2006/9/11

そうだよなぁ。。。  月曜:ちょっと舞台裏

音楽用語を日常用語に代用して暗号化していた時代があります。今頃そんな隠語を使う人がいたら「ヲイヲイ」とセンスを疑いますが、みんなが(いや、音楽業界の関係者という意味です)使っていた時代はこれが元でのハプニングも多かった。

数字に音名を使っていた時代がありました。
基本的には、なぜかこれがドイツ音名のC D E F G A H (ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー)。一番これで多かったのが金額に置き換える会話。

基本的な例文:

A:「Bちゃん、ひとつゲージュウでよろしく」
B:「ゲージュウ?スイヤだねえ」

解読するとAさんの『50万円でやってくれまいか』という頼み事に対してBさんは『50万円では安い』と不服を述べています。

ドイツ音名のG(ゲー)が“5”という数字の代わりに使われています。それに位の十
(ジュウ)が付く事によって50という数字を示す事がわかります。しかし「万」という単位が出てきませんが、次のように解釈しなければなりません。
日本では位がイチ、ジュウ、ヒャク、セン、マンとありますが、マンの位を超えないと単位にジュウを使いません(この場合大人の会話なので50円という単価は省略)。すると必然的に50というと50万になります。もっとも大企業がこんな会話をするとなれば50億円もありうるわけですが、そんなジャンキーな企業はありません。
 
この場合、数とは関係のない“スイヤ”という言葉にも注目しましょう。これは「安い」という単語のアナグラム。数の置き換え以外にも隠語を使うとなると、Bさんはかなりの上級者とみなします。

日本では金銭を口にするのはタブーとされた時代が長かったのでこう言う表現が出来たようです。昔は喫茶店が打ち合わせの場所の代表だったので、隣りの席で誰が聞いてるか分からない環境。そうなると知らない相手にはわからない「暗号」が便利なわけです。

この隠語はクラシックのオーケストラから始まったと言われています。ドイツ音名なのはそこに起因しているのでしょう。

ところがこのドイツ音名のクセモノが“E=エー”と“A=アー”。
ポピュラーだと英音名が基本なので慣れないといろいろとみんな「やらかす」ので“E”と“A”だけは英音名(イー、エー)になっていたり、、と、なかなか単純解読とは行かないようになっています。

ちなみに英音名だとC D E F G A B(シー、ディー、イー、エフ、ジー、エー、ビー)。

実力テスト:
次の金額を正しい隠語でそっと相手に伝えましょう

   35.000円

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(正解は最後に)


しかし、僕はあんまり使ってなかったせいか、一つの未完のままです。
8は音楽用語のオクターブを使います(8千円ならオクターブセン)が“9”って何だったのだろう?? 音階が7音で出来ているので1オクターブ上の8までしか音楽用語にないのです。

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バブルの頃に日本に帰ってきたら、業界の言葉も随分変わっていました。
浦島太郎みたいでしたが、それも今では見かけなくなりましたので参考までに載せておきます。

あるプロデューサーに演奏が終わったところで指を1本立てて「イッポ〜ン!」と言われ、最初は何のことかわかりませんでしたが、このころの最小単位が10万との事。「イッポ〜ン!」と言われれば10万円、2本なら20万円、、、、話しが大きくなると「イッポ〜〜ン!」が100万、場所によっては1000万なんて事らしかったのですが、その後バブルが弾けると共に「イッポン」が丸一つずつ消えて行き、その内にこの言い方は泡の如くに消滅しました。

今ではちゃんとした言葉で話しをするのが常識で、ココに挙げた隠語などを使う人がいたら「ひんしゅく」モノです。

でも、こうやって書いている内に思いました。そういう遊び心で仕事をしていた時代って、ひょっとするとみんな幸福だったのかもしれませんね。しかもコレなんか日本独自の文化かも? やはり「遊び」がないと面白い発想や文化は生まれないのかもしれませんよ。
みなさんもこれからは真面目に遊んで新しい業界用語を作ってみましょう。うん?


正解:イーマンゲーセン

おしまい



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