2008/2/28

38年間に及ぶ結束・・・・・・OREGON  木曜:Jazz & Classic Library

オレゴンの最新作が出たので早速購入してみた。

1970年にニューヨークで誕生して以来、実に38年。
ロックではバンド名を冠したグループが30年以上も活動を続けるのは珍しくないが、ジャズの場合は例外的。
ジャズバンドとしてネームを掲げながら38年間も活動を継続しているバンドは他に見当たらない。古くはアート・ブレイキーの“ジャズメッセンジャーズ”(1954年〜90年)があるくらいで、それとても実質30年を少し超えたくらいだから、もうすぐ40年になろうという“OREGON”がいかに長期に渡って彼らのジャズを発信しているかわかるでしょう。

しかも、これだけの長きに渡っても、オレゴンの音楽と言える妥協無きスタイルを貫き通している事に1ミュージシャンとして尊敬の念を抱いている。
つまりは、ミュージシャンズ・ミュージシャン、それがオレゴン。

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『1000 KILOMETERS/Oregon』(CAM/2007年)

メンバーは昨年10月4日に紹介した2005年のアルバム『PRIME/Oregon』(CAM/2005年)と同じ現在のオレゴン(Ralph Towner/ac-g,syn-g,p,kb. Paul McCandless/oboe,english hom,bs-cl,ss. Glen Moor/ac-b. Mark Walker/ds,rerc)による。
前作と同じイタリアのCAMからのリリース。
前作『PRIME』のツアーから生まれた新曲揃い。

オレゴンの魅力であるクラシックエッセンスとモダンジャズ、コンテンポラリージャズ、インディアンフォークソングのエッセンスがバランスよくミックスされたいつものサウンドは不動。
このバランス感覚が僕は好きだ。

オレゴンの曲が難しいかと言えば、少しも難しくない。
オレゴンの音楽が簡単かと言えば、少しも簡単ではない。
ここにオレゴンの秘密がある。

今回のアルバムで如実に出て来たのが「ジャズ」。
今までのアルバムでも十分に彼らのジャズに共感していたのだけど、今回は楽曲の中で占める「ジャズ」の部分が一段と濃くなっている点に注目だ。

ジャズと言っても大昔のジャズのリックを安直に繰り返したりはしない。オレゴンだから当り前だけど(笑)。
一番の魅力はどんどんサウンドに隙間が増えて来た事で、その隙間がジャズバンドが持つハプニングに溢れている事。
必然性に駆られてそこでその音を出す、というとココで言ってるジャズの意味がわかるかも。彼らと似たサウンドを出すコンテンポラリー風の音楽が随分増えているけど、譜面に書かれた事をいくらやっても彼らのような演奏にはならない。
ジャズという音楽だけが持つ「その場」をクリアーに見ながら音を出す、というスタンスとはかけ離れているからだ。

楽曲もその隙間に生楽器が生きるスペースが用意されていたり、全員のグルーヴで一気に駆け上がったり、とベースとなる譜面の音符とコードネームのバランスが良い状態で演奏している事がわかる。
例えば「ココのコードはラルフがピアノを弾くからこういうサウンドになるだろう」と予想してメンバーがスペースを空けながら演奏している、という状況まで浮かんでくる。

だからどのソロも熱い、いや温かい。

70年代のオレゴンから確実に時代と共に流れて来た現在のオレゴン。
決して時代のエッジを狙ったりしない、その時代に相応しいと彼らが思う音を演奏している。
ジャズに限らず音楽の中にはある時代で停まってしまうものもあるけど、やはり今聞いて「あり!」と言えるものが一番。
オレゴンはいつもそう感じさせてくれるから好きだ。

最近オレゴンはYou Tubeに登場して元気な姿を見せてくれる。
OREGON-You Tube
なかなかみんな「頑固爺様」風(笑)になっていますが、音楽は若々しいから魅力的。MCでは相変わらずジョークも(笑)
前に書いた通り、MCで爆笑して、この音楽に聞き入るという切り替えがまたオレゴンらしくもあるんですね。

ちなみにこの奇妙なアルバム・タイトル(1000キロメーター)はオレゴンを長きに渡ってサポートしてくれたThomas Stowsandに捧げられている。
ツアーの時に次の会場まで、時には1000kmの道程をドライブする事もあり、その「ちょっとだけうんざりするような瞬間」とトーマスをかけているらしい。

最後に別テイクとして納められたタウナーのピアノソロが奏でるタイトルチューン“1000 Kilometers”が心に染みる。

おしまい



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