2010/10/18

『AXIS』の音が良いのはDSDレコーダーの威力・・・  月曜:ちょっと舞台裏


10月28日の発売に向けていろいろなところで少しずつ取り上げられ始めたニューアルバム『AXIS』。

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『AXIS/赤松敏弘』(vega/2010年10月28日発売)

先日の福岡や松山の公演では先行販売も行い、すでにお聞きになった方もいらっしゃる。
いろいろな感想をいただく中で、音楽の内容の他に今回は「音が良い」という意見が目立つ。

只今発売中の『ジャズライフ11月号』(2010年10月14日発売)のインタビュー(赤松敏弘:ジャズの未来を切り拓く新機軸はコードに頼らない音の存在だった/インタビュアー:富澤えいち)の時も、インタビュー前の雑談で開口一番に「今回の音、いいですねー。ヴィブラフォンの音とベースのガッツリ感がたまらないです」とインタビュアーの富澤さんやジャズライフのスタッフからお誉めの言葉。

誇張無しに言うと、それは僕もレコーディングしている時から感じていた。
しかし、それがゆえに、レコーディングの時に従来の経路の音(たぶんPCM録音)とDSD経路の音がヘッドフォンで混ざると「とんでもないタイムラグ」を感じてしまい「ずれてやりにくい」とチーフエンジニアに伝えて改善してもらったほどだ。
ヴィブラフォンはアタック音重視の楽器なので、そのアタックの瞬間の許容範囲は他の楽器と比べるとかなりタイトなのだ。

これまでのレコーディングでもマイクを変えるとモニタリングまでのタイムラグがマイクのメーカーによって異なるのもわかっている。ノイマンのマイクはその点が平均値にあるので音色はともかくも正確さの点では信頼している。

今回の録音に関するエピソードをひとつ。
レコーディングが終わってラフミックスを家に帰って流していた時のことだ。
僕の音に聴き慣れている家人がキッチンで料理の仕度をしていたのだけど、隣接するリビングのスピーカーでやや大きめにラフミックスを再生していたら・・・

家人曰く「楽器を弾いていたのかと思った」と。

我が家はリビングにもヴィブラフォンがあり、1曲目のイントロはヴィブラフォンだけなのでその後ドラムやベースが入ってくるまでの数小節間、家人は僕がそこにあるヴィブラフォンを弾いているのだと勘違いしていたのだ。

家人曰く「音、すごくいいねー」

もちろんこれはラフミックスの音。
この音のままCD化されれば、それはそれは幅広い音、臨場感にあふれた音、生き生きとした音がCDから飛び出してくるのだけれど、残念ながらこの後で(僕等の感覚では)音をスケールダウンして通常のCDプレーヤーで再生しても遜色ないようにマスタリングで「音を詰め込む」。

以前ビクターでxrcd24のマスタリングをしている時にxrcd開発者の方と話をしていて、彼がしきりに言っていたのが、「まだCDは持てる能力の半分も利用されていない。このままmp3などに移行するのはもったいないメディアなんです」と。その言葉が意味するのがこの「音を詰め込む」という間口の狭さ。この間口をもっと広げればCDはアナログと同等のなめらかな音まで到達すると誰の目にもわかっているのに、もう次のメディアの戦略に躍起。理由は書かなくてもわかるよね。

さて、その作業を経ても、今回の『AXIS』は音の色褪せが少ない。
これもマスタリング・エンジニアの石井氏の腕の素晴らしさがあるのだけれど、やはり元音がこれまでにない「鮮度」を保っていたからだと言える。

これまでにいろんな録音を経験してきた。
また、自分のアルバムも通常のCD(16ビット)のものからxrcd24による高音質盤(24ビット)まで様々。
この16ビットとか24ビットとかと言うのは、デジタル化された音の指針なのだけど、わかりやすく言えばインクジェットのプリンターを想像してくれるといい。

