2007/2/2

恐らく苦手なスイングを・・・Comping-2  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第四十回目の今日は先週からの続きで演奏に不可欠なカンピングのお話しです。

ヴィブラフォンやマリンバは他の楽器からみればソロが終わってボ〜ッと突っ立っているのを許してくれない程ステージで占有面積があります(笑)。
「このデカい楽器でみんなが窮屈してるんだから伴奏のひとつもやってくれないとねぇ、、、」
という視線が・・


カンピングは楽譜に書かれた伴奏ではなく、コードネームから選択した和音で演奏全体のサウンドを支えソリストを聴きながら即興的に最良のクッションを提供する行為で、自分がリズムセクションの一員に成り切らなければならない。
ある時はベースと、ある時はドラムと一緒になってソリストを聴きながら伴奏するわけだ。その為にベースの音を明確に聞き分ける訓練が必須な事は以前に書いた通り。アドリブとまったく同じように楽器でのソルフェージュ能力が演奏に反映されるから“耳”の訓練は欠かせない。(単に鳴ってる音が単独で聞こえるだけの聴音では意味がなく、サウンド全体を聞き取るコード感が必要)


Comping / Rhythmically Supporting

ヴィブラフォンを始めた中学の頃は周りにジャズを演奏する人がいなかったので必然的にレコーダーを駆使して自分でオケを作って流しながら練習をするしかなかった。
伴奏を録音している時(主にピアノを弾いて作った)に、ボサノヴァやロック等は中学生のつたない演奏ながら「それなり」のサウンドが出来たが、ジャズのスイングビートになるとどうしても「それなり」に仕上がらない。
ボサノヴァやロックはある程度規則性のあるリズムを伴奏に入れば雰囲気は出る、ところがスイングとなると、これはもう自分の世代では自然に「感じられる」時代に育ってないからさっぱり要領が掴めない。どうしてもシャッフルビートになってしまう。


これはイカん

高校に入るまで悩んだあげくにリズムの規則性を使って何とか出来ないものかと考えた。
後に振り返るとそれはこんなもので、まんざら見当違いでも無かったようだ。

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スイングビートは4拍子が基準で、ドラムを聴くとハイハットが2拍めと4拍めに聞こえるパターンがまずある。ライドシンバルもある程度は規則性があるがハイハットほど重要では無さそうに当時感じた。このハイハットを踏む2-4の拍は音楽では弱拍と習っていたのでここをキープしながらスイングビートの演奏を聴くと、それまでまったく規則性が感じられなかったスイングビートが少しずつ見えてきた。
伴奏の一番ベーシックはコードの変わり目にブロックコードを弾く事(これは他の音楽も同じ)。ところがスイングビートの音楽を聴いているとハイハットの弱拍にコードを弾くケースが意外と少ない事に気が付いた(モダンジャズ以降)。
僕の中での勝手な予測では、「弱拍」はみんなで聴きあう為になるべく「抜く」んじゃないかい?


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ほらね、みんな「抜いてる」でしょ
リズムはドラマーが責任を持って演奏するものだから、それを聴く瞬間に自分が音を出したら「聞こえにくい」。逆にロックでココに思いっきりガツンとみんなで音を重ねてビートを厚くするのと正反対。そうかぁ、スイングって「肩すかし」なんだぁ(当時の感想ですのでツッコミやクレームは御遠慮下さい/笑)。
ジャズで言う「自由に」という意味が何となくこの辺りから見えてきた。


4拍子の曲よりも3拍子の曲のほうが最初は得意だったし好きだった。3拍子は3つの四分音符でキープする事も一拍半二つでキープする事も自在でとても自由に感じられた。
それじゃあ、その3拍子の「自由さ」を4拍子に当てはめると自由になれるんじゃないかな。ロックなどパターン化されたリズムに耳馴染んでいる僕らは、こうでもしないと四角四面のスクエアな世界から飛出す事が出来なかった。

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数学ではありませんが、ジャズのベーシックの一部にあるブルースのフォームがちょうど12小節だったのでこれを3小節区切りで一回転するリズムパルスを考えました。
音楽の流れは4小節基準に出来ているので4小節の3パターンの流れに、3小節パルスのリズムパターンを4回挿入すれば1コーラス12小節の頭で揃うわけ。
これを思い付いたのは大好きだったボサノヴァのリズムパターンが2小節で1回転するパルスで出来ていて、四拍子の音楽ながらロックとは違う「緩い感じ」が心地よかったから。
なので3小節間の内の2小節のリズムパターン(1-2 or 2-3)はオーソドックスなボサノヴァのリズム。

このやり方で演奏すると↓印の部分が「みんなで聴きあう弱拍」と重なります。
ソコにみんなの気持ちを整える助走があると良いように思えて、「ほらね!」という感じに聞こえるアプローチ・コードを入れて「誘う」方法を考えてみた。

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上のEtude-Iの冒頭4小節。
↑印の部分がアプローチコードです。
さらにコードの変わり目の最後の拍(正確には裏拍)に前のコードを弾くと残響が次のコードサウンドとぶつかってしまう(アヴォイドノート等調性を疎外する)ように聴こえるので、この部分は次のコードを前倒しします(アンティシペーション)。

このように4拍子の中で弱拍の位置を意識しながら練習するとスイングの「自由さ」が見えてくるでしょう。あくまでも示したのは一例に過ぎず、様々なバリエーションを修得しながら共演者を聴く訓練に結び付けて下さい。

おしまい



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