2007/5/21

レコーディング・エピソード・・・ちょっとサプライズ  月曜:ちょっと舞台裏

アルバムのレコーディングとなると事前の打ち合わせは重要。レコーディングを如何にスムーズに進行させるかの事前作業はミュージシャンによって様々なんですね。

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僕らの世代以降であればみなネットを介して繋がっているのでメロディーやコード楽器の場合はメールと添付ファイルによって譜面の送受信が行われ、それによって相手がある程度曲のイメージを事前に把握する事ができますが、それでもリズムセクション、事にジャズの場合はリズムパターンで演奏するわけではないのでベースやドラムの場合は何かヒントとなるサンプル音源が必要になって来るわけです。

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かつて記録している過去の音源をiTuneからピックアップ

若い頃は毎晩のように共演者とライブで顔を合わせ、幾度と無く繰り返し演奏された曲を録音したり、何度もリハーサルを繰り返して曲をまとめて行ったりしました。その為の時間は無限にあったのかもしれません。でも今はみんなそんな時間はありません。
90年代はシーケンサーやパソコンを使ってサンプル音源を作っていましたが、(その頃は完璧主義だったので/笑)物によってはその音源がミュージシャンの発想を妨げている事もあり、最近は人間が演奏したサンプルがあればピックアップするけど他は譜面のみでサンプル音源無し。
パソコンで作った物は確かにイメージを明確に出来ますが、ある意味で余計な押し付けや威圧感を与えてしまう事もあります。「コレ、このままでいいじゃん!僕らが演奏するよりも機械のほうが完璧じゃん!」って。

メンバーの人選の段階で僕は相手がどんな演奏をしてくれるのかを最大限で予測します。過去に一緒に演奏した時の記憶、最近の音源、電話やメールで話したりやり取りしながらそれらを組み立てて行くのです。
今回、サンプル音源を事前に用意したのは2日目のセッションのみ。後は個別に会って僕がピアノを弾いたりしてその場でイメージを伝えただけ。ユキ・アリマサとのデュオなどはスタジオで初演奏でした。
作りこんだり、ライブでこなれた曲のレコーディングも良いのですが、僕はジャズのレコーディングはセッションこそが一番重要だと考えているのです。それはライブよりも強く。

その二日目のサンプルをまとめていた時に、ある曲でいくつか過去に残していたライブの音源(もちろんメンバーも編成もまったく異なる)を辿って行くと一番最初の音源に行き着きました。曲のニアンスが最も明確に残るのは作った当初、という事です。その後に演奏した物は演奏のクオリティーが向上するに連れ、演奏者それぞれのカラーが反映されているので「演奏のお手本」になってしまう危険性があるのです。
そこでもう20年も前の音源を採用して送ったのでした。感性豊かなミュージシャンに渡すサンプルは未完成な物であるべきなのです。
音源で誰が演奏しているというメモは特に必要ではないので添えていませんでしたが、それがあるサプライズになるとはこの時は思っていませんでした。

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さて、録音当日。
集合時間にスタジオで顔を合わすと、某君が僕に尋ねてきた。

「あの音源は誰が演奏してるの?」
なるほど、そう来ましたか。演奏者に興味があるのだろう。

「うん、最初の2曲はカクカクシカジカだよ」
「へえ〜、外人さんかぁ。なるほど」

「で、次のは後藤君(ゲスト)の名古屋のトリオの演奏」
「あ、じゃあ誰々だ。結構いいなあ、いや、この演奏カッコいいなぁ」

「で、もう一つのだけど・・・」
「ああ、これこれ、誰ですか?」



「誰だと思う?」


「いやぁ〜、こういう感じの人って、、、あんまり知らない、う〜ん、誰だろう??」


















「わからない?」






「うん、、、」


















「それ、」






「・・・・」




「20年前の君だよ!」



「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」

某君は飛び上がらんばかりに驚いた。
事の成り行きを見ていたメンバー、スタッフとも驚きと大爆笑。
みんな知らなかったのだから、そのサプライズは。

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ブレブレ写真をココに載せると某君捜しみたいだけど(笑)

「バークリー時代のリサイタルだ。確か1A(小ホール)」
DATで記録していた音源は20年経っても鮮明だ。
「こ、こ、こんなサプライズがあるなんて、、、、」

しきりに20年前の自分の演奏を分析する某君。

「ハハハ、もういい。今日は20年後の姿をお互いに録ろうゼ!」

確かにこの曲は1度しかやってない。特にバークリー時代はみんな次から次へと演奏する日々の繰り返しだから覚えているほうが不思議なくらいだ。
僕だってその頃やった他の人の曲なんてすっかり忘れてる。もしも誰かがそれを記録してて聞かせてくれても自分だという確証はなかなか持てない。ヴィブラフォンは数が少ないから聴く内に自分だとわかるとは思うが、今でも車で走りながらFMを流していて途中から「なんかこの曲知ってるような気がするなぁ」と間奏の所でヴィブラフォンのソロが聞こえてきて「あ、オレだ!」とか、人の事は言えた義理じゃありません(笑)。(言い訳するとレコーディングはオーバーダブが多く、完成品のサンプルを送ってくれなかった人の物は大概そうなる)

まだ興奮覚めやらぬ某君に、

「でもね、録音が終わってから教えようと思ってたんだよね。それ」(笑)


おしまい

2007/5/20

空と新宿と土産袋・・・  日記

ココ最近では上等の五月晴れの東京です。
今朝寝る前に(表現がおかしいけど事実だから仕方ない)外を見ると、爽やかな夏の日の朝のような空気が心地良かった。

午後のレッスントップバッターはアルゼンチン出身のR嬢。毎回彼女が来ると空模様が気になる?(笑)。ちょっと曇り気味だったが、演奏で彼女の困惑が解消するにつれ空模様も快晴に。そう言う偶然の一致って気持ちを何倍にも助長してくれるからいいね。
生活の中でいろんな物に目を凝らしていると、何でもない事に人は影響されるものだから、根詰め過ぎた時は空を見よう。

夕方、新宿に向かう
iPodで先日触れたThe Cursadersの1974年のライブを聴きながら爽やかな風の中を駅まで歩く。
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思いのほか車内は混雑していて(恐らく近くのサッカースタジアムや競馬・競艇通いの人の帰りかな)ドアのところで街並みを見ながら30年前のThe Cursadersのサウンドに耳を傾ける。
ううん、、、、このサウンドと視界に映る景色はさほど違和感がないなぁ。って事は今の日本は30年前のアメリカって事か。30年前にコレを聴きながら歩いてたあの感触は30年後の空気を予測してたのか?不思議だ。

