2007/10/5


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第六十八回目の今日はいよいよ究極の練習、第二歩のお話しです。

さて、いよいよ秋ツアーが迫って来ました。各地でみなさんとお会いするのを楽しみにしています。日程は以下の通り。

■10月7日(日)12:00〜横浜ジャズプロムナード2007@横浜情報文化センターホール(duet w/ユキ・アリマサ) ■8日(祝・月)19:00〜松山シュガービレッジ2007@キーストン(w/Jazz Reunion) ■12日(金)20:00〜丸亀「D's Club」(w/Jazz Reunion) ■13日(土)16:00〜広島「カワイ・ミュージックショップ広島5Fカワイホール」(w/川端恒二Trio) ■14日(日)15:00〜松山・ジャズクリニック@愛大ジャズ研 問い・要予約 → paranosuke@docomo.ne.jp (石原) ■19日(金)17:30〜18:30 新宿・西新宿三井ビルコンサート2DAYS w/川上さとみ(p) ■20日(土)14:30〜15:30 新宿・西新宿三井ビルコンサート2DAYS w/松島美紀(marimba)石川裕子(サポート/marimba)西新宿三井ビル

何事にも原則と応用というものがあります。ヴィブラフォンやマリンバなど、マレットで演奏する楽器は左右の手に持つバチの組合せによって演奏が成り立っているので、基本動作から人によって様々な「原則」があります。
ただ、「原則」は実践の中では土台に過ぎず、様々な「応用」を自分で考えなければなりません。そこがこれらの楽器を克服するポイントになります。

そもそも、左右の組合せが基本動作になるのは鍵盤の並び方に起因します。
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鍵盤はピアノやシンセなどと同じ並び方をしていますが、ピアニストやキーボーディストのように左右どちらかの片手で演奏する基本動作がヴィブラフォンやマリンバにはありません。ピアニストが片手の指を組み合わせて演奏する事を左右の腕を組み合わせて演奏すると言えばいいでしょう。ピアノで言う指使いが左右の腕の組合せと等しいわけです。

ところが、立って演奏する事も含めてその鍵盤が“やたらと大きい”ために、身体のバランスが「組合せ」に大きく作用し、さらに脳からの指令伝達が左右分散反応という特殊な方法で実践される為に、1+1が常に2になるという「原則」は無くなってしまうのですね。

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派生音側の鍵盤は基音側の鍵盤の向こうにあるので演奏者からは遠い

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基音側の鍵盤は演奏者には近いが左右に広がるので腕の伸縮運動が増す

単純に左右交互運動で演奏を「原則化」すると、例えばスケールを2オクターブ弾くだけでオクターブ毎に手順は逆転するわ、調によっては鍵盤の前後運動が身体のバランスを崩すわ、(4本マレット奏法の場合)使わないマレットが邪魔になるわ、、と厄介な面が出て来ます。これらは初期の練習によって克服するのですが、この段階(スケール)では音の並び方も単純な上下運動(楽器的には左右運動)なので“頭脳”からの指令よりも“視覚”からの指令が優り、まだ準備運動と呼ぶものです。

この段階で“頭脳”からの指令を訓練する方法はホームページのクリニック初級編「Part-4 基礎的な4本マレット練習方法」で公開しています。
いわゆるダブルストローク、トリプルストローク、ルーディメントなどを鍵盤配置との整合性に求めたもので、この段階で先月発売した“レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン”(ヤマハ・ミュージック・メディア出版)の楽曲解説で触れているコードスケール・アナライズを通常のスケール練習に取り込むと“音の仕組み”とマレットの“組合せ”を同時に学習する事が出来るわけです。一つ一つのコードの成り立ちに触れる事になりますから、当然コードや和音にも強くなるわけですね。

面白い事に、左右交互で通常のスケール練習を行うというのは「実に移動ド的」な練習をしているにも関わらず、大半の人がなぜか頭の中は「固定ド」なのです。
(スケールの基音を常に左から弾き始める=ド)
ならば「レ(re)」から始めるスケールや「ミ(mi)」から始めるスケールの練習をするれば良い、というのが、実はコードスケール・アナライズの基本なのです。

この辺りの事に気付くと、ダブルやトリプルなどのストロークの応用との整合性が一層意味合いを増しますね。

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大原則として派生音側の鍵盤は左で、基音側の鍵盤は右で。これは鍵盤が低音側ほど奥行きが増し、さらに遠いという楽器の形態と整合性がある。
ヴィブラフォンのペダルは右足で踏むという原則もこの鍵盤の形態と関連。

先月からのこのコーナーで度々譜例を挙げて説明している「手順」を見ればわかると思いますが、時には派生音側を右で演奏し基音側を左で演奏する必要もあります。特に瞬間的にメロディーを作るインプロ(アドリブ)の場合は素早い移調を伴う必要があるからです。

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おしまい



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