2008/8/22

ラインを使ったソロと伴奏の組み合わせ  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
第百八回目の今日は『ラインを使ったソロと伴奏の組み合わせ』のお話しです。

先日「グルグル」の状態でアップしたブログで、大阪のジャズクリニックの事にちょっと触れたところ、何人かの読者から問い合わせがありました。
とてもありがたい事なんですが、残念ながら9月に大阪国際交流センターで行うジャズ・クリニックは楽器メーカーさんのシンポジウムなので一般公開はありません。
御了承下さい。m(_ _)m,,,

前回の大阪クリニック(2004年)みたいな感じで出来るといいんですが、今回は無理。
でもせっかく大阪にいるので何人かのマレット族と会えるかもしれませんね。
9月24日-25日辺りでインフォメーションがある人、メールで連絡して下さいませ。

さて、今日は後追い更新でスマソ。
さっそく本論に突入です。

4本マレットの使い方について書いてきましたが、実際にソロの途中で伴奏を入れながら演奏するのは“見た目”ほど大変ではありません。
ここまでに説明した用法を理解している事を前提に、次はソロを作りつつ、というスタンスに移ります。

練習素材として、昨年出版した『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハから発売中)でも掲載しているデイヴ・ブルーベックのスタンダード・ナンバー“In Your Own Sweet Way”冒頭の8小節を取り上げてみます。

この曲は一時的な転調の連続ですが、コードスケールを割出して転調しているキーさえ理解出来れば難しい曲ではありません。
『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』ではヴィブラフォン(1名)、マリンバ連弾(2名)、の計三人によるマレット・アンサンブル用のスコアと演奏解説を掲載していますが、ここではソロパートを演奏する時の一つの方法について記します。(ヴィブラフォン、マリンバ共通)

まず最初の8小節のコード進行はこんな感じ。

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(クリックで拡大/以下同じ)

さぁ、インプロ(ソロ)をやろう!という段階です。(もちろんコードのお勉強はしてね!)
この時に必要なのは、

・それぞれのコードのキー
・それぞれのコードのコードスケール

調号を見ながらフラットやシャープがどのようにコードと共に変化しているかを分析すると、使えないスケール上の音(アヴォイドノート)がいくつかありますね。(『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』では43ページに詳しく書いています)
使えない音を避ける練習として一番シンプルで有効なのがラインを設定する事です。
ソロといっても、いきなり何処かで聞いたようなフレーズをコード進行が同じだからと無理矢理押し込むのは避けるべき。
また、ジャズはフレーズを知らなきゃ何も出来ない、なんて言う“噂”に悩んでいる人には朗報。

まずはコードスケールをシンプルに横方向に繋いでみましょう。

・どの音から始めてもOK (但しアヴォイドノートを除く)
・1コード1音で一定の方向 (上叉は下) に動く
・決めた方向で隣合うコードのコードスケールで一番近い音に繋ぐ
・一番近い音がアヴォイドノートの場合は飛ばして繋ぐ

では、最初の4小節は上行、後半の4小節は下行とだけ決めてラインを演奏してみましょう。

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どこから始めてもこの形でコードスケールを結ぶ事が出来ると、自分が今は何調の中にいるのかがわかるでしょう。
また、コード音だけでコードネームを読んで「どーすりゃいいのよ」と途方にくれていた人でも簡単にコードサウンドに乗っかる練習になります。

こういう動きは伴奏をしている時に、「シングルノートで何か」という場合にも使えます。簡単なアレンジの入口でもあるんですね。

さて、これだけでは無味乾燥なので、少しリズムを付けてバリエーションを演奏してみましょう。

この曲のテーマに出て来る「タラ〜」という短いフレーズをさっきのシンプルなラインに当てはめてみます。
また、後半の4小節は2小節単位で「コール&レスポンス」っぽく動いてみます。
この部分は奇数小節は奇数小節に、偶数小節は偶数小節に対して等しい動きを組み合わせてバリエーションを作るようにしています。

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この方法でインプロのメロディー・ラインを作って行くとコードの流れから逸脱する事はありません。また、フレーズを知らなくても、サウンドで遊べるのです。


さて、次はこのメロディー・ライン (モチーフ) に対してコード伴奏を付ける方法に。

単純にメロディーの休符の部分にコードを入れる事が一番シンプルな方法でしょう。
使う音は各コードのトライトーン。(3rd and 7th/フラットも含む)
要点としては、メロディー (さっきのモチーフ) にトライトーンが含まれている箇所は伴奏にその音を加えない、です。

例として、前半4小節の内の2小節間と、後半4小節の内の2小節間を記します。

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音符の旗が「上向きは右手」「下向きは左手」で演奏

この場合、各小節の3-4拍間のメロディーにトライトーンが含まれるのでコード付けはシングルノートになります。

この曲は昨年リリースした以下のアルバムでも演奏しています。

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『TIDE GRAPH/赤松敏弘』(VEGAレコード/2007年)
Amazon.co.jp他全国のCDショップ&ネットショッピングで発売中

自分でコードスケールを分析してラインを作り、いろいろと試してみて下さい。
思ったよりも簡単に仕組みがわかるはずです。


世界のマレットプレーヤーに直結
赤松敏弘MySpace
チェキラ!

おしまい



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