2011/10/6

あまりにもジャズ喫茶で有名だったアルバムって持ってないもんだよ・・・  木曜:Jazz & Classic Library


ジャズ・フルート + ハービー・マン + ビブラフォン
この三つのキーワードで連想するアルバムと言えば・・・・

僕の世代から下では『メンフィス・アンダーグラウンド』となって、お相手のビブラフォン奏者はロイ・エアーズだ。
しかし、僕の世代よりも上の人は『ヴィレッジゲートのハービー・マン』となって、お相手のビブラフォン奏者はハグード・ハーディになる。

ただし、僕は小学校の時からジャズを聴き始めたので実年齢よりもずっと「耳年寄り」なんだけどね。


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『AT THE VILLAGE GATE/Herbie Mann』(atlantic/1964年)

1.Comin' Home Baby
2.Summertime
3.It Ain't Necessarily So

Herbie Mann (fl)
Hagood Hardy (vib)
Ahmad Abdul-Malik (bass)
Rudy Collins (dr)
Ray Mantilla (conga, perc)
Chief Bey (African perc)

guest : Ben Tucker (bass)

1962年12月・NYジャズクラブ「ヴィレッジゲート」にて録音

さて、僕がジャズを聴き始める切っ掛けとなった実家の1Fのテナントに入ったジャズ喫茶(正確には夜は酒を出していたからジャズバー)の換気扇から漏れ聞こえて来た「ジャズ」の中でも、最初に覚えたのがリー・モーガンとハービー・マンでした。
もちろんアート・ブレイキーやマイルス・デイビスなんかも覚えていたのですが、直接的に自らLPを買ってみようと動機付けになったのはやはりモーガンとマン。

リー・モーガンは「サイドワインダー」、ハービー・マンは前出の「メンフィス・アンダーグラウンド」でした。
もちろん小学生がこれら“怪しい音楽”のアルバムタイトルや演奏者名を知る由もなく、いくら相手が店子とは言え、小学生の分際で客として店に出入りしてあれこれと聞けるはずもなく、近所の商店街のレコード屋で売り場の担当者に向かってそれらのメロディーを歌って探り当てるという芸当をするのが関の山。
いや、芸当というほどの事もなく、それらのメロディーは超シンプル。だから小学生にだってすぐに歌えたわけだ。

お目当ては「サイドワインダー」はそのものだったけど、ハービー・マンのほうは紆余曲折(?)を経て辿りついた。ハービー・マンと言うよりもギターのラリー・コリエル目当てだったくだりはホームページの「音楽体験記」に詳しく書いた通りだ。( http://www.vibstation.com/ )

その、コリエル目当てのアルバムが流れ出す前に、よく耳にしていた、もう一つの“笛”の曲。
それこそが、このアルバムの1曲目でもある“Comin' Home Baby”だった。

やはり、これも超シンプルで覚えやすい曲。ハービー・マンはたぐい稀なメロディー・メーカーだったわけだ。
そんな経緯があってかどうかはわからないが、ハービー・マンっ子で始まった僕のジャズ履歴にこのアルバムが加わったのは随分経ってからで、決して夢中になる種のアルバムではなかった。

『メンフィス・アンダーグラウンド』は1969年発売のアルバムでジャズ&ロック、R&B、と言った当時のポップカルチャーを色濃く反映したアルバムで、ゲイリー・バートンのバンドで名を馳せたギターのラリー・コリエルはもちろん、もう一人のアヴァンギャルド的なボトルネック奏法を武器とするギタリスト、ソニー・シャーロックの参加(実は彼はレギュラー・メンバー)も刺激的、さらに早弾きのビブラフォン奏者ロイ・エアーズに、これまた話題のベーシスト、ミロスラフ・ヴィトウスが参加して、さらに当時のR&Bサウンドのメッカでもあったメンフィスのミュージシャンを集めて現地で録音した、というまさに話題“てんこ盛り”のアルバムだった。

