2011/9/8

この明るさは他には無いゾ!・・・ジョージ・ウォーリントン  木曜:Jazz & Classic Library


今年の春の事だった。
気晴らしにYoutubeを観ていたらビブラフォンの大御所、テリー・ギブス氏のビッグバンドでの演奏を見つけた。
昨年5月30日のロサンジェルス・ジャズフェスティバルのもので、元気にスインギーな演奏を繰り広げている。

若き日のテリー・ギブス(vib)氏。実は女性ピアニストTerry Pollardとのヴァイブ・バトルが面白い動画なのだけどね。彼女はビブラフォンも達者で、このパフォーマンスは素晴らしい。


昨年のビッグバンドでの演奏はコチラ↓


さて、ビブラフォンのテリー・ギブス氏の事がメインではないのだけど、ちょっと紹介しておきたかった。

と、いうのも、今日取り上げるのが、そのビッグバンドで演奏されている曲“Godchild”の作曲者でもあるからだ。


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『JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE/George Wallington』(prestige/1956年)

ピアニスト、コンポーザーのジョージ・ウォーリントンは途中でジャズ界を引退してしまった事で有名(変な事が有名になる世界だ)なのだけど、1980年代になってカムバックしている。
諸説いろいろあるが、ジャズ界に嫌気がさしてビジネスマンの世界へ行ってしまったというのが定説だ。

Youtubeでテリー・ギブス氏が演奏している“Godchild”は、そんなウォーリントンの作品の中でも特に有名な曲で、今日でもビッグバンドやコンポでも演奏されているようだ。

さて、そんなジョージ・ウォーリントンを知ったのは、1970年代にトランペットのドナルド・バードのヒット作『BLACK BYRD』(blue note/1972年)を買って興味を持ち、彼名義のアルバムを何枚か買った時にサイドメンの作品としてこのジョージ・ウォーリントンのアルバムも買っていた。
これをサイドメンの代表としたのには、アルトサックスにフィル・ウッズが入っていた事が大きい。
中学時代にフィル・ウッズのヨーロピアン・リズムマシーンがお気に入りだったからだ。

さて、ドナルド・バードのヒットアルバムは完璧なJAZZ FUNKのアルバムだったので、初期のアルバムとのギャップが大きすぎて当初はあまり聴かなかった(笑)。
ただし、このジョージ・ウォーリントンのアルバムは、なぜか聴いていた。

それから四半世紀は軽く過ぎた昨年、たまたまCDショップで見つけて、懐かしさから購入した。



ジョージ・ウォーリントンは、なぜジャズ界に嫌気がさしたのだろう?
改めて買ったCDでこのアルバムを聴く時に、ふと、思った。

それと同時に、「なんでこのアルバム聴いてたんだろ?」。

それもちょっぴり思い出してみた。

ジョージ・ウォーリントンの代表作と言うと、「カフェ・ボヘミア」でのライブ盤が有名なのだけど、僕にはちょっぴりギラギラしすぎて合わなかった。

このスタジオ録音のほうか好きなのだ。

メンバーは、

Donald Byrd(tp)
Phil Woods(as)
George Wallington(p)
Teddy Kotick(b)
Arthur Tayler(ds)

1.Our Delight
2.Our Love is Here to Stay
3.Foster Dulles
4.Together We Wal
5.What's New
6.But George

1956年1月20日ニュージャージーで録音

録音はブルーノート・レーベルの一連作を手がけたヴァン・ゲルダーによるもので、ニュージャージーの彼のスタジオで録音されている。

パッと見てメロディーが浮かぶのは2曲目“Our Love is Here to Stay”と5曲目“What's New”くらいだ。ビーバップ好きの人なら1曲目のタッド・ダメロン作“Our Delight”も入るかな。

ともかくオールド・ジャズの代表のようなサウンドが聴ける。

ジョージ・ウォーリントンは優れたピアニストである、といろんなところで書かれているのだけど、例えばこの時代の衝撃とも言えるバド・パウエルのような鬼気迫る演奏ではないし、フィニアス・ニューボーン・jrのような天才肌と超絶技巧の持ち主でもない。いわばピアノは「標準」と言ってしまえるかもしれない。
ただし、そんな彼がピアノトリオで発表している作品は、かなり過激な表現にチャレンジしていて「標準」などと形容していたら罵声を浴びせられそうだけど・・・・

なにが特徴かと言えば、彼が白人である事だ。
ビーバップはバド・パウエルもそうだし、フィニアス・ニューボーンjrもそうなのだけど、主たるピアニストはみんな黒人なのだった。
そんな肌の色で音楽を分別するもんじゃない、と、お叱りを受けるかもしれないが、音楽には少しだけ国境があるものなんだ。その国境が音楽を益々魅力的にしてくれる。
そんな風に考えると、突然白人の彼がピバップの中に登場するというのも、なかなか越境していて興味深いし、それが独自の音楽と結び付くわけだ。

だから、逆に、彼が白人であった故に僕はこのアルバムは聴きやすかった。
中学の頃、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピー、バド・パウエルを聴いて、まぁ、それらのアルバムに添えられるエピソードに翻弄されたせいもあるが魅力的ではあるがあまり明るい音楽には聴こえなかった。

それがこのウォーリントンはとにかく、明るいのだ。
その明るさというのが、当時の僕にはブロードウェイのミュージカルのような明るさに聴こえた。

表舞台の輝きとか、明るさ、そんなものがアルバム全体から漂っていた。

特に印象的だったのが4曲目“Together We Wal”。
なんか、たった二管しかいないのに、気分はビッグバンドのような、それもブロードウェイのミュージカルのようなアップテンポでテーマからして「騒々しくも華やか」だ。
フィル・ウッズは当時チャーリー・パーカーに心酔していたようで、アーティキュレーションが全てバード・コピーなのだけど、やはり明るい。それに続くウォーリントンはバップフレーズを出すのだけど、テンポがギリギリで途中ソロは難航を極める。しかし何とか光が差して来て無事にベースへとスイッチする。
こんな風にハラハラドキドキの演奏でも、ちっとも卑屈な音が聴こえないのだ。

この明るさはなんだろう?

