2008/10/9

見たらもっと楽しい音楽・・・・Dave Holland(b)  木曜:Jazz & Classic Library

この週末の連休は是非!
──────────────────────
横浜『横濱ジャズプロムナード2008』
 日時:10月11日(土)正午から (開場11:30am)
 出演:赤松敏弘(vib) ユキ・アリマサ(p) DUO
 出演会場:横浜情報文化センターホール(通称:情文ホール)
 地下鉄みなとみらい線日本大通り駅・情文ホール出口すぐ
 http://www.jazzpro.jp/index.html
 料金:1 day pass 前売¥4000円(ペア券割引券有) 当日¥5000
──────────────────────
松山『シュガービレッジ2008』
 日時:10月13日(祝・月)午後7時から (開場6:30pm)
 出演:赤松敏弘(vib) 渡部由紀(p) 吉岡英雄(b) 櫻井康雄(ds) &ぞうじる
 出演会場:キーストン (松山市三番町1-10-13-3F)
 八坂通り三番町交差点一つ北側筋入りすぐ
 料金:1 day pass 前売¥3000円(1 drink付) 当日¥3500
──────────────────────

さて、本題。

ベーシストのアルバムには他の楽器とは違った特徴があります。
概ね次の二通りに分かれます。

(1)オレのベースを聴いてくれ、タイプ
(2)オレの音楽を聴いてくれ、タイプ

ベースという楽器であるがゆえにメロディー楽器のように全面に出て主張するのは難しく、例え(1)であってもやはり他の楽器の力を借りての「オレのベースを聴いてくれ」なんですね。ベース愛好者には(1)がウケるでしょう。
しかし、僕ら他の楽器から見ると、驚くほど音楽センスに優れたアルバムが(2)のタイプにはあります。

音楽は低音の上に形成されている、という事も影響するのでしょうが、ベーシストの考えるメロディーラインやハーモニーは実に美しいものがあります。
そういうアルバムを聴いていると、音楽をコントロールしているのはやはりベースだな、と思ってしまうのですね。
それはジャズに限らずクラシックでもロックでも、やはり低音の使い方が上手い音楽は聴いていて飽きがきません。

本日御紹介するのは・・・・

クリックすると元のサイズで表示します
『NOT FOR NOTHIN'/Dave Holland』(ecm/2001年)

デイブ・ホランドと言うと僕は60年代の終わりから70年代初期にかけてマイルス・デイビスのバンドにキース・ジャレットやチック・コリアと共に加わっていた印象が一番強いのですね。

「世界最強のロックバンドをやる」と断言していた頃のマイルス・バンドですから音楽もメンバーも若さに溢れていました。
その中で一際ロックが似合いそうなロングヘアーにバンダナ姿のホランド。実際にロック・エイジらしく何事もエンジョイしながらやっている姿が新鮮でした。

時は流れ、ジャズの流れも様々に分化した中で、時々ECMレーベルにホランドの名前を見掛けながらなかなかアルバムに触れるチャンスが無かったのですが、このアルバムでやっとホランドのジャズに触れる事が出来ました。

このアルバムを最初に聴いた時の印象は、ECMを聴いたという余韻が少しも無かったという妙なもの。
ECMと言うと僕らはいつでも70年代の全盛期に耳馴染んだ抽象画を思わすような音作りを連想してしまうんですが、これはまったくドライそのものなサウンド。
だからカレーライスだと思ってハヤシライスを食べた時のような感じ(←そんな間違いはあり得ないっか)
だから申し訳ないけどしばらくは買ってから放置していたんですね。

いい加減ほとぼりも覚めた頃になって(つまりECM聴きたいモードじゃない時)、何気に取り出して聴いてみると、あらら、こりゃこんなに面白かったんだ〜、と驚き。

ロックの香りがするミュージシャンは好きです。(ポップロックではない)
僕らもそうですが、生まれた時から身の回りにジャズが溢れている、なんて環境はありませんでした。自分が好んで聴かない限り。
比較的早く小学生からジャズに興味を持ちましたが、それは自分が「聴くモード」でジャズ的アンテナを掲げた時だけ。日常に溢れていた音楽の影響は仕方がないほど身に染みているんです。それがジミヘンだったりローリングストーンズだったりザ・フーだったりビートルズだったり、、、。

ロックのアルバムは一枚も持っていないけど、テレビやラジオから流れるヒット曲として覚えているんですね。つまり嫌いじゃ無いって事。しかし、昔から妙にジャズファンはプライドが高いと言われる如くに、僕も聴いて知ってるくせになんか素知らぬ振りでその時代を過していました。

でも、今考えればあれが僕らが育った音楽なのかも知れません。

自分の事が長くなりましたが、ホランドの音楽を聴いているとそのロックの香りがするのですね。そこにジャズのエッセンスがブレンドされた音楽。

メンバー
・Chris Potter/ss,as,ts
・Robin Eubanks/tb
・Steve Nelson/vib,marimba
・Billy Kilson/ds
・Dave Folland/b

ピアノやギターがいない事で2管+vib trioとも言える編成は軽快そのもの。サウンドが隙間だらけで、それがかえってホランドが意図している音楽を単純明快に仕上げているように感じます。
この単純明快、というのが実にいいのです。

と、言うのも、演奏される曲は決して単純明快な仕組みではなく、随所に変拍子が組み込まれた今ヨーロッパで流行っているジャズ。
しかし、その複雑なリズミック・アーティキュレーションに複雑にコードが絡んでしまったら、これは軽快どころか超ヘヴィー級にプログレッシヴ。
それでヴィブラフォンを使っている所にホランドが目指す音楽が鮮明になる秘訣があるとみました。

アルバムで頻繁に出て来るリズミック・アーティキュレーションはマイルス・バンド時代から好んで取り入れているのできっとその影響がある、と言うか、これが彼の本質なんですね。マイルスがホランドを雇ったのもよくわかります。

軽快なだけではなく、2曲目“For All You Are”では静かな中に浮かび上がるようなメロディーラインとコードが美しいジャズバラード、マリンバを使った4曲目“Shifting Sands”ではちょっとエスニックな雰囲気、と曲毎のシーン展開も面白い構成。

CDで聴いていると軽快という印象が強かったのですが、YouTubeかMySpaceでホランドのこのアルバムのライブ動画があるのですが、それはそれはステージの上が実に楽しそうなんです。

なるほど!

そう、その「楽しそう」、そして「ロックの香り」。
ホランドは最初にマイルス・バンドで見掛けた時からずっと変わらずマイペースに音楽をやっているのですね。

ある意味で音楽としてのエンタティナー。
ひょっとすると、ベーシストのアルバムの傾向にもう一つ

(3)オレのエンタティナーぶりを見て楽しんでくれ、タイプ

を加えてもいいかな、と思うのでありました。

ココから入ればホランドの演奏もあるよ!
赤松敏弘MySpace
世界の音楽をチェキラ

おしまい



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