2011/8/5

転調感をジョン・コルトレーンで学ぶ・・・・  金曜:vibraphoneやmarimbaの為のジャズクリニック


毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。
金曜第二百二十四回目の今日はコード奏法編『転調感をジョン・コルトレーンで学ぶ・・・・』というお話しです。

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先週のこの時間は突然のエアコン昇天大騒動でお休みになりましたが、ちゃんと復帰です。

ビブラフォンの弟子達と話しているといろんな話題が飛び出して来て飽きません。

弟子達もセッションに出掛けるといろんな人と会うようで、まぁ、セッションというのはそれぞれの楽器の弟子達の社交場でもあり、遊び場でもあるわけですから、いろんな話しが飛び出して来るようです。
もちろん演奏に関する事が中心ですが、習う段階で正確に把握した話しから、中途半端に理解している事やら、思いっきり勘違いしている事など、「どこでどうすればそんな事になっちゃうかなー」的な、後になったら笑い話になる事が氾濫。(笑)

ある弟子がセッションでチック・コリアの有名曲「スペイン」の話しになったそうだ。
管楽器と話していたら、「えっ!? なんでそこのGMaj7に“C#”が入るの?」と質問されたようだ。

「ほら、いつも君に言ってる事じゃないか。ちゃんと説明は出来たか?」と僕。

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スペイン。もはやミュージシャンズ・スタンダードから一般のスタンダードの仲間入り。

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どうやら、このソロパートの冒頭のGMaj7の事らしい・・・

「え〜、だから、、この、調号がですねぇ、そのぉ、シャープが二つ」と弟子。

「そう。もっと自信を持って説明しなきゃ。ようするに・・・この曲は何調なのか説明すればいいんだよ」

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この曲はBマイナー。

「きっとその人はGMaj7で使えるフレーズでソロを考えていたんだろうな。ついつい調号を見落としたまま。」
「はい、たぶん」

そんな会話は日常茶飯事。
何度も繰り返して徐々に感覚が磨かれる。
やがて、そんな事をいちいち気にしなくても自分で自然にコードスケールを探り当てる事が出来るようになるよ。頑張れ。



ジョン・コルトレーンの音楽を知っているだろうか。
ビブラフォンやマリンバをやっている人で、コルトレーンの音楽に挑戦する人は少ないかもしれない。
それは楽器の特性にもよるかもしれない。
管楽器のようにアーティキュレーションでモチーフやフレーズを立体的に表現しにくい点と、ピアノのように右手をフォローする左手というものが楽器としてなかなか音域的に難しい点など、趣向以前にマレット族が手を出しにくい要因もなくはない。

でも、いわゆる「スピリチュアル」に走る前のコルトレーンの音楽は実に面白い研究素材だ。
この夏はちょっとコルトレーンに挑戦してみようじゃないか。

少しジャズをかじった人の中には「コルトレーンは難解な音楽」という先入観を持つ人がいないわけでもない。
確かに単純ではない部分もあるが、それはただの先入観に過ぎない。
だって、そんな難解なモノが多くの人々に多大な影響を与えるはずがない。
マレット族であっても、チャレンジする価値はあるゾ。

何よりもコルトレーンの音楽には“愛”がある。
変な意味に捉えてほしくないのだけど、ただ難解なモノを自己満足に掲示するだけのモノとは違う、音楽に対する“愛”があると思う。それが無ければ世の中に星の数ほどある「ただの難しい曲」で終わってしまう。

まずは客観的に曲を観る事から始めてみよう。

■ハーモニー感覚に優れた曲から学ぶ

ジョン・コルトレーンはトランペットのマイルス・デイビスと同じくハーモニー感覚に優れた管楽器奏者だった。
それは彼が残した曲を手に取るとすぐにわかるはず。

今回は彼の初期の傑作、“Moment's Notice”を取り上げてみた。

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クラシックで言えば、ストラヴィンスキーがその代表格なのだけど、1900年代に生まれた先進的な音楽家のスコアは実にシンプルだった。そのシンプルな譜面がパーツで集まると、とんでも無いエネルギーを発散させる音楽になる。どのようにハーモニーを配置すれば効果が出るかを知っているから無駄が無かったためだ。

