2006/6/16

大は小を兼ねる?・・・・・・マレット再考  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第十三回目の今日はマレット加工のお話しです

近年マレットは材質が安定した物が少なくなりつつあり、ヴィブラフォンを演奏する上で少し余計なストレスを感じるようになりました。
気に入ったメーカー(海外)が出来ても、入荷する度にフィールが微妙に変わり、昔からサイトで多い個々の問い合わせに対して「これがお薦め!」と言い切れなくなっています。

一つには材料となる良質の籐(ラタン)が世界的に品薄となっていることもありますが、メーカーのポリシー(ユーザーの意見を過度に聞き過ぎる)が揺らいでいる節も感じられます。

これはコレ    あれはアレ

マレットに限らずどのような商品でも「メーカー」「ブランド」というポリシーを貫き通してほしいなァ。

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これにアレも、、、とか あれにコレも、、とか、一つの商品があまりにもオプショナルな要求を受け入れると本来の良さは消え失せてしまい「どこにでもある平凡なもの」になってしまいます。命を脅かす物でない限り、ユーザーの選択肢が揺らがない商品であってほしい。

これにアレは通用せんゾ  あれにコレは必要ないゾ

そんな商品ばかり氾濫してしまうと、物品に対する「愛着」という一番堅実な購買意欲が失せてしまうよね。
テレビのリモコン一つ見ても、我が家で一生押さないボタンがどれだけ付いている事か(笑)

さて本題


「大は小を兼ねる」という言葉があります。
最近までマレットには無用の言葉だと思っていましたが、どうやら事情は変わりつつあるようです。

近年のマレットは全般的にハンドルの部分が長くなりつつあります。マリンバに於いては以前からこの傾向があり、理由は単純で「楽器の音域が広がったから」です。特に低音域側の広がりは大きく、一番の原因は鍵盤の広幅化でしょう。楽器のメカニズムでは必然的な結果ですが、そうなると演奏者は腕を延長する訳にも行かず、おのずと「道具」(マレット)が長くなるという、ごく自然な現象です。

昨日の午後のレッスンの合間にA木嬢(スティーブンス・グリップ)とN崎嬢(バートン・グリップ)と雑談していた時にこの事をぶつけてみました。

「A木さんは“その”マレット長いと思わない?」
「そうですねえ、内側の2本がどうしても飛び出して使い辛いですねえ」
(Sグリップは内側のマレットを手のひらに押し当てて持つのです)
「N崎さんは?」
「そんなに不自由じゃないけどたしかに手元が邪魔ですね」

A木嬢は「木」のVCS三代目モデル、N崎嬢は「籐」のVC二代目モデルを使っている。僕も同じメーカーながら「籐」の最も初期のVCSモデルを使っている。年次の見分け方は簡単でこのメーカーはハンドルの部分に硬さ毎に色分けされたカラーシールが貼ってある。初期のものはカラーシールのみ、二代目はシールに型番が印刷され、最新の三代目ではハンドルの部分に金色のラベルが追加された。


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僕が使っている初期モデルは他に比べるとややヘッドが大きくハンドルは表面がツルツル、二代目は少しヘッドが小さくなりハンドルはやや太い、三代目はヘッドもハンドルも妙に軽い。同じメーカーながら、まったく違うフィールになってしまった。

恐らく、これは推測だけど、初期モデルは試作的要素が強くその分他のメーカーとの違いが強調されていた。二代目は量産タイプながら籐の調達に苦労した跡が見られる。三代目は当初の籐の調達を諦め乾燥した材質に変更しマレット全体のバランスも見直した。
ううん。。。。良くなったのか悪くなったのか、、、個人の好みにもよるが、少なくとも同じモデルとは呼べなくなった。
A木嬢の使う「木」のモデルを試してみる必要がありそうだ。

さて、そのような材質による影響と相まって、ハンドルの長さの問題。
これはもう自分で加工するしかないでしょう。

「大は小を兼ねる」

つまり今のマレットは「長は短を兼ねて」いるのです。
先日購入した三代目VCSの2タイプ(3と4)を1.5センチ短くしました。


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この三代目は「軽く」なりすぎているのでヘッドが鍵盤をヒットした衝撃が綺麗に分散されていません(それによって100%鍵盤を鳴らしきれない)でしたから、ハンドルを少し短くする事でヘッドに力が集約されて問題が緩和されました。ちなみにハンドルの基準は(個人差はありますが)36センチ前後。
少なくともヴィブラフォンを演奏する上ではこれ以上の長さは必要ないと思っています。


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A木嬢に「じゃあ1.5センチ程度加工したら?」と言うと、、

「え〜、だって〜、え〜、なんだか勇気いりますよねぇ〜、え〜、どーしよう〜〜」

まだ加工には抵抗がある人が多いのもわかります。

そのままで悩んでいる人に再度


今は「大は小を兼ねる」時代、かもしれませんよ。

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おしまい



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