2008/8/15

効果を考える・・・・使い方を考えよう!4マレット奏法  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
第百七回目の今日は『使い方を考えよう』シリーズの14回目「効果も様々」のお話しです。

メロディーをトップヴォイス(一番上の音)としてその下にコードを入れる方法は様々あります。
これまでにココで紹介した方法もその一つですが、前にも書いた通りメロディーに対してコードサウンドを付ける事が楽しくなければ意味がありません。

僕はコードの勉強を始めた時にピアニストの演奏を参考にしました。
ヴィブラフォンのコード奏法に関する教則本などは運良く手に入ればいいほうで、地方に住んでいるとそういう情報すら無かったので、どこでも入手出来るピアノに関するジャズセオリーの本を買って参考にするしかなかったわけです。(今ではネットによって何処に住んでいても情報を入手出来る便利な時代になりました)

その頃に思ったのは、コードの転回形というのは「厄介」、という事でした。これはコードの勉強を始めた当初には誰しも思うものです。(ココで諦めてしまう短気な人が多いのかもしれませんね)
しかし、コードというのを左手にトライトーン、右手にテンションという形に当てはめて行く内に、それらは無意識の内にコードの転回形をマスターしているに等しい事がわかってくると、ちょっと一筋の光が差込んでくるのですね。

要するに、4本のマレットを合理的に使う、という事は、コードのルート(根音)を自分が演奏しないでトライトーンを使って演出する、という事。コードを下からブロックで考えてしまう(常に低い音から順に音が重なっているという固定観念)と転回がとても難しく感じられるわけです。

トライトーンを近い位置で結ぶ事が「簡単」に感じられるようになれば、演奏も楽になるわけで、それだけで楽しくなるわけで、それと平行してコードスケールによる楽曲の分析が出来るようになるとテンションというものは特別なものではなく、普通に曲の中に存在している音を拾う、という単純な作業という仕組みが見えてくるはずです。

ここまで来れば伴奏もソロもある程度演奏出来るようになります。
さて、それをどのように「楽しくする」か、ですね。

楽しくする為の方法。

その第一として、自分のサウンドを外的要因によってコントロール出来ないか?を試してみる事です。

例えば、ヴィブラフォンでは音響装置としてヴィブラートがあります。
これは「回さなければならない」ものでもないし、「回す必要がないもの」でもありません。
使いたければ使え、というものです。

世界的な傾向で見れば現在はヴィブラートを使う、使わないの比率は半々。You TubeやMySpaceで観ると実体がわかるでしょう。使う使わないは奏者が決める事です。ある曲では使い、ある曲では使わない、というのも選択肢の一つかもしれませんね。何事にも先入観は物事の発展を妨げますから、自分が試して「自分の方法論」を持つ事が重要です。

僕はまったくヴィブラートを使いませんが(運搬でかさばるからモーターすら取り外しています/笑)、試した事はあります。

ヴィブラートを使うとムーディーなサウンドが出るのでちょっと「楽しく」なります。
ファンの回転速度を早くしたり遅くしたりするだけで雰囲気も精神状態も変わります。

メロディーなんかもちょっと雰囲気が出て「楽しく」なります。

このスリルにも似た音の震えを効果的に生かせられると僕もヴィブラートを使ったでしょうね。ヴィブラートの有無は例えればハモンド・オルガンとフェンダーローズ・エレクトリックピアノの差があります。だから好みなんですね。楽しいほうを選択すればいいのです。肝心なのは周りからいろいろと言われても自分のペースを乱されない事です。自分の途中経過は自分でしか予測できないからです。

ちょっと僕のMySpaceのフレンド達はどうなのか調べてみました。
意外と演奏(ソロ)の部分を中心に公表しているのでこの「楽しさ」の回答を見つけるのには苦労しましたが、オランダのヴィブラフォン奏者Miro Herakさんが面白い音源をアップしていたので聴き比べてみて下さい。

『Three In One』MySpace
http://www.myspace.com/trio3in1

よく知られたジャズスタンダードを演奏するユニットのようですが、曲によってヴィブラートを使ったり使わなかったり。
このブログでカンピングの事がわかってきた人にはとても参考になるでしょう。

マリンバで言えば、ヴィブラフォンのヴィブラートに匹敵するのがトレモロですね。トレモロにもいろいろとあって、物凄く細かいトレモロを好む人もいれば、大きなトレモロを好む人もいます。また、トレモロを極力使わない人も。

僕がマリンバを弾くと・・・・・まぁ、結果はお分かりのように極力トレモロは弾きません(笑)。でも、トレモロが似合う部分は別ですよ。トレモロにはトレモロでしか表現出来ない事があるのです。

ヴィブラートやトレモロに対してはマレットダンプニングという「効果」があります。
僕はそちらを選んだのでヴィブラートやトレモロは使わなくなっただけです。

「楽しくなる」その2。

コードに対してある程度の知識と技術が付けば、いつも同じコードに対して同じサウンドでは飽き足りなくなるものです。

そこでジャズではアプローチという手法があります。

その最もシンプルな基礎は『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハ)に掲載しているように、ベースラインを作って遊んでみる事です。決まりきったコードトーンに対して「クッション」となるような音を“ぶつけて”みるのです。
それによって得られる効果(音の躍動)をコードに対しても行ってみる事です。

例えば「内声」。

ボサノヴァが一番わかりやすいと思うのですが、あるコードが持続する時に、コードの「内声」が装飾的に動いた時の効果です。

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単純なコード進行によるボサノヴァによくみられる例ですが、二段めは内声に装飾を施しています。G7が二小節、C7が二小節(但し1小節はインバージョン・コードでC7sus4と同意)継続する部分の内声にラインクリシェを導入しています。
単純な事ですが、これによって“よくある”ボサノヴァの雰囲気を演出出来るわけですね。
従って、この部分のコードスケールも、G7は二拍ずつミクソリディアン〜HMP5の繰返し、C7のところは最初がミクソリディアン、次の小節は二拍ずつミクソリディアン〜HMP5と変化します。

普通にヴォイシングしただけではあまり楽しみが無かった場合でも、曲を崩さない範囲でアプローチやラインクリシェを導入する事で「楽しさ」に繋がる効果が出ます。

同じやるなら、楽しんで出来る演奏練習を。

世界中のマレットプレーヤーを観てみよう!
赤松敏弘MySpace
それぞれに自分のサウンドを出す工夫が

おしまい



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