2007/2/8

毎朝流れたVictor Feldman(p,kb,vib,perc,comp)  木曜:Jazz & Classic Library

ヴィクター・フェルドマン(Victor Feldman)というとジャズファンの間ではマイルス・デイビスのバンドでハービー・ハンコック(p)の前任ピアニストでもありハンコックにハーモニーの点で多大な影響を与えた逸話がありますね。

もっと遡ると7歳でドラムを始め8歳でレコーディングデビュー、9歳からピアノをはじめ14歳にはヴィブラフォンもこなす神童でイギリスを沸かせ、21歳でアメリカに進出してベニー・グッドマン(cl)や伝説のベーシスト、スコット・ラファロらとの共演など多彩な活躍をしたミュージシャンという事になります。

作曲でも人気があり、60年代のマイルス・デイビスを筆頭にフェルドマンの曲は多くのミュージシャンが取り上げ好んで演奏している。(末席ながら僕も05年のアルバム“Focus Lights”で彼の曲を取り上げさせてもらった)

70年代以降は西海岸のスタジオミュージシャンのボス的存在となり、数々のレコーディングに名前を見かける。しかもポップスからジャズまで実に幅広いジャンルを網羅していた。

ヴィブラフォン弾きの僕ならフェルドマンとの遭遇は彼がヴィブラフォンを駆使していた頃のアルバム(例えば1958年の「The Arrival of Victor Feldman」辺り)とお思いかもしれませんが、フェルドマンの作曲したナンバー(上記マイルス・デイビスの“Josua”や“Sven Steps to Heaven”など)は別として意外にも遅く1980年代の中盤になってから彼の音楽に初めて触れる事になりました。


しかも毎朝

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『FIESTA/Victor Feldman』(Victor/1984年)

午前8時頃にお天気カメラが全国の空模様を中継していたTBSの番組を寝惚け眼で見てますと(テレビつけっぱなしで寝ているのバレバレ)、バックに流れる静かなバラードに興味が沸いてきました。東京に出て来て演奏活動を始めてしばらく経った頃で、オリジナルを増やそうと演奏後の深夜に毎晩「1曲」の作曲を日課としていた頃で、ジャズは元よりいろんな音楽に耳がダンボになっていました。
なのでちょっとでも気になった曲が聞こえると五線紙を取り出してメモするのです。まだまだ知らない音楽がたくさん出て来た時代なのでメモしないとドンドン忘れてしまうのです。
もちろん曲名も誰の作品かも(当時は)クレジットがテレビ画面に出ないのでわかりません。
いちいちテレビ局に電話するほど、、、ではなかったし、音採りも簡単だったので、ただ気に入って自分で弾いて楽しんだり、曲作りの為に分析したり、、、で、そのまま永遠にこれが「何」かも分からぬまま自分の中に消化していました。

ところが・・・・

メモした数日後。。。。


当時中野で出演していたライブハウス「いもはうす」の休憩時間に、あれよ、あれよ、と、その「お天気カメラ」の音楽が流れて来たのです。。。
これにはびっくりしました。
さっそく「これ、誰?」ってマネージャーに聞くと「ほら」と出してきたのが今夜ご紹介しているアルバム。この偶然が無かったら、一生僕は「あの曲」がフェルドマンの作品だとは気付かなかったでしょう。偶然は自分が強く念願していると叶う瞬間の事なのか?と、その時に本気で思いましたよ。ある意味で僕の人生の基調は「偶然」か。。。

早速翌日の昼間にアキバの石丸レコード館に行って即購入

お気に入り、お天気カメラの音楽はアルバム3曲目の“With Your Love”と判明。わかってしまうと、何とも「ベタ」なタイトルだなぁ〜とも思ったのを覚えています。タイトルって曲を聴いて「なるほど!」と納得させられる物もあれば、「ううん、、」というのもあります。メモまでした割には、、、、いや、曲のニアンスはそのままなんですけどね。

しかし、これはシンプルで好い曲です。

アルバム全体は、当時スタジオのサウンドで全ての音楽に影響を与えていた西海岸の心地良いラテン&フュージョンサウンド。2曲めでパンチの効いたボーカルは聞こえてきますが、これはダイアン・リーヴス。その数年後にジャズフェス出演で来日して一気に人気に火がついたボーカリスト。ナーザン・イースト(b)、リー・リトナー(g)に、最後の曲にはチック・コリア(p)まで登場する人脈振りはさすがにLAサウンドのボス。

音楽は時系列的に最新の物から聴きます。今の感覚(又は、今に近い感覚)であれば、予備知識の無い僕でもそのミュージシャンの思考や核に近い部分で過去を辿って行けるからです。
惜しくもこの翌年(日本発売は85年)に51年の生涯を閉じたマルチ・ミュージシャンの草分け的存在のフェルドマンが最後に作り上げた「賛歌」。これに偶然遭遇出来た事は、その後の僕にとって大きな道標になった気がしています。

おしまい



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