2009/8/31
さて、どーする?・・・ 月曜:ちょっと舞台裏
部屋から見えるニッポンの夜明けは朝焼けで真っ赤でした。

どーなるんでしょうか?
それもこれも、今日一日で決まるわけです。

夏休みの終盤に行われた衆院選。
こんな時期に選挙をする事自体極めて稀です。
完全にマスコミに煽られた形で国民も興味津々な今回の選挙。
大異変、大転換、大変革、大騒動、大変動・・・・
おおよそ「大」のつくことが全て当てはまる感じで審判は下りました。
折からの台風接近と同じように刻一刻と開票は進み、与野党大逆転。

六十何年振りかの大転換、と報道されていましたが、そうだっけなぁ・・・・?
確か「オタカさんブーム」の頃と、「九州の殿様」の時、それと「自民党をぶっ潰す」をスローガンとした小泉劇場の時と、マスコミの報道熱はこの20年だけを見ても周期的に大転換を煽って加熱したはず・・・。
今回、野党圧勝と盛り上がっているかと言えば、どうもそうではない。
野党でも「一人勝ち」の党と現状維持の党に明暗がわかれ、政権が移譲される時に、果たしてどれだけ足並みが揃うか少々疑問だ。
また「一人勝ち」した党も、最後までパフォーマンスを貫き通すのか、あれだけ「政権交代」と悲願していた割には盛り上がる素振りを見せないのがちょっと不自然だ。
もっとも、この御時勢での「政権交代」は、交代された側もけっして嬉しくはないほど状況は深刻。
どこからマニフェストに掲げた「予算」を捻出するのか、相変わらず不透明なまま会見する党首を見て不安になった人も多いだろう。
決して今までの与党が良いとも思えないが、政権交代を掲げた割に「ホントにひっくり返っちゃったよ、おいー、どーする!」という空気が見え隠れする次期与党。本当にこの審判が良かったのかどうか、大いに疑問に思えてしまう。
その兆候は一週間前くらいからマスコミの報道にもあった。

散々、「追い風」という名の煽り風を起こしておいて、いざ野党第一党の議席が300を超えそうな勢いという風潮が蔓延しはじめると「よく、考えて」「風は吹いていますが・・・」みたいな感じで世論にブレーキをかけ始めた。
本当にいいんですか?
大丈夫なんですか?
本当にいいんですね?
みたいなー。
もしも、政権交代後の新与党に期待できる事があるとすれば、これまで隠していた事で「出来ない事」を正直に炙り出す事だと思う。
それらを全部噴出した後で、自分達には何が出来るのか、をスローガンに掲げることだと思う。
選挙でマニフェストに掲げた事は、それらを「知らなかった」自分達が掲げた事で、それらを「知った」自分達に何かが残されているとしたら、そこで初めてこの新政権から発せられるリアリティーのある「言葉」に聞こえるだろうな。
選挙の途中、終盤で、きっと彼等は「残されたもの」が見えたのだと思う。
喜びや歓喜とは無縁の彼等の表情から、この国がそれらとは無縁の方向に舵を切った事だけは窺い知る事が出来る。
さて、どーする?
敗れた与党が妙にクールなのは、自分達ではどうにもならなかった厄介から手を引く口実が出来た安堵感なのかもしれない。
テレビからこんなに歓喜の伝わらない選挙も珍しい。
そして、ちょっとそれは・・・・・
恐ろしい。
煽られて国が動いてしまう、という事が。




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チェキラ!
2009/8/28
後方視界よーし! ターゲットノート 金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック
毎週金曜日はvibraphoneやmarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第百四十九回目の今日は「後方視界よーし! ターゲットノート」のお話し。
このブログユーザーのYOSHIKIさんがある型番のヴィブラフォンを探しています。
売却・買換えをお考えの人がいましたら、彼に情報を。
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ジャズと一言で言ってもスタイルは様々。
オーソドックスなスイングからヒップホップをともなうアシッド系まで。
ビブラフォンやマリンバでジャズに参戦しようとすると未知のスタンダード・ジャズというものに出くわす。
ハリウッド華やかし頃のスクリーンミュージックやミュージカルのヒット曲(つまり懐メロだね)をズンチャカ、ズンチャカやっている、あれだ。
スタンダード・ジャズを入口としてヴィブラフォンやマリンバに手を染める、というのはある程度年齢が上がった層ではあるのだけど、若年層でいきなりスタンダードというのは、まぁ、珍しい。
ヒップホップやアンビエント、あるいはクラブのDJ達がループの素材として使っている「ジャズ」が入口というのが一番多いだろう。
かくいう僕も小学生の時にジャズはジャズでもジャズロックから入って来たのだから似たようなものだ。当時はロックが時代の音だったしそれは当たり前だと思っている。
コンテンポラリーからジャズに入って来る人だって同じだ。
そのように、他の要素を強く持つジャズを入口にした場合、スタンダード・ジャズに直面すると一番困るのが「お約束ごと」だ。
ある意味、自由なジャズから、途端に窮屈なジャズを押し付けられるようで抵抗もある。
しかも窮屈に押し付けられて、それがちっともカッコいいと思えないから困ったもんだ。
時代と世代感覚の違いがそこにはあるから、やがて歳を重ねて「スタンダード・ジャズの良さ」がわかるようになるまで待つしかない。
そうだ。
待つしかない。
待つしか・・・・
しかし、ミュージシャンとして生きて行きたいと少しでも考えているのなら、指をくわえて「待って」いてはダメなのです。
少しでも理解する方策を追及しなければ・・・
若いのに、言う事が妙に年寄り臭い人がジャズファンに多いのもそれは「理解する方策」としてその人が身に付けた一つのモードなのですね。
言動ばかりかファッションもきっとそういう人に特有のモードが備わっているでしょう。
ミュージシャンを目指すなら、言動やファッションよりも音を出す作戦です。
今日はその辺りの事を。
■結論から先に描く・・・
音楽には二通りあります。
結論は最後までわからない音楽と、最初から結論を得ている音楽。
出発点に置き換えると、前者はスタートした時点ではどのような結論に向っているのかわからないが、徐々にエキサイトすることによって結論に至るタイプ。
それに対して後者は、スタートした時点で結論に向っているタイプ。
前者は若い音楽、刺激的な音楽、直感的な音楽。
後者は大人な音楽、知的な音楽、構築的な音楽。
もっと言い換えると、
前者をお笑いに例えると、一発ギャグ芸。
後者を同様に例えると、オチに向う落語。
わかったようなわからない例えかな(笑)
ともあれ、スタンダード・ジャズは後者に属する、という事が言いたい。
「この先、どーなっても知らんけんねー」的な若さ溢れる冒険心の音楽がおもしろいに決まっているが、そればかりだとどうしても一本調子になりがち。
9:1でも、7:3でも、6:4でも、「チト毛色の違う音楽も」やりたいものさ。ミュージシャンなら。
それを自分のスタイルでやれる事が最大の目標なのだけど、なかなか敵(?)は手強い。
一直線に立ち向かう前に、相手の性格を分析しなきゃ。

超・スタンダード。
ミディアム・スイングでの演奏がポピュラーだろう。
コード進行はいくつかのコースがある。
これはその一つのコース。
スタンダード・ジャズという音楽は原曲をジャズ風に演奏しやすいように改造してある。
ある程度の歴史があるので、スタンダード曲がこういうものだろうと思って原曲を聞くと全然違っていたりするので要注意。あくまでも「ジャズ風」に演奏しやすく改造してある事をお忘れなく。
ココで言う、「ジャズ風」に演奏しやすく改造してある・・・というのはコード進行の事だ。
昔のスタイルなのでコードをいちいち分解している。
俗に言うIIm7-V7のスタイルだ。
この曲の場合、分解の時空軸が1小節の半分、つまり二拍ずつに置かれている。
そこで、二拍ずつにコードを分割して、小節内をなるべく半音で結ぶ音をガイドラインに設定してみましょう。

二拍に区切った時に同じコードの場合もそのコードスケールの中にある半音の位置を探します。
但しその時にはアヴァイドノートを選択しないようにします。
※コードスケールやアヴォイドノートなどの仕組みや解説は著書『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハ出版)や市販のジャズ理論本を参照してください。
そうして選出された音。
これこそが「結論」の音を秘めているわけで、スタンダード・ジャズ風の演奏ではそれらの音を利用した短い節回し(Lickと言います)を多用してメロディーを組み立てます。
純粋な意味での即興演奏ではありませんが、コードネームに不慣れな人、あるいは複雑なコード進行で悩んだときなどの解決策として有効です。
この場合、小節の後ろ側、つまり後半(三拍め)を「結論の音」に据えます。やじるし(↓)の音。
この音に向って短い節を作るとLick奏法となります。
例として小節の最初(つまり一拍め)に選んだ音を「結論の音」の直前に弾くと半音の音の動きによってこの部分のコードサウンドが強調されます。
試しに、もう一つ手前に「結論の音」に向う方向とは逆の位置にある近い音を加えることによって「結論の音」がより強調される効果を以下の譜例から検証してみてください。