15分で新宿到着。午後6時ちょうど。
日曜日だからこの時間は混んでてもその内みんな家に帰るだろう。
ちょっと気になるCDがあったので隣りの黄色い“T”レコーズへ。

すぐにお望みのCDは見つかり、ついでにもう一枚もゲット。レジに並んでいると何処からとも無く聞き覚えのある音が。。
後で聴こえる方向に行って見ると、ナント、バンジョー奏者ベラ・フレックとチック・コリアのデュオだった。ベラ・フレックはバークリー同期のバンジョー奏者・有田純弘氏の友人で二人は互いに良きライバル(当時二人はよく全米バンジョー・コンテスト等で優勝争奪戦をやっていた)でもありバンジョー界を進化させる試みに意欲的だった。バンジョーでこういうサウンドを出せるのは世界に二人しかいないから耳馴染んだ音だ。
隣りには70年代ファンクのヴァイビストという触れ込みのアルバムがあって聴いたんだけど・・・・僕には余りにも物足りず(レアグルーヴ系は嫌いじゃない)何でも古ければ良いってもんじゃないと感じた。マリンバのアプローチは面白かったけど、余りにもピッチが狂ってて気の毒。
対照的な試聴を終えて外に出た。

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随分陽が伸びたものですね。午後7時にあと少しというのに、まだまだ空は澄み渡っています。

今夜はバークリーに留学中の元弟子Natsuko嬢と待ち合わせ。先週学校のファイナル(期末試験)が終わって友達の結婚式で演奏する為につかの間の一時帰国。今週にはとんぼ返りと忙しい。彼女はビブラフォンではなくピアノ専攻だ。最初に見たのが18歳の時だから・・・時間の経つのは早いものだ、、などと思っていると目の前にNatsuko嬢が仁王立ち、もとい、先に到着していて慌てた(笑)。5分前だぜ。

近所のイタメシ屋に入り乾杯。飲みながら近況報告。20年という時間の違いはあるものの大体の様子はわかる。いつの時代にも同じような人がいて、同じようなハプニングやアクシデントがソコにいる人に配役されて展開される。まぁ、それが学校というものだ。ただ、少し違っているのは日本の提携校から毎年まとまった数の留学生が来るので雰囲気は日本の学校の延長という感じか?
僕らの頃はアウトローの溜まり場(笑)。まとまったといえば僕もそうだが海外セミナーから入ったくらいで一番多いセメスターでせいぜい14〜5人だった(日本人合計)。

この間マスタリングした新作アルバムの音源がiPodに入ってたので聴いてもらった。やはり若いバークリー現役生の耳にどう聞こえるかは興味深い。時間を経る毎に日本の耳ではなくアメリカの耳になって行く環境だからだ。
珍しくNatsuko嬢の口から何人かのヴィブラフォ二ストの名前が挙がる。
ちょうど彼女も同級生のヴィブラフォン奏者と演奏しているから興味があるのだろう。
それに対しては正直に答えた。
ヴィブラフォンとピアノの共演のコツについて質問を浴びせられた。
リズムセクションについての質問も来た。
僕の経験上の話しで答えた。
毎回こういう話しになるのだが、少しずつコチラに接近しているのがわかって面白い。それらの回答の多くはiPodのサウンドに閉じ込めてある。
そういう耳で今回はどのように聴こえたか次回が楽しみだ。

午後9時過ぎに店を出てNatsuko嬢と新宿駅で別れ家に着く。

手にはしっかりとNatsuko嬢の土産物が

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オオ!この「Store24」の袋!懐かしい。バークリーの向かいにあったコンビニだ。

その中身の事は、近々の水曜特集“コレは好物!”で!

Natsuko嬢ありがとう。そして、頑張れ。

おしまい

2007/5/19

BigBand  日記

ビッグバンドというのはジャズの大編成のバンドの事です。
クラシックで言えばオーケストラに匹敵します。

ヴィブラフォンをやっているとあまり縁がないのですが、管楽器のプレーヤーにはビッグバンドの経験を持つ人が多いですね。僕のビッグバンドとの関わりはバークリー時代のビッグバンドのアレンジやプロジェクト・バンドを除けば、渡米前から付き合いのある前橋(群馬県)のモニュメント・ハウスを始め社会人ビッグバンドの人達の共演兼指導やアレンジの提供などが多かったのですが、このところ御無沙汰していました。
恐らく日々活躍するビッグバンドはプロのビッグバンドよりも遥かにアマチュアのビッグバンドが多い、というのが日本の現状だと思います。
それだけプロとして運営するのが難しい現状があるかわりに、社会人ビッグバンドを中心に実に幅広い年齢層の人達が全国各地で活躍しているのは頼もしい限りです。
そこには大なり小なり各大学の学生ビッグバンド出身の人達が起爆剤となって先導している姿があります。

さて、今日は神奈川県を中心に活躍している社会人ビッグバンド“PANASONIC COUNT SEINOW ORCHESTRA”のリハーサルに伺いました。来月開催される彼らの42回目の定期演奏会にゲストでお呼ばれしているからです。

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週末はこの練習場(彼らの会社内)でリハーサルを繰り返しているのだそうです
GWには合宿もやったそうです

そもそもは今年の3月の始めにこのカウント・セイノウ・オーケストラのキーボードとコンダクトを担当している柳川氏から演奏依頼のメールが舞い込んだ事から始まりました。メールで2〜3度やり取りをしてサンプル音源を聞き、共演予定の曲目などを出してもらって決めました。
彼のメールにもあったのですが、ビッグバンドとヴィブラフォンの共演はあまり生では見られない(古くは有名なライオネル・ハンプトンのビッグバンド等があります)し現在は確かに珍しいでしょう。

それだけでは決め手になりませんでしたが、共演予定の曲目にセロニアス・モンクの“Evidence”(ミルト・ジャクソンの名演あり)、さらにパット・メセニーの“Better Days Ahead”(89年のアルバム『LETTER FROM HOME』収録)があったりと、何だかこれは面白そうな内容になりそうで、興味深い事には何でもホイホイと出掛ける性格から大いにソソラレました。

“Better Days Ahead”。懐かしいですねぇ。ちょうどバークリーを卒業して帰国する時のBGMでした。もちろん今まで演奏した事はありませんが、20年近くもなると客観的に受け止めれるものですね。それよりもこの曲がビッグバンドのスコアである事のほうが驚きです・・・・・例によってキーが半音高かったりはするのですが(笑)。

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柳川氏のカウントで演奏スタート

実に結成42年を迎える息の長いカウント・セイノウ・オーケストラ。1960年代半ばから激動の中を生き抜いてきたわけです。勿論、メンバーは代々引継がれ今日の姿があるのだと思いますが頼もしい限りです。

