2009/11/27

柔らかフレージング・・・  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はvibraphoneやmarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第百五十四回目の今日は『柔らかフレージングの作り方』です。

先週はヴィブラフォンとマリンバについてちょっぴりウンチクを垂れましたが、ウンチクを垂れるだけではただのオヤジになってしまいますから、どうやれば“楽しく”楽器で対話出来るかのヒントを。

マリンバ奏者はたくさんいるのに、譜面が無くてもその場でヘッドアレンジ(Cメロ譜)したものをパッと見てすぐに弾ける人がほとんどいません。コードネームを見てサクサクッと伴奏を弾ける人もほとんどいません。
でも実際に仕事となると、どんなに奇々怪々で複雑な音階を超スピードで弾ける事よりも、それ(Cメロ譜に書かれている程度の事)が他の楽器と一緒に演奏する上で最低必要な“共通言語”になるわけで、この辺りに他の楽器や音楽とのギャップが見え隠れしてしまいます。

ヴィブラフォン奏者は少ないのに、譜面が無くても何とか演奏出来る人ばかりです。

若いマリンビストたちはその事に気付いて勉強を始めました。
我が家に通う弟子達もそれに気付いた人達です。

冷静に考えてみれば、ヴィブラフォンってたった3オクターブしか音は無いのに、使われるシーンでは別に音域が足りないとも感じません。

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ヴィブラフォンにはたったこれだけしか音が無い・・・・

それに対してマリンバは5オクターブも音域がありますが、一般がマリンバの印象とする音域や音色と、マリンバ奏者がイメージする音色や音域にはかなりのギャップがあるように見えます。

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マリンバは5オクターブもあるが本来の音色はどの音域なのか曖昧になっている気がする

楽器が進化する事に異論は唱えませんが、じゃあもっと音域の広いピアノが他の楽器との接点を失っているかと言えばそんな事はなく、むしろ他の楽器をリードしてポピュラーの世界でも君臨しています。

要するに“使い方”ですね。
ヴィブラフォンはジャズの音楽の中で奏法が開拓され進化しているので基本にはバンド、つまりアンサンブルがあります。その中で揉まれて培ったノウハウが現在のジャズ・ヴィブラフォンの奏法になるわけです。

マリンバは専門的な音楽の進化に注目が集まり、その分野での開拓は進みましたが、他の楽器との接点に活路が見出せていません。

ヴィブラフォンとピアノの相性は悪くないのに、マリンバとピアノの相性は悪いと思うマリンビストが多くいます。どこが合わないの? と聞くと、「音がぶつかる」という返事が一番多く返ってきます。

ふうむ。。。

僕は思うのですが、それは「音がぶつかる」のではなく、「音の勉強をしてないから」じゃないか、と。
本当にぶつけた最高峰は「ユニゾン」だし、それは綺麗な響きを生みます。ヴィブラフォンなどはピアノとユニゾンする時はゾクゾクするほど気持ちよいサウンドになります。
「合わない」のは音が伸びないから(マリンバの)、、、という意見もありますが、僕にはダンパーの無いマリンバの音は随分伸びていると聴こえます。低音なんか伸びっぱなしで「何とか消す方法を考えないと次の音を出せない」と思います。

「ええ? 伸びてませんよーー」

そういう人もいますが、マリンバの低音をある速度以上でクロマチックに弾いた時、次の音と前の音がぶつかって聴こえない人は、「音の勉強」が足りないと言えます。

譜面に書いてあれば何でもその音符通りに弾けば良いというわけではない、という事に回帰するのですが・・・・

ここでは、「どうすれば他の楽器と“楽しく”会話出来るか」が最大のテーマです。
その為には「音」を自分で繋いで動かしてみる「勇気」と、それを一つ一つ聞き分ける「耳の訓練」と、正解と不正解を判断する「知識」が兼ね備わっていなければなりません。

焦りは禁物。
まずはこの金曜日の特集を初回から隅々まで読んであちこちに散りばめたヒントを逃さないように。

久し振りに譜例を使った解説を。

■フレージングをペンタトニックで描く

ジャズ・スタンダードなどで嫌と言うほど出て来るタイプのコード進行。
キーはEbメジャー。

これまでに何度も解説しているペンタトニックを使った短い節(Lick)を当てはめてコードの流れの中に自分で新たなメロディーを作ってみましょう。

それぞれのコードスケールは調号と指定されたテンションから割り出せるでしょう。

ペンタトニック・リックを使った例です。

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HMP5(ハーモニック・マイナースケール・パーフェクト・フィフス・ビロウ)は2小節目C7、4小節目D7、8小節目C7。
6小節目Db7は特にテンション指定がないのでミクソ・リディアンと仮定します。

この例はペンタトニックによるリックの基本形(長三和音を持つコードはrootから、短三和音を持つコードはb3rdから弾き始める)を忠実に演奏したもの。もちろんコードスケールの変化によるペンタトニック音の変化は取り込んでいる。

この形でコードに不慣れな人は、自分をコード進行の中に留める練習になる。
ある意味ではコードネームを読む「目」と「耳」の訓練も兼ねている。

ビギナーの段階ではこのペンタトニックで全ての曲のコード進行を「把握」して行くといい。

しかし、実際の演奏となると、このペンタトニックのリックだけではあまりにも単調で面白味に欠けてしまう。

まずは音の向きが全て一方向という単調さを脱出したい。

そこでペンタトニック・リックで連続した一方向のフレージングとなっているII-V(IIm7-V7 or IIm7(b5)-V7(b9))の箇所のドミナントコードを反転させて緩やかなカーブを描いてみよう。

■コードスケール応用による反転フレージングの挿入

・2,4,6小節目のドミナントコードを下行フレージングに置き換える
・反転する瞬間は半音がもっとも望ましい(↓の部分)

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音の向きが変わっただけなのに、一方向のフレーズ並びでツンツンしていたペンタトニックだけのフレージングが柔らかくなった。

これでもかなり良いのだけど、ここで一つ覚えておいてほしいのは、6小節目のドミナントコードの時の音列だ。

これはミクソリディアンのコードスケールの一部分がそのまま当てはまったのだけど(それ自体は何の問題もないし間違いでもない)、他のHMP5のドミナントコードと比較すると音の動きに“面白味”がない。

原因はただ一つ。
他のHMP5のドミナントコードのコードスケールには半音程が含まれてアクセントとなっているのに、6小節目のミクソリディアンで該当した部分のコードスケールは全て全音程となってそれぞれの響きが等し過ぎる。だからこの部分は妙に単調に聴こる。

この場合、反転下行するコードスケールを一箇所全音以外の音程を含む形に替えると単調さから開放される。
その為に次のコードの出発音を飛び越えてしまう場合もあるが問題は無い。

9thを飛ばした場合は以下のようなフレージングが当てはまる。

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さらにコードの変り目の反転は半音が望ましい、という定義を当てはめると、6小節目のDb7の最後の音は次のコードで弾く最初のBbの音に対するクロマチック・アプローチ(↑)を設定すると動きの方向付けに勢いが増して流れが印象的となる。

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細かい違いだけど、それぞれの違いを聞き分ける「耳」の訓練をしましょう。

また、コードの区切りが半音で結ばれているところは必ずマレット・ダンプニングによって半音の濁りを回避しなければなりません。ここだけではなく全ての半音の箇所はマレット・ダンプニングで濁りを処理する癖をつけましょう。

特にマリンバの人は意識してこの部分にマレット・ダンプニングを使いましょう。
テクニックは使うべき所の為にあります。


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チェキラ!



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