「結論」を先に描いた演奏、を心掛けるとスタンダード・ジャズ風な演奏がしっくりと行くようになるでしょう。
なぜならば、元々はもっとシンプルなコード進行だった曲をわざわざIIm7-V7に分割したわけですから、小節の後半に据えられたコードに比重が片寄っているのです。
それを「結論」として最初に描くことで安定した演奏が可能になるわけです。
「後方視界よーし!」
「結論の音=ターゲットノート」
これで安心して短い節回し(Lick)も完璧!細かいコード進行もちょっぴり余裕?
休符のタイミングも何となくわかってくるでしょう。
ちなみに、先ほどの法則で、さらに前にさっきとは逆方向の近い音を配置する(実際にはその音から演奏が始まる)と、「結論の音」に向って行く実感が増すでしょう。

ただし、こうなると僕はやり過ぎのように思えてあんまり好きではありません。
一つ前くらいのシンプルさがちょうどよいのではないかと。
それが“サジ加減”という事で、その辺りの選択にその人のセンスが現れるのではないでしょうか。
何事も過度は厳禁ですからねー。
逆に言えば、大人な音楽、知的な音楽、構築的な音楽は、
若い音楽、刺激的な音楽、直感的な音楽の要素を取り入れて
パワーアップしなければならないのです。



世界のヴィブラフォン奏者と素晴らしい音楽仲間へ直結!
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チェキラ!
2009/8/27
ビル・エバンスとクラウス・オガーマンの美的追求・・・ 木曜:Jazz & Classic Library
ピアニスト、ビル・エバンスはピアニストとしての実力はもちろんだけど、オーソドックスなピアノ・トリオ(ピアノだけが目立ちベースやドラムは後ろで上品に控えめなリズムで演奏するスタイル)を、トリオ三者がそれぞれアイデアを出し合いながら演奏する言わば「三権分立的トリオ」に発展させた大きな功績を持つ。今日の殆どのジャズのピアノ・トリオは彼の影響なくしては自由に演奏出来るスペースを与えられなかったかもしれない。
それ以外にもう一つエバンスが残した功績がある。



オーケストラとの有機的な共演だ。
エバンスのバイオグラフィーを辿ると、ピアノ・トリオ(いわゆるビル・エバンス・トリオ名義)の変革の前に必ずオーケストラとの共演がある事に気付く。


コンテンポラリーなオーケストラでは、1956年には既に後にオーケストラで共演するジョージ・ラッセルのセクステットに参加していて、翌57年にはジョージ・ラッセル・オーケストラの一員としての録音も残している。それと同時にマイルス・デイビスとの親交が深まって行ったのは想像できる。(ラッセルとマイルスは親友だった)
リーダーとなってからのジョージ・ラッセルとの共演はラッセルの1958年のアルバム『New York N.Y.』(impulse)で結実し、僕個人としてはラッセルとビルの共同名義による72年のアルバム『Living Time』(cbs)が頂点だったと思う。
注目すべきは、ラッセルという音楽家の存在で、ラッセルはビルにもマイルスにも影響を与えていた事だ。


映画音楽の大家、ミシェル・ルグランのオーケストラとの共演も注目だ。
リリカルなエバンスのピアノとロマンチックなルグランの楽想が合わないわけがない。
1958年にマイルス・デイビスのバンドの一員としてルグランのジャズオーケストラとして残した『Legrand Jazz』(cbs)はあまりにも有名。69-70年にかけてサンフランシスコで録音されたビル・エバンス・クァルテットとルグラン・オーケストラによる『From Left to Right』(mgm)にこの組み合わせの結実があると思う。
もう一人、エバンスとの組み合わせで注目のオーケストラがある。
それが今回紹介する相手、クラウス・オガーマンだ。






『with SYMPHONY ORCHESTRA/Bill Evans Trio』(verve/1965年)
この時期のベーシックなメンバーはいわゆるエバンスの「トリオ65」と呼ばれるメンバー、ベースがチャック・イズラエル、ドラムがラリー・バンカーだ。
エバンスのトリオと言えば初期のベーシスト、スコット・ラファロが加わった編成があまりにも人気が高くて有名。ジャズピアノ・トリオの大革新編成でもあったから周りのショックも大きかったのだろう。
また、ベーシスト、エディー・ゴメスが加わったモントリュー・トリオ(実際にドラマーのジャック・デジョネットはピンポイント・ゲストだったが)が次いで有名。その後ゴメスとの共演は長く続いた。
前後をこれらの人気編成に挟まれてやや影の薄い「トリオ65」編成だけど、僕はこの編成が残したサウンドを好んで聞いています。
YouTubeなどでも時々このトリオの動画が観れるので、彼等がレコードから受けた印象よりも遥かに上回るスリリングな演奏をしていた事がうかがい知れます。
この「トリオ65」の良い点は・・・
エバンスが意図したサウンドを忠実に描こうとしていて、それが一番“様に”なっている事。
エバンスという人はかなりの奇人だった事は有名ですが、演奏に関しては共演者との激しいスパークで面白味を増すタイプに思われがちですが、僕はそうは思っていません。
とてもナーバスな人だったと演奏から感じる事があります。
だから「煽られて」いる状態は彼をプッシュするには効果的ですが、彼が思い描いていた事とは別の答えが待っていたのではないか、と。
それはこのアルバムで演奏されているエバンスのオリジナル曲“Time Remembered”を聞いた時、思わず“あっ!”と思ったのです。
このビルの書いた美しい曲。
しかし、演奏するとどのようにまとめて良いのかを迷う曲です。
この曲が最初に録音されたのは1962年に録音された『THE INTERPLAY SESSIONS』(milestone)ですが、ビル・エバンス・クインテットという名義で、ビル・エバンスといえばトリオ!!と思う向きには少々イレギュラーな編成によるもので演奏も同様でした。
その後もこの曲は演奏されていますが、なかなか「なるほど!」と納得させられる演奏に出会わなかったのです。
もちろん安易にバラードとして演奏してしまえば何でもない事だし、ましてこれを場末のキャバレーよろしくボサノヴァで演奏した日には「べつにこの曲じゃなくてもいいじゃん」となってしまうのです。
アレンジャー、コンダクターのクラウス・オガーマンはジョージ・ラッセルほどの革新性は無い代わりに、ミシェル・ルグランほど音楽が大衆性に溢れているわけでもありません。
「大前提」が全面を覆っていた60年代よりも、「量(大衆性)より質(個性)」の70年代の音楽にフィットした感覚を持った堅実な作風の持ち主。
未来をフラットに切り開く才能があると思うのですね。
ここでエバンスの発案なのかオガーマンの発案なのか(どちらでもいいんですが)テーマは叙情的にバラードで、ソロはダブルタイムでしかも倍の速さで、というアレンジが成されているのです。
ビルの名を世界的に広めたマイルス・デイビスのアルバム「カインド・オブ・ブルー」の中で演奏されているビル作の“ブルー・イン・グリーン”を御存知の方ならピンとくるでしょう。あの手法を使っているのです。あれはバラードとして緊張感を維持するために後半のコーラスを倍のテンポで演奏するアレンジでした。
“Time Remembered”もあれと同じ解釈で演奏すると・・・・
これまでのモヤモヤが一気に消えて行きました。
このアルバムはクラシックの有名曲(バッハやスクリュービン、フォーレやショパン、グラナドスなど)のモチーフを使ったアレンジとエバンスのオリジナル2曲とオガーマンのオリジナル1曲で構成されています。録音データにはもう1曲Yesterdayも記録されているのですが、これはボツとなったようです。
さて、ビルが描いていたサウンド。
このアルバムのソロパートを聞くと、いつになくリラックスして、それでいて狙ったストーリーを完璧に弾きあげて行くエバンスと、それに追従しながらも適度なクッションを作るイズラエルとバンカーがいます。
特にエバンスのオリジナル“Time Remembered”と“My Bells”のリズムセクション二人のフィット感はどうでしょう。
エバンスがいつになく瑞々しく聞こえるのはこの二人とのコンビネーションがエバンスにとって何のストレスもなかったという事でしょう。
おかしなもので、自分の世界が見えてくるとそれを「まとめよう」という心理が働きます。
冒険は、例えば曲や編成に留めて、演奏は「まとめよう」とします。
曲や編成が冒険の領域であれば、何もしないでも音を出すだけで70%は「冒険」しているかに聞こえます。100%がフルサイズだから演奏は残り30%という比重で「まとめよう」と。
僕がおもしろい、と思うのはその比重が時々50%を超えたり、時には80%近くまで上りつめたりする瞬間がある事。
クラシックの曲ではどうにもならない部分も一部にはあるけどオリジナルでは見事に振り切っているのですね。
それがやはり音楽のおもしろさ、ジャズのおもしろさ。
最初から崩壊した状態で100%を目指すのはフィードバックさせるものが何も無いので簡単な事。
フィードバックすべき事が明確な形と印象を持つものてせあればあるほど、そのせめぎ合いの隙間に「おもしろい」音がニョキニョキと浮かび上がってくるのですね。
グラナドスの“GRANADAS”のソロパートの弾けようは軽快そのもの。
これを1曲目とした心理、よくわかります。




