2006/7/14

ヴィブラフォンから見たマリンバ  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第十七回目の今日はヴィブラフォン奏者から見たマリンバのお話しです。

マリンバとヴィブラフォン。
見た目の細部は異なるものの、全体のルックスはよく似た楽器です。
鍵盤が木製なのがマリンバ、金属製なのがヴィブラフォンという事ですが、このどちらかを選択して専門に演奏していると、改めてお互いの違いについて気付く事があります。

僕はヴィブラフォン奏者ですから、こちらの視点からマリンビストを観察(笑)しているといろいろと「面白いなぁ」と思う事があります。
今日はそんな事を少し書いてみましょう。

クリックすると元のサイズで表示します
実家練習室にある高校時代に使ったvibとmarimba


なぜ音が延びないと思うんだろう?
マリンバは音が延びないと思っている人は随分たくさんいますね。でも、ヴィブラフォンのダンパーペダルを踏まない状態に比べたら、十分音は延びてるんですよね。楽器は特別な操作をしない状態が基本とすればそうなります。
マリンバの演奏を見ていつも思うのは、残響に関してもう少し工夫の余地があるなぁ、と。
ホールの残響ではなく楽器自体の残響ですよ。
例えばトレモロ

僕がマリンバを触っていつも気になるのが、ハーモニーを両手のマレットを使って「延長」させるトレモロ奏法。隅々まで考えられた作品の楽譜では、両手に分散させたハーモニーのブロックの「どちらを先に弾く」という指示が明記されていますが、大半の譜面にはただトレモロのマークがあるのみ。
両手を交互に動かしているのだから、例えば左手から(=低音側)トレモロを始めると右手(=高音側)は「拍数」で言うとハーモニーの変わり目で次のハーモニーに移った左手との間で一瞬ぶつかった音を残す事になります。
もっと単純な例だと、メロディーをオクターブ・ユニゾンで弾くとメロディー毎にこの「ぶつかった」音を残しながら弾いているわけです。

「そんな事を気にするのは、おかしい」

と思うかもしれませんね。
しかし、これがコードを使った音楽になると問題になるのです。
コードは常に動きますから、その変わり目というのは綺麗に縦のラインが揃わないと共演者の顰蹙(ひんしゅく)をかいます。

さらにこの事を追求すると、メロディーをオクターブ・ユニゾン、叉はハーモニー(コード)をトレモロで演奏する場合に、果たして低音側から弾くべきか? 高音側から弾くべきか? という「大問題」に遭遇します。



僕はトレモロを使う場合持論を持っています。上記のような事を考えると恐らく僕と同じ答えに辿り着くでしょう。
そんな事、考えもしなかった、、、っていう人の為にヒント

「それ、いらなくなくない?」

です。


なぜ交互に叩くんだろう?
マレットの使い方でヴィブラフォンとマリンバが大きく異なっているように見えるのがマレットをどのように左右の手でコントロールするか、です。
なぜ違うのか? を考えると、答えはすぐに見つかりました。

トレモロが奏法の基準になってる・・・

そう、マリンバの奏法を見ると「トレモロ」が前提にあるので左右交互という動きが多い事がわかります。
ヴィブラフォンはペダルを操作すれば音が延びるのでトレモロに重要性がありませんから「左右同時、左右バラバラ」の二つが根底にあります。
そうなると、いろいろと違いが出てくるものです。

例えばスケール。

Key of Eb を弾く場合の例です。(4マレット時)

音は下からEb-F-G-Ab-Bb-C-D-Eb

これをマリンバでは(L=左手 R=右手) L-R-L-R-L-R-L-Rと弾きます。
ヴィブラフォンでは L-R-R-L-L-R-R-Lと弾きます。
最後の音はちょうどオクターブ上の音になりますが、マリンバでは出発した時の手順がここでひっくり返ります(今度は右手から順次)が、ヴィブラフォンの場合は何オクターブ演奏しても同じ手順になります。





ちょっと触れるだけでもこんなに違いがあるのですが、ひょっとすると、これらの事を上手く加工して演奏に組み入れると、今まで解決しなかった事が「出来た」り、新しい発想に繋がったりする、かもしれませんよ。

マリンバとヴィブラフォン。
まだまだ開拓されるべき可能性を秘めた楽器。それぞれが相互に刺激しあいながら発展させて行かなければならないですね。他の楽器と比べると歴史はまだ始まったばかり。さぁ、みんなでファイトぉ〜!


*** さて、ここで告知です ***

連休と共に夏休みに突入しますね。
そんな夏休みの最初に贈るライブのお知らせ

★7月18日(火)午後8時より @ 横浜・関内『KAMOME
出演/赤松敏弘(vib)+荻原亮(g)+村井秀清(p)=DUETS
料金/3000円(学割あり)
若手人気ギタリストと『秀景満』の秀さん(笑)とデュオやトリオでトークも炸裂!
予約/問い合わせ:045-662-5357(KAMOME)

★7月21日(金)午後7時30分より @ 東京・練馬/大泉学園『まほうの竜
出演/赤松敏弘(vib)+松島美紀(marimba)=DUO
料金/1575円+オーダー
本日の話題のvibとmarimbaによるデュオでジャズやピアソラを。良いお席はお早めに!
予約/問い合わせ:03-5387-1599(まほうの竜)


興味のある方は是非どしどしドゾ!


おしまい



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