2007/1/18

リズムボックスじゃないよ・・・Phill Woods(as)  木曜:Jazz & Classic Library

アルトサキソフォンのフィル・ウッズはジュリアード音楽院卒業でふくよかなトーンとチャーリー・パーカー(as)ばりの超高速フレーズで注目を浴び多くの名演がある人です。今思うと当時のジュリアード音楽院はスタン・ゲッツ、マイルス・デイビス等その後ジャズのキーパースンとなる人が多く在学しています。徴兵制とも多少関係があるとは思いますが「新進気鋭の音楽教育」が実践されていたのは今も昔も変わりありません。

さて、フィル・ウッズですが、卒業後のバイタリティー溢れた頃の演奏に関してはリアルタイムに触れられなかった(生まれてないから当り前ですが)のでアレコレ言う資格がありませんが、ガッツリとジャズを聴き始めた頃に、ヨーロッパから僕に耳にそれは飛んで来ました。

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『At the Frankfurt Jazz Festival/Phill Woods and his Europiean Rhythm Machine』(Atlantic/1970年)

いきなり怒涛、超高速、フォームも伸びたり縮んだり変幻自在のエディー・ハリス作“Freedom jazz dance”でまずぶっ飛びます
 
当時中学生でしたから、何が何だか訳分からないもののこの超高速にノメリ込みました。硬派でハードボイルドなサックスに超絶技巧サイドメンが固めた演奏。それにしてもA面B面それぞれ2曲ずつ、合計4曲という破格の長さ(1曲の演奏が)。このヨーロピアン・リズムマシーンのアルバムは、デビュー作こそスタジオ録音でしたが残された大半はライブ録音というのがこのバンドの特徴を物語っています。(ちなみに後日デビュー作をジャズ喫茶で聞いた記憶がありますがライブ盤を凌ぐものではありませんでした)

B面のヴィクター・フェルドマン作の“Josua”がまた凄い。ドラマーのDaniel Humairは“馬鹿”を付けても尊敬してしまうほどの超絶技巧によるロングソロを披露。まるで一人打楽器アンサンブル状態。音楽性はともかくヨーロッパのミュージシャンは馬鹿テクで威勢が良いと思いました。最後のジャズ&ロックタイプの“The Meeting”はこのバンドのピアニストGordon Beckの作。ゴードン・ベックはUKのミュージックシーンでその後重鎮となった人。この曲のみフェンダーローズではない(なさそうな)エレピ(マル・ウォルドロンがアルバム“Call”で弾いてたタイプ)に持ち替えてアグレッシブに切れまくったソロで圧倒。

下手なロックバンドなどぶっ飛ぶようなガッツに溢れた演奏の数々。いやぁ、凄い!

これでフィル・ウッズのヨーロピアン・リズムマシーンが気に入ってしまい、翌月もレコード屋に駆け込み一つ前のアルバムを購入。

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『At the Montreux Jazz Festival/Phill Woods and his Europiean Rhythm Machine』(MGM/1969年)

こちらも1曲目“Capricci Cavaleschi”(舌噛みそうなタイトルです)から快進撃。例によってA面B面全4曲。B面の1曲目はこのバンドでは珍しく美しいサウンド。なぜか耳馴染んだサウンドだと思ったら当時ゲイリー・バートンのアルバムでよく聞いていたカーラ・ブレイの作曲による“Ad Infinitum”。ストレート・エイトの曲なんだけど最後は御機嫌にジャンプする仕掛けが“臭〜ッい”けどいいんだな。これは輸入盤だったので詳しい事がこの時は分からなかったけど、Phill Woods and his Europiean Rhythm Machineは初代のピアニストが本作までGeorge Gruntzで先のアルバムからGordon Beckに替わったようだ。
ベースのHenri TexierとドラムのDaniel Humairは不動。

少し前まで日本でヨーロピアン・ジャズが流行っていましたが、このEuropiean Rhythm Machineに匹敵するようなガッツと超絶技巧に溢れてオオ〜!っとソソラレる感じではありませんでした。確かに時代は違いますが、欧州各国の代表と呼べるミュージシャンを寄せ集めたEuropiean Rhythm Machineを率いるフィル・ウッズのようなリーダーがいれば状況は違っていたかもしれませんね。

その後、フィル・ウッズはアメリカに戻り再びジャズの王道を歩む事になりますから、Europiean Rhythm Machineは長いキャリアの中のほんの一部分。でも、それにリアルタイムで出会えた事は幸運でした。だって、ジャズってその時代の音。今では考えられないような時代の空気がEuropiean Rhythm Machineの演奏には閉じ込められているのです。

ちなみに、ビリー・ジョエルのミリオンセラー“Just The Way You Are(素顔のままで)”の間奏のサックスソロがフィル・ウッズなのは有名なお話しです。

いよいよ明日1月19日(金)は“赤松・アリマサDUO”で厚木遠征。ヴィブラフォンとピアノのデュオをお楽しみ下さい。
小田急線「本厚木」駅北口「キャビン
出演:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p)
午後8時開演(午後7時開場) 料金/3000円+オーダー
問い合わせ/予約 046-221-0785 / 090-4827-3155

では、厚木でお会いしましょう!

おしまい



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