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え〜っと、ココはこのコードだからぁ、、、、うん?っとスコアと睨めっこの柳川氏
コンダクターはサウンドのまとめ役だから大変だ

いくつかのスコア上の疑問点も解決し、いざ演奏をスルー!YAH!
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こんな彼等との共演は以下の日程で行われます。

『カウント・セイノウ・オーケストラ 第42回リサイタル』
■2007年6月2日(土)
■横浜市・県立青少年センターホール(桜木町・紅葉坂)
■14:00開演(13:30開場)
■出演:パナソニック・カウント・セイノウ・オーケストラ、小谷恵子(箏)、金野鈴道(尺八)
■ゲスト:赤松敏弘(vibraphone/第二部出演)
演奏曲目(第二部)・Evidence(T.Monk)・Better Days Ahead(P.Metheny)・Body And Soul(J.Green)・Spain(C.Corea)他
■入場料:前売り¥1500(当日¥2000)全自由席
■お問い合わせ:E-mail yoshi23ogem.hi-ho.ne.jp(カウント・セイノウ・オーケストラ)
■アクセス:
[鉄道]
JR根岸線、横浜市営地下鉄線で「桜木町駅」下車、徒歩10分
京浜急行線で「日ノ出町駅」下車、徒歩10分
みなとみらい線で「みなとみらい駅」下車、徒歩15分
[バス]
横浜駅東口から
横浜市営バス(8、26、58、89、105、109、127、148系)で「紅葉坂」下車、徒歩4分
横浜市営バス(103系)で「戸部1丁目」下車、徒歩2分
[神奈川県立青少年センター]
所在地 郵便番号220-0044 横浜市西区紅葉ヶ丘9-1
電話:045-263-4400(代表)

週末のひとときに横浜でお会いしましょう!


。。。リハ帰りの渋滞の中で見つけた“頑なな看板”
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意地でも左側はカタカナ、に6点差し上げる!
あと4点は右側の二つが本意素戸とか今腑列差亜だと満点だったのにィ。。。惜しい!


おしまい

2007/5/18

続・ヴィブラフォンから見たマリンバ  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。この金曜特集の記念すべき第五十回目の今日はヴィブラフォンから見たマリンバのお話し続編です。

続編と言っても前回が昨年の7月14日のブログ(この金曜日特集の第十七回)でしたから随分と間隔の開いたものですが、その間に新作のレコーディングで自分もマリンバを弾いていろいろと感じた事もあるので一方的な文章にはならないでしょう。人間日々成長しているのです。

ヴィブラフォン人口の恐らく100倍のマリンバ人口があると思います。それだけ親しまれた楽器マリンバ。ヴィブラフォンを演奏している人間でマリンバを経由した数も多いはず。僕もその一人です。

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ヴィブラフォンはいつものペースでリラックス

先日のレコーディングの時、あらためてマリンバに襟を正して接する機会を持ちました。今までにもアルバムのいくつか(90年の『アンファンIII』や2005年の『フォーカス・ライツ』)やライブ番組(NHK−セッション505)でマリンバを弾いているシーンはありますが、あくまでも補助的に使ったもので作品(アルバム)の核としてマリンバを弾いたのは初めて。それと言うのもアルバムに参加してくれている松島さんやマリンバ王子を始め、僕の周りにいる弟子達やネットを介して交流のあるたくさんのマリンビストからの影響もあって、改めてこのマリンバに注目した事もあるでしょう。
もちろん、これでマリンバ道を究める!などと言うつもりはありませんから、松島さんや王子他「ヌヌヌ、でしゃばりヴァイビストめ!」と思っている人はどうかご安心を(笑)。似非マリンビストですから専業の人と今さら張り合っても無理です。

ただ、僕が四半世紀前に自分ではマリンバを弾くことに見切りをつけたというのには一つだけ理由があります。
当時(当時ですよ)僕がヴィブラフォンをやって、誰か一緒にデュオでマリンバを出来る人がいないかな〜ぁ、といろいろ周りを見たのですが、、、、、、

誰もいなかったのです。
そう言うチャレンジ精神に溢れたマリンビストは若手(と言っても僕も20代でしたが)にいない、でもこのプランは試してみたい、、と思って、恐れ多くもマリンバの師匠、安倍圭子氏に声を掛けて一緒に秘密裏にデュオを行っていたのです。
某音大で誰もいない時間帯に、あるのは楽器2台とマイクロフォンと録音用のデッキ。何度かのセッションを記録して終わりましたが、その時の体験はヴィブラフォンとマリンバの組合せとして自分の中では最高の緊張感に溢れて、回を重ねる毎に自然にいくつかの曲が生まれるほどでした。コンテンポラリーな音楽として。
それらが生まれる瞬間にあるような緊張感をもっと自分がやっているジャズに持ちたくて、それからは僕はヴィブラフォンとジャズに専念、安倍先生はマリンバの世界をさらに突進めて行かれました。

さて、四半世紀後の今日。
今度はジャズの側からマリンバという楽器を改めて見る事になりました。
すると、(完全な自負ですが)あの時と同じようなマリンバの存在感が具体的にイメージされたように思えたのです。

いくつかの発見がありました。

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マリンバとなると勝手が違うのでいろいろと思案作戦

まず、近年のレンジ(音域)の広がったマリンバ(5オクターブ)をどのように操るか、が録音が始まってからの緊急課題。

どんな楽器でも、その楽器の最も得意とする(特徴)帯域があるもので、3オクターブのヴィブラフォンと比較して一番マリンバが得意とする音域をフラットの状態で探りました。スタジオレコーディングですから完全にマイクによって楽器の“素”の音がアカラサマになります。コンサートホールなどではわからないマリンバの素顔は、中音域に集約されていました。低音域は魅力はありますが共鳴管によって作られた人工的な音、高音域は叩くマレット次第、という分析で、これは録音を担当したエンジニアも同じ意見で「この楽器はホールの残響を想定してかなり作られていますね」と。

この事から、ポイントは中音域をメインに低音域は効果音として操れば上手く行くだろう、という予測に。

マレットは中音域でレスポンスの良いものなら低音域でも応用出来るだろう。
中音域と言ってもヴィブラフォンよりも低めにポイントがある。
これと同じ帯域を有効に活用している楽器を他でイメージすると何だろう?

