2008/12/26

シンコペーションはノーアイデア!  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第百二十一回目の今日は「シンコペーションはノーアイデア」というお話しです。

メロディーの中にあるリズムで初心者がついつい乱用してしまう(?)のがシンコペーション。コードを見ながらソロにチャレンジしている時、冷静に(あるいは録音して)聴いてみると、案外シンコペーションを多用しているのに気付くでしょう。

ジャズ(それ以外の音楽でもそうなんですが)のソロのメロディーにシンコペーションの乱用禁止〜(笑)。ダメ〜!

と、頭ごなしにダメと言われても納得しないかもしれませんね。

例えば・・・・

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(クリックで拡大/以下同じ)
注:プロバイダーの表示設定の関係で右端は隠れてしまいます。クリックすると全画面が表示されます。

スイング・ビートでこのようにメロディーをシンコペイトすると、確かにリズムに乗っているように思えます。

ところが・・・・

ここで使われた「音」を普通のリズムに置き換えてみると、やってた事が余りにも単純なのに気付くでしょう。

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ありゃりゃ・・・、たしかに。。
ノリノリ〜のつもりだったけど、ただの四分音符だけじゃん。

要するに、自分はリズムに乗っている、と思ってシンコペイトしていたのは、実はただの四分音符を弾いているだけ。「間」を何となく埋める為にシンコペーションしていただけだった、、、と。

それなら、まだコチラのほうが良いのです。

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確かに昔はジャズを演奏する時に、ピョンコピョンコと跳ねる感じ(例えば2拍3連で、)とか、このシンコペーションとかを入れて「リズムに乗る」とか言う人もいました。
でもこれらは、はっきり言えば間違い。緩く言えば「目安」のお話し。
跳ねたり、シンコペーションしたからと言ってリズムに乗れるわけがないのです。

その昔、まだ僕が駆け出しの頃に、キース・ジャレットがスイングの曲の中で物凄くかっこいいフレーズを弾いていたのですね。それを耳で拾って弾いてみたんですが、どうにも納得が行かず、当時持っていたオープン・デッキに録音して再生速度を半分にして聴いてみたのですね。(今ならそんな事はパソコンやデジタル機器を使えば簡単に出来るんですが)

すると、とっても正確な16分音符を弾いていたんですね。
気になって、他の部分も聴いてみたら、どれもこれもストレートな8分音符や16分音符なのです。

その時点で気付きました。

こりゃ〜リズムじゃないな。と。

2拍3連とかは、未だにレガートスタッカートの説明に使われますが、あくまでもそれは目安。「そのように聴こえる」というのであって、リズムを示しているわけではないのです。シンコペーションにしてもそうです。

では、それは何か?

ニアンスとアクセント。
そう言ってもいいでしょう。

極端な例で、さっきのメロディーをちょっとわかりやすくする為にアンチシペーション(前倒しの意味。この例では偶数小節の音を前倒し)してアクセント・マークを入れてみます。

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このメロディーの全ての裏拍にアクセントを入れると、強拍(1拍めと3拍め)に重なってアクセントがシンコペーションに聴こえるでしょう。
この現象が昔から「リズムに乗る」という表現に結び付いたのだと思うのです。
また、裏拍でアクセント・マークの無い音を参考にした演奏で聞き逃している可能性もあるわけです。

音の強弱だけではありません。

例えばこんな具合に・・・

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わかりやすくする為にアクセント・マークを入れていますが通常は記さないものです。

ポイントは音の動き。

つまりはダイアトニックな音なのか、ノン・ダイアトニックな音なのか。
コードスケール上にある音なのか、アプローチノート(↑)なのか。
(ダイアトニック、コードスケール、アプローチノートなどの音楽用語の意味は『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハ)のP.53以降に書いた“コード演奏ガイダンス”やジャズの理論書を参照してください)

コードの中で響く音のニアンスや役割がメロディーのリズム的なニアンスに大きく関与するのです。


さて、マレット・キーボード、つまりヴィブラフォンやマリンバの場合、このニアンスと関連して左右の手の使い方も連動します。

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ダブルストロークを効果的に使いましょう、と何度もココで書いているのは、フレーズの作り方ではなく、このニアンス作りと大きく関連しています。

シンコペーションをそのままのリズムで演奏する前に、音の動きやニアンスでシンコペートしているように聴こえる演奏法を身につけると、リズムにまつわる誤解も解けて演奏がスムーズになります。

けっしてシンペーションを使ってはいけないわけではありませんが、無駄にシンペートするとアイデアの発展を妨げたり、何となく誤魔化してしまいがち。

「ちょっと待て! ソコで緩〜いシンコペーション!」

な〜んて、ね。

メロディーはリズムよりもニアンスと動き。
シンプルなリズムを生き生きとさせる音使いこそが、リズムに「のる」入口なのです。


では、金曜特集はまた来年!


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