2006/4/10

本当は11曲収録したアルバムだったけど・・・  月曜:ちょっと舞台裏

今夜は名古屋から日付けが変わってレギュラーの話題をアップ。

先週アルバムのリアジャケ写の話をした『SIX INTENTIONS』(TBMレコード/2002年12月発売)の裏話です。
実はこの録音では11曲のレコーディングを行ったのです。録音をしたのは02年4月、発売は12月でしたから、CDになるまで半年以上の時間がかかっている事になります。現在のCD制作の標準的なプレス(盤を作る為の工程)は約1ヶ月ですから宣材やらプレス(これはマスコミ関係の意)発表などを加えて3ヶ月程度の時間が準備期間というのが標準的な流れと言えるでしょう。
TBMレコードからは夏頃にはリリースが決定していましたから、それからまた1クール(3ヶ月)以上発売に時間が掛かるのは例外的です。

それは、このアルバムをTBMレコードが業務提携しているJVCの新技術による高品位録音でアルバムをパッケージする事を考えたからです。詳しくはアルバムに書かれていますが、要するに夏の段階ではまだJVCが新しいカッティング技術を開発中の為に試作を作っては破棄し、また作っては破棄、、、となかなか目標値をクリアーする事が出来ず(それだけ技術開発には時間と労力とコストが掛かる)、録音が終わった原盤をプレスする事にならなかったわけです。

9月に入ってようやく満足の行く成果が出たので「GO」という連絡が入り(それでもJVCでは試験プレスを繰り返しながらあらゆる想定項目のチェックは続いている)アルバムのジャケット制作が始まり、ようやく軌道に乗ったわけです。めでたし、めでたし

アルバムタイトルが決まり、曲順を決め、ライナーノーツはジャズジャーナリストの児山紀芳氏が担当と決まり、JVCのマスタリングスタジオでのマスタリングの日程も決まり一安心となり、こちらは秋のツアーに出掛けたのでした。












しかし





忘れもしません、それは中央道を車で走っている時の事、何度も携帯が鳴るのでSEに停まってチェック。
それはTBMレコードの社長F氏からの緊急コールでした。
「何時でもかまわないから連絡を」と。
何事??と思って深夜1時近くにも関わらずに社長に電話すると・・・・

こういう事だった。、、
新しい技術によるカッティングは技術的な理由からCDの収録時間が最大62分以内と制限される事が昨夜判明した。気になって社長が原盤の収録時間を計ったら65分あるという。断腸の思いだが、このままでは収まらないのでどうしても明後日のマスタリングまでに1曲落としてくれないだろうか。。。。。

正直、青ざめた
思い通りにならないのならやめてしまおうか、とも思った。参加してくれたミュージシャンの事を思うと、進めるべきか止めるべきか、大いに悩んだ。しかも明後日には返事しないといけない。
時間さえも待ってはくれないのだ

YESかNOか

やめてしまうのは簡単だが、辞めてしまったら全て世に出ない、その方が参加してくれたミュージシャンや協力してくれた人達に失望を残さないか?
若い頃なら「そんな事言うなら僕はやらない」と駄々をこねただろうな(笑)。すこしは大人のなったか。。。。かも。。

そこで選曲からやりなおし、翌日には該当する曲の関係者に事情を電話で説明し承諾を得てから1曲を削った10曲のラインナップをレーベルに送信した。

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『SIX INTENTIONS/赤松敏弘』(TBMレコード/2002年12月発売)

そんな舞台裏の苦悩と選択の中で無事にJVCの高音質録音XRCD24の世界初タイトルとして発売され世界各国で評価された10曲収録物語。選曲から外れた1曲(フェアリー・オブ・フォレスト)はVMEレーベルで音楽ファイルDL販売と、au着うた“着JAZZ”“着JAZZフル”という2チャンネル展開でしっかり世に出ている。

今の時代はパッケージCDの他にネットでの展開もあるので、選曲から外れても決してお蔵入りはしないのだ。いや、そうさせないプランをもって何事も展開する時代だとも思うんだ。やはり楽曲というのは僕ら制作に関わった人全ての大切な宝物だから、ね

おしまい



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