あッ


ジャズならアコースティックベースだ
そうだ、ベーシストと同じアプローチで曲を演奏すればいいんだ!
まずはその日スタジオの環境で得たこれらの分析を、録音をスタートさせる前に思考回路にインプット。

低音域は中音域に比べて音が伸び過ぎる。
共鳴管に細工するのは時間的に不可能だからマレットを振り下ろすスピードを変える事にする。ストレートに振り下ろすのではなく叩く寸前で一瞬ブレーキをかけるんだ。それによって中音域の残響とのバランスが取れる。
中音域より上はアクセントに手首のスナップを生かす。これで中音域用のマレットである程度の高音までカバー出来る。
ベーシストなんだから必要以上の高音は出さなくて良い。

演奏中にこんな事を意識しながらテイクを二つ録音。バランスの良いほうをOKに。
お気付きの人もいるでしょうが、要するに全体のバランス(特に残響)を音域毎に変える事で表情が落ち着く、というのが楽器のポイントを定めるのに有効だったというわけです。

もう少し僕なりに観察した事は次回にまとめましょう。
視点を変えると、僕と同じ結論を持つ人もいるんじゃないでしょうか。
面白いですよ、マリンバは。

おしまい

2007/5/17

いいじゃない、好きなんだから・・・Bonnie Raitt(vo)  木曜:Jazz & Classic Library

久し振りに今夜はボーカルもの。

ボーカルの魅力って、結局その人の“Voice”なんですよね。インストの場合はある程度の好み(例えばジャンルやスタイル)のエリアの中で幅を広げて(触手を広げてが正解かな)聴いてきたので、かなり応用例的な繋がりもあるんですが、こと、ボーカルとなると、はっきりと個人の好みが絞られているので、そうなると一つのジャンルから飛越えた所にも耳が及ぶのです。

このコーナーで僕が取り上げたボーカルの特徴となると、かなり偏っていて、それは次のような系譜があるようです。

チェット・ベイカー → ジョアン・ジルベルト → マイケル・フランクス

男ばっかじゃないかよぅ、って言われても、そっちの趣味は無いんですが、キンキンした声よりもソフトな声のほうがサウンドに解け合って僕の耳には馴染みやすいわけで、この系譜を「なるほど」と納得されている方も多いんじゃないかと。
自分の楽器(ヴィブラフォン)のサウンドと近い帯域、近いトーン、そのボーカル版がこの系譜じゃないかとも思っています。

キミはジャズ・ボーカルがチッともわかっとらん!
って御指摘もあるでしょうが、そうなんです。そもそもジャズはインスト中心に聴いてきた為に、未だにジャズボーカルって「コレ!」って決定打に出会ってないような気がします。もちろん、サラ・ボーンをはじめ、通り一般のウタモノは耳にしてますが、歌詞のある音楽としてはビートルズやキャロル・キング、カーペンターズや多くのロック・バンドのほうが身近な歌に聴こえて育った世代なので特別な耳でジャズ・ボーカルを聴いた記憶がないのです。

それが冒頭に書いた「好み」というものなのかも知れませんね。
クラシックでもオペラだけは避けてしまうのです。はい。

で、そんな「偏屈」な奴は時々妙なところから「好み」のVoiceを見つけて聴いているのですね。

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左/『Green Light/Bonnie Raitt』(WB/1982年)
右/『The Glow/Bonnie Raitt』(WB/1979年)

ボニー・レイットはジャズ歌手じゃありません。C & W のポップスター、あるいはR & Bの歌姫、時にはスライドギター(ボトルネック奏法)も得意とするなど、多種多芸ながら彼女の音楽が何のジャンルに属するかとなると「アメリカン・ポップス」といか言い様がありません。
しかし、僕はそのVoiceがとても気に入っていたのです。

最初に彼女のVoiceに触れたのは、前出マイケル・フランクスの82年のアルバム『Objects of Desire(邦題:愛のオブジェ)』(WB)でした。マイケル・フランクスは度々面白いゲスト歌手をバックに招いてアルバムを作っていますが、このアルバムでバックコーラスから聴こえてきたボニー・レイットのVoiceがとても気に入り、さっそくレコード屋(当時贔屓にしていたI丸D気のレコード館)に駆け込んで買ったのが『Green Light』。
普段は行かないロックのフロアをウロウロして見つけたのでした。

このアルバム、シンプルにロックしてて好きでした。特にリズム・アレンジが今聴いてもイカしてる“Can't Get Enough”や変拍子も入ったボブ・デュランの“Me and the Boys”などはHigh-energy R & Rで、当時パット・メセニーとか聴いていた耳にもビビビッときました。いや、これはカッコいい。ちなみにこのバックのThe Bump Bandのベースは小原礼。
そして、ちょっと鼻にかかった彼女のVoiceとHigh-energy R & Rの組み合わせはとってもキュートでいいなぁ、と思ったのでした。
ネットで調べるとこのアルバムは長い彼女のキャリアの中でもあまり売れなかった部類に入るらしいのですが、時代を遥かに飛越えていた証拠で、今ならヒット間違い無しでしょう。

気に入ったボニー・レイットをもっと聴いてみよう、と購入したのが一つ前の作品『The Glow』。こちらは彼女本来のルーツ、C & W色の濃いポップス仕上げで、正直なところ、極々普通のアメリカン・ポップスという感じで、日本では売れないだろうなぁ(アメリカでは売れた)、という感触のまま、「っま、ボニー・レイットのVoiceは好きだから聞き流すか・・・」とボーッと聴いてたんですが、A面の最後(当時のLP)にある“Glow”で、耳がビビビビッ!!

なんて事った、これは凄く熱いジャズバラードに仕上げてるじゃないか。しかもそのへんのジャズ歌手よりも遥かに歌が上手い。
ヴィブラフォン駆け出しの若造(当時)は「こういうボーカルのバックがやりたいなぁ」と思ったほどでした。
いやはや、それからと言うもの、このトラックばかり何度も聴いてすっかり僕はボニー・レイットにハマッてしまったのです。
今ならノラ・ジョーンズに匹敵するでしょうが、もう少しロック・エイジの香りもします。
C & W フィールド育ちの女性のボーカリストは実に歌が上手い人が多いです。声もくどくなく、僕は女性ボーカルとしてボニー・レイットを筆頭に挙げたいですね。
考えてみればアメリカの中でC & W層はとてつもなく多く、ボストンですらFMのステーションは大半が一日中C & W。ヒップホップ専門局がちょこっと、でジャズなんかこれっぽっち(どれっぽっちよ、って、言うくらい/笑)しかありませんでした。
その激選区を乗り越えてスターダムに上がって来るんだから、当然上手いはずです。


今ならiTunes Storeでお気に入りの1曲としてゲット出来るんだけど、当時はアルバム(LP)1枚を買うしかこういう出会いが無かったので知らないアーチストのアルバムを買う時は勇気と投資がいったものです。散々失敗もしましたが、こういう思わぬ出会いもあって一向にやめれなかった(笑)。

おしまい

2007/5/16

ちょっと加えるだけで・・・  水曜:これは好物!

