2008/5/8

100回目は・・・・SONNY ROLLINS(ts)  木曜:Jazz & Classic Library

世界的に拡大中!赤松敏弘MySpace
今日のブログのBGMは何かな?

木曜特集:Jazz & Classic Library100回目突入
曜日毎の話題でほぼ日刊でお届けしているこの談話室ですが、各曜日の先陣を切ってJazz & Classic Libraryが三桁に。
記念すべき100回目のアルバムは

コレ
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『THE WAY I FILL/Sonny Rollins』(mailestone/1976年)

意外なアルバムを持ち出してきたな!っとお思いの方もいるでしょうね。
ソニー・ロリンズと言えば「サキソフォン・コロッサス」や「ブリッジ」が定番。
ロリンズの曲、セント・トーマスやオレオはジャズのスタンダードとしてジャズ入門者の登竜門に。

ではなぜコレなのか?

ロリンズは時々消息不明になる事でも有名で、一部には奇人呼ばわりする向きもあります。まぁ、それが彼独自のカリスマ性を一層と煽っていた事にも繋がるんですが、一時のモヒカン狩りのように突然ルックスまでも変貌させてしまう社会に敏感な感性を持っている人です。

ミュージシャンには二通りの生き方があると思うのですね。

常にコンスタントに演奏活動をする人。
まぁ、それは普通の人です。
気まぐれに雲隠れしては再登場を繰り返す人。
まぁ、たしかに変人でしょう。

でも、もう一つ違う見方もあるんですね。

毎日演奏していないと不安な人。
毎日なんて演奏出来っこないと思っている人。

状況にもよりますが、ミュージシャンは大なり小なりこの二つを行き来しながら生きているものです。

で、そういう細かいことに一見無頓着そうで、マイペースの代名詞のように思われているロリンズ。しかし彼は並外れた感受性に支えられているように感じるのです。

上記の「サキソフォン・コロッサス」や「ウェイ・アウト・ウエスト」というロリンズの人気作と本作を結ぶ線がどこにあるのか?

ロリンズは常にポップである。

こんな事を書くと長年のロリンズ・ファンからお叱りの言葉を浴びせられそうだけど、一人のミュージシャンとしてソニー・ロリンズを聞くとポップなんですね。

何がって?

ロリンズの代表作や曲はメロディーに主が置かれたものが多く、ジャズ界きってのメロディーメーカーだと思うんです。

単純明快なテーマ、どんどんブローする演奏。この究極にシンプルな構造がロリンズの曲を一度聴いたら忘れられなくさせる秘訣なんです。

多くの評論家の人達はロリンズのカリスマ性に惚れ込んでいるので冷静に音楽について記述されているかどうか疑問に思うのですが、みなさんはどう思いますか?

こんなにキャッチーでポップなメロディーはありませんよ。
「セント・トーマス」しかり、「オレオ」しかり。

さあ、そうなるとこの「ザ・ウェイ・アイ・フィール」が浮上する意味もおわかりでは?

1972年以降、ロリンズはエレクトリック・ジャズ化を進めました。
活字によって“カリスマ化”されていたロリンズが壊れ始めたと受け止められたのです。

しかしココで述べたようにジャズ界きってのメロディーメーカーは「サキソフォン・コロッサス」も「ブリッジ」も本作も何も変わりません。

シンプルなメロディーを当時のヒュージョン・サウンドで演奏した、ただそれだけの事です。

1曲目の“ISLAND LADY”を聞けば、これが「セント・トーマス」と同じである事がわかるでしょう。ポップです。
バックのリズムが違うだけで、その事に眉をひそめるのは見当違い。

2曲目の“Asfrantation Woogie”も同じ。

3曲目になってメロディーメーカーらしからぬサウンドコントロールが聞こえると思ったら、この“Love Reborn”は当時のフュージョン界の台風の目だったジョージ・デュークの作品。

面白いのは自分の曲だとミストーンでも平気でブローの一端にしてしまうのに、人の曲だと慎重に音を選んで演奏する。そんなロリンズがまたいいんです。

自作曲の4曲目に続いて、メンバーのパトリック・ラッシェンのファンクな作品“Shout It Out”、再びジョージ・デュークの“The Way I Feel About You”とシリアスな演奏のロリンズが続き、最後は大ハッピーな自身の“Charm Baby”。

このアルバム一枚でオンとオフのロリンズが楽しめてしまう。

[メンバー]
Sonny Rollins(ts)
Lee Ritenour(g)
Patrice Rushen(kb)
Alex Blake(b)
Charles Meek(el-b)
Billy Cobham(ds)
Bill Summers(perc)

曲によってブラスセクション
Oscar Brashar + Chuck Findlay + Gene Coe(tp)
George Bohanon + Lew McCreary(tb)
Marilyn Robinson + Alan Robinson(fh)
Don Waldrop(tuba)
Bill Green(piccoli fl ss)

Wade Marcus(arr)
が加わる。


難しい事を言う人を尻目に当時の高校生や大学生はこのロリンズをグッと身近な存在として受け入れた。
遠い昔の流行りリズムで聞くロリンズよりも、70年代半ばのリズムで聞くロリンズ。
それが人気だった。

さて、それから30年。
今日の耳で聞くと、「サキソフォン・コロッサス」も「ザ・ウェイ・アイ・フィール」もキャッチーでポップなロリンズの姿が見えるから面白いです。
音楽は常に時代と共に。
されどミュージシャンは一人。

それを実感、いや、実証させられるアルバムです。

おしまい



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