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チェキラ!
2009/8/26
ズバリ“なつ”でしょー! 水曜:これは好物!
ちっとも夏らしくない夏がもうすぐ終わってしまいそうです。
東京も朝夕はエアコンいらずの気温になり、本当にピンとこない夏でした。
夏の終わりは八ヶ岳方面に出掛けて新鮮な高原野菜を買うのが楽しみでしたが、どうやら今年は不作のようで既に山からは赤とんぼが下りて来ているようです。
生で食べてもおいしいとうもろこしとか、ああ、、今年は味わえませんでしたねー。
ならば、このピンと来ない夏をしっかりと〆ていただきましょう!
コレで




『季節の吹き寄せ弁当〜なつ』(NRE大増・日本レストランエンタープライズ製)
ズバリ“なつ”が詰まった駅弁。
もうすっかり御馴染みの季節の吹き寄せ弁当平成二十一年夏版だ。

NREは東京や新宿、大宮駅他首都圏を中心とした関東地区メニュー、東北地方を3つにわけて仙台地区メニュー、盛岡地区メニュー、秋田地区メニューの計4種類がある。
これらはまったくメニューが異なり、それぞれの地区の味覚に合わせた調理がされているから凄い。
秋田地区などは地元の駅弁業者も人気があるので品数を抑えたピンポイント的なメニューが特徴。
この『季節の吹き寄せ弁当〜なつ』は首都圏メニューで東京・新宿・上野・大宮・品川駅構内のNRE弁当売店にて販売されている。
販売期間は8月31日までなので食べたい人はお早めに!!
2003年に日本レストランエンタープライズが日本橋大増を傘下に加えてからの駅弁は本当に見た目も楽しく、味付けも格段に良くなった。
言っては悪いが、同じ東京駅でも東海道新幹線ののりばで売られている某メーカーの駅弁とは雲泥の差だ。僕が高校の頃、東京にレッスンで通っていた1970年代半ばと同じような見た目、内容、味付けで「腹が減るから仕方なく食べる」レベルが今日まで続いているのが信じられない。懐かしいと言えばそれまでだが、、、あの頃の新幹線には食堂車があったというのをお忘れなく。
東京で無駄遣い(例えばレッスンの前後に新宿ピットインの朝の部を覗いたり、秋葉原で余計なレコードを買ったり・・/笑)さえしなければ駅弁よりももっぱら食堂車を利用していた。
「駅弁」とは所詮そういうもの、、、、その常識をNREは見事に覆した。
東京駅で駅弁を買うなら絶対コンコースにある売店がお薦め。(例えば中央通路のエキッチンなど)
さて、“なつ”だ。
蓋を開けるとそこには・・・・

この夏のメニューはこちら↓







冬瓜がうれしい。
弁当は揚げ物が多くなる傾向なのでさっぱりした冬瓜や焼き茄子などがメニューに加わるだけで食欲が増す。
鱧(はも)の焼き物が旨い。
おもしろいのはジュンサイ寄せ、聞きなれないロマネスコカリフラワーの煮物、青パパイヤのかぼす醤油和え、このシリーズ定番となりつつあるパプリカ揚げなど。
意外な野菜を違和感無く食べさせてくれるところがいい。
自分で料理する時のヒントにもなる。
そして食後のデザートに用意されていたのが、無花果蜜煮。
イチジクを無花果と書くのを知らなかった・・・
これが実に上品な甘さで口なおしにピッタリ。
イチジクなんていったい何年振りに食べたんだろう・・・
小さい頃の夏休みに庭に生っていたイチジクやザクロをおばあちゃんと食べた記憶はあるが。。。
ああ、なんだかちょっぴり懐かしい味がしたよ。
ごちそうさま!
駅弁なのにこんな気分を味わえるなんて凄いね。
しっかり“なつ”の御馳走でした。




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チェキラ!
2009/8/25
丸く見える丘と、106改め801・・・挟まれた男 火曜:街ぶら・街ネタ
街ぶらです。
夏休みシーズンの終わりに相応しく、今日は海沿いだ!

千葉県は銚子市の先にある犬吠崎。
ここは200度を超える大パノラマで海が見えることで有名。
その中の「地球が丸くみえる丘展望館」。
近道、と手書きで書かれた案内板を辿ると、これがとんでもないあぜ道。本当にこんなところを歩いてていいのだろうか???・・・と思いつつ、何だか子供の頃の夏休みにキャンプに行った時みたいな気分がどこかからともなく蘇ってきて妙に盛り上がりつつ、足場の悪い中を田舎の香水と虫に歓迎されながら歩く。
ううん・・・確かに近道なのかもしれないが・・・・・人生に通ずる教訓にも似た道を登ること10分。
普通の道に出て、妙に安心したところで到着。

一応開館時間は決まっているようだけど、天気が良いと日没まで延長という事らしい、ややっこしい案内板で開館している事を確認して館内に入る。

どーだろーなーーー・・・とエレベーターに乗り込み3階へ。
すると・・・・

すごい、すごい。
さらに上のオープンデッキに階段で上がる。




まさに大パノラマ。
売り文句に嘘はなかった。
この眺めはすごいゾ!
海の大パノラマも気に入ったけど、僕はもっと気に入ったのがコチラ。

風力発電の巨大風車。
房総の台地に無数の巨大風車が風を切っている様は圧巻。

僕には風車がまるでロボットのように見える。

夕陽を浴びて風車にも表情が感じられてしまうから不思議だ。
銚子が近づくとその風車が風の通り道のいたるところに設置されていた。
昔来た時はこんなに風車だらけじゃなかった。

国道沿い、利根川沿い、小高い丘の上・・・・

ちょっと風車がSFの地球侵略者のようで、いたるところからコチラを監視しているようにも見えてしまう
80年代のアメリカ、西海岸のような風力発電の風車の光景が房総の台地いっぱいに広がっているのはかなり勇壮で、21世紀(風車)と20世紀(民家)が同居しているようだ。
房総の新しい風物詩になるかもしれない。
■ ■ ■
普通のブログならこれでおしまいだけど、ここからが鉄分多めのこのブログの真骨頂??
今回銚子を尋ねたのは「地球が丸くみえる」丘に登るのも一つの目的だった。
しかし、「のも」というからにはもう一つの目的があった。
それは・・・・・

まずは街ぶらの基本、駅。JR銚子駅
駅前は綺麗に整備され空が広い。

ここまでは我が家から車で約3時間。高速を降りてからの国道がのんびり走行で、思いのほか時間がかかった。
「地球が丸くみえる丘」に行くならこの先10kmもない距離。
だけどパーキングに車を放り込んで駅前に立つには理由がある。
その理由・・・・
ここからは文章を先にまとめて、後は写真を並べよう。
JR銚子駅から先に繋がるのが超ローカル私鉄の銚子電鉄。その路線距離わずか6.5km、10駅。首都圏では一番小さな鉄道だと思う。
・銚子電鉄HP
その小さな銚子電鉄はバブルの頃に経営陣が起こした不祥事で経営状態はどん底。2008年度の決算では鉄道部門の収益が1億5千万円、何とか経営を継続する為に始めた副業の「ぬれ煎餅」や「たい焼き」の収益が4億1千万円。合わせると5億6千万円だが、数年前に国土交通省から指摘された安全設備改善要求に従って安全施設への投資がかさみ、それらを差し引くと純利益が僅か9万9000円!!という非常事態。
国からの改善要求は、走行施設(車両、信号、踏み切り、保安施設を含む)の改善と更新。
しかし、利益が9万9000円の会社がおいそれと最新の保安施設や安全装置、基準に適合した車両をポンポンと購入できるはずがなく、細々と線路を改良したり修繕したりで凌いでいる。
しかし、保有する鉄道車両も車齢が高くなり、もはやそれらの車両の更新は不可能となり、他の会社から中古車両を入れて更新するしか手立てが無いところまで来ている。
現在走っている車両で、もうすぐ役目を終える車両。
それこそが、本日の銚子訪問の目的だった。
銚子電鉄は一時間に約2本の電車を運転していて、全線には2両の電車が就役し、途中駅で行き違いするダイヤで運行されている。
だから、目的とする車両がこの日に走っている保証はないし、時間的に銚子到着が約30分遅れたので日没までに「地球が丸くみえる丘」に行くにはこの時間に入って来る電車イッパツに賭ける思いで改札をくぐった。
ら・・・




ズバリ! やって来ました!!

