2008/6/5

やはりタダモノではないヒットメーカー・・・Chick Corea(p)  木曜:Jazz & Classic Library

しかし、どうなってしまうんでしょう、この国は。
ミュージシャンと顔を合すと出て来るのが高騰したガソリンの事。
ホント、やってられないよね、170円台から行く行くは200円を越えて220円(レギュラー/リットル)時代に突入という噂も聞こえてきます。
楽器が必需品のミュージシャンにはかつてないほどの受難の時代の幕開けか。。

でもちょっとだけ冷静に考えてみると、170円という価格は物価に比例して考えると高いというものではないかもしれません。

僕がこの世界で車にヴィブラフォンを載せて仕事で走り始めた頃(1977年)はリッター80円とかでした。その後変動があったとは言えリッター110円〜120円台をずっと維持していたのは奇蹟としか考えられません。

電車の初乗りが当時80円とかだったので現在鉄道毎の差はあれ初乗り150円前後の水準を考えるとガソリンが170円になっても当たり前なんですね。20円強は税金ですから。

僕らもその中でやりくりしていたので、若きミュージシャン諸君、絶望視する事なかれ!
(って、ジャズクラブのギャラが当時とちっとも変わらない水準というのは辛いか・・)

全般的に言うと、要するに産油国でもないのに今まで湯水の如く石油に頼り過ぎたアンバランスな社会への警告かもしれません。そう考えるとちょっとだけ怒りは納まります。

に、しても、今月に入ってから都内の道路が妙に空いてて無気味だゾ。
。。。。。。。。。。。。。

に、しても、昨夜会った某ドラマーM氏はこのガソリン高騰の時期に車で都内まで片道二時間かかる場所へ引っ越したとか。。。。人生いろいろです。

さて、本日は“Library”。

昨日のブログで津山時代に食べた「高瀬舟」の事を書いたら、津山を去る頃によく聴いていたアルバムの事を思い出しました。
こんな深夜に引っ張り出して聴くのもどうかと思いつつ只今バックで流れています。

それがコレ
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『MY SPANISH HEART/Chick Corea』(verve/1976年)

オリジナルはポリドールからの発売で当時はレコードはのんびりと日本に入って来ましたから国内は1977年頃の発売。カセットテープに録音して車で移動する時にカーステで幾度となく聴いたアルバム。

チック・コリアはキース・ジャレットと並んで僕らのアイドル的なピアニストでした。僕ら、というのは年齢ではなく1970年代のジャズをリアルタイムに聴いていた人を示します。
もちろんビル・エバンスもエロール・ガーナーもバド・パウエルもジャズピアノの歴史で忘れる事の出来ないピアニストですが、今、音楽が生まれたばかりの瞬間に立ち会っていたわけではありません。それに比べるとチックやキースは正に自分の音楽体験と時を同じくして登場したアイドルと呼ぶに相応しい存在。

僕は自分の知らない時代の事はロマンを寄せる事こそあれ、信じてはいないのです。
少なくとも自分が生まれる前の音楽に関しては、です。

偉大な音楽家に対する敬意が足りんゾ!とお叱りを受けそうですが、信ずる、信じないというのは自分が本当に感じられるモノ、という点で語っている事であり、音楽の本流ではなく、とっても個人的な感覚、自分でキャッチする自信があるモノ、というお話しなんですね。だから好きな音楽という意味ではないのです。

さて、チック・コリアの音楽はこれまでにも何度か紹介してきましたが、このアルバムはとても「温かい」音がします。
もちろんムーグやシンセなどの音も入っていますが(それが無ければ時代の音とは思わない)、エレクトリックをエキセントリックに使うのではなく、とてもヒューマンに感じられるような使い方なのです。

チック・コリアはジャズ界有数のヒットメーカーで、今日のミュージシャンのスタンダードとなった曲がたくさんあります。

このアルバムの中でも「Armando's Rhumba」がそれで、これまでにどれだけのミュージシャンとこの曲をセッションする機会があったでしょうか。
このアーモンドス・ルンバは驚くなかれラテン音楽のスタンダード集にも載っているほどのヒット曲。恐らく「スペイン」「ラ・フィエスタ」「500マイルズ・ハイ」「ハンプティー・ダンプティー」と肩を並べるミュージシャンズ・スタンダードとなったチック・コリアの名曲でしょう。

スタンダード・ミュージックの定義とはなんでしょう?
ブロードウェイのミュージカル・ソングだって?
それは間違いではないけど、昔の話しです。

聴き手が何度も繰り替えし聴きたくなる曲。
そして楽器演奏を志す者が思わず演奏したくなる曲。
それがスタンダードですね。

多くの人が演奏すればするほどスタンダードと呼べる。
オリジナル曲を作るなら、そういう誰も気が付かないところから「あらら、あれれ?」って思わず演奏してみたくなる曲を作りましょう。「ほどよい」曲ではなく、ね。

このアルバムを聴きながら、改めてその事の重大さとチックの才覚に敬意を表したくなったのでした。

これからの世界スタンダードを捜せ!
赤松敏弘MySpace
チェキラ!

おしまい



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