それに続くライブ盤は西海岸のフラワームーブメント・カルチャーの中心地「ウィスキー・ア・ゴーゴー」での録音でコリエルの替わりにサックスのスティーヴ・マーカスが加わり、エアーズ、ジャーロックの演奏が片面1曲ずつで炸裂するという流れ。

この流れを先に知ってしまった僕は、それらと比べると遥かに“緩〜い”ライブ音源のこのアルバムには触手が動かなかったとしても仕方なかった。
1Fのジャズ喫茶から漏れ聞こえて来る音源で十分だと思った。
すっかり覚えちゃったし、、、ってね。

時間は流れ、有にジャズと出会ってから恐ろしいほどの時間が経った昨年、ハービー・マン没後にパラパラと見掛けていたアトランティック音源がプックパッケージにまとめられていたので購入したら、このアルバムもオリジナルのまま入っていたのだ。

当時あちこちのジャズ喫茶でも流れる事が多かったアルバムは聞いて覚えるか、行ってリクエストするかで自分で持っていないものだ。
だから、この「アルバム」は、ちゃんと雑音無しに、正式に聴いたのは21世紀も10年を経た時だった。

“Comin' Home Baby”はベースのベン・タッカーの作品と言うのは知っていたが、このアルバムの録音に本人がわざわざゲストで参加していたとは気が付かなかった。
曲自体超シンプルなので、わざわざツイン・ベースにするほどの曲とも想像出来なかったのだけど。。
ライブ録音とは言え、一日数回のセット、あるいはアメリカのジャズクラブの常であるようにウイークリーな連日の出演から同一曲のテープをいくつか繋いで編集しているように聞こえる。あるいは一部カットしたりの編集かもしれないが。

実に「覚めた」客席だ。
この「カミン・ホーム・ベイビー」と言う曲が流行ったのは、このハービー・マンのアルバムの功績と言うよりも、翌年(62年)に歌詞をつけてメル・トーメ(Mel Torme)が唄ったアルバムがヒットチャートの50位圏内に入ってからなので、このライブの時(61年12月)に観客の何パーセントがこの曲聴きたさに足を運んでいたかは定かではありません。

ソロはマンのフルート、続いてカナダ出身のビブラフォン奏者ハーディの短いがスピード感のあるソロ、次に作曲者でもあるベースのタッカーのソロと続く。
聴き応えの点で言えば、ベースのベン・タッカーのソロが一番シリアスで僕は好きだ。いや、この人、かなり先進的なベースを弾く人なんですね。

で、

レコードで聴いた時、つまり小学生の頃に換気扇から漏れ聞こえていた状態や、ジャズ喫茶のかなり年季の入ったレコード盤やオーディオシステムで聴いた記憶では、今のCDとは比べ物にならないほど「ノイズ」が多かったせいか、客席の「覚め具合」がこんなに克明に聴こえていたとは思わなかった。
もっと盛り上がっていめ風に記憶していたのだけど、ずーっとザワザワと話し声は絶えないし、食器のカツンというノイズなど、まるで緊張感のないホールの空気が聴こえてくるのだ。

飯と酒目当てに店に来たら、なにやらフルートがやってるな、、、程度の雰囲気だ。
かしこまったり、かまえたりする空気は皆無。
だから演奏も、全然緊張感が無い。
つまり、リラックスしていると言えばいいか。

二曲目“Summertime”、三曲目“It Ain't Necessarily So”とガーシュイン・ナンバーが続く。
この二曲は普通の編成、つまりベースは一人だ。ヴァイブのハグード・ハーディはマレット・ダンプニングを使ってパーカッション的な効果を出している。

一向に盛り上がらないステージ(もちろん“ブラボー!”と叫んだりする一部の客はいる)と、話に夢中になる客席。きっと食事でお腹が満たされて、お酒がまわって来たのだろう。
このチグハグな空間をライブと呼ぶべきかどうかに迷いはあるものの、これをアルバムというパッケージングで見事に仕立て上げたハービー・マンの才覚にはやはり敬服する。

