2008/2/15

究極の練習その11・・・・カッコよく跨ぐ(其の一)  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第八十二回目の今日は「カッコよく跨ぐ」お話しです。

何だかやる事が溜まり気味で後追い更新になっていますが、どうかお許しを!
まぁ、週末にゆっくりとまとめ読みされてる方も多いようなので金曜日は夜を延長して土曜日の朝に目覚める時までを金曜日と思って・・・・・・・くれないっか(笑)

『跨ぐ』って言ってもヴィブラフォンやマリンバの上を跨ぐ練習じゃないよ。
これは演奏のお話し。

少しコードネームにも慣れてきた。よし、じゃコードネームのある譜面を片っ端から「やっつけ」てやるゾ!

そう思って、例えばジャズのスタンダード曲集なんかを広げて演奏しようとすると、ありゃりゃ? なんでC Majorの曲なのに所々全然関係のないコードが混ざってるの? オヨヨ。。
ってな事でフリーズする人がいます。

コードネームと調の関係や、それらのコードスケールの割り出し方は『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハ)に詳しく解説しているのでそちらを参考にして下さい。もちろん他のコード理論書でも参考になります。

要するにジャズやポピュラー音楽は短い時間で簡潔に曲が主張しないといけない為に「本当に転調している部分」の他は殆どが一時的な転調を使ってコードの流れを生み出しているのですね。
まぁ、優柔不断とでも申しましょうか・・・その優柔不断さがジャズやポピュラー音楽の魅力でもあるのです。

ジャズを演奏しようとするとコレは一生関わりを持つパートナーのようなもの。その為にアドリブがシドロモドロしていてはカッコ悪い。
どうすれば落着いて対処出来るかについて書きます。

[よくある一時的な転調の例]
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(クリックで拡大/以下同じ)

真ん中のダブルバーを境に前半はこの曲の主調であるKey of G、後半の2小節は一時的にKey of Cに転調していると仮定してください。

本来であれば「本当に転調する部分」やセクション(AセクションとかBセクションなど)の変わり目以外にはダブルバーは用いないのですが、説明の為に記入しています。普通の譜面では隠されているものです。

1小節めと2小節めのコードスケールは簡単に割り出せるでしょう。3小節めと4小節めはコードトーンから判断すると一時的にシャープが消えます(F#→F)。
単純に考えればKey of Cの音階で出来るコードとしてそれぞれの構成音の隙間を埋めたコードスケールを考えますが、この場合メロディーが記載されていないので臨時に「本当の転調」と区別する為にG7にはb9th(A→Ab)を加えます。
メロディーがない時(わからない時)の応急措置で「本当の転調ではない」という証を作っておくのです。

まずガイドトーン・ラインを作ってみましょう。
一番転調感を得る為に3小節めでF#→Fを感じさせるラインにしました。

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実はコレが「転調をカッコよく跨ぐ」基本になるのです。
注目すべきはその転調の部分が半音で結ばれている点。
「アーダ、こーだ」と複雑な音形を用いるよりも一番シンプルに転調感を得られるのが半音の繋がりと思って下さい。

しかしこれだけではハーモニーの内声をなぞっているに過ぎず、とてもメロディーとは呼べません。
では次に、コードを使って動きを出す時に用いるペンタトニックを使ってコードの中に動きを作りましょう。

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無難にコードの中で動く事が出来ます。

が、

何かエチュードのようで面白味はありませんね。
これはあくまでも音感(特にコード感)を育成する為に重要な練習方法ですが、規則正しい音列とリズムではメロディーにならないのです。

では、少し異なるパターンを当てはめてみます。

(1)同一のトナリティー内で動き(パターン)を作る
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なかなかいい感じになります。使っている音は上のペンタトニックそのままなのですが、2小節単位を基準とした動き(パルス)で単調さを回避しています。これは同一の調内(前半/Key of G、後半/Key of C)での動きなのでとても安定した印象を生みます。

(2)異なるトナリティーを跨ぐ動き(パターン)を作る
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(1)と同じ音の動きをトナリティーの変わり目に寄せて動く例です。こうなるとメロディーの動き自体が転調を示すのでよりスムースな印象を持ちます。
2小節め4拍めのF#が3小節め冒頭でFに繋がって聞こえるからです。半音の威力を利用したメロディーと言えます。

いつも例で上行の音形が多いと誤解されるので下行の形も示します。

まずは(1)の下行バージョン
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各偶数小節はペンタトニックから解放しました。
これによってメロディーにコール&レスポンス(問いかけと応え)を演出します。
奇数小節での問いかけに偶数小節で応える、と思って演奏すると良いでしょう。
この例では、故意に一つのメロディーの動き(ワンフレーズ)に同じ音を使わないようにしています。同一のトナリティーの中で何度も同じ音が繰返されると、その音を強調しているように誤解されるからです。ワンフレーズを作る時にチャレンジしてみると良いでしょう。オクターブの跳躍は異なる音程なので気にしませんが、使い過ぎると「ウザイ」です(笑)

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この例はメロディーをこれから発展させる下地として示します。
(2)のパターンの下行バリエーションと思って下さい。
八分音符が連続する箇所にポイントがあります。

少し違うのは、メロディーとして使う音域(帯域)を、転調を介しても近い位置に留めている点。これによって2小節区切りに聞こえたメロディーが4小節(叉はそれ以上)に跨がるメロディーになります。

又、アプローチノートを偶数小節に使ってメロディーの動きをプッシュしています。
D7の#11th(G#)、G7の#9th(Bb)がそれで、次の音をより強調する効果があります。

このパターンにはマレットの手順を加えました。
シングル、ダブルストロークを上手く組み合わせないと“演奏中にこのアイデアが浮んでも即座に実践出来ません”。

さらに、G7で弾みを付けたメロディーは次の小節に掛けて「小節を跨ぐフレージング」に繋がります。
それについては次回に触れますが、それまでにメロディーの動きと手順を常に連動しておく必要があります。

おしまい



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