ジョージ・ウォーリントン当時32歳。
この世界ではこれから面白くなる時期だ。

ストリングス編成を使った詩的なアルバムもリリースしている。
貴重な音源がYoutubeにあって、僕は初めて聴いたけど、とてもバランスの良いサウンドにこの人のサウンド感覚の良さを見る思いがする。

Invitation(1954年)


それが突然、引退してしまった。

ひょっとすると、この明るさがジャズ向きではなかったのかもしれない。
それこそブロードウェイのミュージカルとか、スクリーン・ミュージックとか。。

しかし、そちらへ進むよりもリタイヤを選んだウォーリントン。
何となくそれもわかるような気もするが、カムバックしたところを見ると、当時よっぽど腹の立つ事でもあったのではないかと・・・・勘ぐってしまう(笑)

美しいバラードでトリオかと思ったら最後にフィル・ウッズが出て来る“What's New”、最後にメンバー全員がリレーするフィル・ウッズ作“But George”。
アルバムの最後まで明るさが保たれたままだ。

「オレ、自分がやりたい事が出来ないのなら、何もしないほうがいい」

ビジネスマンへと転身した時に、ひょっとしたらそう思っていたのかもしれないね。

ともあれ、このアルバム、時代的にも録音技術的にもモノラルでセピア色に染まりそうなはずなのに、なぜかカラーなんだよ。


やるぞ!ジャズプロ!
出るぞ!スペシャル!
今年は大トリ、応援宜しくデス
GOOD!

今年も開催決定。
日本最大級のジャズフェスティバル、

【横濱ジャズプロムナード2011】

2011年10月8日(土)〜9日(日)
横浜市内各ホール、ライブハウス、ストリート会場など連日100ステージ超、毎年10万人を超える観客で横浜の街がジャズに染まる二日間。

■フリーパス各種

<前売券>
10月8日券:ひとり券@4,000円,ペア券@7,500円
10月9日券:ひとり券@4,000円,ペア券@7,500円
10月8日・9日両日券:ひとり券@7,500円

<当日券>
ひとり券 5,000円
みらいパス(中学・高校生)1,000円 ※要学生証
小学生以下 無料

チケットぴあ、ローソンチケット、e+(イープラス)等の各種プレイガイド、横浜市内文化施設等で販売予定です。

全体のタイムスケジュール、チケット情報等は横濱ジャズプロムナード2011の公式ホームページへ。
★最新情報 : ホール会場スケジュール(7月29日現在)

♪ 今年のテーマは『 ありがとう 』です。
お客様、出演者、協力各団体、運営ボランティア、
多くの方々から思いが集まり、無事に開催することができることに、
今年は、より一層の感謝の気持ち込めて、お届けします。

今年は以下のプログラムで出演します。

出演日時:10月9日(日)19:20〜20:20
会場:関内ホール(小ホール)
出演:赤松敏弘(vib) vs 道下和彦(g) & ユキ・アリマサ(p)
    TWIN DUO × TRIO


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左から : ユキ・アリマサ(p) 赤松敏弘(vib) 道下和彦(g)


今年の横濱ジャズプロムナードでは、赤松のデュオ・プロジェクト20周年を記念した、特別な二つのデュオと滅多に聴けないvib+g+pianoによるトリオをプログラムしました。


★赤松・道下デュオ
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赤松敏弘(vib)道下和彦(g) 1991年8月東京・千代田区/一口坂スタジオ

赤松・道下デュオは、日本のジャズ界が活性化していた1991年、当時の新進若手ジャズメン10組をピックアップしたファンハウス(現・Sony Music Entertainment Inc.)のアルバム『NOW'S THE TIME WORKSHOP』(二枚シリーズ)で、当時率いていたバンドA-Projectと共に紹介されてデビュー。
この写真はその収録時に収録現場だった一口坂スタジオで撮った宣材写真。ある意味ココだけのお宝(爆)。それにしても二人とも若い!(笑)
以来、全国津々浦々に出没してから早二十年。
デュオはその後バンドへと発展し、やがてそれぞれの道を進むようになり、今回約十年振りの再会が実現します。横濱ジャズプロムナードへのこのデュオでの出演は94年(第二回)の、はまぎんホール以来17年振り。

試聴赤松・道下デュオ“TRITON”1991年8月録音/同年11月リリース)


★赤松・アリマサDUO
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ユキ・アリマサ(p)赤松敏弘(vib) 2007年4月東京・世田谷区/クレッセントスタジオ

赤松・アリマサDUOは2000年の『NEXT DOOR』(Vega)でアルバム・デビューし、その後『Six Intentions』(2002年/Three Blind Mice)、『Still On The Air』(03年/同)、『Synergy』(05年/Vega)、『Tide Graph』(07年/同)と赤松のアルバムの中の要所要所で取り上げてきたマスターズ・デュオです。
横濱ジャズプロムナードへのこのデュオでの出演は、08年の横浜情報文化センターホール以来三年振りになります。

試聴赤松・アリマサDUOサンプル演奏(2005年4月録音/同年6月リリース)


横濱ジャズプロムナード2011の詳細は公式ホームページ http://jazzpro.jp/index.php へ!

お見逃しなく!


ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




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■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)2010年10月28日発売
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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チェキラ!
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タグ: Jazz ジャズ CD



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