2010/6/21

レコーディングは「程よさ」の追求・・・  月曜:ちょっと舞台裏


先週は新しいバンドのレコーディングであっという間に過ぎて行きました。
レコーディングというのはライブと違って何度も繰り返し再生される大前提があるので「程よさ」というものが重要になります。

その「程よさ」というのもいろんな要素が複雑に絡み合って出て来るのであんまり欲張るとろくな結果になりません。

そういう意味でまだ若かった頃(笑)は、自分が思い描く通りのモノを100%リスナーの方々も求めているのだと思っていました。
だから現場での論争は正に「戦闘状態」になる事もあり、中には制作半ばにして意見が対立し中止したアルバムさえありました。

それを100%エゴととられてしまうと悲しいのですが、まだそのころは自分というものの評価を自分で下すだけの自信がなかったのかもしれません。
「戦闘状態」はある種の自己防衛、それに気付いた何人かのプロデューサーとは信頼関係を結ぶ事が出来たのですが、まぁ、万人にそれを求めるのは無理な話。

でもその頃から、例え意見の違う相手だとしても少しずつ相手というものを認め尊重するという事を覚えて行ったような気がします。
もしも、制作という現場に足を踏み込まずひたすら演奏だけを追い求めて行ったとしたら、この事に気付くのにもう少し時間が掛かったかもしれません。

録音されたものの定位の話ではなく、演奏する側の反対側から自分の音に触れられるのがレコーディング。それはステージでも生かされる事が多く、自分が右と思ったものは客席からは常に左にある、という単純な事に改めて気付かされるのです。
奥が手前で左が右。
客席から見るのと演奏する側から見るのとでは180度違うという事。

同じなのは上と下。
しかし残念ながらこの二つはあまり演奏とは関係が無い。(笑)

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今回レコーディングしたラフ・ミックス(まだ整音する前の録音したままの音で曲順も決まっていない)。
全8曲。
トータルで59分(これも整音前なので製品になる時は若干前後する)

アルバムの作り手として最初に決めるのが「重量感」。

僕は60分以内で計画した。
これはこれまでに自分が出したアルバムも含めて手にするアルバムで「程よい」と感じたものが全て60分を切っている事から。
ただし最大収録時間が46分だったレコード時代の作品は除く。

30分ではアルバムを聴いたという「程よい」重量感に足りず、かといって60分を超えるものは聴き通すのがかなり“しんどい”。

CDはその気になれば74分収録出来る仕様になっているけど、いわゆる記録データ的な内容のモノを除けばまるまる録音されているものは少ない。
もちろんCDの再生時間を決定する動機となったカラヤン指揮の「第九」を切れ目なく再生出来るというようなクラシックの楽曲もあるが・・・・

聴き手としてちょうど60分未満が「程よい」と思う。

今回は8曲で60分弱だ。
一曲平均7分前後と言ったところで、これはジャズのアルバムとしてはほぼ平均的なものだと思う。
問題はその演奏の重量感で、それぞれの曲のカラーや流れといったものが何かに偏ってしまうとその7分強や60分弱という時間が「重く」のしかかってしまう。

制作中、何に一番苦労するかと言えば、全部が揃った時点でのタイムラインの質感だ。

ここ最近の僕のアルバムは平均すると10曲で56分前後が多い。
今回はバンドがまだ新しく若いメンバーが揃っている(リーダーを除けばゲストも含めて平均年齢は26歳前後)事もあるけれど、フレッシュさが全編に生きているのであえて普段よりも長めの曲を選んだ。
そしてこの8曲を聴き通して「程よい」と思われる時点で録音を終了させたら、偶然にも59分に収まった。

アルバムの企画でも8曲、と記されているのだからまったくもって予定通りだ。
(本当はもう一曲考えていたのだけど現場判断でカットした)

さて、これからミックス(整音作業)の月末までに曲順を考えなければいけない。最終的には来月のマスタリング(プレス工場用のCD原盤作成)までで良いのだけど、それまでに別のアルバムのレコーディングやら何やらいろいろとあるので今から時間を見つけてはやっておかないと・・・

ともあれ、約60分という時間があっという間に感じられる演奏が収録出来たので、この「程よさ」をさらに生かす曲順をまるでパズルのように見つけ出さなければいけない。

あ、そう言えば・・・

アルバムなどでいつもお世話になっていたスイングジャーナルが今日発売号で一旦休刊に。

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『スイングジャーナル2010年7月号』

時代の流れとは言え、子供の頃からジャズの世界に入るまで参考書のように読んでいた雑誌にピリオドが打たれるのは寂しい。
むしろこういう専門誌は、これからの電子書籍時代にこれまで蓄積した情報が求められ、道先案内人の役割を果たす(ネットは情報は早いが誤報も多い)ものと思っているのだけど、まだそれをどのような形でビジネスとして成立させられるのかが見えない現状があるのは確かだ。

しかし、ここへ来て、まだ表紙がジョン・コルトレーン、特集がビル・エバンス、というのは、ジャーナルとしてどうなのかと思う部分もある。
昔のように読むべき記事が殆ど見られず、エバンスとコルトレーンというのは大好きだった雑誌だけにピリオドとしては不満が残る。若さを感じるジャーナリズムが本にないのだ。

そういったここ最近の姿から一気に飛躍して僕等をびっくりさせてくれる新生「スイングジャーナル」の誕生に期待してしばしお別れしよう。

ありがとうスイングジャーナル。


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チェキラ!



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