.1]



★第二部三曲目[Tribute to 1964's Miles-Vol.2]




ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




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CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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