2010/5/4

ルパン・ザ・ヴァイブ・・・追悼・松石和宏さん・・・  Final Cadence/追悼


ヴィブラフォン、又はビブラフォンに触れる機会があった人の中で、この人のあの演奏を聴いてvibraphoneを触った、という人は多いんじゃないだろうか。

いくら頑張って僕らがチマチマとジャズでヴィブラフォンをやっていても、この人のあの演奏ほど日本人の心にヴィブラフォンを焼き付けたものはないだろう。

それはヴィブラフォンが世界的に認知されたといわれるライオネル・ハンプトンの演奏する“スターダスト”にも匹敵するほど、日本人に愛された音だ。

ヴィブラフォンは松石和宏さん。
松石さんの名前はジャズや音楽業界の中では知られているが、一般には殆ど知られていないかもしれない。
その松石さんが4月30日早朝、病気の為永眠された。
享年62。
あまりにも早すぎる。
一昨日の夜、帰ったらピアノの市川秀男さんから留守電が入っていて、その訃報を知った。

松石さん最後の演奏の様子はコチラでサックスの清水さんという方が追悼で「新小岩チッピー」での演奏写真をアップされていました。
http://star.ap.teacup.com/verysaxy/319.html

その松石さんが演奏した曲こそが、、、、

テレビアニメ『ルパン三世のテーマ』に出てくる、あのヴィブラフォンだ。

ジャズピアニストの大野雄二さん作曲による同曲はいろんな人がカバーしているし、後年御本人もリメイク版をいくつか出されている。
しかし、決定的にみんなの記憶に残っている、あの、テレビ放映時代の「ルパン」と言えば、松石さんのヴィブラフォンだ。

中学くらいで吹奏楽部に入った人なら、きっと一度は演奏しただろうニッポンの大スタンダード。
ひょっとすると、それがジャズというものへの切っ掛けとなった人も多いかもしれない。

僕は天の邪鬼だったからそういう部活動とは無縁にヴィブラフォンをやっていたのだけど、テレビで毎週のように流れるビブラフォンの音は忘れるはずがない。

東京に出て来て、まだ右も左もよくわからない頃に、地方で知り合っていたギタリストの西脇さんの紹介で新宿にあったジャズクラブ“G7”に顔を出したのが松石さんとの初対面。当時、松石さんが毎日出演していたハコだった。

遊びに来た僕を歓迎してくれて「じゃ、君、演奏しなよ」と1st setからマレットを渡されてドキドキしたものだ。こちらは松石さんの演奏を聴きに行ったつもりだったのに、結局最終ステージまで殆ど僕が演奏するという一風変わった事態になってしまった。
休憩時間にいろいろと話をしてくれたのだけど、肝心の松石さんの演奏は殆ど聴けず終いだった。

松石さんの演奏は高校の頃に買ったベースの福井五十雄さんのアルバムで初めて聴いた。その時のピアノが市川秀男さんだった。
中でも市川さんのオリジナル曲“レディー・T”はお気に入りで、その曲が切っ掛けで市川さんのバンドの門を叩いた。
だから今でも市川さんのバンドで“レディー・T”を演奏する時は、いつもイントロのところであの松石さんの演奏が一瞬頭を過る。

覚えている同アルバムのライナーによれば、これが松石さんのジャズとしての最初のレコーディングとあった。
九州・佐賀の出身で、そのライナーからもわかるように、当時スタジオの仕事で多忙だった松石さん。「ルパン」もそんな中の一つだったのだろうけれど、これほど日本人の耳に慣れ親しんだヴィブラフォンの楽曲は無いだろう。

楽器の中ではマイナーな方のヴィブラフォン。
しかしこの松石さんの「ルパン三世のテーマ」によって、まぎれもなくメイン・インストルメントとして広く認知される事になったのは言うまでもない。

残念ながらスリーブラインドマイスはこのアルバムをCD化する事なくSONYに版権を売却してしまった。
こんな御時勢だから大手がリイシューする事などないだろうな。。

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『SUNRISE SUNSET/福井五十雄』(Three Blind Mice/1976年)

実家のライブラリーにあるLPをMDコピーしたものをiPodに記録している。
今夜は追悼の意味を込めて、小さな音量だけどスピーカーから2010年の5月の朝の空気に流そう。

心からのご冥福をお祈りいたします。

告別式は5月5日午前10時30分からとの事。

「ルパン三世のテーマ」をお持ちの方はその時間帯にそっと流して松石さんの御冥福を祈ってください。

さらば、Lupin the Vibes!


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チェキラ!



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