2008/6/6

使い方を考えよう!4マレット奏法・・・その6  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。第九十七回目の今日はこのところ連続の「使い方を考えよう!4マレット奏法」、その6です。

みなさん、音楽を聴きましょう!!
たとえ、目の前に譜面があって、ある程度コードを見ながらインプロを演奏出来るようになっても、それだけで済ませてしまったら「もったいない」です。

同じ曲、同じ譜面、同じコードを使っても、どうしてプロフェッショナルは「あんな事」や「こんな事」が出来るのか? その探究心を忘れてはダメですよ。音楽を聴くというのは修得の途中であればあるほど重要。もちろん楽器の種類を超えて音楽を聴きましょう。

演奏家で大切なのは“耳”と“感性”。
それらを確信に変える為に“目”があるんですね。けっして“目”から音楽は生まれないんです。

CDを聴く、ライブを聴く、それで楽しめるって素晴らしい経験だよね。
今はネットでも見たり聴いたりのチェックが可能なんだから、近くにライブハウスが無くても大丈夫。

もちろん、コチラもチェキラ!
世界中のヴィブラフォン、マリンバの今にダイレクト・イン
赤松敏弘MySpace

先々週のこのコーナー(08年5月23日)でMaj7コードに於けるメロディーのコードヴォイシングについて説明しましたが、このページのヘヴィーユーザーAさん(いつもの如くイニシャルじゃないよ。本日のAさん、という意味)から「CMaj7などのヴォイシングでは音域が高くなってしまいますが・・・」という質問がありました。
同じくBさん(同様)からも「3rd以外の音を目安にヴォイシングしないのですか?」とも。

はいはい。(笑)

「臨機応変」という言葉が示すようにココに書くのはヒントです。いわば直接レッスンなどを受けられない人や修得中の人が抱えた問題解決への「取っ掛かり」です。マレット楽器の専門書なんて他の楽器と比べると微量に過ぎないのは過去も現在も同じ。
なので、そういうヒントが僕も修得期にほしかった経験からホームページやブログを使ってベーシックな情報を発信しています。でも、100%は不可能。ここからヒントを広げればある程度までは自力で演奏に至る「準備体操」くらいにはなるはずです。
その後は専門的な教育機関や指導者、叉は実践で見聞を広げるのです。

先々週はたまたま最初のコード(FMaj7)で伴奏音域を考えると、ヴィブラフォンの最低音Fの側にある3rdの“A”が選ばれるので、これを「目安」として説明を組み立てました。
それに続く先週は、一つのコードでも様々なヴォイシングのバリエーションがある事を示しましたから、これら二つを合わせて考えると音域(伴奏の)内で転回形を使って組み合わせを代えるとAさんやBさんの「謎」も氷解してくるんじゃないかな?

Aさん、Bさん、他、同じような質問が浮んだ人、キーワードは臨機応変ですよ。

■例えばCMaj7

確かにCMaj7というコードはマレット・キーボードにとって一番身近なコードであると共に、鍵盤の上では一番厄介なものかもしれません。
理由はAさんの指摘の通り3rdの音域に起因します。

それは・・・
(1)ヴィブラフォンの場合は最低音が“F”
(2)アコースティック・ベースの最低音が“E”(表記上はオクターブ音域が低い)

バンドやアンサンブルの中でどのように楽器を使いこなすか、という大前提で見ると、これらの楽器的な制約が奏法の開拓へと繋がっているので無視出来ないのですね。

マリンバはもっと下(低音部)まで音域があるので「安心〜!」って思うとこれがまた大間違い。低音部のマリンバの音はマレットダンプニングを行わない限り“余韻”が長くコントロールが難しく、しかも和音としては不適切(特にバンドでは)なので使えないのです。
使えるとしたら「レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン」(ヤマハ)に書いた通りヴィブラフォンの最低音の短三度下が限度。それ以下の音はバンドには不向きで使うならパーカッション的な効果しかないのです。なので他人事ではありませんよ。

ではCMaj7についてヴォイシングを考えてみましょう。

(1)基本形にテンションを加えてみる

コード理論で一番ベーシックなのはコードの核となるトライトーン(3rd,7th/コードによってフラットも含む)の位置を明確にしてrootと5thをテンションに置き換える事。
基本形とテンションを導入したものを作ってみましょう。

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(クリックで拡大/以下同じ)

左の二つはオープン・ヴォイシング、右の二つはクローズド・ヴォイシング。
最初のオープン・ヴォイシングはトライトーンを左手で演奏するという基礎中の基礎。rootと5thを9thと13thに置換えた形を例に。
クローズド・ヴォイシングは伴奏音域で該当する最低音“G”を基準に上に向かってヴォイシングを重ねたもので、隣はそれぞれテンションに置換えたものです。

オープン・ヴォイシングは響きは綺麗ですが、確かに音域が高過ぎる難点があります。楽器の低音側半オクターブが使われないのもせっかく低音があるのに無駄にする感じがします。
クローズド・ヴォイシングでは確かに伴奏として理想的な音域に和音が留められていますが、果たしてこれが「いいサウンド」かどうかは疑問。

これらを解決するには、先週触れた通りペンタトニック・スケールを使ってヴォイシングすると良いのです。

(2)ペンタトニック・ヴォイシング

ペンタトニックの応用で有利なのはコードスケール上の非和声音(アヴォイトノート)を自動的に排除出来る点です。

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まず伴奏音域にある非和声音(アヴォイドノート)を割出し封印(笑)します。
この譜面には調号が無いのでCMaj7のコードスケールには一つのアヴォイドノート(11th=“F”)が存在します。

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伴奏の構成音候補となるペンタトニックスケールと、伴奏音域にあるペンタトニックスケールの音をピックアップします。

(1)のオープン・ヴォイシングの左手をペンタトニック上にあるテンションノートに置き換えてみます。また、そのヴォイシングの近くにある伴奏音域の最低音“G”を含むバリエーションを配置してみます。(先週の説明を参照に)

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この二つのヴォイシングにペンタトニックスケールには含まれない7thを加えたオープン・ヴォイシングを組み合わせると3つのオープン・ヴォイシングのバリエーションが出来ます。メロディーの動きに合わせてこれらを行き来すると伴奏(コード・カンピング)になるわけですね。

おしまい



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