2008/8/8

只今スカパーで放映中・・・  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
第百六回目の今日は『使い方を考えよう』シリーズの13、「メロディーラインにヴォイシング」の続編です。

只今放映中!
8月のスカイパーフェクTV!の番組「Eco Music TV」月間プログラム“airish”で、ヴィブラフォンと映像による即興的コラボ『airish Vol.9“Photograph/赤松敏弘”』放映中。チェキラ!

いろんなレコーディングをやってきましたが、さすがにヴィブラフォン1台をスタジオにセットして、モニターに写し出される画面を見ながらその場でインプロをやってシーン毎に1曲として仕上げる、という経験はこのレコーディングだけ。

フリー・インプロヴィゼーションでアヴァンギャルド(現代音楽と呼ばれるような無機質な表現)に演奏するのは楽ですが、コードミュージックとして譜面があるように演奏するのはなかなか冒険で面白く、その場で作曲する行為に等しかったですね。

高校の音楽科時代にコンサートでピアノを使ってこのようなインプロをやった経験があり、その後ヴィブラフォンに移して何度かプライベートに録音をしたりで遊んでいましたが、今考えるとそれをやっていなかったら出来なかったんじゃないかと思います。
あの頃はキース・ジャレットの“ケルン・コンサート”のような事を体験したかったのだと思います。
人間、何でも思い付いた時にベストを尽くしておくと将来何かの役に立つものですね。

時間があれば、時々そういう遊びを今でもやります。なかなか発想の転換にもなって、新しいアイディアも浮んでくるのです。
夏のうだるような暑さで集中力も散漫な時に、ちょっとチャレンジしてみるといいでしょう。楽器が自分の分身のように扱えれば成功としましょう。
もちろんそれを録音して後で聴き、「良いところだけ」を記憶に残してその時の感触を覚えるのです。

さて、こちらは遊びほど楽ではありませんが、何らかの法則を自分の演奏に持ちながらコード奏法に慣れましょう。

■再びD7(b9)・・・

先週は演奏中に出てきたドミナント・コードのメロディーラインを、左手によるトライトーンのヒットでヴォイシングする事、さらにはドミナント・コード(この場合はHMP5)のコードスケール上に出来る増4度の音程を転回形のようにチョイスしてメロディーに組み込む事を書きました。

今回はそれに右手を加えて3 way(3声) 叉は4 way(4声)のヴォイシングをソロの途中に入れる方法を書きます。
ここで説明している用語や意味がわからない場合は『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハ)の「コード演奏ガイダンス・基礎編」に詳しく載っていますから参照して下さい。もちろん一般のジャズ理論書でも読めばわかります。

ここで例としてはD7(b9)を取り上げていますが、全てのキーのドミナント・コードで練習する事です。

要領は簡単で、先週の左手の上音に対してまず近い位置にあるテンションをメロディーとして考えます。

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D7(b9)の3 way( w/tension b9th)

HMP5のテンションはb9thとb13ですから、まず近い位置にあるb9thを右手で。3 wayのヴォイシングが出来ます。
すると先週はこの場面のメロディーはCでしたが今度はEbでメロディーが終止する事になりますね。

同じようにポジションを上げて行くと、3 way voicingのメロディーは HMP5のコードスケールに沿ってb9th、3rd、5th、b7th、となります。(先週のメロディー・ポジションの短3度上の音)

3 way voicingとなる事でよりHMP5というサウンドが強調されます。
先週の2 way voicingでは4パターン中HMP5を特徴づけられるテンションが入るのが2パターンだったのに対して、3 way voicingにすると4パターン中3パターンに組み込まれます。
このサウンドの主張によって、細かいフレーズでHMP5を誇示する必要がなくなり、1アクションのコードサウンドでHMP5を表現出来る事で大きなフレージング(叉はブレス)をメロディーに作る余裕が出来ます。

さらに4 way voicingを考えると、b13thをメロディーとして用いる事になります。

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D7(b9)の4 way( w/tension b9th and b13th)

この場合は左手のヴォイシングにテンションが入る場合(4パターンの内2つ)は右手にテンションを入れないようにします。これはヴォイシングの中からトライトーンが消失してしまうのを防ぐ為です。
その内の一つを例に出すと以下のように。

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同様にF#がトップとなる場合も右手はトライトーンをヴォイシングします。

また、b13thは5thの代用として使うので左手に5thが入る場合、同時に右手にb13thが入るとその2音間に不協和音が生ずる為です。メロディー・ラインにb13thを選ぶ場合は要注意。

世界のマレット奏者を観てみよう!
赤松敏弘MySpace
チェキラ

おしまい



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