何やらリビングが騒がしい。
さっき宅急便が来て家人が受け取っていたような音はしてたけど。

ふむ。

コーヒーのおかわりをするついでに覗いてみると・・・

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あんれま!
ところ狭しとダンボールから取り出されたものが並んでる。
先週家人が実家に戻った時の荷物が届いたんだけど、家で詰め込んでたダンボールがいつの間にか一回り大きくなり、家人の荷物の隙間には両親の旅行のお土産物が隠されていたようだ。「何コレ〜!」とか言いながらも結構楽しそうである。

何処の家も同じですね〜。ウチも高校の寮生活の頃から何か送って来るといろんな隠し玉がダンボールの隅々に潜まされていました。「何これ!」と文句を言うと「梱包の時に隙間があったから」とか言って親はトボケるんですが(笑)。

家人の実家は僕が日本酒好きという事を知ってるので、あっちこちに出掛ける度に面白そうな銘柄を見つけると送ってくれます。(いつもすみませ〜ん!)

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『純米酒・ゆふいんの森』(八鹿酒造製) 大分県・玖珠郡九重町

ゆふいん? という事は九州に旅行してましたね!

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『ARUGA BRANCA CLAREZA DISTINCTAMENTE2005』(勝沼醸造株式会社製)山梨県勝沼

アルガブランカ クラレーザ ディスティンタメンテ(舌噛みそっ)は限りなく透明なアルガの白、って意味らしいです。うん?こっちは山梨県・・・謎??


と、昨日は書いたんですが、後で家人から「これはA木嬢からもらったワインでしょ!」と御指摘が・・・・・。スマッセ〜ン!A木嬢。
と同時にゆふいん⇔山梨という謎の旅行コースも解決したのでした(後日追記)

でも今はゆっくりお酒を飲める時間がないので、もう少しバタバタが落ち着いたらじっくりと賞味させていただきます!このブログで紹介する日も近いんじゃないかと。


で、家人が見つけてゲットしてきた好物が今夜の本論に。

それがコレ
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題して(勝手に)『東マル・粉ものスリーアミーゴ』(ヒガシマル醤油株式会社製)兵庫県たつの市

東マルはヒガシマルが正解で、関東の人はあまり馴染みが無いかもしれませんが、関西以西では最もポピュラーな醤油メーカー。一家に一本ヒガシマルの薄口醤油、と言っても過言ではなく、そのシェアは「たこ焼き器」と正比例、、と、これも勝手に結論付けています。キッチン覗けば濃口醤油と薄口醤油が必ずあるものでその薄口醤油は決まって黄色いラベルのヒガシマル。こっち(関東)で言えばヒゲタ醤油の位置にあると言えばお分かりでしょう。

勝手に想像ですが「たこ焼き器」のあるところ「ヒガシマル薄口醤油」あり!
ウチもあります。実家もあります(笑)。

その醤油メーカー、ヒガシマルは昔から商品開発に余念がなく、醤油を使った粉末加工品でヒット商品も多数。こういう姿勢のメーカーって僕は好きです。
四半世紀前のヒット商品は「ちょっとシリーズ」。今では全国のスーパーやコンビニに並ぶ「ちょっとどんぶり」シリーズはアメリカ時代にも重宝しました。
醤油の好みや用途は地域毎に異なるという前提で「ちょっとどんぶり」シリーズは主に最初に出た関西以西向けの「うすくち」、後に出た関東以北向けの「こいくち」、と地域の習慣に合わせて発売しており、関西以西では両方が販売され、「うすくち」は親子丼、「こいくち」はカツ丼用と用途別に分けているほど。
この「ちょっとシリーズ」は料理に不慣れな人でも失敗しなくていいんです。
また、これらは調味料としても使えるのでベストセラー、ロングセラーなんですね。
出来れば関東でも「うすくち」を販売してほしいのですが、、、(一部では売ってるらしい)

で、そのヒガシマルの新商品は、これまたイカしてるんです。
上の写真、正確には「からあげ」だけは別シリーズで本来ならココに「お好み名人」が入るのですが、あまりのヒットにちょうど我家は在庫切れ。
このシリーズに最初に出会ったのがその「お好み名人」で、普通の小麦粉にちょっと混ぜるだけで、コレがバツグンに美味い「ふんわり系」のお好み焼きになるのです。
最初は偶然かと思ってたんですが、別の機会に試したら、もう素晴らしい!の一言。
わざわざお好み焼き粉で作るよりも美味いんですから、凄いじゃないですか。
東京でも三越とかで買ったので探すとあると思いますよ。
お試しアレ!
あ、留学生や海外単身赴任の皆さん、コレお薦めですよ。粉末なので送っても平気。

で、今回は家人が新商品の「たこ焼き名人」と「チジミ名人」をゲット!
どうやら「お好み名人」が好調のようで「ちょっと名人シリーズ」になったようです。
今度我家でパーティーの時に試してみましょう。いや、それまでにフライングしそうです、ハイ(笑)。
このお手軽で「ちょっと」というネーミングが四半世紀も続いているのがまたいいですね。

おしまい

2007/5/15

夕暮れの街・・・  火曜:街ぶら・街ネタ

今日は渋谷でオフに
某Y社で打ち合わせが終わるとちょうど五時。外に出ると夕暮れ目前の街の空気が心地良い。今日は電車移動なのでこのまま帰ってもラッシュに詰め込まれるだけ。
取り合えず渋谷駅。
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勝手な分類だけど、僕の中で新宿はいつでも午後が似合う街、銀座は週末が似合う街、六本木・青山は平日の夜が似合う街、ってな区分けがあってその時間帯にその街にいるのが好きだ。もちろん演奏の仕事とは無関係に。(演奏の時は楽器と一緒に車移動だからどこもラッシュでそんな事全然思わない)
その区分けの中で言うと、渋谷は平日の夕暮れが似合う街。

iPodを聴きながら歩いていると、道路にジャズクラブBNのブルーのバスがハザードを点滅させて客待ち顔。おやおや?と思っていると、ドアが開いてそこに乗込もうとするミュージシャンらしき5人組がやって来た。
BNのHPを見ると今夜から出演するイタリアのジャズメンらしい。エンリコ・ラヴァ(tp)らと思えるが僕はこの方面に疎いのでわからなかった。
本番までの間に買い物を楽しんだようだ。僕らも知らない街にツアーで行くとそうする事があるから何となく微笑ましい。
で、彼らが何を携えてバスの乗込んでたかと言えば、、、、、、
彼らの手には黒地に赤でしっかりと『disk union』