銚子電鉄デハ801号
この古めかしい電車。
実は思い出の電車なのです。
そもそもこの電車は僕の実家のある松山の近郊を走る伊予鉄道・郊外線の電車だったのです。
子供の頃に中心の駅から海水浴場のある「梅津寺(ばいしんじ)」駅までよく乗ったものです。
この銚子電鉄デハ801号は、伊予鉄道ではモハ106号と呼ばれ、新製時から伊予鉄でいつも3両編成で走っていた下り側(高浜側)の先頭車です。

現在の伊予鉄道・郊外線オリジナル車両モハ610形(高浜線・梅津寺駅付近)。かつてデハ801号が伊予鉄モハ106号として先頭に立って走っていた区間
その後、80年代に伊予鉄道が車両を入れ替えた時に廃車を免れて今日まで生き延びた唯一の存在。
僕が子供の頃でさえ、「古い電車」と「新しい電車」の二種類が走っていて、このモハ106号改めデハ801号は「古い電車」の仲間だったのですから、車齢は? それよりも耐久性は?? そっちのほうが心配です。
今回、再び銚子電鉄に伊予鉄道から新しく4両の電車が譲渡される事となり、このデハ801号ともう一両の古い車両が廃車となるのです。
伊予鉄道には京王・井の頭線を走っていた電車が30両入り、それで廃車となる中から4両(2両編成2本)を銚子電鉄に導入となるのですが、その4両とも元・京王線を走っていた電車なので東京→松山→銚子と時代と距離を大移動して来る事になります。
不思議な縁ですね、伊予鉄道の電車を伊予鉄道の電車で入れ替える銚子電鉄。
では、ここからは元・伊予鉄道モハ106号=現・銚子電鉄801号へのトリビュート。
写真多め、鉄分過多です。

銚子電鉄デハ801号外川(下り)側。伊予鉄時代には編成中ほどで顔を見たことがなかった面

伊予鉄モハ106時代の面影そのままのデハ801非貫通側。塗装の他の違いと言えば、車番が中央窓下部に抜き文字で106とあったくらいか・・・

生まれは昭和25年(1950年)伊予鉄道オリジナル・帝国車両製
車齢59歳!!米寿間近。
帝国車両という車両メーカーはすでに存在しないが伊予鉄道の市内線(路面電車)には帝国車両製の電車が全車健在(70-78号/1960年代半ばの製造)。

こちらは伊予鉄道・松山市内線の路面電車モハ50型76号。全国でも数少ない現役の帝国車両製の電車。1964-5年製だから車齢45年選手(大街道電停)
帝国車両は大阪にあった鉄道車両製造会社で1968年に東急車輛製造と合併し同社の大阪車両工場となったがその後東急車輛製造は横浜工場に集約され消滅。

潮風に吹かれて走るため外板の腐食がやや目立つ

中も殆ど伊予鉄時代のまま。但しワンマン運転用の機器は銚子電鉄で取り付け

銘板デハ801の横に伊予鉄モハ106のシール(外川側のみ)

モハ106オリジナルの放送用スピーカー(現在は不使用・両サイドに新設スピーカあり)

伊予鉄時代は先頭まで立ち入りが出来た。この面は高浜側の下り先頭面でよくカブリツキしたものだ。
デハ801の伊予鉄時代(モハ106)は先頭車の一番前まで乗客が入れた。前面の3枚窓のうち運転室が左側のボックスで、真ん中と右側は開放されていた。
伊予鉄道当時、前面まで乗客が行けたのはモハ105、106だけだったと記憶する。その他は全面運転室だった。

運転室の中寄りに小窓が設置されていた。銚子電鉄のワンマン運転対策だろう。

網棚の上の天井Rの部分は広告スペースだった。

当時はこのRの部分と真ん中のつり広告の二段構えだった
車内の配色は白天井は変わらず、他の部分は伊予鉄時代はドアを除いて化粧板(セピアとオレンジのパネル)だった。天井の蛍光灯にはグローヴが付いた関西私鉄系の内装だった。
同じ編成でもモハ105の編成は普通の木目塗りだったのでこの106編成は内装試作編成だったのかもしれない。

扇風機稼働中
クーラーに慣れた身に、意外にも扇風機+開放窓の組み合わせは涼しく快適に感じた。今日の気温と湿度のせいかもしれないが・・・

パンタグラフは昔のままに見えた

元・伊予鉄道旧型車両の証しのひとつ。行灯式ヘッドライト。取り外しが効くタイプは路面電車では珍しくないが郊外型高速電車では珍しい。

尾灯(窓下のテールランプ)が脱着式なのも元・伊予鉄道旧型車両の証し。伊予鉄時代でもこの方式の編成は後年無かったと記憶する。(モハ100形はこの106号を除いて全車廃車までに脱着式→埋め込み式に改造)

前面の窓も開くから走ると風通りが良い

床は木。僕の記憶が間違ってなければモハ106時代はグリーンのラバー敷きだったと思う。例の内装試作編成がモハ106でなければ訂正しなければならないが・・・
それにしても木目の床は綺麗ですね。

座面の浅い“かまぼこ”クッション健在!!

手作りサッシとつり皮。
窓は下段上昇(実は最上段まで開けられる)、上段も上昇して窓上部のフックに引っ掛けると窓全体が開く構造だった。窓の上の側板が一窓毎に区切られているのは、そこまで窓が上がる仕様の証し。経年でその隙間に潮風や雨が侵食して外板が腐食し膨らんでいるのだと思う。
安全策の為に上段は固定されているのだろうか? それともそんな構造の窓とは誰も知らないのだろうか・・・? クーラーのない時代の車両にはいろんな工夫があった。子供の頃に知り尽くした車両だから知っているのだけどね。

伊予鉄時代にホームのかさ上げがあり、以前浅めの一段ステップがあった部分を鉄板で埋めた跡がそのまま残っていた

戸袋の上付近は腐食して膨らんでいるなぁ・・・・と覗いていたら・・
電車に“ハグ”された!
そんなに僕が恋しいのか・・デハ801もとい、モハ106号。
車掌が安全確認しないままドアを閉めようとして挟まれた(笑)
ありえねー、けどありうるのが銚子電鉄。

途中車庫でみかけた別編成。いや車両。これらもかなり車齢が高そうだ。
軌道状態は正直最低。
たいしてスピードを出さずとも大きく揺れる、揺れる・・
それもそのはず・・・・
線路は草に埋もれつつある・・・



揺れる車内は帰宅時間の為かけっこう賑わっている

駅構内でさえ草に埋もれる線路・・・

対向車も草に埋もれながら到着・・・

手作りサッシの窓とロール式ブラインドを止める溝

まるで銭湯の下駄箱の鍵のようなレトロなストッパー

ちょっとだけ道床に枕木と砂利がある普通の線路が・・・

それも束の間・・・欧州のLTRは環境保全と消音の為に路面電車の軌道敷に芝を植えていると言うが、これはどーなのだろう・・・?

犬吠埼の白い灯台も見える沿線


夕陽に照らされる電車の影を追う

ジャングルの中を進む・・・?

“犬吠駅”到着。駅は凝った作り。しかしこの凝った作りが会社の経営を圧迫してしまった・・

草に埋もれながら終点外川へと去って行くデハ801
帰りも偶然デハ801号に。
ドアに挟まれるほどハグしてくれた電車だ。
よっぽど僕が恋しいらしい。
静かな帰りの車内の風景をドゾ。








さようなら、銚子電鉄デハ801。

さようなら、元・伊予鉄道モハ106。
永遠のシルエットを記録。
シルエットになれば、銚電でも伊予鉄でもどちらでも同じだ。
さらば・・・・
銚子電鉄は伊予鉄道から電車を購入するにあたってサポーターを募集している。

資金が足りない分を一般・法人に一口10万円で2000口分のオーナーを募集しカンパしてもらうという。オーナーには一年間有効の全線優待券を最高十年間発行するという。
興味がある人は電鉄オーナーになってみてはどうだろうか。

隣りのテロ対策とはまったく無縁の会社に思えるのだが・・・・・
頑張れ!銚子電鉄!!




