2007/2/12

重いのはどっち?  月曜:ちょっと舞台裏

昨日のブログ“GO!GO!マレットプレーヤー”で国内とドイツの弟子達の様子を書いたら、アメリカ留学組のMikaちゃんから「この間バークリーのコンサートでGreg Osbyと共演しましたよ〜!」とメールが。いいゾ!
世界中に散らばる弟子達の活躍は嬉しいもので、時に御無沙汰で連絡のない事もあるけど、人生にはそういう紆余曲折の時間が必要ですからそこで大きく成長すると思って気長に見ています。ともあれ世界中でヴィブラフォンを演奏して周りの人を“わくわく”させましょう。

ヴィブラフォンで“わくわく”しているのは、なにも僕らだけじゃなくて、先日もイタリアのヴィブラフォン奏者Marco Bianchi君や、アメリカの“JazzNews”のライターでヴィブラフォンの大ファンRon氏などからコンタクトがあり、ネットを介してボーダレスにヴィブラフォンで“わくわく”している人達が繋がっている。
最近は海外で発売されているアルバムを通じて知ってくれて、ネットで検索して(例えHPやブログが日本語で書かれてあっても)性能のよい翻訳ソフトで解析して読んでるんだそうです。スゴイ、いや、ヤバイ(笑)。
便利な世の中になったものです。 いや、ヤバイ(笑)


さて、本日のお題“重いのはどっち?”ですが、
僕らは日頃から作曲や編曲をやっていますが、さあ、果たして作曲と編曲、どちらが作業としては「重い」と思いますか?

ある物をアレンジするのだから「そりゃ編曲が楽でしょー」って?

確かにゼロから書き始める作曲よりも、すでにガイドのあるアレンジのほうが楽そうに見えますよね。
書き始めようとするものの、一向に筆の進まない作家が「彼女“は”」にするか「彼女“が”」にするかで悩み原稿用紙を何枚もゴミ箱に放り投げるシーン、、、あれ、正に作曲と同じ瞬間ですよね。

でもね〜、「重さ」から言うと実はゼロから「明日は風の向くまま、気の向くまんま」的な作曲のほうが遥かに楽なんですよ。
もちろん、運良くネタが沸かないとだめなんですけどね。

この三日間の深夜帯に“ある曲”を引っ張り出して格闘していたのですよ。他人の曲じゃなくて自分の曲。

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25年前に書いた自分の曲と格闘。原譜は全て手書きで、しかも鉛筆書き。

この頃は毎晩1曲作る習慣を実行していた頃で、ライブがあろうと、風邪をひこうと、プライベートに忙しかろうと、週末を除いて週5日、自分のボーダーライン(最低目標確率)を7割として4週間に15曲以上作るという目標があった。
まあ、二日に1曲という自己課題だったけど、そのおかげで随分音楽能力は上がった。(後にバークリーに行った時にも課題地獄で死なずに済んだ/笑)その頃は作曲すると必ず日付けを記していたので、どの曲も誕生日が明白。

新たなプロジェクトにあたってこの曲の事を思い出したのが運のツキ。
25年前の自分と向き合う事になって、つくずくアレンジは大変だと痛感した。
これが作曲だと「ホイホイ」と出て来るのだけど、曲として残したものはその時点で「完結・成立」している。自惚れではなく、殆ど曲としては完璧なんだ。
25年前ですから、血気盛んで、きっと今よりも研ぎ澄まされた感覚で書いているから「寸分の隙」もない。特にこの曲はクラシックのピースのように殆どが“書き譜”。それにコードを振ってソロも取る為の曲だ。
一音一音をピアノで弾くと、あの頃考えていた事が鮮明に蘇る。蘇るから自分の心は一瞬でその時にワープしてしまう。ワープしてしまうと自分は最早冷静ではなくなってしまうから25年後の自分の取り入る隙が無いように感じてしまう。

ふぅ〜ッ

一日目はこれで終わってしまった。。。

二日目になると昨夜の懐かしさが減って、やや冷静に曲を吟味するようになった。自分の曲であればあるほど、客観的に「なるほど!」と新鮮に感じられないと今取り上げる意味を見失ってしまう。主旋律以外にほんのちょっと「これで君はどのように成立させていたんだ?」という部分を発見。吟味する内に夜が明けた。

三日目。昨夜気になった部分が全然気にならない。ううん、、昨夜は吟味し過ぎて前後不覚に陥ったようだ。全体のレベルでもう一度最初からピアノで弾く。吟味していた部分の1割が気になったので始めてパソコンに向かって音譜の入力を始める。問題の部分になって25年振りの改編を行う。
入力した譜面を見ながら頭の中で何度も検証しOKを出す。
最後まで譜面を入力したら夜が明けていた。

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四半世紀振りにパソコンでデータ保存され出番を待つ

この曲を作ったのは1982年6月5日と6日。
改編したのは2007年2月10〜12日。
たった2小節の改編に三日とは、、、、アレンジはやっぱり重たい。

この曲がどのように仕上がるかはいずれ報告するまでしばしお待ちを。
何しろ25年熟成して初お目見えになるのだからドキドキとワクワクだよ。
あの頃の僕に「しょーもない事すんなよ」と言われないようにしなきゃね(笑)。

楽器を演奏するみなさん、若い時に苦労して曲を書いておくと良いですよ。
その時に「完璧」と言い切れる物が出来上がるまで続けて下さい。
いつかその曲が自分を動かす原動力になりますから。

おしまい



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