そうでしょう、そうでしょう。日本に来たら『disk union』。外資系のH社でもV社でもなく、外資から独立したT社でもない。日本にしか無いCDショップ。お宝をゲットしたのがパンパンに膨れ上がった袋からもわかる。
日本は世界一品数が揃うジャズマーケット。

さて、ハチ公口に出て、あらら?っと思った。
先月来た時はちょうど都知事選直前で街頭演説(パフォーマンス)も佳境で騒々しくサッサと通り過ぎていたのだけど、今日改めて見たらこんな事に。

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な、なんだ〜、この電車は
駅前にドッカと腰を据えている。

どうやら渋谷ゆかりの東急電鉄の高度成長期の電車(5000系)の廃車体の一部をモニュメント化したようだ。
車内は開放されており、椅子もそのままなのでちょっと休んだり待ち合わせに使ったりしている。
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正面二枚窓のスタイルはあまり好きじゃないけど、こうやって置かれるとなんとも愛嬌のある“顔”

車内は半分が当時のまま、半分が展示スペースとなっていた。
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運転室はそのままだ

進化した今の電車もいいが、この金属製なのにどこか丸みを帯びて少し“職人気質”なスタイルがレトロチックでいい。昭和30年代から50年代の電車はみなそうだ。プレス技術と職人技がいい感じでバランスしてた。その反面、SLとかにはあまり興味がなかった。あくまでも電車好き(ディーゼル車もいいねえ)。

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それにしてもこの電車、路面電車くらいのサイズしかない。そうか、半分に切断されてるんだ。廃車になってスクラップにされるよりもモニュメントになるほうがまだマシかもしれないね。形が残ればいつまでも鮮明な記憶が残る。音楽も同じだ。


思わぬ物を見たものだから、益々このまま帰る気になれない。
夕暮れの街を歩きながら、ちょいと覗いてみようとCDショップH社に。

夕暮れの街かぁ。。。
そんな事を思いながらCDを眺めていると、「あ、あれ、あるかなぁ」と閃き。
3月29日のブログで紹介したThe Crusaders。
あの後LPの音源を記録していたMDの調子が悪く、どうしようと思っていたんだけど、この際に買っちゃおう!
LPものは当時よく聴いたものほど針ノイズが多い。特に寮生活で使っていた適当なプレーヤー時代の物がいけません。安物買いは後悔を残して財産を潰すという事、、、ですね。幸いにもLP物は半分以上がCDで再発されてますから、ホッです。

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再び登場『SCRATCH/The Crusaders』(MCA/1974年)

1970年代半ば、生意気でジャズかぶれの音高生が夕暮れの街を歩きながらウキウキしていた、あのなんとも言えない空気があるんですね。学校のあった津山(岡山県)は渋谷に比べれば何も無い街だったけど、夕日の輝きと河の流れは最高だった。
ブルースはあまり聞かなかったけど、このクルセダースのブルースフィーリングは好きだった。ジョー・サンプルの弾くフェンダーローズのエレクトリックピアノがヴィブラフォンの音色と共通する質感があって聞きやすかったのかもしれない。今ではレトロな記憶の片隅に置かれたフェンダーローズだけど、ハチ公前にあった東急の電車モニュメントとどこか通じる味わいがあるな。

最終曲の"Way Back Home"カッコいいね。
でも、今夜改めてストレス無し(針ノイズなし)で聴いてみたら、3曲目の“Hard Times”がよくて、良くて。
音楽がシンプルでいろんな新しいが渦巻いていた時代。それを生意気でもティーンエイジで迎える事が出来て良かった。人間はシンプルに感動した時の事は生涯忘れない。

夕暮れの街には少しブルージーな空気も似合うような気がした。

おしまい

2007/5/13

蘇る! は嬉しい  日記

何だかとっても忙しくてブログの更新もままならぬ状態でしたが、ちょっと一息の時間が出来ました。
と、言っても、頭の切り替えをする為のつかの間の休息なんですが。。。

コメントやいろんなメールも頂いていますが、レスはもちっとお待ち下さい。すみません。

その中で5月11日のブログに書いた5年前のアルバム、「SIX INTENTIONS」(02年12月スリー・ブラインド・マイスから発売)の完全版復活案に関連して、昨夜からその頃の資料を引っぱり出して見ています。
発売当時、掲示板やメールで完全版のリリースが予定されていたので「大丈夫、半年くらい先には出るらしいから」とレスしていたんですが、その後のいろいろな事情で延期されたままになっていました。
その間にレーベルも移り、もうこのプランは消えてしまうのかなぁ、、と諦めていた矢先の復活なので嬉しさもひとしお。

MOに保存してある当時のデータを出していたらこんなショットが出てきました。
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左から/村井秀清(p) 赤松(vib) 養父貴(g) 2002年4月@クレッセント・スタジオ

みんな若いです(笑)。
この写真は気に入ってたんですが、「笑い過ぎ」とか、「リーダーが情けない構図」とかでボツになったんですね。でも、この組み合わせの雰囲気を一番表わしたショットだと思うのですね、今考えると。復活するのだから、写真は少しこういう面白いのに替えようか、とも思ってるんです。
発売されたxrcd24盤の「シックス・インテンション」では、このメンバーによる曲が1曲お蔵入りしていたのです。カッティングの技術的な問題で65分超の全収録曲が62分までしか収められなくなって、断腸の思いで削ったのでした。

今回晴れて全編が収録された『Six Intentions - Complete Edition』として復活の予定です。

全収録曲のリストは以下の通り。
(マスタリング直前まで決まっていたオリジナル順列)

『SIX INTENTIONS (Complete Edition) / Toshihiro Akamatsu 』
(ベガ・レコードより今秋復活リリース予定)

1.Reminiscence..........by Hideo Ichikawa
           w/ Hideo Ichikawa(p)
演奏:赤松敏弘(vib)市川秀男(p)金澤英明(b)二本柳 守(ds)

2.Twist Flower..........by Toshihiro Akamatsu
          w/ Yuki Arimasa(p)
演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p) Duo

3.Passege Of The Time..........by Toshihiro Akamatsu
             w/ Yoshio“chin ”Suzuki(b)
演奏:赤松敏弘(vib)鈴木良雄(b)養父貴(g)新澤健一郎(kb)岡部洋一(perc)

4.Last Student..........by Toshihiro Akamatsu
           w/ Hideo Ichikawa(p)
演奏:赤松敏弘(vib)市川秀男(p)金澤英明(b)二本柳 守(ds)

5.Dream With The Past..........by Toshihiro Akamatsu
          w/ Yuki Arimasa(p)
演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p) Duo