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チェキラ!
2009/8/24
花火大会?いえいえa-nation09らしいです・・・ 月曜:ちょっと舞台裏
今年ほど花火を見る年もない。
それも狙って見るのではなく不意に見掛ける、遭遇するが大半。
天候が不順な割りに週末が割りと安定しているからか、7月の我が街の花火大会(これはわざわざ観に行った)に始まった夏休み期間中の花火大会はどこも予定通り。
ついこの間は隣り街の東京競馬場の花火、その数日後には隣り街の花火大会が我が家のリビングから丸見え。
これで花火は十分堪能。
と、思っていたら、今夜は隣り街どころか、超至近距離のアジスタで突然ドッカーン!

a-nation09という音楽イベントだった。
先日はリビングの南のベランダ側に花火が打ちあがっていたが、今日は西のベランダ側。
直線距離にして1キロあるかないか、だから写真も一番綺麗に撮れる。
しかもエアコンが効いたリビングからの傍観。
汗でない。
蚊も出ない。
サイコー。
今日はその花火を見ながら書こう。

■
a-nationとはレコード会社avexが行う毎年恒例の音楽祭。今年は昨日と今日の二日間行われていた(らしい)。
あまり詳しくはないが、詐欺事件で一時失墜したTK氏が昨日のステージにサプライズ出演していたのを夜のニュースで知った。
a-nationでブログなどを見てみたら、さすがにavexファンの人達もこのサプライズには困惑気味だったようだ。
お疲れマンモスさんの話題が聞こえない日は無い昨今の為か、TK氏の事件の事は一般には薄れている時期ながら、彼の音楽の元ファンの人達はその作品自体が事件のネタになっていることもあって、演奏が流れると実に複雑な心境だったようだ。
音楽は音楽。
事件は事件。
曲には罪はないんだし、好きな人は声を大にして「この曲好きだねー」と言えばいい。
周りに遠慮なんかする必要はないゾ!
僕はTK氏の音楽はさっぱりだけど、彼が広めたドラムンベースというサウンドは好きだったゾ。
あれは面白かったし、実際にバンドに導入もした。
あさはかな浅知恵から、何かあるとすぐに店頭やメディアから何の罪もない「作品」を締め出すのはやめたほうがいい。
歴史を勝手に消去してはいけない、と思う。
それらが流行った背景もあれば、それらにあやかった事情もあるはず。
全てをひっくるめて時代が成り立っていたのだから。
臭い物には蓋をしろ、的な形が最近多すぎて、形だけのそういう行為には誰も誠意を感じていないのになぜやるんだろうね?

ふしぎな国だから不思議な事はある。
■ ■
消費者庁というのが9月1日からスタートするのだそうだ。
あれ? 名前は聞いたことがあるが、そんなに急に一つの国の庁が発足出来るものなのだろうか?
要するに消費者保護に関わる国の組織が今まで無かった(!!)事が驚きだ。
確かナントカ消費者センターという名前はあったけどあれは民間団体だったのだ。
しかし、調べてみるとこの消費者庁の発足令が下ったのが今月の半ば!!!
つまり半月で新しい庁を立ち上げるというのだから、凄いと言うか、マジ?
流石に担当者も困惑気味で「午後1時のお出掛けの時間が午前10時に前倒しになった。お化粧は飛行機の化粧室で」という気分だと。

うまい例えだ! と10点差し上げてる場合ではない。
既にこんな混乱が起こっている・・・
肝心の商品、サービスに関する苦情・相談の案内サービス「ホットライン」が準備遅れで発足に間に合わないことがわかり完全稼働は年末にずれ込む・・・・8月23日【共同通信】

さかのぼれば選挙がらみでも悶着がありそう・・・・
民主党は消費者庁幹部人事や衆院選直後の発足に反対しており、民主党が政権を獲得した場合は人事や組織運営の在り方などで見直しがありそうだ・・・・8月11日【共同通信】

■ ■ ■
四角が三つ?
三つといえば三越。
一昨年、伊勢丹と合併して三越伊勢丹ホールディングスという事で起死回生を狙ったものの、肝心の伊勢丹の売り上げが低迷し、そこへ世界同時不況の追い討ちと、百貨店業界全体が業績悪化してしまった。
もっとも業績悪化は大手スーパーも同じで、得策が見つからないまま秋に突入しようとしている。
その三越が地方の店舗を分社化して生き残りをかける方針に転化した。

伊勢丹との合弁会社三越伊勢丹ホールディングスは都市部では上手く行くかに見えたが、伊勢丹と三越の個性を生かす手法に結び付いているとは思えず、個人的にもあまり感心しない策だと思っていた。
素人の目から見ても伊勢丹は客層が中途半端。
ブランド志向が強まれば街の専門店に流出しそうな客層が多い。
三越の客層は高年齢化が進んで新しい客層の開拓が足りない。
パッと見には伊勢丹の客層を三越が取り込めば両者のメリットを生かした顧客が増やせるように思うが、実際にはターゲットとなる層の郊外のアウトレットモール(低価格)やブランド直営店(品揃え)指向に太刀打ちできていない。

サービスの点から三越伊勢丹ホールディングスになって三越側の顧客から不満が噴出。
例えば三越の長年の顧客が持つ「三越帳場カード」。
このサービスを打ち切るというもの。
実家の母親なども愛用しているカードで通常の「三越カード」と同じ手数料ながら割引率が7%だったりと何かと優遇されたものだったが、三越伊勢丹ホールディングスになって「伊勢丹カード」「三越カード」の他に利率の違う「三越帳場カード」があるというのは都合が悪くなったということなのだろう。
三越の長年の顧客に対するサービスがどのような心理効果を上げていたかを知らない伊勢丹側の大失策。地方の百貨店には都市部の百貨店と同じ商法は通用しないのだ。
この行為は、長年の三越の顧客には「裏切り」としか取れない。
伊勢丹も困った(余計な)事をしたものだ・・・・
まさにセンスの違いだね。

三越で分社化の対象になるのは、札幌、仙台、名古屋、広島、高松、松山、福岡各市にある店舗。それぞれの店舗を運営する事業会社を設立、グループ持ち株会社である三越伊勢丹HDの傘下に連ねる方向で調整している。
賃金水準の調整や販売促進などの権限は、三越本体から大幅に移される見通し。独立採算にすることで、地方店舗の経費削減も加速させる考え・・・・8月23日【共同通信】
分社化と言うと厳しくなるのは独立採算制となる面。
直営店舗(実際には東京の日本橋三越本店・銀座三越・恵比寿三越・多摩センター三越・千葉三越と新潟の新潟三越の6店舗)から独立することでリスクもあるが、逆にスリム化されて地域毎のニーズや環境に沿った店舗化への転身がある。
実際に三越伊勢丹HDではそこまで対応しきれない、というのが本音だろう。
今のところ三越伊勢丹HD化されたメリットよりもデメリットが目立つ格好になっているので、世の中の志向の変化を考えると独立採算制のほうが将来は明るい。
三越の・・・・というよりも、東京と地方の志向や環境に変化が起こっている、という事。逆に言えば東京への求心力が地方の店舗では下がりつつある、という事。
「東京の百貨店」「都会の百貨店」という売りよりも、「地域で一番の百貨店。ちょっぴり東京モード」であることが望まれる時代になったというわけだ。
そういう意味では伊勢丹効果は期待出来ないし、これは三越伊勢丹HDだけの問題ではなく、他の系列の百貨店も抱える21世紀の課題なのだと思う。

分社化、独立採算制がもう少し早ければ閉店とならなかったのかもしれない・・・・・
■池袋三越・・・・平成21年5月6日(水・振休)閉店
■鹿児島三越・・・・平成21年5月6日(水・振休)閉店
■武蔵村山三越・・・・平成21年3月1日(日)閉店
■名取三越・・・・平成21年3月1日(日)閉店
いや、それでも望みは無かったのかもしれない・・・・
今となってはどうしようもない。
無くなってしまったものを取り戻すのは、新しいものを作り出すよりも難しい。
一番良いのは無くさないこと。
継続する努力がこの国には足りなさ過ぎる、
そう感じさせる夏の終わりだ。

花火は散り際が華。
おかしな夏の、おかしな天候も、
もうすぐ秋の空気で包まれるのだろうか。
それとも、ここでまた、もう一発花火のように華を咲かせるのだろうか。

avexの花火も佳境に入ってきました!

ドッカーーン!!

も、いっぱつ!!

キターー!

しーーん。
Thanks avex!




