2011/2/4

リックはアイデアの導入部として活用するといい・・・・  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


今週は移動が多かったので後追い更新です。

毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
記念すべき金曜第二百二回目の今日は、前回の『スケールからコードサウンドを感じられるメロディーへ・・・』の続きです。

ココまでの金曜クリニックをご覧になりたい人は左のカテゴリー(またはこの記事のタイトル右側にある)「金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック」をクリック。この記事に続いて過去の記事全てを見る事が出来ます。チェキラ!

昨日のブログ( http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20110203/archive )のイントロでヴィブラフォンの世界に足を踏み入れるには三通りのパターンがある・・・と書いたら、「入口の違いで何か影響することはありますか?」というメールをいただきました。

一般論では、一番目に挙げた例は「ジャズが好き」という事でヴィブラフォンに到達しているように見え、二番目に挙げた例では「ヴィブラフォンやマリンバの音色が好き」という事が第一にあり、三番目に挙げた例では「アンサンブルや合奏に加わるためにヴィブラフォン」へ到達しているように見えます。

音楽的には、一番目に挙げた例の人は全体の音を聴く耳は優れているので楽器の演奏技術的な面を強化すれば良くなり、二番目に挙げた例の人は楽器の演奏技術は優れているので音楽全体を聴く耳と反射神経を養えば良くなり、三番目に挙げた例の人はアンサンブルの中での調和に関しては優れているので演奏で主張するとかアドリブにチャレンジするとかでさらに良くなります。

全てに言えるのは、天は二物を与えず、という事です。
自分が得意な部分を思いっきり伸ばしたら、次は苦手な部分の向上に着手せよ、という事ですね。

「音楽は数学ではない!」と言ってる人は、逆に数学に相当する事を学べば誰よりも秀でたものに触れられるし、「音楽は感情だけではない!」と言ってる人は情操的な表現を必要とする音楽の訓練を受ければ誰よりも優る音楽性を身に付けられます。「綺麗な音楽」で人を感動させたいのなら、主観的に「汚い音楽」とはどういうものかを知らなければならないし、「ドロドロの音楽」で人を感動させたいのなら「綺麗な音作り」を誰よりも知らなければならない。ただ綺麗なだけ、ただドロドロ・ギラギラしているだけでは人を説得させる音は生まれないのです。

ここでは多分に「数学的」な解説が含まれますが、音楽は数学で解明出来るものではありません。
しかし、例えば、あなたがリズムトレーニングをする時に、メトロノームやクリックを無視して「自分流」を貫いていたとしたら、共演者との共通言語(この場合は“拍”)を失っている事になります。
一生独りで演奏しつづけるのであればそれも理にかなうかもしれませんが、やはり人と同じテンポ感を養った上での演奏です。

「クリックは非音楽的だ」とか「メトロノームのような機械に頼ってはダメ」とかと否定するのは自己弁護にしか見えません。出来て当たり前、その上に音楽を載せればクリックやメトロノームも音楽の一部になるのです。
同じ事がコード理論にも言えるのですね。

さて、先週の続きです。
ここまで題材にしているのはクリフォード・ブラウンの急速調の曲“DAA HOUD”の冒頭の部分です。

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先週はテンポが速いと目まぐるしく変化するコードに翻弄されてそれがプレッシャーとならないように、一つのコードの時間を倍に延ばしたアルペジオを作ってみました。
その中で、コードのキャラクターを決定する一番重要な音、トライトーンを取り込む(意識する)練習例を掲げました。

頭の中で十分その「音」を感知出来ていると仮定して次に進みます。
今回は通常の尺に戻して目まぐるしく変わるコード進行を落ち着いてキャッチする方法についてです。

■まずはトライトーンを使ってリックを作ってみよう

短い節によるコード奏法(Lick)は、オーソドックスなバップスタイルの演奏によって奏法が確立されました。
今日のジャズ奏法の母体となったもので、ある意味「数学的」です。

この奏法の利点は、どんなコード進行に対しても一つの形(節回し)の応用が利く点、逆に弱点はあまり使い過ぎるとどの曲の演奏もワンパターンになってしまう点です。また、仕組みさえ把握出来れば誰がやっても同じフレーズが出来てしまうので個性がありません。
早くコードの流れに」「飛び込みたい」時には、取りあえず的なリックを組み立てつつソロのストーリー展開を探る時があります。
一番良いのは自分が思った通りの音を出す事ですが、なかなか一筋縄では行かない場合などはリックを「導入」の部分で使ったりします。

今回は単純に各コードを一小節内で完結する目標を立ててみます。
一小節内に二つのコードがある場合はトライトーンだけでそれらのコードを結んでみましょう。
一小節に同じコードしかない時はトライトーンを結んた後はコードスケール上のアヴォイドノート以外の音を足しましょう。

では、チャレンジ・・・

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(クリックで拡大/以下同じ)

ううん。。。
前半の四小節はバッチリですが、後半の四小節はなかなか一筋縄では行きそうにありません。
その原因は、前半の四小節はコードの変わり目に「半音」の繋がりによって次のコードの音に落ち着く形が出来ているのに、後半の四小節はうまく「半音」の結び付きがみられません。
また、せっかく「半音」で繋がっていても、コードトーンの七度に繋がるとあまり落ち着いた感じに聞こえなかったりします(6小節目)。

後半の四小節について考えてみましょう。

まず、第一の基本!!
問題の箇所(5 - 6小節目)のコードのコードスケールをアナライズしましょう。

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これまでの解説でコードスケールのアナライズは出来るものとして補足のみ記します。
Bb7(b9)はオルタード・ドミナントスケールではなく、スパニッシュ・フリージアンのアヴォイドノートを省略したものです。この経緯については2010年12月24日の金曜特集『(ますます)疑わしきは罰せず・・・オルタード・ドミナント・スケール(その2)』(http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20101224/archive )を参照。

このコードスケールからそれぞれのコードが「半音」で結ばれる箇所をピックアップ。
これがトライトーンで繋がれば最高の出来です。

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おお! 今回はきっちりとトライトーンが小節内で「半音」の繋がりを持っています。
ではこのラインをさっきのメロディーの部分に取り込みましょう。

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ナイス!

いい感じのラインでリックが出来ました。

でも、もっと「いい感じ」を目指してみましょうか。

このラインとリックでも不満はないのですが、メロディーが始まる位置をみると、ちょっと跳躍があり過ぎですね。この辺りはコモントーンの設定を思い出して実勢してもいい。

コモントーン→2011年1月14日の金曜特集『(年は明けても)疑わしきは罰せず・・・オルタード・ドミナント・スケール(その3)』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20110114/archive

ここではスタートする音を含めたメロディー・ラインの「形」を整形してみようと思う。

まずはメロディーラインとしてスタートする音の音域に目安をつける。小節単位又はメロディー単位でなるべく近い位置、というのが目安。
次に同じ小節内のコードに共有する音を設定する。

すると、次の音が候補となる。

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小節内のどちらのコードに対してもアヴォイドノートではない事、コードスケール上に存在する音である事、という条件を満たしているので、これらの音からメロディーを作ってみると・・・

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前半のメロディー・ラインとも揃っているし、これでひとまず基本的なリックを使ってメロディー・ラインの設定が行えた。
しかし、このままではあまりにもストレート。しかもシンプル。
人間少しは“飾り”がほしいものです。
では、このメロディー・ラインにどのような“飾り”が付けられるのか・・・

次回に続く。


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