2008/5/15

一つの線で結ぶ・・・・Chat Baker(tp,vo)  木曜:Jazz & Classic Library

今日はイギリス方面が熱い!
赤松敏弘MySpace
只今世界中のヴィブラフォン、マリンバ奏者と交流拡大中。
チェキラ!

さて。

このブログの木曜日を熟読されている方は御存知だと思いますが、僕のヴォーカル趣向はかなり片寄っています。元々がインストを聞いて来たのでココで偉そうにヴォーカルのアルバム云々を語る資格などないのですが、かな〜り偏屈な趣向でも、例えばMySpaceで時々ハッとさせられるようなヴォーカルに出会う事だってあります。

そんな時は、一目散にフレンドリクエストを送って仲間になるわけ(笑)
だからMySpaceでフレンドとして繋がっているヴォーカリストは正にジャストミート。
便利な時代になりました。

おっと、ヴォーカルのお話しでした。

男性ヴォーカルの好みはさらに執拗に片寄ってます(笑)

このブログでも度々登場している二人のヴォーカリスト、一人がボサノヴァのジョアン・ジルベルト。もう一人がAORのマイケル・フランクス。
この二人を結ぶヴォーカリスト。それが本日の主役でもあります。

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『SHE WAS TOO GOOD TO ME/Chet Baker』(cti/1974年)

チェット・ベイカーはジャズのトランペット奏者。1950年代に突如ジャズシーンに登場してあっと言う間にガレスピーやマイルスと肩を並べる人気トランペッターに。
まぁ、彼の当時の姿をYouTubeなどで見ればわかると思うのですが、「イケメン」でどこか影のあるルックスですから人気が出ないわけがありません。そんな「イケメン」が華麗にトランペットでジャズを奏でるのですからテレビからも引っ張りだこ。
その人気の様は想像出来ます。
今の何処かの国のようにルックスだけじゃなく演奏がいいのですから。

デビュー1年でジャズトランペットのスターダムに上りつめた彼はそれだけでは終らなかったのですね。

今度はトランペットの演奏の合間に彼独特の甘いヴォイス(中性的という表現を差別ではなく向けたい)で歌を歌ったものですから、今度はヴォーカリストとしての人気に火が点いてしまったのです。

「イケメン」+「クールで華麗なトランペット」+「甘い歌声」。

天は二物を与えないどころか間違って三物も彼に与えてしまったのです。

1950年代のチェット・ベイカーの人気は凄まじいものだったようです。

その絶頂期のいくつかのアルバムが彼の代表作として語られているのですが、僕はもう少し現在に近い時期のこのアルバムが好きなのです。

ジョアン・ジルベルト、そしてマイケル・フランクス。この二人のヴォーカリストがなぜ好きなのかこのチェット・ベイカーのアルバムを聴いた時にハッキリとわかったのですね。

変な意味ではなく、W少年合唱団のボーイソプラノを天使の歌声と称するなら、その天使が地上に降り立ってジャズやその周辺の音楽と出会ったなら、きっとこの三人のようになっているでしょう。

そこに共通してあるのは、「フラットな美学」。

歌は祈るように歌わなければならない、と言ったのはジョアン・ジルベルトでしたが、それはオーバーに表現すればするほどメッセージが伝わりにくくなる、という「フラット」な位置を示すものでした。

このアルバムで最も好きなトラックの“She was too good to me”(2曲め)がそれを物語っています。
ここでチェット・ベイカーは甘い歌声とトランペットを使いますが、甘い歌声の合間に吹くトランペットはシンプルにメロディーを奏でるだけ。
それが実に味わいのある「フラットな美」を演出しています。
他の曲ではバリバリのソロを聞かせるチェット。
このコントラストには脱帽ものです。

メンバーには曲によってポール・ディスモンド(as)やヒューバート・ローズ(fl)がフィーチャーされるものの、やはり全体を上手くまとめているボブ・ジェームス(arr,el-p)の手腕が光っています。
フュージョンでブレイクする前のスティーヴ・ガッド(ds)が小粋にスイングする好演もききもの。
その後の彼のスタイルは既にこの時点で完成していたのですね。

当時のジャズサウンドを代表するCTIレーベルの音もまたいい感じで、同じく当時を代表するドイツのECMレーベルとは違うアメリカンな録音もGOOD。

フラットな美学に惹かれる方は是非聞いてみてください。

おしまい



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