6.Mistral..........by Yoshio Suzuki
              w/ Yoshio“chin”Suzuki(b)
演奏:赤松敏弘(vib)鈴木良雄(b)養父貴(g)新澤健一郎(kb)岡部洋一(perc)

7.Never Let It Pass You By..........by Yuki Arimasa
          w/ Yuki Arimasa(p)
演奏:赤松敏弘(vib)ユキ・アリマサ(p) Duo

8.A Fairy Of Forest..........by Toshihiro Akamatsu ◆(xrcd24未収録)
          w/ Shusei Murai(p)
演奏:赤松敏弘(vib)村井秀清(p)養父貴(g)

9.Moon Desert..........by Chisato Kobayashi
演奏:赤松敏弘(vib)養父貴(g)新澤健一郎(kb)平石カツミ(b)岡部洋一(perc)

10.Jamp Ahead..........by Toshihiro Akamatsu ♪
演奏:赤松敏弘(vib)平石カツミ(el-b)斉藤 純(ds)

11.Astor's Wings (inspired by Astor Piazzolla)..........by Shusei Murai
          w/ Shusei Murai(p)
演奏:赤松敏弘(vib)村井秀清(p)養父貴(g)

Produced by Toshihiro Akamatsu
Recorded at Crescente Studio Apr/13,14 & 15/2002
Chief Engineer/Yasuo Morimoto
Assistant Engineer/Isamu Hanashima
Mastering/Wataru Ishii (at ONKIO HAUS)

さっきサブマスターのCD-Rを聴いてみましたが、音が若いですねぇ(笑)
これなら、きっとみなさんに楽しんでいただけると確信しました。
ヴィブラフォンの音も当時使っていたマレット、GOOD VIBES M-229 の鋭くソリッドな感じが今の自分と大きく異なっているのがわかって面白かったです。
やっぱり、時代の音というのは確実に残るのですね。
今の時代とは少し違う空気がココにはあります。

8月に発売されるデュオ集『TIDE GRAPH』と今年度後半にリリースされる『STREAM OF LIFE』の二つの新作の中間、もしくは『STREAM OF LIFE』の直前に発売の予定です。
詳しい情報はわかり次第ブログにアップしますね。

再発に関しては出来るだけコストを下げて発売出来るようにレーベルと準備中です。
xrcd24盤をお持ちの方でも、聴き比べ(こちらは通常の16bit盤)出来るようにしたいからです。16bitとは言え、このサブマスターを聴く限り最上のクオリティー(当時)で記録されていますから、今聴いてもちっとも古く感じません。

今年これから連続リリースする新作と合わせてどうかこちらも宜しく御愛顧下さい。

遅くなりましたが、あの時に完全版のリリースをお待ちいただいたみなさんとの約束を果たせそうです。

では、再び作業に戻ります。。。

おしまい

2007/5/11

最新アルバム、配信追加情報、復刻版・・・  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

本日はProduce noteと合体で最新情報を。

その1

最新作リリース日

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このブログで随時進捗状況をお知らせしている新作2作品の内、先行するアルバムのタイトルと発売日が決まりました。

■最新作第一弾!

アルバム『TIDE GRAPH / Toshihiro Akamatsu』(ベガ・レコード)http://www.vme.co.jp

■参加ミュージシャン

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赤松敏弘(ヴィブラフォン)

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ユキ・アリマサ(ピアノ)

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松島美紀(マリンバ)

■収録曲:
(1)Iberia No.1 Evocation
.........赤松敏弘(vib)&ユキ・アリマサ(p)DUO
(2)Falling Grace
.................同上
(3)The Empty Prophet
..........赤松敏弘(vib & marimba)セルフデュオ
(4)In Your Own Sweet Way
.................同上
(5)Fairy Tale 1982
..........赤松敏弘(vib)&ユキ・アリマサ(p)DUO
(6)Fairy Tale 1982-epilogue
.................同上
(7)Southern Funny Mockingbird
...........赤松敏弘(vib,bass-marimba)&松島美紀(marimba)DUO
(8)Versifier
...........赤松敏弘(vib)&松島美紀(marimba)DUO
(9)Dear Old Stockholm
...........赤松敏弘(vib)&ユキ・アリマサ(p)DUO
(10)The Bitter Life Of Scarcrow
.................同上
■ライナーノーツ:小川隆夫(ジャズジャーナリスト)
■発売予定日:2007年8月8日(全国のCDショップとネットショップでお求めになれます)
■発売予定価格:3150円(税込み)

国内のジャズアルバムとしては型破りのデュオ集。
だってこの作品で登場するのは3つの鍵盤楽器だけなのです。

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僕らは決して奇を衒った音楽はやっていません。
ジャズスタンダードからオリジナル、そして今回はクラシック作品までをニュートラルな目線で取り上げて、音楽の楽しさや今までに感動した事などを、ごく当り前にやっただけです。
でも、目の前には3つの鍵盤楽器しかありません。
なので少しだけ創意工夫が必要でしたが、それらを集めてみると、これは僕らにしか出来ない音楽の形に仕上がったようです。
録り終えてから、“ひょっとしたら”これは凄い事をやったのかもしれない、と、僕は初めて実感しました。

合わせて、僕自身初めてマリンバをアルバムの核の一つとして組み込んだ作品となりました。是非多くのマリンビストにも聞いてもらいたいと思っています。もう一つのアルバムに参加してくれたマリンバ王子が昨日試聴していましたが、なかなか刺激になったとお褒めの言葉を頂きました。

どうかみなさま、発売日をお楽しみに!

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赤松&アリマサDUO

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赤松&松島DUO

★最新アルバム第二弾。
アルバムタイトル『Stream Of Life / Toshihiro Akamatsu』(ベガ・レコード)。コチラの参加ミュージシャンは赤松(vib)、養父貴(g)、市川秀男、後藤浩二(以上p)、マリンバ王子(marimba)、鈴木良雄(ac-b)、村上聖(el-b)、大坂昌彦(ds)、と赤松アルバム史上最強の面子が勢ぞろい。只今準備中。乞うご期待!


その2

音楽配信追加情報

遅れていましたiTuneでの配信が開始されます。
DoCoMoのみなさんお待たせしました。従来のAU着うた、着ジャズに加えていよいよDoCoMoでも赤松ワールドが聞けます。ヨロシク!

■配信開始予定日:5月下旬
■配信追加メディア:iTune shop、Mora(レーベルゲート)
■配信予定アルバム:『シナジー』『フォーカス・ライツ』。他のアルバムも随時追加

■配信開始予定日:6月下旬
■配信追加メディア:NTT DoCoMo“うたホーダイ”(定額制DL)
■配信予定アルバム:全アルバム対象


その3
■アルバム「シックス・インテンション」の復活&完全版化が進行中!