一番盛り上がっているのは三曲目のセットだ。
もちろん客席の数もそれ以外のセットよりも多い事は、客席のノイズからもわかる。
6/8の曲でソロはオープンになるのだけど、こういう場合演奏者の体内時計は無意識のうちに偶数小節を一つの周期(パルス)として繰り返しているものだ。

ここでも最初の内はそうなのだけど、フルートのソロが佳境に入る頃からベースのアーマド・アブダリマリクがこのパルスをどんどんロストする方向へと持って行く。もちろん本当にロストするのではなく、6拍子をある時は9拍で区切ったり、3拍で区切ったり、とパルスを変形させて行くのだけど、ヴァイブのソロに入る頃にはどこが頭かかなりアバウトになっているようにも聴こえる、つまり遊び過ぎたか!?(笑)

変形したパルスも気にせず演奏しているとやがて新しいグルーヴを感じ始めたようで、それが妙に新鮮。
そのままベースソロへと入って行く流れは実にスリリングで面白いのだけど、ずーっと同じコードばかり続いてベースのソロまですでに10分は経過しているとなれば、客席はだらけてしまうというもの。
ステージでは実に面白い音楽が生れそうになっては消えて行っている瞬間なのに残念ながら客席はおしゃべりに夢中。
(たぶん)椅子に座っているのに飽きた子供がステージの前のほうで“かぶりつき”になっている風だ。

ベースソロの後はアフリカン・ドラムやパーカッションのソロ。
そんなに鬼気迫るようなソロでもないのに、随分客席が沸いて来る。

なんだかステージで“リンボー・ダンス”でもやっているような、そんなパフォーマンス系の拍手が聴こえる。
ナントこれ一曲に20分。
70年代のマイルス・デイビス・バンドのライブでさえ連続演奏と言っても1セットに4〜5曲はやっていたから、これが如何に長いか、、。

それにしても不思議なのは、僕はこの曲の演奏の記憶が殆どない。
聴こえていたのだろうか?

あ、LPだ。!

当時この曲はB面だ。

だからジャズ喫茶で「カミン・ホーム・ベイビー」が聴こえて来ても、A面が終わったら、すぐに次のアルバムがかかっていたわけだ。
従って、僕が知る限りの場所では、A面だけかけてB面はみんなスルーしていたらしい。

個人的には、意外と面白いと思うB面なのですが・・・・。

当時はわからなかったジャズクラブシーンの事を知ってから聞くと、こんなに「覚めた」空間での演奏だったのかと驚くのだけど、それをレコードという音源再生メディアで「どのように聴かせるか」を考えたハービー・マンは凄いと思った。

視覚的要素を捨て去り、聴覚的要素に特化して面白い部分をまとめて僕らを「わくわく」させたのだから、この人は1962年の段階でクリエーター的な才覚を遺憾なく発揮していたのだと思う。
ある意味、恐怖の密室芸人的センスに溢れていたのかもしれないが、そこのところにピンと来て小学生のアンテナがキャッチしたのかどうか、ちょっと振り返りながらもう一度聴いているところだ。


やるぞ!ジャズプロ!
出るぞ!スペシャル!
今年は大トリ、応援宜しくデス
GOOD!

