2006/7/6

時代は移り変わっても・・・・・・・John Coltrane  木曜:Jazz & Classic Library

不穏な隣国の動きに一日中翻弄(ほんろう)された感じでしたが、今夜も無事に夜は更けています。

さて、今夜は『Jazz & Classic Library』

ジャズというと、やはりトランペットやサクソフォン、ピアノやベース、ドラムスを思い浮かべる人が大半のようです。そろそろヴィブラフォンも少しは認知されていると信じますが、、、

そんな「ジャズ」の「ジャズたる」サウンド。今夜は王道です。
この「ジャズたる」・・・・という所にも、いろいろとあります。
ジャズと言えば・・・ある人は「デキシーランド・ジャズ」、ある世代は「スイング・ジャズ」、ちょっと硬派に固まってる所では「ビー・バップ」、「おい、モダンジャズは永久に不滅だゾ」、「コンテンポラリーこそがジャズの進化系だ」、おにーさんおねーさんは「フュージョンこそが新世代のジャズよ」、もっと若い人は「アシッドやアンビエントこそが今そのもののジャズだぜ」・・・・

音楽は個人の趣味が反映されていますから、「一括り」に出来るものではありません。音楽史をなぞってるわけでもないので、こういう場合結局は自分の意見から「コレ」と言っちゃいましょうね

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「BALLADS/John Coltrane」(impulse!/1961年録音)

はい、みなさん。深夜に部屋の照明をちょっと暗くしてみましょう。何とも言えない空間にいつもの部屋が変りますね。その状態で聴いて「サマになる」もの、それが王道のジャズ

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ほらね、我が家のリビングもこんな感じに・・・

賑やかな音楽は似合わない、ちょいと今夜は一息入れましょ、、、的に過す時間に似合う音楽。僕の中では「王道のジャズ」というとそういう感じなんです。

いろいろある中で僕が愛しく思うジャズ。

ジョン・コルトレーンの名前は少しでもジャズに興味を持った人なら一度や二度は活字や言葉として記憶があると思います。ジャズのサクソフォン奏法を一変させたイノベータ、巨人です。
しかし、硬派(と語られていた時代がありました)な音楽が多く、一般の人が突然コルトレーンと遭遇すると、、、、


八割は、、、



即、撤退



主義主張を何よりも強いられた時代に生きた人ですから、気楽にかまえて向かうとドバ〜ッと洪水の如く不可思議なものを浴びせられたような気分になってしまうかもしれません。
かくいう僕も最初はそうでした

中学校の同級生が持ってきたコルトレーンのライブ盤は、それはそれはコルトレーンの集中砲火のようなアルバムで、最後まで「我慢」して聴いたもののドドドッと疲労に見舞われたものです。そんなコルトレーンは「危険」という二文字でずっと封印していたんですが、、、

プロのヴィブラフォン奏者として演奏するようになってから、当時池袋の要町の交差点にあったライブハウス「デるブ」のオールナイト・ジャムセッションのレギュラー・メンバーとして出演するようになって、一晩のジャムが終わる明け方の午前5時になると毎回店内に流れる「疲労困憊(こんぱい)した身体を代弁してくれるようなサクソフォンの音」に耳が行きました。それが、今夜紹介している“BALLADS/John Coltrane”だったわけです。14歳の時に封印したコルトレーンを再び開封したのが24歳、実に10年間も聴かなかった事になります。
コルトレーンが偉大である事は承知の上(コルトレーンの影響を受けたサクソフォン奏者はたくさん聴いていたのに)、しかし、あまりに強烈な印象からなかなかその御本尊に手が届かなかったのでしょうね。

このアルバムにはエピソードが添えられていて、録音当時コルトレーンは気に入ったリードが見つからずスランプであったと。しかしレコード会社との契約がありどうしてもアルバムを録音する必要があった。そこで誕生したのが、この“BALLADS”である、と。
それが真実なのかどうか、、、、どちらかと言えば僕は信じていません。
そういうエピソードを添えるという事をアルバムのセールスに使った時代でもありますから(今でもキャッチ・コピーは同じですね)。
しかし、ここで聴けるコルトレーン“が”好きだ、という僕のような天の邪鬼もいていいでしょう。

プロになってヴィブラフォンを録音したもので、その時は気に入らずボツにしたものでも、時間が経過して自分の頭の中からすっかりその記憶が消えてしまってからある日第三者から突然「聞かされる」と、自分でも意外なほどに「吹っ切れていて」良く感じる経験を何度かしました。有能なプロデューサーと組んでやると、それをその場で的確に示されるものです。つまり本人よりも客観的な人物のみが「あるべき形を見抜いている」という事です。

このコルトレーンのアルバム・プロデューサー、ボブ・テーラーはきっと「本質」と「リスナーの心理」を現場に入る前から的確に見抜いていたんじゃないかと思ってしまいます。


さぁさぁ、そんな事よりも、このコルトレーンを少し照明を暗くした部屋で聴いてごらんなさい。僕が思う王道のジャズが貴女を優しく支配しますよ。

好きな曲は、もちろん1曲目“SAY IT(Over and over again)”
オールナイト・セッションの演奏で心地よく疲労した、あの時の聡明な記憶がいつでも蘇ります。


おしまい



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