02年暮に国内海外でスリーブラインド・マイス(TBM)からリリースされて好評だったアルバム『Six Intentions』。僕の事をこのアルバムで知って下さった方も多いと思います。
実は昨年4月のブログで触れたように、このアルバムは当初11曲を収録の予定で制作されていましたがブログに書いた事情からやむなく10曲に絞ってリリースでした。
今回次期発売のアルバム『Stream Of Life』(今年度後期発売予定)はちょうどその5年後の姿を表す作品に仕上がっていますので、これを機会にベガ・レコードからこのアルバムの完全版を復刻再編リリースする予定で動いています。

発売時期は8月発売の新作第一弾『TIDE GRAPH』とそれに続く今年度後半発売の第二弾『STREAM OF LIFE』との間になるものと思われます。
これまでに完全版の発売をお待ちいただいたみなさんにやっとお応え出来そうです。

行くぞ!怒涛の三連発!!
これから来年に向かってあちこちからマレット族の狼煙をあげよう!


おしまい

2007/5/10

続・マスタリング完了  ■Produce Notes レコーディングルポ

本日は昨夜のブログの続き・・・

某氏の熟読によりこの音響ハウス近辺の夕食デリバリー事情はバラエティ豊かである事が判明。その影響からか横にいた多賀谷社長は早期に「では今夜は洋食にしましょう」と発言。確かに街の洋食のデリバリーは最近珍しくなった。さすが銀座だ。

後発のアルバム“S”の2曲目が終わったところで夕食タイム。
マスタリング・エンジニアの石井氏はそうでもしないと作業を絶え間なく継続しそうな気配(笑)。一気にアルバム二枚分だから気合入ってマス!

レコーディングもそうだが、食事は気分転換の必須アイテム。酷使する耳休めも兼ねているんだ

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『オムドラ&メンチセット』いい感じで昔の洋食屋さんしてます!しかもボリューム満点

オムドラ?

そう、ドライカレーをオムしたものにメンチカツが付く。たっぷりサラダでボリューム満点。何より嬉しいのはちゃんと皿に盛られている事。味気ないプラ容器じゃない。

そう言えば、このメンチ、関西以西ではミンチと言う。僕も子供の頃から洋食屋のミンチカツで当り前と思っていた。挽肉もミンチ。
ところが東京へ出て来て一番最初に驚いたのが「ミ」がみんな「メ」になっている事だ。最近の精肉売り場では「挽肉」の表示が増えたが昔はみな「メンチ」だった。慣れない頃は違和感があったが、慣れると場所によって使い分ける。
ある人によればメンチというのは東京だけで他はみなミンチだ、とも。

僕の生まれたところでメンチと言うと喧嘩の時の「ガンを飛ばす」という意味で「メンチを切る」という方言がある。物騒だ。だから決して東京以外で「メンチ下さい」と言わないように(笑)。
別の人によれば挽肉を作る機械の事をミンチと読んでいたのでミンチが正解、という説もある。
そのせいか最近は東京の洋食屋以外ではメンチという言葉を使わなくなっているようだけど、真意の程はわからない。



さて食事も終わり再びマスタリングルームに戻り作業再開。
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マスタリングというのはレコーディング・スタジオで録音したレアな音を10の容量とすると、一般のCDが再生出来る5の容量に音を集約させる作業で音の圧縮のような感じだ。その時に全部の楽器の響き方をなるべく10の形で残せるように整理整頓してゆく。臨場感や音の締まり具合など。立体的に起こせるものは起こして、ぼやけている部分は掃除して整理して行く。

ヴィブラフォンやマリンバの音はココで時々納まらない事がある。レコーディング・スタジオのミックスの状態では容量もあるので多少の音圧を伴う音でも綺麗に納まっているのだけど、入り口の狭い門を潜らすと思わず悲鳴を上げてしまう事がある。昨日も書きましたが録音の時にリミッターを使うとそういうピークを機械的に処理してくれるのですが、音の細かいニアンスまで変わってしまうのでインストものでは裏技になります。リミッターを外すと強い音は強く、弱い音は弱く、とダイナミクスの幅が広くほぼ演奏したままで、上手い人はそのままに、あまり上手じゃない人はそれなりに、、、となります。
これを恐れるとリミッターに頼ってしまい、何でも平均的な音にされてしまうのですね。

さて、そう言う事でリミッターのお世話にほとんどならないで記録されてる音は狭い入り口では時々暴れん坊のようになって大人しく納まってくれませんから、これを納める為にマスタリングがあるわけです。

ヴィブラフォンの場合は大きな音ではない意外な所にそれは潜んでいます。
一番多いのがペダルを踏んでのオブリガート。実は一度に沢山の音板が鳴ると振動が互いに共振しうねりを発生させます。この「うねり」がどうもデジタルは苦手のようで、何の気なしに弾いたオブリガートがビビリ音(デジタルノイズ)となって現れるのですね。ミックスの音源ではまったく聴こえない箇所にその「うねり」が潜んでいるのです。

ちょうど5曲目に入ろうとした瞬間。


地震

午後9時過ぎに茨城県を震源とする小さな地震が発生。
ビルは最初縦揺れし、その後共振からか横揺れが収まるまでしばらく時間が掛かった。
約10分の中断の後、機器に異常がないようなので作業再開。
デリケートな機械が多いので振動は大敵。データの書き込み中でなくて良かった。

そんなこんなで午後10時半。二つめのアルバムの曲間を決めて曲毎の処理が完了。これからはCDプレス用のデータに書き込みながら、全曲を曲順通りに再生しながらノイズのチェック兼ねた最終確認を行う。

ここまで来ればゴールはアルバム二枚の合計演奏時間が大よその作業終了の目安となる。二枚で約110分、日付けの変わる午前0時半には終わる予定だ。

今度は今作業をした後発のアルバムから始める。
順調に作業は進むかに見えていたその時だった。。。

5曲目の途中で突然音の反復。デジタル的なトラブルだ。
コンピュータを再起動させて再び1曲目から取り直し。祈るような思いで作業開始。

すると今度は2曲目で同じ症状が発生。

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予期せぬトラブルに慌ててスタジオを飛び出す石井氏

この手のトラブルは珍しく
再度コンピュータを再起動させて三度目の冒頭。
今度は事無きを得て最後までスルー。朝のスタートから14時間後の午前1時過ぎ。

みなさんお疲れ様!

さて、これで音は準備完了。
続いてパッケージの仕様等、ジャケット関係の打ち合わせがレーベルと始まるわけだ。

続く



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