今年も開催決定。
日本最大級のジャズフェスティバル、

【横濱ジャズプロムナード2011】

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2011年10月8日(土)〜9日(日)
横浜市内各ホール、ライブハウス、ストリート会場など連日100ステージ超、毎年10万人を超える観客で横浜の街がジャズに染まる二日間。

■フリーパス各種

<前売券>
10月8日券:ひとり券@4,000円,ペア券@7,500円
10月9日券:ひとり券@4,000円,ペア券@7,500円
10月8日・9日両日券:ひとり券@7,500円

<当日券>
ひとり券 5,000円
みらいパス(中学・高校生)1,000円 ※要学生証
小学生以下 無料

チケットぴあ、ローソンチケット、e+(イープラス)等の各種プレイガイド、横浜市内文化施設等で販売予定です。

全体のタイムスケジュール、チケット情報等は横濱ジャズプロムナード2011の公式ホームページへ。
★最新情報 : ホール会場スケジュール(7月29日現在)

♪ 今年のテーマは『 ありがとう 』です。
お客様、出演者、協力各団体、運営ボランティア、
多くの方々から思いが集まり、無事に開催することができることに、
今年は、より一層の感謝の気持ち込めて、お届けします。

今年は以下のプログラムで出演します。

出演日時:10月9日(日)19:20〜20:20
会場:関内ホール(小ホール)
出演:赤松敏弘(vib) vs 道下和彦(g) & ユキ・アリマサ(p)
    TWIN DUO × TRIO


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左から : ユキ・アリマサ(p) 赤松敏弘(vib) 道下和彦(g)


今年の横濱ジャズプロムナードでは、赤松のデュオ・プロジェクト20周年を記念した、特別な二つのデュオと滅多に聴けないvib+g+pianoによるトリオをプログラムしました。


★赤松・道下デュオ
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赤松敏弘(vib)道下和彦(g) 1991年8月東京・千代田区/一口坂スタジオ

赤松・道下デュオは、日本のジャズ界が活性化していた1991年、当時の新進若手ジャズメン10組をピックアップしたファンハウス(現・Sony Music Entertainment Inc.)のアルバム『NOW'S THE TIME WORKSHOP』(二枚シリーズ)で、当時率いていたバンドA-Projectと共に紹介されてデビュー。
この写真はその収録時に収録現場だった一口坂スタジオで撮った宣材写真。ある意味ココだけのお宝(爆)。それにしても二人とも若い!(笑)
以来、全国津々浦々に出没してから早二十年。
デュオはその後バンドへと発展し、やがてそれぞれの道を進むようになり、今回約十年振りの再会が実現します。横濱ジャズプロムナードへのこのデュオでの出演は94年(第二回)の、はまぎんホール以来17年振り。

試聴赤松・道下デュオ“TRITON”1991年8月録音/同年11月リリース)


★赤松・アリマサDUO
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ユキ・アリマサ(p)赤松敏弘(vib) 2007年4月東京・世田谷区/クレッセントスタジオ

赤松・アリマサDUOは2000年の『NEXT DOOR』(Vega)でアルバム・デビューし、その後『Six Intentions』(2002年/Three Blind Mice)、『Still On The Air』(03年/同)、『Synergy』(05年/Vega)、『Tide Graph』(07年/同)と赤松のアルバムの中の要所要所で取り上げてきたマスターズ・デュオです。
横濱ジャズプロムナードへのこのデュオでの出演は、08年の横浜情報文化センターホール以来三年振りになります。

試聴赤松・アリマサDUOサンプル演奏(2005年4月録音/同年6月リリース)


横濱ジャズプロムナード2011の詳細は公式ホームページ http://jazzpro.jp/index.php へ!

【横濱ジャズプロムナード2011・会場MAP】(クリック、さらに画像をクリックで拡大)
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お見逃しなく!


ガンバレ東北!

がんばろうニッポン!




只今絶賛発売中!
■New Album『AXIS/赤松敏弘』(VEGA)2010年10月28日発売
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VGDBRZ-0044/3.000円(税込)

赤松敏弘(vib)The NewQuartet
guest:森川奈菜美(vo)

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どうぞご利用ください。

CDレビュー→http://www.jazzpage.net/rireki/cd/akamatsu_axis.html

CDレビュー→http://www.jazzfusion.com/cd2010/axis.htm

CDレビュー→http://artist.cdjournal.com/d/axis/4110091003

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タグ: Jazz ジャズ CD



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