2008/5/22

5月の空に・・・Ralph Towner(g)  木曜:Jazz & Classic Library

今日はオーストラリアに注目中
赤松敏弘MySpace
世界の今が見える、聴ける!

新たに今日フレンドシップを結んだオーストラリアのユニット“Mukti”。
その編成(アコースティック・ギター、タブラ、パーカッション&ヴィブラフォン、チェロ)から、微妙に楽器は異なるもののちょっと昔の「Oregon」を彷佛とさせるようなスペース感、それでいてオリジナリティー溢れたオージーらしいサウンドが実に爽やか。お薦めです。

さて、本日はその「Oregon」のリーダーでもあるラルフ・タウナーのギター・ソロ。このところ雨模様が続いた東京もちょっと小休止。五月晴れの予感がするこの季節にピッタリ。

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『SOLO CONCERT/Palph Towner』(ecm/1980年)

ラルフ・タウナーと言えば12弦アコーステック・ギター、12弦アコースティック・ギターと言えばラルフ・タウナー。僕の頭の中は真っ先にその方程式を持ち出してきます。高校時代に大阪のサンケイホールでゲイリー・バートンとの共演を見て以来、四半世紀以上そんな仕組みになっています。

ところが、最近になってラルフ自身がエピソードとして「実は12弦ギターが嫌いで仕方なかったんだよ」という証言があって面白いなぁと思いました。そう言えば近年のアルバム(「Oregon」名義ではなくソロ・アルバム)では久しく12弦ギターを使っていなかったのですね。最新作(現在のところ)で久し振りに12弦ギターでのソロを披露しているのですが、このエピソードはそのアルバムに載っていたと記憶します。

そんなラルフの心中を察する事もなく、少なくとも70年代ECMのタウナー・ファンは僕と同じように彼の12弦ギターに心酔していたのですね。

12弦ギターの妖艶とも言えるサウンドが辺りを支配する1曲目"Spirit Lake"。80年当時国内のギタリストの間でも流行っていたアコースティックギターに持ち替えて綴られるギター友達John Abercrombieの作品"Ralph's Piano Waltz"。再び12弦ギターに持ち替えてこの楽器の効果を余すところなく発揮する"Train of Thought"。この2曲はアバーコロンビーとのデュオが当時の若手ギタリストには衝撃的だったようで、このような音楽を目指したギタリストを何人も知っている。

改めて聞くと、本当に12弦ギターが嫌いだったの?と思うくらい個性を発揮した演奏。

ライブコンサートを記録したアルバムなのに、この臨場感と迫力は凄い。ジャケットに見る限りステージには椅子とマイクだけ。マイクはギターホールとフレットの側、そして少し遠隔に3本のノイマンのマイクがあるだけ。あくまでも録音中心のセッティングで客席の音は控え目に入っているから聴きやすい。わざわざ客席にマイクを立てて拍手を拾っているライブ盤は曲間になるとうるさくて好きじゃない。ECMらしくシンプルだ。

さて、マイルスの"Nardis"なども織りまぜながら最終曲は"Timeless"。
12弦ギターで哀愁を綴るシンプルなこの演奏で幕を閉じる。
こんなシンプルなコード進行でもサマになるギターって羨ましい。

全7曲48分の世界。
70年代と80年代の境目が今にも零れ落ちそうな、この音の隙間が好きだ。

おしまい



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