2008/10/31

ホームページ引越しリニューアル記念/ブルーノート考察  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
第百十四回目の今日は、

題して・・・

ホームページ( http://www.vibstation.com/ )
引っ越しリニューアル記念!

『ブルーノートの使い方考察』
です。

このところツアーやらホームページの引っ越しやらで、「なんぼほど後追い更新やねん!」と、すっかり曜日毎の題目が乱れてしまいましたが、今日で最終調整。

なんで引っ越しリニューアル記念でブルーノートなのか?
まぁまぁまぁ、細かい事は置いておきましょうよ(笑)。

ただ、ブルーノートって使い方次第でカッコよくもカッコ悪くもなるもの。使い方で困っている人って案外多いですから、今日は特別に、という事で。

ブルーノート・スケールの構造はいろんなところで解説されているので省略しますが、ココで取り上げるのは、コード自体にブルーノートが含まれているコードの判定と対処。

これが案外手強いのですね。
特に、コードスケールの分析から入った人にとっては、厄介なものなのです。

例題として、MJQの演奏で有名なジョン・ルイス作“DJANGO”のソロ・パートのコード進行から一部分をピックアップしてみます。
曲の後半の、まぁ、この曲の中で一番オイシイ部分です。

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(クリックで拡大/以下同じ)

実際には2回目の4小節めの3-4拍はC7(b9)となって本来のキー(Fマイナー)へと戻るのですが、今日の題目に合わせて、この部分だけをリピートする事にします。

この曲はセカンダリー・ドミナントの連続で一時的な転調が連続する仕組みとなっていますが、今回取り上げている部分は最後にだけ登場するものです。
全体に言えるのは、それぞれのコードのトライトーンを忠実に辿らないと、途中で脱線してしまうという「落とし穴」があります。
しかし、そのトライトーンの連携は等間隔に並んでいるので、慣れると難しいものではありません。

ただし、このピックアップの部分は2つのコードを繰返すので、連続したトライトーンの連携がココだけ反福となっているわけです。

この部分は曲の演奏の中でも、最も盛り上がる部分なので、ここで転んでしまっては大変。

まずは冷静に、反復するトライトーンの動きをピックアップしてみましょう。

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トライトーンを同時に弾くと和音になりますが、演奏ではこの動きをメロディーに取り込む必要があります。
トライトーンの動きは半音ですから、音の動きの中では一番目立つものです。

最初に、近い位置のトライトーンを結んで「変わり目」の確認をしましょう。
半音の動きを目立つように、半拍前倒し(Anticipation)して“次に来るトライトーンを自信を持って弾く”練習にしましょう。

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2つの半音連鎖なので二箇所にメロディーの母体が出来ます。
最初は低い位置での半音の反復、次は高い位置での半音の反復を確認します。
このGb7とDb7の連鎖&反復で「最重要な音」の動きが確認出来ます。
この「最重要な音」の動きを“コードの解決”と呼びます。

今度は、トライトーンの動きを上行と下行に分けて、交互に演奏する練習。

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同じ方向に向かう動きばかりでなく、反転した動きを知っておくと、メロディーを作るときに「解決の方向」を上下どちらでも作る事が出来ます。


さて、ここまでやったら、考えるべき事があります。

Gb7とDb7が繰返されると、どちらが「親」でしょうか?

実は、これ、演奏中の音感的な判定としても重要な事なのです。

この二つのコード、元々のキーのFマイナーには含まれないコードなので反復されると一時的に臨時の調が設定されるわけです。
セブンス・コードの判定は一筋縄では行かないと思うなら、これらのコードをMaj7コードとして反復させると分かりやすくなります。

GbMaj7 - DbMaj7

さぁ、これなら「親」がどちらかお分かりでしょう。

答えは DbMaj7。
GbMaj7はサブドミナントという事になります。

本題に戻ると、この場合は「Db7」が親です。

なぜ「親」を判定する必要があるか?

実はブルーノートの設定に関わるからです。

ブルースのコード進行を見ればわかる通り、ブルーノートを示唆する意味でI Maj のコードにb7が加えられていますね。
本来であればI Maj7 (Tonic) となるコードが一見“I7”とでも言うようなコードに見える。ブルースを演奏する時に誰でも疑問に思う事です。
それはコードが“ I 7”になったわけではなく、ブルーノートとしてb7thを加えてちょーだい、という事なんですね。同様に#9th も。
これは特殊なブルーノート・スケールという音階で出来ている音楽だから、なんです。

肝心なのは、それが「親」に対して加えるという事。

この場合、一時的にDbを基音とするブルーノート・スケールが使われているのです。

すなわち、#9th(= E )、b7th( =Cb )。
そのままGb7のコードを見ると、コードトーンにb7thとしてEの音があります。
つまり、Gb7はコードトーンにブルーノートを含むコードという事になります。
同様にCbはGb7のコードの4th(但しアヴォイド・ノートなので使わない)。

なので、この部分はDbのブルーノート・スケールに基づいて出来ている、という事です。

この事と、最初にやったトライトーンの動きをミックスさせて演奏すると、調性を失わずにこの部分を演奏する事が出来ます。

[サンプル]
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ブルーノート(↑B.N)を意識するのは、まずは「親コード」の時。この場合のGb7には元々コードトーンにブルーノートが含まれるのでわざわざ誇張しなくてもよいのです。

ブルーノートの使い方にはその人のセンスが!
赤松敏弘MySpace
チェキラ

おしまい




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