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チェキラ!
2009/8/21
ガイドラインでコードスケールのエッジを面白く感じちゃおう! 金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック
毎週金曜日はvibraphoneやmarimbaをやっている人向けのお話し。
先週はお盆休みという事で臨時版の『尋ねVibes・・・』でした。
その後、問い合わせのあったY.Y.さんがお探しのヴィブラフォンが公表したYM-3500の後継器、YAMAHA YM-3600であることなど、ご本人に掲示板へスレッドを立てていただきましたので、YM-3600の売却をお考えのオーナーがいらっしゃいましたら掲示板経由で御本人とコンタクトを取ってください。
・■赤松敏弘Vibraphone Connection新★掲示板
尚、売却に関しては当方では一切関知しませんので当人同士でモラルを守って楽器が有意義に譲渡されることを祈ります。
★★★
さて、本題の金曜第百四十八回目の今日は『ガイドラインでコードスケールのエッジを面白く感じちゃおう!』です。
インプロを始めた最初は、コードネームとコードスケールの分析に慣れるのがその先のステップへの原動力。
この段階では、コードネームは“固定ド”なのにコードスケールを考える時は“移動ド”というのがミソで、概ね四苦八苦しながらも音楽が移動ドで出来ていることに慣れる為のウォーミングアップです。
固定ドでコードを眺めると複雑怪奇なだけだし、固定ドと同じく絶対音感が邪魔をして演奏中の自分が調性上でどういう位置関係にいるのかを正しく理解してていなかった事などがどんどん露見するでしょう。
コードスケールやテンションの仕組みに関しては著書『レパートリーで学ぶジャズマリンバ&ヴィブラフォン』(ヤマハ出版)や市販のジャズ理論本の関連項目を頭に叩き込んでください。
次のステップでは、複雑なコード進行でもシンプルな表現を心掛けると「自分の演奏に面白さが増す」という事に触れます。
★★★
コードの並び方や繋がりには原則的には何の規制もありません。
メロディーに対して好きなようにコードを並べ、それがワークしていればOKなのです。
ワークするとは、メロディーをしっかりと支える流れを作っている、という事で、この部分に関しては「こうでなければならない」という規則はありません。
良ければ良し、悪ければボツ、の世界で、それは時代と共に変わって行くものです。
20世紀に蓄えられたコード・ミュージックによるインプロでは創世記の音楽が一つのドミナント・サウンドを分解して“II-Vモーション”とする事が「わかりやすい」とされた時代もあれば、何でもかんでもII-Vとするのは良くないとして極力コードのモーションを抑えた“モード旋法”による表現へと進化し、それらが一度衝突をして“フリー・ジャズ”的なアヴァンギャルドな表現へと向った時代もありました。
時代時代によって表現するスタイルとスタンスは変化します。
それが常にオープンであるところがジャズ・ミュージックである証しだと言っていいでしょう。
そこで求められる(プロとして)のは、如何に新しい事を的確に表現するか、です。
的確というのは「シンプル」という事を示します。
ビギナーがインプロで四苦八苦しながら難しそうに演奏している曲をプロが演奏すると簡単そうに演奏します。プロだから当たり前ですが、その段階にステップアップするには「発見」が必要です。
シンプル、つまり「簡単そう」に演奏する事が新しい創造の源なのです。
いつまでも難しそうにやっていると・・・・「や、ヤッテられねー!」って投げ出してしまいますね。
どうせやるなら「簡単そう」にやらないと・・・。
■ガイドラインをコードスケールのエッジに見つける
この曲は1941年にBilly Strayhornによって作られた古いスタンダード曲“Chelsea Bridge”の一部分です。

曲はKey of Db。この部分はメロディーの臨時記号がコードスケール割出しのヒントになります。
冒頭のEb7もDb7も#11thが指示されているのでコードスケールはリディアン・フラットセブン(リディアン・セブンスとも呼ぶ)です。
このリディアン・フラットセブンスはサウンドが面白いのでよく使われます。また、特定の調との結び付きを伏せたい時などにも重宝されるものです。
そんなコードスケールも連続して並ぶと結構バタバタと忙しくチェンジを繰り返さなければならないかに思えます。
そんな時に、バタバタと忙しそうにチェンジしていると「難しそう」に聞こえてしまうわけで、そうなると「この曲、嫌い」とか、「カシムズー」とか言って避けてしまうのです、いわば「食わず嫌い」もいいとこ。
コードが並ぶには、それなりに作曲者が意図したものがあるはず。
難しいコードを難しく並べて、難しそうな顔をして喜んでいるような難しい人の曲は別ですが(笑)
特にこの曲の調とダイレクトに関わらないコードが選ばれている場合は「難しそう」に見える場合が多いのですが、それは作曲者がどうしても選びたかったサウンドがそのコードにはあるもので、この曲のように何度も二つのコードを行き来する場合は、単純にそのコードサウンドの変化が曲のアクセントとなっているものです。
思うよりも、これは実はシンプルな発想かもしれない・・・
コードサウンドの変化にポイントを絞ってインプロの準備をしましょう。
■大同小異は最も効果的なメロディックライン
演奏にあたって自分に課題を課します。
・なるべく近い位置でなるべく似た音形を選ぶ
つまりコードに対するメロディーの始まりの音と終わりの音を極力揃える事によってそれぞれのコードサウンドのエッジが表現出来る、というものです。
ビギナーの演奏で一番多いのが、ちょっと聴きは良いのだけど、ずーっと聞くとどの曲もコードに対して同じ演奏をしているだけ、、、というもの。
いわゆるII-Vの過信による創造性の欠如なのですが、せっかく分析能力が備わっているのなら、全体をもっと見渡した演奏を心掛けるだけでまったく新しい発見に繋がるのです。
一見難解なこの曲に極力シンプルなチャレンジをしてみましょう。

スタートする音をBb、区切れ目として終わる音をオクターブ下のBbとしました。
途中2拍ずつでコードが変わる3小節目は未完のメロディーとならないようにそれぞれの根音でメロディーを区切りました。
ここで言う「面白さ」、と言うのは、例えばEb7の時は二番目の音がCなのにDb7の時は同じ位置の音がCb。同じく四番目の音がEbの時はGなのにDb7の時はAbをチョイスする、という風なとても単純(コードスケール以前のコードトーンで説明がついてしまうような音ですね)な違いに敏感になれるか?にかかっています。
これを「面白い」と感じられるようなら、きっとそのまま続けて行けばいろんな発見をします。
これがちっとも「面白い」と感じないようなら、それはまだコードに慣れていないか、何か固定観念を持ってコードに接しているかなので、早く慣れるか解き放たれるかを目指してください。
同じように今度は全て反転した形を作ってみましょう。

どの音がポイントでそのコードの存在感を示しているのかわかったかな?
これらはシンプルな表現の典型です。
また、これらの発想はコードワーク、つまりコード伴奏の転回形の発想と同じものです。
インプロを、鼻歌のような横の線だけで捉えず、縦のサウンドを常に併用して、メロディーラインを想像する訓練がシンプルな演奏のコツへと繋がるのです。




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2009/8/20
追悼・チャーリー・マリアーノ 木曜:Jazz & Classic Library
全然知らなかった。
サキソフォン奏者チャーリー・マリアーノ氏が去る6月16日にドイツで永眠された事を。。。
享年85歳。

“bt”(Berklee Today / Summer 09)
ジャズ系の雑誌を読まないのでまったく情報にうといのですが、バークリー音大の卒業生に学校から季刊で届く広報誌「BERKLEE TODAY」の09年夏号が昨日届いたのでパラパラとめくっていたら、最後のほうのページにあるFINAL CADENCEにマリアーノ氏の訃報が載っていてびっくり。

チャーリー・マリアーノ氏は日本とは縁の深い人で、バークリー音楽院(現・バークリー音大)の前身のSchllinger houseを1951年に卒業、その頃バークリー音楽院で知り合った秋吉敏子さんと結婚し二年間日本に住んだ事もある。またその頃の渡辺貞夫さんにも影響を与えたと伝わっています。

欧米の数々のシーンで活躍し、80歳を過ぎても現役で常に新進気鋭の姿勢を崩さなかったマリアーノ氏。
僕なりにマリアーノ氏を追悼するアルバムとして今夜はこれを選びます。


『SILENT FEET/Eberhard Weber』(ecm/1978年)
ベーシスト、エバーハード・ウェーバーが70年代に結成していたグループ“COLOURS”。
その特異で北欧センスに溢れるサウンドは、その後のECMレーベルの顔となったことだけでなく、初期のパット・メセニーの音楽への影響(ウェーバーとメセニーは70年代前半にゲイリー・バートンのバンドで一緒だった)など、また、いち早くエレクトリック5弦ベースを駆使した独特のサウンドを確立させたことなどが注目された。
僕が初めてウェーバー氏の演奏を聞いたのは1971年のマル・ウォルドロンがエレクトリック・ピアノを弾いたアルバム『THE CALL』(ECM原盤)で、すでにその時点でエレクトリック5弦ベースとエフェクト・ペダルによる独自のサウンドを成立させていた。
そんなウェーバーの作曲センスを凝縮して思い通りの主張を放ったバンドがこの“COLOURS”だった。
メンバーは、
Eberhard Weber(b)
Rainer Bruninghaus(p,syh)
Charlie Mariano(ss,fl)
John Marshall(ds)
ウェーバーの作曲はハーモニック・センスの最たるもので、僕もマイケル・ギブス、カーラ・ブレイ、モーリス・ラヴェル、武満徹と同様に深く影響された。
クラシックのハーモニック・センスとジャズのコードワークがそれぞれの形で融合したのがウェーバーの音楽。初期のパット・メセニー・グループの音楽もこの“COLOURS”と同じ線上にあると当時僕は思った。
パット・メセニーのこのアルバムが好きな人ならエバーハード・ウェーバーの音楽が初期のメセニー・グループの音楽に影響を与えているのがおわかりでしょう。同一年にECMによって録音されたこの二つのアルバムはまるで兄弟のようです。