噴射ノズルに16個の穴が空いているプリンターと、同じく24個の穴が空いているプリンターとでは印刷物の仕上がりで繊細さに差が出る。噴射ノズルの穴が多いほうがより「なめらかな」印刷仕上がりとなる、あれと同じだ。ビットというのは点(それも四角い点と解釈すると尚わかりやすい)の事だから、点をたくさん使って形を表わした方が「なめらか」な表現が出来るわけだ。

しかし、音となるとそれが僕等の耳には「ギザギザ」に聞こえていた。
初期のデジタル録音ではその「ギザギザ」が空気振動をもデータ化してしまって、ヴィブラフォンのように空気振動が激しい楽器はピアニシモが「汚くなる」という大問題を抱えていた。
ある音圧以下の振動に対して、デジタル処理が「無音」と「有音」のどちらと解釈するべきか迷ってしまい、挙句の果てに「ジリジリ・・・」みたいなデジタル・ノイズを作ってしまったのだ。

1990年頃のレコーディングではこの現象がよく見られ、エンジニアの人もこちらも頭を抱えるシーンが多かった。

「CDは音がいい」なーんて嘘っぱちだ!
磁気テープ特有のヒスノイズが無いだけ・・・・・それが僕の正直な感想だった。

ピアニシモに弱いデジタル録音の有名な話。
あるジャズのバラードをCDで聴いたOLさんが「これ、音悪くないですか?。だってバラードの時にずーーっとノイズが鳴ってますよ?」と。

「え?ずーっと? そんんなはずは無いと思うのだけど・・・・」

「・・・え?でも、ほら!聞こえませんか?シーシーザーザーいってますよ」

(笑!!)

静かなバラードの時に、ドラムがブラシを使って演奏している。
彼女はそれを「雑音」だと思っていたのだ。

笑い話だけれど、確かにそのブラシの音は艶が無く、痩せ細ったカリカリの音になっていた。
オリジナル盤(LP)の音を知っていたので、確かにこりゃ酷い、と思った。

それから時代は進化し、デジタル録音もどんどん進化して我々の耳もデジタル音に慣れた事もあって、もう違和感を唱える人は、一部のコアなアナログ・マニアを除けばいなくなった。

今回の『AXIS』に関してもDSD(Direct Stream Digital)録音という新しいシステムをチーフ・エンジニアの今関氏が導入して、その成果がアルバムを聴いた人から寄せられているわけだ。

録音単位のビットという感覚を「小さな点の集合体」から「限りなく大きな1点」という発想に変換した理屈に近いと説明されたように記憶するが、そこのところは今関チーフ・エンジニアのブログに詳しいので興味がある人は彼の奮闘記(?)を読んでみてほしい。

今関チーフ・エンジニアのブログ→http://kunihirock.blog58.fc2.com/blog-entry-102.html

ちなみに彼のブログ・タイトル『E PRECISO PREDOAR』は(たぶん)ボサノヴァの曲名で、1976年のスタン・ゲッツとジョアン・ジルベルトの再会セッションで僕は初めて聴いた曲。
短いブリッジを持つ曲で大変気に入っていた曲なのだけど、本当に彼がその曲からインスパイアーされてブログのタイトルとしているのかどうかは定かではない。

だって、その話し、まだしてないし(笑)

それはともかく、

今関チーフ、あんたはエライ!!



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(速報)
■10月23日(土)NHK-FM【ジャズ・トゥナイト】23:00-25:00(DJ:児山紀芳)
楽器別特集「ヴァイブ界展望」でニューアルバム『AXIS』の曲が放送されます。
 乞うご期待!



■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)2010年10月28日発売
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)+佐藤浩一(p)+澤田将弘(b)+樋口広大(ds)=The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

只今先行予約受付中!(9/30現在)
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★11月4日(木)19:10- (3set) 2800円+オーダー
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★11月10日(水)20:00- (2set) 3500円
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★11月12日(金)19:30- (2set) 3000円
青山・外苑前『Z-Imagine』 予約03-3796-6757

出演:赤松敏弘The NewQuartet
    赤松敏弘(ヴィブラフォン)佐藤浩一(ピアノ)澤田将弘(ベース)樋口広大(ds)
    ゲスト:井上信平(フルート)11/4のみ


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