2011/4/1

上達の秘訣は自分を大いに甘やかす事!・・・ソロにライン・クリシェを取り込む練習(その2)  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百七回目の今日は、前回3月4日の『上達の秘訣は自分を大いに甘やかす事!・・・ソロにライン・クリシェを取り込む練習(その1)』の続編です。途中からの人は前回から読んでくださいね。きっと途中からだとチンプンカンプンだと思う(笑)

→2011年3月4日ブログ『上達の秘訣は自分を大いに甘やかす事!・・・ソロにラインクリシェを取り込む練習(その1)』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20110304/archive


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東日本大震災が起こった3月11日以降お休みしていたレギュラープログラムも、先週末くらいから岩手、宮城、福島方面からのこのブログ常連さん達のアクセス復活がうかがえるようになったのでレギュラー(曜日毎の話題)に戻しました。

“おかえりなさい!”

さて、ビブラフォンやマリンバなど、音程がしっかりと区切られた鍵盤楽器では、「曖昧な演奏」は命取りになります。

インプロ、つまり即興のはずなのに、練習して、練習して、いつやっても同じことの繰り返ししか出来ずなんだか最初から「譜面に書いて作ったようなソロ」になってしまった最悪な状態もあれば、「取りあえずビール」みたいな感じのフレーズ(短い節)を繋ぎ合わせて急場を凌いでいるケースも、、、、

インプロをやるからには、音を出す側の責任があるわけで、その部分が「曖昧」なまま人前で演奏するのは危険ですが、アマチュアはもちろん、実はプロを自負する人でも意外とこの「曖昧さ」をそのまま放置して「自分でもヤバいと思いつつも日々の事で棚上げしている」人っているのです。

もう、インプロが特別な音楽表現という時代は終わりました。
今ではそれが標準となりつつあります。
「ソロの一つもサクサクッと出来んようじゃ仕事にならんよ」と。

考えてみてくださいな。
譜面に忠実どころかある程度の音楽性を加味したデータ入力が出来る現在の音源制作マニピュレートで、ローコストに仕上げられるCMなどの商業的音楽のエリアで、パソコンよりも優れた技能として残るのは「その場で」状況判断して音が出せる「即興的演奏」「即興的編曲」「即興的作曲」になるわけです。
パソコンもその辺りのデータをどんどん蓄積しているので、やがて「誰々風のソロ」とかとクリック一つで出来上がる時代になるかもしれませんが、まだまだ瞬時の人間の処理能力の方が上回っています。
パソコンの最大の欠点はデータを入力しないと何も起こらないという事。

この先の音楽産業で「即興」にまつわる能力が求められる度合いは増すばかりなのです。

さて、アントニオ・カルロス・ジョビンの超有名曲“WAVE”。
聴くと演るとでは大違いの代表のようなこの曲を素材に、コード譜に隠された数々の秘密について解説しています。

前回は「ザックリ」と、自分を大いに甘やかした練習方法を書きました。
苦手な部分を「一番簡単な解釈」で地固めしたわけです。
この部分、ちゃんと理解して、しかも練習して、意味がわかってないと今日述べる事がチンプンカンプンになりますよ(笑)。
しっかり復習してから次を読んでください。

■甘やかした部分にちょっとだけチェックマークを入れる練習

この曲のいくつかの喚問の中で最も大きなライン・クリシェをソロに取り込む練習。

ライン・クリシェがあるのは・・・

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この譜面の3〜4小節めの部分。
しかも、この部分のコードネームの「暗号としての意味」を解読出来なければ手も足も出ない。

これは「サウンドとしてのコード表記」の事例になるわけで、少し前にディミニッシュ・コードに関して「うかつにディミニッシュ・コードと解釈してディミニッシュ・スケールを適用しない事」について書いたのを思い出してほしい。
欲しいサウンドをコードネームで表わしたらディミニッシュ・コードだった、という部分が実に多いのがジャズのややっこしいところ。

参照2011年2月25日ブログ『ディミニッシュはドミナント・・・サウンドとしてのディミニッシュ』http://sun.ap.teacup.com/applet/vibstation/20110225/archive

それに続くのがこのようなライン・クリシェをコードネームでどのように書くか、という場面。
曲を作る側からすれば出来るだけ視覚的にパッとわかる単純な表記を選ぶ。

この箇所の場合、

F#13 - F#+7 - B9 - B7(b9)

と書いているが、実際には

F#7(13) - F#7(b13) - B7(9) - B7(b9)

と書いたほうが実用的。

( )カッコの中を見ればテンションがライン・クリシェを形成しているのがわかる。
しかし、これはコード理論もかなり整理された現在の書き方で、実際に「周知された」ブロックコードの形でライン・クリシェも含んだ「ヴォイシング」を素早く連想させるには先の書き方のほうがわかりやすかった時代もある。

ただ、いくらライン・クリシェがわかりやすいからと言って

F#6 - F#(-6) - B9 - B(-9)

という風な書き方はやめた方がいい。
6thという書き方は7thの存在を曖昧にする(7thなのかb7thなのかわからない)し、実際にメジャーコードで6thを用いる場合があるので混乱する。
F#13やF#9という書き方はドミナント・コードを大前提とした略式表示なので意味が異なるのだ。

さて、前回はこの部分のライン・クリシェを一旦破棄してF#7もB7もミクソリディアンに統一して練習する事を勧めた。
四拍の内の半分はコードスケールがそれぞれミクソリディアンであるので、まずは簡単な方から慣らしておく、という「甘やかし」作戦だった。

今回は前回の応用として一つだけライン・クリシェに沿った形にする。

復習になるが、この部分はハーモニック・クリシェとなっていて、以下のようにそれぞれのコードスケールを割り出した。

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練習の原理は前回とまったく同じ。
ただし、、、、

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演奏する三拍目の頭の音だけがHMP5(ハーモニック・マイナースケール・パーフェクトフィフス・ビロウ)のコードスケール上にある“アヴォイドノート以外の”音になるのだ。

単純に上行フレーズでそれを表わすと、

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F#7のコードスケールからビブラフォンの最低音域にある音(F#)から始めた場合は三拍目はHMP5コードスケールに沿うのでD=b13thとなる。
そのまま一番近いB7のコードスケール(当然アヴォイドノートは飛び越す)の音から始める(D#=3rd)と、二小節目の三拍目はB=root。

前回のミクソリディアンだけにした場合の練習と比べてみるとよくわかると思う。

下行フレーズでも検証してみよう。

F#7のコードスケールからヴィブラフォンの最高音域にある音(E=b7th)から下行させると・・・
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F#7の三拍目はG=b9th、そのままB7を一番近い音に繋ぐとF#=5thから始まる下行フレーズとなり、最後はHMP5のb7thに。

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これはミクソリディアンの時と同じこの練習の為の正誤表だ。
この音から始めればこの音で終わらなければ途中の何処かでミスをしている、という事になる。
自分で自分をチェックするのに使うといい。

「大いに甘やかす」が「やる事に妥協は無し」というのが鉄則。

前回のミクソリディアンで地固めした部分の最後の1音だけHMP5に沿わせる、というものだけど、実際にはb9thとb13th以外は共有する音なので、root、3rd、5th、b7thはミクソリディアンと変わらず、11thは両者ともアヴォイドノートというのも同じだ。

最初はHMP5を意識するのにプレッシャーがかかるかもしれないが、慣れてしまえばb9thとb13thだけを三拍目以降気にするだけ、という「楽〜」な気持ちのチェンジでライン・クリシェをソロの中に取り込む事が可能となる。

(続く)




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