「Watercolors/Pat Metheny」(ECM/1977年録音)
さて、エバーハード・ウェーバーのアルバム『SILENT FEET』に収録されたのは以下の三曲。
1.Seriously Deep
2.Silent Feet
3.Eyes That Can See In The Dark
いづれもウェーバーのオリジナル。
2曲目のSilent Feetが中でも明るい曲で2005年に開催されたエバーハード・ウェーバーのスペシャルコンサートを収録したアルバム『STAGES OF A LONG JOURNEY/Eberhard Weber』(2007年9月6日のブログ『北欧の怪人のコンサートは70年代ECMファンなら思わず・・・』で紹介)でも演奏されていたから、きっとこの時代を代表する曲なのだろう。
1曲目のSeriously Deepと3曲目のEyes That Can See In The Darkは独特の暗明るいサウンドで、フランス近代辺りのクラシックが好きな人はきっとこの暗さが心地よいだろう。
暗さと書くと誤解されると思うから、北欧の陰りのようなそんな音と言えばいいかな。
僕はこのサウンドが大好きで、ちょっと遠くが見えるような、空気感や色彩で音が吸い寄せられて行くような、けっして直射日光にはさらされないような色彩感覚に溢れた音。
許されるならずっと一日中包まれていたい気がする。
マリアーノ氏が吹くソプラノ・サックスが心琴にグッとくる。
その隙間を繊細な編み物のようなハーモニーで包むライナー・ブリューニングハウスのピアノ、時には大胆にも演ずるジョン・マーシャルのドラミング、それら全てを了解の上でボトムを豊かにグルーヴするウェーバーのベース。
たった四人のバンドなのにとてもワイルドワイド。
隙間をコントロールするハーモニーならウェーバーの作曲の右に出るものはいない。
中でもマリアーノ氏の演奏は感情と体温を感じさせる。
特に3曲目のEyes That Can See In The Darkはリリカルかつエモーショナルなブリューニングハウスのピアノソロに触発されて感情の魂が炎のように燃え上がるソロを聞かせてくれる。
僕の最も好きな演奏だ。
再びクールダウンしたはずのテーマに戻ってもその余韻が消えないこの演奏のように、いつまでもマリアーノ氏の演奏を記憶しておこうと思う。
心からマリアーノ氏のご冥福をお祈りいたします。




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チェキラ!
2009/8/19
久し振りの・・・ 水曜:これは好物!
ちょっぴり時間に余裕が出来た気がしたので、久し振りに日本酒を飲んでみました。
たまにはいいでしょーー。

純米酒!
銘柄は・・・

『小富士・純米 吟醸酒』(愛媛県東温市・島田酒造株式会社製)
今月の初め東京に遊びに来た義姉夫婦がお土産に持ってきてくれた愛媛の酒。
松山近辺の地酒では一番ポピュラーな日本酒じゃないだろうか。
道後温泉の旅館やホテルしかり、市内の飲食店や居酒屋しかり、この「小富士」ブランドをよく見掛ける。
甘口の多い西日本の地酒では辛口のほうだ。
キンキンに冷やしていただきたいので、ずーーーっと冷蔵庫で冷やしていた。
少なくとも義姉夫婦が帰ってから三週間は冷やしていた。
夏は「一口目にビール!」とばかりにビールや第三のビール(ヤヤッコシイ)に手が伸びがちだけど、ココ、というタイミングが出来れば「コレ」を飲もうと企んでいた(笑)
キターーー!
とばかりにコップに注ぐ・・・
ああ、、、、、

いけません、いけません。
このキンキンに冷えて澄み切った魅惑の淵に口をつけるだけで喉が欲してしまいますぅ。

全国に、酒の数ほど味がある地酒。
どれもこれも似て非なるもの。
主張がそれぞれにあります。

「小富士」は愛媛で一番有名な「梅錦」と同じ方向に主張のある酒です。
ソムリエでもない素人が偉そうなことは言えませんが、喉越しは軽め、しかし結構フルボディー。
表面の軽やかさに調子に乗っているとドスンと来ます。
軽やかに感じるのは辛口寄りの仕上げによるものでしょうね。
さて、酒の肴をどうしようか・・・・
愛媛の酒なら鯛の酒蒸しなんかが美しいのですが、今日はあいにく出物がありませんでした。
そこで、蕎麦に天ぷら、ちょっとインチキして、はいばらのヒートパックのうな丼。
どーよ。

夏の食卓っぽくなりました。
蕎麦よりもうどんかもしれませんが、僕は地酒だと蕎麦がいいですね。
実はムッチャうどん好きなもので、うどんとなるとうどんだけを真剣に食べたい(笑)
蕎麦と日本酒は相性がいいんです。
盛ってる蕎麦にちょっと日本酒をかけてほぐしながら食べるなんつぁーサイコーよ、ホント。
コレ、究極の楽しみ。
つゆにつけず、ちょっと七味を蕎麦に散らしていただくと、っんもーーーー、いけません!
いけません、いけません、、、と言いながら、
何杯も
おかわりしてしまう夏の夜
ううん。。俳句よりもどちらかと言えばドドイツですね。
失礼。
タッくん夫妻ありがとう。
あっと言う間に、空けてしまいました。
と、ちょっと時間が出来たような気がしていたら、それは本当に「気」だけだった事に気付き慌てて作業中です・・・・はい。




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チェキラ!
2009/8/18
鉄分多めとニッポンの境い目!!・・・ 火曜:街ぶら・街ネタ
昨日がちょっと御堅い内容だったので本日はゆるゆるで鉄分多め。
ちょうどJR松山駅に着いたのは17:40発の今治行きの上り電車が発車するところだった。

普通電車が出たその先には、本日の宿となるサンライズ瀬戸が停まっていた。

今年の盆休みは最初から出鼻を挫かれた。
故郷の松山で過ごすべく、この時期超プラチナ・チケットとなる寝台特急サンライズ瀬戸のシングル・デラックスを家人の分と合わせて2室ゲットしていたのに台風直撃であえなく運休。トホホ、、である。
結局翌日どうするかな・・・と考えていたら静岡県で地震。午前中の新幹線はストップ。
早速ネットで調べたら羽田からはまだ飛行機の、しかも当日割引がある!
背に腹は代えられないので「仕方なく」飛行機で帰省。
おかしな夏である。
それでも帰りはいつもお願いするJR四国ワーププラザの窓口氏が頑張ってゲットしてくれたサンライズ瀬戸のシングル室でミニトリップ。
飛行機だと日中の移動となるので結局半日は無駄になる。前夜に出て早朝に着く寝台特急はありがたい。
駅弁をゲットしようとしたらなんとホームの売店も駅のコンビニも全て売り切れ。
そんな事もあろうかと、実家近くの三越の地下である程度の食料をゲットしておいたので助かった。
少し食料を買い足してホームに出ると、係留していたサンライズ瀬戸が下り方面へと一旦移動して乗車ホームとなる1番線手前で待機に。

夏休みとあってホームは家族連れが多く、又空前のブームからか鉄男、鉄子がカメラ片手に駆け回る

巨体を揺らしながら下り側の待機線に移動中
この時間だからか、いつもなのか、ホームの鉄分多めの人と共に線路の上も慌しくなる。
前にも書いたけど、このJR松山駅はスクロール画面にある行き先と番線を確認してホームに停まっている電車に安心して乗り込もうとするとまったく別方面への列車だったりする複雑怪奇な運用が“名物”。
都会と違って地方都市のJRの編成は短く、この辺りは特急で8両編成、各停は2-3両編成が多く、同じホームの前後で別方向行きの電車が仲良く並んで停まっていたりする。
前に書いたのは上り特急(8両編成)と下り特急(4両編成)が朝は6時頃から夜は11時頃まで毎時1本ずつ並んでは発車する事だったけど、今回目撃したのはもっと複雑だった。
時系列で記すと・・・
17:42分頃、上り側から下り普通列車が隣りのホームに入線


随分ホームの前寄り(下り方面)に停車すると思ったら・・・
17:43分頃、再び上り側から今度は上りの普通電車がさっきと同じホームに入線


隣りのホームは下りと上りの二つの列車が並んで停車
17:45。そうこうしている隙に(?)下り方面から普通列車が到着

待機中のサンライズ瀬戸の横から入ってきてこちら側のホームに到着
ナント、この列車、こちらのホームの一番先頭側(上り側)の端っこに停まる。
さっきからちょっと気になっている臨時列車があるんだけど・・・どこにいるのだろう??