コルトレーンの譜面も難しそうには見えない。いや、テーマのメロディーだけなら誰でも弾ける。

「難しい」という先入観を捨てるために、こんな譜面を用意してみた。

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(クリック、開いた画像をさらにクリックで拡大/以下同じ)

コードを取り除いてみたら本当に超が付くほど簡単なメロディーなのだ。
これなら小学生でも弾ける。
それくらい「自分を甘やかす」レベルでこの曲に接してほしい。

これだけシンプルなメロディーだから、数回弾けばどこで展開が起こっているのかも感じられるだろう。

このシンプルなメロディーにコルトレーンはこんなハーモニーを付けた。

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本来の調(Ebメジャー)のダイアトニックなコードだけにこだわらず、メロディーの音が共有出来るコードを並べて一つの流れを作っている。そこで起こる一時的な転調が、この曲をスリリングにするのだけど、実はこのコード進行は美しさの点でも際立っている。
ただスリリングにしただけではなく、美しさも兼ね備えているところに、コルトレーンの音楽に対する“愛”を感じる。

だからこの曲、ゆっくりとバラードで演奏すると実に美しい。

さて・・・

ちょっと遊んでみよう。
メロディーはそのままに、自分でコードの流れを作ってみよう。

僕はこんな感じ・・・

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このシンプルなメロディー故に、ハーモニーで遊んでみる事も出来る。
もしも、コルトレーンが生きていたら、この譜面を持ってコルトレーンのところへ遊びに行ったかもしれない。(笑)。

「難しい」という先入観を捨てるためなら何だって試す価値がある。

では改めてオリジナルのコードチェンジを見てみよう。

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■譜面は左から右に読むだけではない

さあ、オリジナルのコードチェンジとなると転調の連続だ。
ちょっとジャズの勉強をした人なら、コードの連結に「II-V」、つまりIIm7-V7という調性を誇示するユニットがたくさん並んでいるのにお気づきだろう。

「ふぁ〜、だからコルトレーンは大変なんだってばさー」

そんな嘆きが聞こえて来そうだ。(笑)
でも、ちょっと発想を変えてみようよ。

譜面を、もっと遠巻きに眺めてごらん。
何か気付かないか?

コルトレーンはこの曲に何か法則を持っていないか?

左から右に小節ばかり追っていたら気付かないゾ!

こんな風に見るとどーよ。GOOD!

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スラッシュのある小節だけ見てごらん。
それぞれにIIm7-V7-IMaj7ってすごく簡単に調性を持たせてる。
このユニットの前後に一時的な転調のユニットを並べているわけよ。

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各段1小節目と4小節目はII-Vによる一時的な転調ユニット

で、この曲の最後を観てほしいのだけど。

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実際の譜面にはこのような記載がある。(Fm7 | Bb7)

もしもユニット毎の連携を意識するなら、この一時的な転調ユニットは1小節目起点ではなく、4小節目を起点として次の段の1小節目に繋がっていると解釈するといい。

これらを使ってインプロの練習に入ってみよう。

(1)調性が明確な部分だけ演奏する(各段2-3小節め)
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安定した調の中に簡単明瞭なモチーフを導入してみる。
最初のモチーフが出来たら、次の段の調に移調する練習を兼ねる事。(最低でも1コーラス間は継続)

実に簡単。
移調奏の練習だ。次々にIIm7-V7-IMaj7でモチーフを作って各段毎に移調、の繰り返し。

(2)転調の連続をペンタトニックで凌ぐ(4小節目〜次段1小節目)
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調性に素早く順応出来るペンタトニックのリックを使って転調感を体得する。

(3)両方を合わせてウォーミングアップ
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これらをただ練習するだけではインプロにはならないので、(1)と(2)の譜面のスラッシュの部分に自分のソロを導入して練習すれば効果的だ。

この夏は、転調感という演奏感覚をコルトレーンの音楽から学ぼう。

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やるぞ!ジャズプロ!
出るぞ!スペシャル!
今年は大トリ、応援宜しくデス
GOOD!

