2006/8/24

これからの季節は・・・・・・このOREGON  木曜:Jazz & Classic Library

夜になると気温もぐっと落着いて大好きな“秋”はもうすぐそこまで来ている気配を感じる東京地方です

人間は季節で大別すると二通りの指向性がありますね。

冬の終わりから春、そして新緑から真夏のギラギラ陽射しに至る過程が好きなヒートアップ派。
夏の終わりから秋、そして紅葉から冬に向けて木立も枯れ果てて行く過程が好きなクールダウン派。

僕は完全に後者で、しかも夜行性早朝就寝派ときています(笑)。

その季節の中で聴く比重がグッと増す音楽もちょっと分類すると二つにわかれているようです。
僕の中ではこれからの季節は何と言ってもボサノヴァ。今ちょうど太陽がちょこっとだけ顔を出す気配をみせていますが、この時間帯にピッタリです。
そして陽が昇ってからは頭の隅々がクールに“スッキリ”するような音楽が増えてきます。

今夜御紹介するのは、頭の隅々がクールに“スッキリ”する秋の季節にお薦めのアルバム

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『NORTHWEST PASSAGE/Oregon』(Intuition/1996年録音)

オレゴンはRalph Towner(g,kb)Paul McCandless(obe,ss,English horn)Collin Walcott(tabla,perc)Glen Moore(b)の4人のメンバーが核となり、ラルフ・タウナーが1970年にニューヨークで発足させたグループ。息の長いグループですが途中パーカッションのウォルコットを不慮の事故(1984年11月ドイツツアー中)で亡くすという悲しみを乗り越えて現在もラルフ、ポール、グレンの不動のメンバーにパーカッションを加えて活躍しています。

このアルバムを初めて聴いたのは、90年代に出演していた自由が丘のライブハウス「アンクルトムズ・キャビン」でした。アンクルトムは東京でも珍しいECMの店という冠の付いたライブハウスで、当然ながらステージの休憩時間に流れる音楽はみなECMレーベルに所縁のあるミュージシャンのものばかり。僕らにとっては天国のような店でした(2000年代に入って発展的解消として閉店)。
ある夜、演奏が終わってカウンターでベースの山田晃路氏と話していた時に流れてきたのでした。すぐさま「これ、オレゴンでしょ。ちょっと見せて」とアルバムを手に取りハマってしまいました。「このオレゴンいいねぇ」・・・・・そこに出演するミュージシャンは一様に反応していました。

そう、みんな「オレゴン」が大好きなんですが、ウォルコットが参加した最後のアルバム(彼を亡くした直後にリリースされた)以来「オレゴン」は元気がなかったのです。

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『CROSSING/Oregon』(ECM/1984年10月録音)
オリジナル・メンバー最後の作品となった“クロッシング”。これ以前と以降でオレゴンは変ったというファンもいる。

初期の作品から聴いていますが、確かに「クロッシング」以降アルバムの曲の中には「割り切れなさ」を多少感じる事もありました。それが「NORTHWEST PASSAGE」では見事に払拭され、
この“新生”オレゴンの誕生にワクワクしました

例えばこれからの季節。紅葉に染まりつつある山への電車やドライブのお伴として、或いは湿度の少ない快適な日の午後のリビングルームで、きっとオレゴン・サウンドがその場をワクワクさせてくれますよ。

僕が初めてギターのライフ・タウナーの演奏を見たのは1974年の5月に来日したヴィブラフォンのゲイリー・バートンのクァルテットにゲストとして加わってステージでヴィブラフォンとアコースティック・ギターのデュオを聴かせてくれた時でした。会場だった大阪のサンケイホールのロビーで売られていたタウナーのアルバム『ダイアリー』(ECM)を買って帰って以来(ゲイリーとラルフのデュオアルバム『マッチブック』(ECM)も発売された)、このタウナー・サウンドはいつも心を刺激し続けてくれます。

タウナー氏のギターは他のジャズギタリストとは一線を画した世界を作り上げます。彼はいつも聴く人を音楽のストーリーの中に引きこみ、この音楽が単にギターによって演奏されている音楽であることを忘れさせるようなやり方を目指しているんだそうです。

自分の奏でる楽器の内側を向くのでなく、常に外側を向いている(この楽器はこういうものだ、という固定観念を持たない)ところに大きく共感します。

アルバムで一番好きな曲。当初は恐らくアルバムで一番キャッチーな3曲目の“Lost In The House”でしたが、最近は1曲目の一番オレゴンらしい“Take Heart”。アルバムを毎年季節限定で聴いていると年毎に微妙に変る自分がいる事に気付きます。このアルバムはこの季節にしか聴かないでおこう、、、と決めてみるのも音楽を長く楽しめるコツなように思います。だって、いくら好きな食べ物でも毎日食べたらすぐに飽きちゃうし、身体にも良く無いでしょ。好きなものが減るくらい人生で不幸な事はないんです。
そんな考え方で作られたアルバムがみんなほしいんだよね
企画品にはもう飽きた。

おしまい



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