2010/3/4

中村照夫の日出国・・・  木曜:Jazz & Classic Library


日本が“日の出(いずる)国”と呼ばれていたのは歴史上でも有名な話しだけど、そんな事を耳にした頃に世界地図を広げてみても、ちっとも実感が沸かなかった。

どうしてココが“日出国”なんだろう?

理論的には日付変更線に近い事から理解はしているものの、それを実感させてくれるものが見当たらない内にそんな事どうでもよくなって忘れてしまっていた。

この、ちょっぴり霞がかかったような小さなストレスをものの見事に解決してくれたのは、アメリカに留学した時に、何気なく世界地図を見た時だった。

「あ!」@@:,,

あまりと言えば、あまりにベタ。
たしかに、と言えばたしかにそう。
当たり前と言えば、当たり前過ぎて。。。

日本で売られている世界地図は「真ん中に日本を置いたバージョン」だった。。。

当たり前・・・・

でもこれが「日出国」という印象をわかりにくくしているのも事実。

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日本で普通に見掛ける世界地図。日付変更線がほぼ中央にある

これでは日出国の実感が沸かない。

それが、これだとハッキリと自覚できる。

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日本のエリアを極東と呼ぶのも、この地図が頭に入っているからで、僕らが小学校の頃から見慣れた世界地図では、なぜ極東になるのかもわからないでそのまま放置している。
やはり社会科の授業で使う世界地図はこちらに統一したほうが「世界音痴」を作らなくて済むと思う。

さて、この図式が音楽でも言えそうなのを実感させられたアルバムがあった。


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『RISING SUN/Teruo Nakamura』(kitty/1976年)

Rising Sun
Cat
Morning Mist - Steppin With Lord
他、

メンバー:
Teruo Nakamura(b)
Art Gore(ds)
Bob Neloms(kb)
Shiro Mori(g)
Lonnie Smith(syh)
Steve Grossman(ts)
John Mosley(tp)

録音:1976年4月1,13日 NYC,

このアルバムは何を切っ掛けとして見つけたのかは覚えていないが、恐らく当時愛聴していたNHK-FMの『ジャズフラッシュ』だろう。なんせ岡山の山の中にいたので情報ソースは限られていた。
でも、その限られた情報ソースから実に沢山の良質な情報を得たし、すぐさまレコードを購入して聴き漁った。
今のように飽和した情報に右往左往される事なく、ジャズも正に消費文化とダイレクトに結び付いていた時代で、そのほうが確実に短時間で目的の物へと辿り着けるので今よりも良いと思う。
人の持つ物への価値感も正当だ。

今は価値感が墜落して何が正しいのかわからなくなっている。
例えばハンバーガー一つ取っても、適正な価値感と価格と味覚で市民権を得ているのが真っ当な姿なのだけど、何処かの某最大手のバーガーチェーンはある時はバーガーを「60円」で売ってみたり、「期間限定」と騒いで高額商品を並べてみたり、挙句には増やすだけ増やして他のバーガーチェーンを追っ払ったと思ったら、今度は大量の小規模店を閉鎖してやや大きめの店をリニューアルするとか。
ここまで振り回されると消費者としてはいいかげんにしろ、と言いたくなる。
同じ業界の人から見れば迷惑極まりない行為だろう。

普通にハンバーガーを売ってくださいな。美味しければ時々食べるから。
でも、忘れてほしくないのは、、、、
いくら頑張ってもハンバーガーはファストフードであって決してメインディッシュには成り得ないのだから。


「中村照夫ライジングサン」というのはこのアルバムの名前でもあり中村さんが当時率いていたバンドの名前でもあった。
当時、新譜で出たばかりのこのアルバムを買って素直に思ったのはこんな事だった。

・音楽の内容は完全にニューヨーク
・録音の質感は完全に日本製

変な表現だけど、共感してくれる人も多いだろう。
僕はこのアルバムが一発で好きになった。
音楽的な内容もさる事ながら、「これこそがメイド・イン・ジャパンだ」と言い切れる質感。
アメリカのレーベルのミックスではあり得ない繊細過ぎるほどの楽器の音色とノイズを殆ど除去したフラットなサウンド。ヨーロッパのレーベルでもあり得ない残響ゼロのスクエアな世界。

でも、それが不思議と頭に残る。

僕らは他には無いものを手にした時に、一瞬座り心地を確認したくなる。
でも、そこで何かと同じ座り心地がどこかに感じられたらインパクトは半減してしまう。
確かに何かに似ているけど、確実にそれとは異なる作用が無意識・故意を問わず働いている事が重要。

だからこの中村照夫ライジングサンを聴いた瞬間に、日本車の持つ存在感とピタリと一致した。

中村さんの音楽の背景には、当時僕も大好きだったマイルス・デイビス・バンドと同じ流れを感じた。
あの頃のニューヨークで息衝いていた一つのムーブメントをこれほど消化吸収した日本人がいる事を初めて知って嬉しくなった。

サウンドはどこまでもキャッチーで、かつ威圧感がない。
でも単にポップなだけじゃない。
思い付き的なポップ音楽ではなく、膨れ上がったジャズのジレンマを削ぎ落として生まれたポップ。
こういう形容がピッタリの音楽だと思う。

この流れが好きな人はブレッカー・ブラザーズらの70'sニューヨーカー・サウンドがこの中村さん達から発せられている事に気付くだろう。

ゾクゾクするようなベースのフィンガリングで始まる1曲目“Rising Sun”。
おお、来た、来た、キター!
そうジャズファンなら思うような出だしで始まるこのアルバム。

普通はそれがピークで後は裾野を広げる作品が並ぶものだが、このアルバムは続く2曲目の“Cat”でこの上なくキャッチーでポップな世界に展開する。
当時まだ二十歳にも満たない生意気なヴァイビストの玉子はこのアルバム構成だけで中村さんがタダならぬコンポーザー、プロデューサーである事を察知した。

叙情的な曲あり、ファンキーな曲あり、とおよそ当時知りうる世界のジャズの中の「潮流」をアルバム全体に散りばめた感じがアメリカ人には出来ない日本人によるジャズだな、とつくづく感心してしまった。

このアルバムで興味を持った中村さんの『Unicorn』というアルバムをもう一枚入手した。
それについてはまた日を改めて書くことに。

とにかく、この『RISING SUN』というアルバム。
何のストレスも無く聴ける超お薦めの当時のポップ・ジャズと言っていいと思う。
クルセイダースもヘッドハンターズも、このポップさでは足もにも及ばないと断言出来ます。

期せずして先週の木曜ブログで紹介したハンク・ジョーンズの『LOVE FOR SALE/The Great Jazz Trio』(ew/1976年)(http://sun.ap.teacup.com/vibstation/1224.html )も同じ1976年のニューヨーク録音。しかも日本人プロデュースによる作品。

アメリカのジャズ業界が衰退していた時に、ジャパンパワーがニューヨークで熱く燃えていた時代の記録かもしれない。
やはり日出国なのかな。


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チェキラ!
タグ: Jazz ジャズ CD



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