今年も開催決定。
日本最大級のジャズフェスティバル、

【横濱ジャズプロムナード2011】

2011年10月8日(土)〜9日(日)
横浜市内各ホール、ライブハウス、ストリート会場など連日100ステージ超、毎年10万人を超える観客で横浜の街がジャズに染まる二日間。

■フリーパス各種

<前売券>
10月8日券:ひとり券@4,000円,ペア券@7,500円
10月9日券:ひとり券@4,000円,ペア券@7,500円
10月8日・9日両日券:ひとり券@7,500円

<当日券>
ひとり券 5,000円
みらいパス(中学・高校生)1,000円 ※要学生証
小学生以下 無料

チケットぴあ、ローソンチケット、e+(イープラス)等の各種プレイガイド、横浜市内文化施設等で販売予定です。

全体のタイムスケジュール、チケット情報等は横濱ジャズプロムナード2011の公式ホームページへ。
★最新情報 : ホール会場スケジュール(7月29日現在)

♪ 今年のテーマは『 ありがとう 』です。
お客様、出演者、協力各団体、運営ボランティア、
多くの方々から思いが集まり、無事に開催することができることに、
今年は、より一層の感謝の気持ち込めて、お届けします。

今年は以下のプログラムで出演します。

出演日時:10月9日(日)19:20〜20:20
会場:関内ホール(小ホール)
出演:赤松敏弘(vib) vs 道下和彦(g) & ユキ・アリマサ(p)
    TWIN DUO × TRIO


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左から : ユキ・アリマサ(p) 赤松敏弘(vib) 道下和彦(g)


今年の横濱ジャズプロムナードでは、赤松のデュオ・プロジェクト20周年を記念した、特別な二つのデュオと滅多に聴けないvib+g+pianoによるトリオをプログラムしました。


★赤松・道下デュオ
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赤松敏弘(vib)道下和彦(g) 1991年8月東京・千代田区/一口坂スタジオ

赤松・道下デュオは、日本のジャズ界が活性化していた1991年、当時の新進若手ジャズメン10組をピックアップしたファンハウス(現・Sony Music Entertainment Inc.)のアルバム『NOW'S THE TIME WORKSHOP』(二枚シリーズ)で、当時率いていたバンドA-Projectと共に紹介されてデビュー。
この写真はその収録時に収録現場だった一口坂スタジオで撮った宣材写真。ある意味ココだけのお宝(爆)。それにしても二人とも若い!(笑)
以来、全国津々浦々に出没してから早二十年。
デュオはその後バンドへと発展し、やがてそれぞれの道を進むようになり、今回約十年振りの再会が実現します。横濱ジャズプロムナードへのこのデュオでの出演は94年(第二回)の、はまぎんホール以来17年振り。

試聴赤松・道下デュオ“TRITON”1991年8月録音/同年11月リリース)


★赤松・アリマサDUO
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ユキ・アリマサ(p)赤松敏弘(vib) 2007年4月東京・世田谷区/クレッセントスタジオ

赤松・アリマサDUOは2000年の『NEXT DOOR』(Vega)でアルバム・デビューし、その後『Six Intentions』(2002年/Three Blind Mice)、『Still On The Air』(03年/同)、『Synergy』(05年/Vega)、『Tide Graph』(07年/同)と赤松のアルバムの中の要所要所で取り上げてきたマスターズ・デュオです。
横濱ジャズプロムナードへのこのデュオでの出演は、08年の横浜情報文化センターホール以来三年振りになります。

試聴赤松・アリマサDUOサンプル演奏(2005年4月録音/同年6月リリース)


横濱ジャズプロムナード2011の詳細は公式ホームページ http://jazzpro.jp/index.php へ!

お見逃しなく!


ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)2010年10月28日発売
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

New Album『AXIS』は全国の有名CD店のほか、ネットショップでも好評発売中!
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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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【動画】と【試聴】世界のヴィブラフォン奏者と素晴らしい音楽仲間へ直結!
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そして、コチラはオフィシャルサイト
■赤松敏弘Vibraphone Connection

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SoftBankの方はコチラの赤松音源で
≪着JAZZ!≫
 メニューリスト>着うた・ビデオ・メロディ>着うた>Jazz・クラシック・ワールド
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≪着JAZZ!フル≫ メニューリスト>着うたフル>洋楽・Rock・Club
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