2010/3/12

続・曲を二度美味しくする方法・・メロディック・アナライズ+ハーモニック・アナライズ  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第百六十七回目の今日は先週の『曲を二度美味しくする方法・・メロディック・アナライズ+ハーモニック・アナライズ』続編です。

途中からの人はまずは先週の金曜ブログを読んでから。
http://sun.ap.teacup.com/vibstation/1230.html

せっかく昨日は寝台で戻って来て、清々しい朝の空気を吸って「これで夜型の返上」かと思いきや・・・
午後11過ぎにはモーレツな眠気で「一人時差ボケ」状態。
ハッ、と気がつくと午前4時にバーーーッチリ目が覚めて、、、どーよ。
どのみち今日からはまた夜型生活なので、、これでいいのだ!

先週取り上げたメロディー・アナライズによる調性判断とコードネームとの整合性を探る作業。
ピタリと一致している部分は「順当なコード進行」が選択されている証し。
逆にまったく一致していない部分は「コードサウンドによってドラマチックな流れを求めた部分」という作曲者の意図まで探れてしまうわけで、そういうところが演奏する側には興味深いわけです。

チック・コリアのこの曲(「LITHA」)の冒頭の一部分を使って説明しています。

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(クリックで拡大/以下同じ)

先週はこのメロディーが示す調性を判定し、その結びつきを探ってみました。その段階では各奇数小節-続く偶数小節という、二小節区切りの結び付きに目が行きました。
もちろんこれだけで演奏してしまうと「大いなる勘違い」。
でも、これが単なる失敗ではないので「一つの解釈の方法」としてインプットしておきましょう。

一番困ったのが3-4小節目の繋がり。

テーマのメロディーで見ると3小節目のCの音がどうしても気掛かり。
解釈としては次の4小節目のBbm7の前倒しという解釈で一応の結論付けに。

この部分が厄介なのは、この2小節間に出てくるメロディー音とコードトーンを集合させるとわかります。

[メロディー音]カッコ内は異名同音
F-G#(Ab)-A#(Bb)-C-D#(Eb)

[コードトーン]カッコ内は異名同音
F-F#(Gb)-G#(Ab)-A#(Bb)-B(Cb)-C#(Db)-D#(Eb)

もう読者は譜面がなくとも音を連想出来るレベルにあると思うので、このコードトーンを集合させた音列からは何調を連想しますか?

答えはGbメジャー(F#メジャー)。
BMaj7とBbm7が並んでいるなら、Maj7コードが探る調のトニック(IMaj7)かサブドミナント(IVMaj7)かを判定すると早いですね。
メジャーセブンス・コードは二種類ですからコードの根音(root)から第4番目に予想される音が連携するBbm7によって特に影響を受けるかどうかを探れば良いのです。
ここでは何も影響する音をBbm7のコードトーンが持っていませんから、この二つのコードトーンを並べた時に出来る半音の位置(この場合はF-Gb、Bb-Cbの二箇所)で調判定が出来ます。
従ってコード進行だけから判断すると、この部分は「一時的にGbメジャーに転調」しているように見えます。

しかし・・・・・メロディーにある「C」の音。
これはGbメジャーの調には存在しない「音」なのです。。

「えーい、それはチック・コリアがテーマの時だけに用意した音。だからインプロ(アドリブ)ソロの時はGbメジャーでいいの。」

ヲイヲイ! そんな無茶苦茶な屁理屈で押し通すなよ(笑)
明らかに御都合主義、ッス。ワンペナもんですね。

そこで、もう一つの「目」を持つと誤解や誤魔化しにさようなら、です。
そうそう、そこのキミ、今まで頑張ってたけど、これで楽になろうよ!

(2)ハーモニック・アナライズでメロディック・アナライズの欠点をフォロ

メロディーのアナライズは誰でも気軽にアナライズ出来るので得意な人が多いのは良いのですが、メロディーというのは強いようで意外と中間色っぽい要素も含まれていて、その解釈が人によってマチマチな結果になる、という欠点があります。
それは、その瞬間にメロディーと呼ばれるものはどんな大きなオーケストラであっても「たった1個の音」でしかないからです。

メロディーは横の流れ、とよく言われますが、あれがその性格を表す言葉でしょうね。
つまり「流れないとただの一つの音」でしかないのです。

それに比べるとハーモニーというのはメロディーのようにチョロチョロと動き回って目立ちませんが、メロディーを後ろで支えている「縁の下の力持ち」のような地味な顔をしていて、どうしてどうして決定的に「コレ!」という強い決定権を持っているんです。

そのハーモニーの繋がり方をメロディーの流れ(っぽい)動きで振り回されないようにするのがハーモニック・アナライズです。

もう一度曲の冒頭を出しますが、今度はコードの結び付きから小節の連携を考えました。

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メロディック・アナライズでは1小節目と2小節目、3小節目と4小節目、と言った具合に奇数-偶数という形でこの曲を捉えていました。
無理もありません、最初の小節からメロディーが始まれば素直にソコからメロディーの組み合わせを考えますって。

しかし、コード進行を見ると、1小節目のDMaj7と2小節目のC#m7は一見Aメジャーの調としてIVMaj7(DMaj7)とIIIm7(C#m7)のように見えますが、C#m7のメロディーにD#の音がある事で、この関係は不成立となります。
前々からコードスケールの重要性を説いているのもこういう時のためです。
従って、この曲の1小節目は独立したDMaj7、という事になり、そうなると注目するのは2小節目と3小節目の結び付き。

するとこれが見事に連携したBメジャーの調にいる事がわかるでしょう。
そうなると分析は早いもので、4小節目と5小節目と見ればAbメジャー。
これまで厄介だったBbm7のメロディー「C」の音も何の問題もなくAbMajに。

コードスケールでその整合性を表します。
このところ述べているように、コードスケールのスタート音は最初にスタートしたコードの音に近いレンジを選んで並べます。コードスケールを横の流れとして捉える訓練です。

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ココで注意すべきは、この曲には調号が振られていないので基本的には全て臨時記号で調を判定します。それは決して定型を持たず、常に次の調に向って転調する準備を行っている、という事です。

一つの例としてこの5小節目のAbMaj7があります。
このAbMaj7は調号が振られてない事、次に来るコードとメロディーには「Db」(11th)を示唆するものがない事、からAbメジャーに落ち着く事なく次の転調へ向けての準備が成されています。
従ってAbMaj7のコードスケールは#11thを含みます。
それはこの譜面での最終小節となるFMaj7に於いても同じで、調号が振られていないのでココのメジャーコードにも#11thが使われます。

このハーモニック・アナライズを使った簡単な練習例。
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調号を使わない曲の場合は、この見極めに慣れる為に様々な曲に触れる必要があります。

何事も発見とチャレンジの繰り返しですね。


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チェキラ!



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