17:56発のサンライズ瀬戸の4分後の18:00発「夕焼けビールトロッコ」という表示。同じ1番線だけどあちらは下り方面行き

係留線の方向を見てもサンライズの次の特急が停まっているだけで「夕焼けビールトロッコ」列車は陰も形もない・・・・
17:46頃、ようやく下り側待機線からサンライズ瀬戸が入線。発車10分前とはちょっと慌しい。

あ・・・!
入線を開始したサンライズ瀬戸の奥に・・・・緑と白のツートンの列車・・

サンライズ瀬戸の奥に緑と白のツートン車両が牽引する「夕焼けビールトロッコ」列車が待機している。残念ながらトロッコ車両は向こう側に連結されているので見えない。

さっき到着した短い上り列車(2両)の後ろにサンライズ瀬戸(7両)、さらにその後ろから納涼「夕焼けビールトロッコ」(パンフレットによれば2両)と狭い1番線に3つの列車が並んで停まる。
こんな駅は全国でもココだけ。
数年先の高架改築完了までこの形態は続くようなので利用する人は要注意。

松山発17:56 寝台特急サンライズ瀬戸

乗換え無しで寝ている内に着くのは便利
それにしてもまだ陽も明るい内から寝台個室というのもなかなか新鮮。
いつもは東京発午後10時、或いは坂出発午後9時45分と乗り込んだ時には真っ暗なのが相場。
繁忙期だけ松山行きとなるので、この時間帯にこの列車に乗る機会は滅多にない。

松山付近は東京よりも一時間日の入りが遅い

時刻はまだ午後6時
この時期プラチナチケットらしく、このシングル室でも僕は階上、家人は階下と同じ号車ながら部屋は上下に分かれてしまった。発売と同時に売り切れだから二部屋取れただけでも御の字と思おう。乗る直前までシングル・デラックス、サンライズ・ツインのキャンセル待ちをしたけど・・・まぁ、この時期は空くはずがないですね。

市街地を抜け、発車してから20分もすると寝台特急は瀬戸内海沿いを走り出す。

夏のこの時期にしかこの寝台特急で海を見ながら走ることは出来ない。冬だともう日が落ちているからだ。
あいにく快晴ではなかったけど車窓に海を見ながらの旅がしばらく続く。




松山から約200km。高松駅に滑り込んだのは午後8時56分でちょうど3時間。かつての急行列車並みのスピード(現在この区間の特急の所要時間は2時間20分)で寝台特急の旅としては程よいイントロダクション。
ここで30分停車するという。
ちょっとした大陸横断列車気分でホームに降り立つ。
高松からは毎日運転の御馴染みのコース。しかし、途中下車でブラブラ出来る列車は全国広しと言えどもこの繁忙期の松山発着のサンライズ瀬戸だけ。
チケットを見せると改札の外での買い物が出来る。

20:56高松駅着。21:26まで30分間停車する

サンライズ瀬戸のチケットを見せると改札の外での買い物もOK
駅のコンビニでドリンクとアイスクリームを購入。食後のデザートだ。

ある人はホーム内の「讃岐うどん・連絡線うどん」で舌鼓。

ある人はカメラ片手に鉄分多めにJR四国にしかない列車をパチリパチリ

30分という時間をみんな思い思いに過ごす。
僕は高松駅の駅前に出てみた。

JR高松駅正面
ドーム型のコンコースは全国でも珍しくその先に「くし型」に並ぶ行き止まり式のホームというレイアウトは欧米の終着駅ではよく見掛けるが大規模なものはJRでは函館や青森、門司、長崎と上野の長距離乗り場くらい。その中でも高松駅は一番近代的だ。

駅前に出てちょっと面白い事に気がついた。

駅前はすっかり整備されてサンポート高松と称される高層ビル群が並ぶのだけど・・

なんと・・
この駅前の噴水のある周囲には、じつにカップルが多い。
普通に遠目で駅舎を撮るだけでも何組も写ってしまう。

ううん、、こりゃ、いったい何だ?
鉄子と鉄男がラブラブで集結しているのならわかるが、どうやらそうではないらしい。
ある意味、ちょっと上海とか夜景の映える場所にカップルがたむろするような感じにも見えるが、要するにこれはエアポートと同じ。空港の送迎デッキは夜になるとカップルのデートスポットとなるが、あれと同じ。
港しかり。
それだけ高松の人にとって駅が身近な存在というのは鉄分多めの人間からすると真に喜ばしい限りだ。
港、と言えば、元々高松は宇高連絡船の発着地。瀬戸大橋が出来るまでは大型の鉄道連絡船が1時間毎に岡山の宇野との間を結んでいた。
今ではその名残が快速列車の「マリンライナー」にある。

改札口から一番近く駅全体の中央に位置する5番線、6番線は岡山行き「マリンライナー」専用ホーム
左の列車が到着すると右の列車が発車する。次は右に列車が到着し左の列車が発車する、を早朝から深夜まで30分毎に繰り返す。
瀬戸大橋が開通すると松山や高知からの特急は高松に寄らずに瀬戸大橋を渡って直接岡山に直結するようになった。そこで空いた枠を使って岡山との間に快速「マリンライナー」を設定して新幹線との接続を図り連絡船時代よりも遥かに多い流動が定着した。

松山特急や高知特急と同じように快速ながらマリンライナー専用の車両を導入している
21:26。30分の休息を経て再び寝台特急の人となる。
ここからは進行方向が逆となり瀬戸大橋を渡り岡山を目指す。
いつものコースなのでさほどルポすることもなかろう・・・と思っていたら・・・
上郡駅で停車中に車内放送。
岡山駅発車直後に業務連絡で車掌に運転指令へ携帯で連絡を、と言っていたので何かあるとは思っていた。
すると・・・・
「只今停車中の駅は上郡です。発車の時間を過ぎておりますが、この列車の前を走ります普通電車が鹿と衝突して立ち往生している模様です。車両点検が終わるまでこの列車はこの駅で停車します」と。
このところサンライズを利用していてよく遭遇する、鹿と列車との衝突。
幸いにもサンライズではなく先行する貨物列車など他の列車との衝突ばかりだけど、この前は米原の手前だった。
餌がなくなって人里に降りた鹿と車や列車との事故が増えた。
日本の山が何かおかしくなっているのかもしれない。
10年くらい前までは鹿との衝突は北海道の列車での経験しかなかった。特に一昨年からこの種の停車が増えているように思う。まして東海道線や山陽線という大動脈で起こる事自体不思議だ。
15分ほどで動きだした。
このサンライズは俊足列車なのでこのくらいの遅れは東京までに回復してしまうのは何度も経験済み。
安心してベッドに横になっていると・・・・

いつもとは違う時間帯に停まったのでめが覚めた。
「豊橋」だ。
大阪を出てからサンライズが停車するのは米原、名古屋、その次は浜松だ。これまで何度も乗って覚えてしまった。これらはドアの開かない運転停車というものでそこで運転士が交代している。
ちょっと停車していたが車内放送も無く、5分くらいで動き出した。この時期臨時の夜行列車が運転されているのでその関係の臨時停車なのかもしれない。
再び寝て起きたのは、お待たせしました・本日のメイン(?)イベント。

あいにく今日は富士山はかなり霞がかかってぼんやりとシルエットが浮かぶ程度。

只今田子ノ浦付近を通過中・・・
キターー!

JR東海道線・富士川鉄橋
何がキターかと言えば、ここ富士川はニッポンの商用電源周波数の境い目、関東50kHz、関西60kHzと呼ばれるこの商用電源周波数が変わる場所。

只今60kHzエリア最後の橋を通過中・・・

まもなく60kHzと50kHzの境い目を通過しまーース!

50kHzエリアに突入!!!

50kHz最初の駅・富士駅に到着。

聞いた話だけど、富士市は富士川を挟んで市街地があると言う。するとかたや50kHz、かたや60kHzという異なる周波数を持つ唯一の市。
別に不便はないのだろうか・・・・?
掃除機や洗濯機など、、、クルクル回るもの。
、、、ねぇ。
富士駅発は午前5時13分。定刻3分遅れにまで回復していた。




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チェキラ!