2008/6/20

使い方を考えよう!4マレット奏法・・・・その7  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやってる人向けのお話し。第九十九回目の今日は一週お休みした「使い方を考えよう!4マレット奏法・・・・その7」です。

いやいや、早いもので来週はこの金曜特集も100回目に突入ですか。
まぁ、ビブラフォンやマリンバのネタなど、そう続くもんじゃあないサ、と思っていたのは読者のみなさんだけではありません。かくいう僕自身もいづれはヴィブラフォン奏者のCDレビューもどき、でお茶を濁してチャンチャン、なーんて予想してたんですが、いやはや100回も続くとは・・・(笑)。

もっとも、ココで説明している事が全てではありませんから他のコード理論書や『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハから出版)を見ながら「おやおや?これの事だな」なーんてヒントを日々の練習に役立ててくれるといいですね。
その内にココでは説明しきれない事などをまとめて『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン-2』なんか考えましょうかね。

さて、ヴィブラフォンやマリンバでコードネームを見ながら演奏する時に他のキーボードの理論や用法をそのまま移行出来るものと、そうではないものがあります。

ピアノは最大10個、ギターもその気になれば6個の音を同時に発声する事が出来ますが、ヴィブラフォンやマリンバでは最大4個。もちろん6本マレット奏法はありますが常に臨機応変な組み合わせが必要なコード奏法には向きません。つまり持ったマレットを自在に動かすには4本が限界という事です。
そうなるとピアノの半分以下、ギターの2/3しか発声出来ない楽器なのでコードと4本のマレットを如何に合理的な用法で使うか、に全てがかかっています。

先に挙げた『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』でも「応用編」のページにまとめたコード理論の基礎は頭に叩き込む必要があります。

それらを理解した上で読んで下さい。決して譜例の音を感覚だけで出さないように。

■ターゲットはドミナント・コード

ジャズの曲を演奏していると「やたらとコードが動く」曲に出くわすでしょう。
音楽の流れがそうなっているのですから、それはそれで仕方のない事。
しかし、全てのコードを弾きながらインプロ(アドリブ)でソロを取るのは至難の技のように誤解している人が多いようです。

少しばかり頭の中を整理してみましょう。

・My Romanceの場合

ロジャース/ハートの作による超有名スタンダード曲。コードが「やたらと動く」曲の一つです。

クリックすると元のサイズで表示します
(クリックで拡大/以下同じ)

冒頭の4小節ですが、全ての小節で二拍毎にコードが変わります。
テンポは160(四分音符)くらいです。
最後までほぼこんな感じでコードが動く曲です。

確かにこのテンポで演奏するとコードの伴奏で忙しくアドリブどころではありません(笑)。
さて、どうしたものか?

まず伴奏の基本を整理する為に、左手で各コードのトライトーン(コードの3rd,7th)を繋いでみましょう。

クリックすると元のサイズで表示します

ベースの音(コードの根音)が順次平行する並び方なので「山がた」にトライトーンが繋がります。ベースの音はドミナント・コードの部分で跳躍しますが、トライトーンは転回形を使うのでこのような「なだらかな」山を描きます。

この4小節の間で、この曲のダイアトニック・スケール・コード以外のコードは二つだけ。DbdimとD7です。
変化なりアクセントがあるとすればこの二つとなるのは予測出来るでしょう。
また、ベースの音が跳躍するドミナント(V7)のF7もアクセントとなります。

クリックすると元のサイズで表示します

ソロ(インプロ)は基本的にシングルノート(単音)で作りますから、ダイアトニック・スケール・コードであまりアクセントとならない(調性と同化している)コードの部分はメロディーの中でコードを感じさせる演奏で十分です。トライトーン(リーディング・トーン)をメロディーに含んで演奏する方法は過去にココで説明しましたね。
譜例ではスラッシュの部分がシングル・メロディーで動く部分。
無理矢理にソコに伴奏を伴っても調性を誇示する必要はないので「うるさく」なるだけです。

コードスケールで見ると、IMaj7とIIIm7のBbMaj7とDm7はアヴォイドノート(『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』参照)に要注意、Cm7はアヴォイドノートがありませんからコードスケール上の音は全部使えます。

つまり、慣れない曲であれば、確実に調とコードスケールが読み取れるスラッシュの部分で短いフレーズを演奏し、アクセントとなる部分はコードによるカンピングを挿入する事で「目の回るような忙しい演奏」から解放されます。つまり、分化、という事です。
これでグッと楽に演奏出来るようになります。

せっかくなので伴奏(カンピング)についても補足しておきましょう。

・この曲のComping例
クリックすると元のサイズで表示します

譜例はコードを弾く時にトライトーンを必ず含むヴォイシングです。
手書きのカッコのある部分がそれぞれのコードのトライトーン。
特徴があったりアクセントとなるコードのトライトーンは「増四度」。
これがヒントとなります。

コードスケール上にあるテンションを使ってヴォイシングした例です。
3小節めのF7の前には、ドミナント・コードを強調する為にディミニッシュ・アプローチを挿入してコードの流れにアクセントを付けました。
他のドミナント・サウンドよりも本来の調にあるドミナント(V7)コードを少し強調すると曲の流れがグッと絞まるのです。

「コードに沿った具体的なソロの最中は伴奏など無くても平〜気」
と、言う事。

チャレンジしてみて下さい。

もちろん動画でソロ時のカンピングのタイミングなども丸見え!
赤松敏弘MySpace
チェキラ!

おしまい



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